∧∧∧山にまつわる怖い話Part18∧∧∧
『山道で首吊り死体が見つかった』
360 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :05/03/09 21:25:21 ID:3FIsyBdx0
知り合いの話。
彼の父がまだ幼い頃、村外れの山道で首吊り死体が見つかった。
壮年の男性で、間違いなく村の者ではない。
骸を引き取りに行った青年たちが、口を揃えておかしなことを言ったという。
曰く、遺体を枝から降ろそうとした時、何か抵抗しようとする力を感じたのだと。
強い力ではなかったが、ちょっと山の方へ引っ張られるような気がしたらしい。
それを聞いた大人たちは、皆が皆、次のように呟いたのだという。
「逃げられなかったんだな」
お父さんは大きくなるまで知らなかったが、その道を更に奥に進むと小さな集落に繋がっていたそうだ。
十人足らずの本当に小さな集落で、住民は引きこもりのような状態だったらしく、まったく外との交流はなかったという。
遺体を返しに行った村人たちは、ただ引き渡したと言った後は口を噤んだ。
今思えば、村側もその集落とは関わり合いになりたくない雰囲気だったらしい。
お父さんが村を出るまでに、いつの間にか件の集落は廃れて無くなっていた。
住民がいつ、どこに去ったのか、誰も知らない。
『彼女が里帰りした時』
369 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :05/03/10 22:28:11 ID:CiBZrTcS0
友人の話。
彼女の実家は山深い小さな村だ。
里帰りすると、決まってある現象が起こるという。
玄関の鍵は螺子を回して閉める昔ながらの構造なのだが、
彼女が泊まった翌朝、必ずその鍵の芯棒がひん曲がっているのだ。
幼い頃は気にしていなかったが、成長していくにつれ、さすがに何かおかしいと思うようになった。
お祖父さんに聞いたところ「山の神サンが妬いていなさるんサ」と返ってきた。
どうやらその村の山神様は女性のようで、
里に若い女性の客人が来ると、それが悔しくて悪さをするのだ、ということらしい。
「今は軽くなって良かったサ。
儂の母ちゃんが輿入れてきた時は、屋根引っ剥がされたりしたもんだ。
山神サンが落ち着いたんか、それとも力が無くなったのかわからないけどな」
お祖父さんはそう言って呵呵と笑った。
最近に里帰りした時も、山神様は健在だったそうだ。
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