∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part23∧∧
『歌いだす』
198 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/10/28(金) 19:22:03 ID:PNIY4EKH0
後輩の話。
部活で山を縦走していた時のこと。
行程の内で、腑に落ちない地形が一ヶ所あった。
なぜか緩やかな場所を外して、傾斜がきつい所でキャンプすることになったのだ。
少し離れた位置に、快適そうな広いなだらかな地形が見えていたのに。
また、そちらの方が水場にも幾分か近い。
なぜあっちで野営しないんですかと尋ねてみた。
質問に対する先輩の答え。
あそこでキャンプすると火が使えないんだ。
いや違うよ、火気厳禁とかそういうんじゃない。
炊事とかである大きさの火を起こすと、すぐにその火が歌いだすんだ。
女の鼻歌みたいな感じで、言葉とか何言っているのかはわからない。
ま、気にしなければハイそれまでよってくらいの話なんだけどな。
・・・聞いてみたいな、一回くらい。
ちらっとそう思ったらしいが、いまだ実行できてはいない。
『燃える籾殻』
208 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/10/29(土) 21:14:56 ID:wl5xELYR0
友人の話。
彼女の実家は山村で米作りを営んでいる。
稲刈りも終わった頃、畦横の水路を掃除していた時のことだ。
作業している彼女の背後では、山と積まれた籾殻が燃やされていた。
燃やすといっても炎を上げて燃やすのではなく、線香のようにゆっくりと数日間かけて灰にするのだそうだ。
スコップと土嚢袋を手に掃除をしていると、場違いな声が背後から聞こえた。
あぁ~~ぁ ふぃ~~ぃ
まるで中年男性が、風呂に肩までつかった時のような、気持ち良さ気な声。
ぎょっとして振り返ってみたが、薄い煙を上げる籾の他は何も見当たらない。
気にしないことにして作業に戻ったが、その後も同じ声を何回か耳にした。
何かが暖を取っていたのかな? そんなことを考えた。
以来、毎年籾殼に火を着けるたびに、その声を思い出すという。
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