∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part23∧∧
『山中の廃病院』
221 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/10/31(月) 21:07:47 ID:joz1r2Z+0
友人の話。
彼の家近くの山中には廃病院がある。
といっても残っているのは基礎だけで、よくそこを散歩するそうだ。
ある日、地下に降りる階段を見つけた。瓦礫で巧妙に隠されていたのだ。
降りてみると途中から日の光は届かなくなっており、眼下は真っ暗。
更に降りようかどうしようか迷っていると、ふっと空気が生暖かくなった。
同時に、饐えたような臭いが地下の闇中より上がってくる。
この下で何か死んでる?
次の瞬間、いきなり下の方からけたたましい吠え声が聞こえてきた。
階段一杯に反響する、おびただしい犬の声。
物凄い勢いで、階段を彼の方へ駆け上ってくる。
必死で階段を駆け上り外に飛び出した途端、声はふっつりと聞こえなくなった。
何かが追ってくる気配も既に感じられなくなっていたという。
今でも散歩は続けているけど、件の階段には近よらないよ。
そう言って彼は笑っていた。
『得体の知れない物』
227 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/11/01(火) 20:55:21 ID:kCazRrAc0
知り合いの話。
幼少時、実家の裏山で得体の知れない物を見たという。
山道を歩いていると、すぐ目の前を黒くて長い物が通り抜けたのだ。大きい。
蛇がするように横方向に見をくねらせながら、あっという間に藪の中へ消え去る。
それが通り過ぎた道の上には、粘液を思わせる光った筋が残されていた。
幸運だったのかどうか、彼の方にはまったく興味を示さなかったという。
家に帰ってから、父親に見たことを報告した。
「鰻だろう。あいつら川から川へ移動する時、地の上を這いやがるんだ」
縄をなう手を休めずに、平然と親父さんは答えた。
釈然としない彼はこう付け加えてみる。
「僕よりずっと大きかったんだけど・・・」
親父さんは生真面目な顔で頷きながら断言した。
「大鰻だったんだな」
この話題が続くことはそれきりなかったという。
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