∧∧∧山にまつわる怖い話Part22∧∧∧
『蛇の尻尾』
629 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2005/09/21(水) 22:21:55 ID:zkGvOJiq0
朝方、男が山で草を刈っていると、
目の前の斜面に、今にも巣穴に入ろうとして蠢いている蛇の尻尾が見えた。
いたずら心で尻尾をグイっとつかんで引っぱり出そうとしたが、
蛇の力が思いのほか強いのか、力を込めて引いてもビクともしない。
だんだん疲れて来たので手を離すと、途端に尻尾は穴の中に入ってしまった。
何となく損をした気分を抱えたまま、作業を再開しようとした男が頭を巡らせると、
いつの間にか日はとっぷりと暮れて、辺りの景色は闇に包まれようとしていた。
驚いて手荷物のところへ戻ってみると、持って来た弁当が空っぽになっていた。
『炭の掻き出し』
630 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2005/09/21(水) 22:23:35 ID:zkGvOJiq0
炭焼き職人の手伝いで、釜に入って炭を掻き出した時のこと。
炭の粉で全身真っ白になった職人の顔のあたりに、
そこだけポツリと浅黒い肌が覗くように、小さな手の跡があった。
「最初の子だ。4つで死んじまったがな…」
ボソリと呟いた職人は、なかなか顔を拭おうとしなかった。
『山小屋のツララ』
631 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2005/09/21(水) 22:25:54 ID:zkGvOJiq0
その山小屋には、冬になると巨大なツララが出来るのだが、
時折、その中に薄桃色の桜の花びらが閉じ込められているそうだ。
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