∧∧∧山にまつわる怖い話Part19∧∧∧
『嫌な噂のあるトンネル』
225 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/04/30(土) 23:48:59 ID:DS9n/wPu0
知り合いの話。
彼女が子供を連れて実家に帰った時のこと。
途中の山道に、地元では嫌な噂のあるトンネルがあるのだという。
そういうことをまったく信じない彼女は、気にすることもなくトンネルに乗り入れた。
いつもと同じ、何も不具合など起こらない。
ただ、トンネルの天井にある電燈が、一箇所だけ暗くなっていたのが気にかかった。
はっきりとは見えなかったが、壊れてでもいるのだろうか?
そのままトンネルを出たところ、娘さんがじぃっと後ろのトンネルを見つめている。
どうしたの?と聞くと、こんなことを言う。
「あのね、天井に、黒いお婆ちゃんが張り付いてたの」
一瞬で思いは例の電燈に結びつき、背筋に冷たいものが走った。
「そのお婆ちゃん、変なんだよ。私を見てニヤニヤしてるんだもの」
とは言え他の道がある訳でもなく、今も里帰りの際はそのトンネルを利用している。
ちょっと嫌なんだけどね。そう言って、彼女は顔をしかめた。
『綱紐』
242 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/05/02(月) 02:35:54 ID:M88qJaLw0
同僚の話。
山中で測量をしていた時、不気味な物を見つけて腰を抜かした。
谷の間に綱紐が長く渡されて、そこに人の首が何個もぶら提げられていたのだ。
勇気を振り絞って調べに近寄ると何のことはない、すべてマネキンの首だった。
「まったく趣味の悪いことをする。心臓に悪いじゃないか!」
よく見るとその一角は、かなりの範囲が綱紐によって四角形に囲まれていた。
首で結界を張っているようにも見える。何かのお呪い(おまじない)だろうか?
事務所に帰ってから上司に報告すると、あっさりと言われた。
「そりゃぁ猪除けだよ。あの辺りじゃ昔からやってるとこが何軒かあるな」
他の同僚にも同じことを言われたが、彼は浮かない表情だ。
「だって囲まれてた中は、明らかに畑なんかじゃなかった。普通の森だったんだ。
それにな、ある一方向の首に限ってだけど・・・皆ズタズタにされてた。
猪がそんなことするかな・・・」
彼が次にそこを訪れた時には、既に怪しい結界はなくなっていたという。
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