∧∧∧山にまつわる怖い話Part13∧∧∧
『仙人』
155 :右手 ◆lemRS1HFjw :04/09/27 13:32:40 ID:RM9Djmie
都会を引き払い、山村に住んでおる友人にひさびさにあった。
バリバリの営業マンだった彼は今、昼は畑仕事をし、夜暗くなる頃には寝る。
そんな暮らしをしている。
随分と変わったなぁとしみじみ話してると、いやぁ仙人にはかなわないぜと言う。
仙人というのは村の外れにある小山に引き篭もってる人で、
時折薬草や山菜などを売りに降りてくる以外、接触を避けている人だという。
友人は、俺こないだ仙人が狸と話してるのみちゃったと言う。
しかも仙人が話してると、俺にも狸が何言ってるかわかっちゃった、と。
何言ってたんだと聞くと、
『人間は本当にこわいねえ、俺の親父の皮目当てで狩りに来る』とかそんなことをぼやいてたと言う。
仙人も人間なんじゃ?と聞いたら、いんや、仙人は仙人だろう、人の格好をした別もんだとおもうな、と。
どうも友人は何か悟ってしまったようだ。
そう思った。
『山深い川で岩魚釣りをした』
156 :右手 ◆lemRS1HFjw :04/09/27 16:34:30 ID:RM9Djmie
いつだったか忘れた昔に体験したもの。
銀山行にある山清流で、岩魚釣りをした。
山深い川なので、他に人もなく釣っていたがふと、川上からなにかが近づいてくる。
それは襦袢を着ただけの若い女だった。
女は薄笑いを浮かべ、こちらを見据えたまま直立不動で流れていった。
こりゃ忌しいモノを見たなと思い、あわてて竿を収めて引き下がった。
良くやっかいになる麓近くの宿女将にそんなモノを見たと話した。
灰塩を掛けてくれながら、それあんまし人に話さんほぅがいいといわれた。
次の記事:
『小さな海辺の町で生まれた』
前の記事:
『低木の細い幹の根本』