【怪奇】山の怖い話【超常現象】その弐
http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/out/1478693438/
545 :底名無し沼さん:2017/04/14(金) 12:13:58.79 ID:tJ6cn8ip.net
こんな話もある。
昔のことだが場所はひかえる。
利発な友人は、趣味を活かして山を登って、山である調査をするバイトをしていた。
その日もいつもどおり麓の集落の道を通って山に登った。
途中、道沿いに何軒か民家があったが、そこの人たちが異様に敵対的。
会うと逃げる;物陰から睨む;子供が逃げる;遊んでいる子供を大人が連れて逃げる、散々な対応だった。
嫌な感じがして、彼は先をいそいだ。
その日の仕事を終えて、調査本体と合流するために登ってきた道をおりてきた。
「また、あんな対応を受けるのかな?嫌だな」と考えながらおりていると、途中から体の調子が悪くなってきた。
体がいたい、息切れがする、貧血気味だ。
彼は下山を急いだが体調はどんどん悪くなっていき、その集落に着く頃には歩くのもつらくなった。
助けを求めるために最初の家(一番山側)を訪れたが応答なし。家の中に人は居そうなのに。
次の家をやっとのことで行ったら、
庭で農作業をしていた人たちが彼をみとめると、いきなり家の中に入って玄関をピシャリと閉めた。
546 :底名無し沼さん:2017/04/14(金) 12:16:48.50 ID:tJ6cn8ip.net
彼は、玄関まで這うように行って声をかけた。
「すみません、体調が悪いのですが、ちょっと休ませてください。水をいただけませんか。電話をかしていただければと・・・」
応答なし。少しして、「出ないぞ!」という男性の怒号が。
利発友人は、やっとのことで玄関の戸を叩いた。「おねがいしま~す」
「この人、違うんじゃない、違うわ」という女性の声がして、戸が開いた。
そこで朦朧となったそうだが、つぎに意識がはっきりすると座敷に寝かされていた。
その家の人はとても親切だった。「いやいや、悪かったね~。誤解してたわ」彼らはバツが悪そうだった。
曰く。この集落には、一人の男が二年に一回くらい下から登ってくる。
彼は、いつも同じ服と装備で「あなたにそっくり」、「いや、あなただ」。
友人は面食らった。ここは初めてだった。
続けて言うには。それはそれでいいのだが、その後が問題だ。
あなたそっくりの登山者が来た後は、その集落か、あるいは、その周辺の集落の人がかならず一人死ぬ。
それが続くので怖くなって、その人が来ると皆、避けるようになった。
547 :底名無し沼さん:2017/04/14(金) 12:18:00.29 ID:tJ6cn8ip.net
その登山者は、登ってはいくが同じ道をおりてこない。
彼らは、その男に挨拶をして、やんわりと問いただしてみようともしたが、まったく無反応で無視される。
手のほどこしようがない。
これが、登る時に友人に示した態度の理由だった。
その後、彼は集落の人の軽トラックに乗せてもらって、近くの大きな駅まで送ってもらった。
次の日、雇用者(会社)に尋ねたが、「そんな話は聞いたことが無い」。
その日の彼の体調不良は、後に、彼に大変なことももたらすのだが、それは関係のない話だ。
次の記事:
『黒い雲のような塊』
前の記事:
『残置ハーケン』