∧∧∧山にまつわる怖い話Part12∧∧∧
『ぺっ!』
262 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/09/02 01:51 ID:Rp9kktpI
先輩の話。
インターハイ大会が北海道で開かれた時のこと。
彼は天気図担当の選手として、大会に参加していたという。
大会最終日、只一人テントに忘れ物を取りにいった。
誰もいないテント村を小走りに進んでいると、人影に気がついた。
見知らぬ女性が一人、設営地の外れに佇んでいる。
ちょっと言葉で表現できない、変わった暗い色の服装をしていた。
挨拶して通り過ぎようとすると、彼女はいきなり「ぺっ!」と口から何か吐き出した。
ギョッとする彼をまったく気にも留めず、女性は悠然と森の中へ消えた。
恐る恐る、彼女が吐き出した物を見てみた。
何かの動物の毛玉のようだ。
大きさは違うが、まるで梟のペリット(※消化されずに口から吐き出された (吐き戻し)もの)のようだったという。
皆に合流してから話したが、誰も取り合ってくれない。
ただ部長だけが「それってカムイかもな」と相手にしてくれたそうだ。
『人参を食べさせた』
263 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/09/02 01:52 ID:Rp9kktpI
知り合いの話。
家族でキャンプに行った時のこと。
カレーに入れる野菜を刻んでいた彼女は、娘の姿が見えないことに気がついた。
立ち上がって名前を呼ぶと、少し離れた木立の間から娘が出てくる。
一人で奥に行っちゃ駄目だよ!と叱ると、娘はこう答えた。
「お馬さんに人参上げていたの」
見ると、娘は小さな手に人参を持っていた。
人参には大きな歯型が残されていたが、彼女にはそれが馬のものかどうか皆目わからなかった。
娘によると、頭上の葉々の中から長い首を伸ばしてきた馬がいたのだという。
首が長いのならキリンさんじゃないの?と尋ねながら、
我ながらおかしなことを聞いているなと、ぼんやり思ったそうだ。
しかし、娘は頑固に「あれはお馬さんの頭だった」と繰り返す。
彼女の娘が人参を食べさせたものは、一体何だったのだろう。
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