∧∧∧山にまつわる怖い話Part12∧∧∧
『山道の真ん中に女が一人』
968 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/22 22:19:16 ID:BU7fbjBy
聞いた話
夕暮れ時に山を下っていると、山道の真ん中に女が一人佇んでいるのが見えた。
こちらに背を向けてうなだれている。
暗くなりかけているので、声を掛けたものかどうか戸惑いながら近づいた。
寄ってみると、女がうなだれている訳ではないことに気付いた。
首から上が無いのだ。
本来首の付け根がある辺りには、黒髪の束と、その真ん中から何かの芽が一本生えている。
不気味だったが、引き返すわけにもいかず、できるだけ女の方を見ないようにして、道端を足早に通り過ぎた。
翌朝同じ道を登ると、昨日女の立っていたあたりに大きな木が生えていた。
何かと邪魔になるが、気味が悪くて未だに切り倒せないのだという。
『鉈』
970 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/22 22:20:18 ID:BU7fbjBy
聞いた話。
男が植林したての斜面で下草刈りをしていると、目の前に抜き身の鉈が落ちてきた。
拾い上げてみると柄のところに自分の名前が彫ってある。昨年山で失ったものだった。
周囲に人の気配は無かったが、刃は見事に研がれていて、放置されていたとは思えない。
持ち帰って使ってみたが、どれだけ乱暴に扱っても刃こぼれする事はなく、
年月を経ても、ずっと切れ味が変わることはなかった。
しかし、男が死ぬと、鉈はいつの間にか無くなってしまった。
『足の裏』
971 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/22 22:21:11 ID:BU7fbjBy
聞いた話。
Fさんは松茸採りの名人だ。落葉に埋もれている松茸も簡単に見つけてしまう。
松茸ばかりではない。筍や自然薯、松露、果ては温泉まで。
Fさんが「此処にある!」と指摘した場所を掘ってみると大抵出てくる。
「足の裏で見るんだよ。感触とかじゃなくて、本当に『見える』んだ 」
Fさんはタバコを吹かしながら事も無げに言った。
「だけどな、時々イヤなもんまで見えちまう。小さい子とかさ、結構埋まってるんだぞ」
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