【嫁が】釣り場であった怖い話 7夜目【怖えぇよ】
100 :名無しバサー:2007/03/19(月) 05:00:37
夜中すっとばして、いま某ダムに着きました。
が、なんかイヤな感じがするので準備もせず板みてます。。。
車の外に出たくない、出ちゃいけないような気が。
何かあったらまた書きますね
111 :100です:2007/03/19(月) 12:39:54
結局ビビって帰ってきました。
霊をみたとかはなかったんですが、怖いと言うか不思議なことがありました。
そもそも今回の釣行にでるときからの話しなんですが、
昨夜(今朝?)行ったダムは、ツレと前々から行ってみたいと計画していた場所でした。
なんとか休みを合わせ、昨夜の2時過ぎにツレを迎えに行ったんですが、
ツレは車に乗り込むときから、何かいつもと違った感じでした。
いつもなら子供みたいにハシャいで、年に数回しか行けない釣行を楽しむんですが、
昨夜は口数が少なく、なんか虚ろな感じでした。
私は雰囲気を変えようと、なるべく明るく話しかけました。
「なんかさっきから暗いけど、嫁とケンカでもしたんか?」
「いや、ケンカではないんだけどな」
「じゃナニ暗くなってるん?もしかして計画外のガキでもできたんか?」
「ははは、バカ」
少し明るさを取り戻したツレは、「実は」と家を出る前の事を話し始めました。
113 :100です:2007/03/19(月) 13:17:14
「実はな、家を出る前に嫁に『行くな』って、真剣な顔で言われちまったんだよ」
「お、珍しいね」
「珍しいっつーか、初めてだよ。釣り行くなって言われたのは」
「ほぅ」私の嫁とはエライ違いだ。
「なんかいやな感じがするんだとさ」
「ふうん。ま、せっかくの休みなんだから楽しく釣りするべ!」
そんな会話をしつつ車を走らせ、やっとこさダムに到着。
駐車できそうなトコに止め、まだ早い時間だからと、ダラダラと昔話をダベっていました。
「あれ?なんだありゃ?」
しばらくしたとき、ツレはイブカシゲな声を上げフロントガラスの向こうを指差していました。
見ると、車を止めた場所からダムを挟んで数百メーター先に、ポツンと赤いランプのようなモノが見えていました。
「ん?なんだろ?着いたときあんなんあったっけ?」
「いや気付かなかったな」
「そっか、まぁアレじゃない?ダムの補修工事でもしてるんじゃない?」
「工事?なんか現場のオッチャンどころか人の気配かんじねぇようなトコなんだけどなぁ」
そんなツレの落とした声につられてか私もトーンが落ち、二人言葉少なにそれぞれが携帯でもイジっていました。
126 :100です:2007/03/19(月) 17:35:17
朝方このスレやニュースサイトなんかを見ていたのですが、やっぱり赤いランプが気になる。
ツレも同じでDSとかで気を紛らわせよとしてるみたいなんですが、チラッチラッと前方の様子を伺っている。
こんな状況ではニコヤカに釣りの支度を始められるワケも無く、ただ明るくなるのを待つだけでした。
5時近くになり、ようやく辺りが白んできました。
それと共に辺りに感じられたヘンな雰囲気が姿を消し、私とツレは揃ってため息をついたのです。
「なんだよため息なんかついちゃって」明るく笑うツレ。
「だってよ・・・・・・って、オマエの嫁がヘンなコト言うから妙に意識しちまったんだろうが」
「だはっははは。まぁいいじゃん。ボート下ろして支度を・・・・・・」
言いながら正面を見上げたツレの顔が強張っている。
ソレにつられて私も正面を見たのですが・・・・・・
無い。赤いランプが無い。
「・・・・・・あれ?消えてねぇ?」
「ほら、タブンアレだよ。街灯なんかと同じく時間で消えたんだよ」
私とツレは硬い笑いを交わしながら、フロントガラスの正面に広がる朝モヤを見つめるしか出来ませんでした。
まぁせっかく来たんだからと、ボートを下ろしタックルなんかを搭載して岸を出たんですが、
ツレは朝モヤの先、1時間ほど前までアノ赤いランプが点いていた場所を気にしているのが分かりました。
「なんか・・・・・ソッチには行かないほうが良いな」
「え?」
「だってさ、工事中のランプが点いてたっつーコトは護岸工事とかバリバリやってるんだろ?
ソンナトコ行ってもしょうがないだろ」
「そうだな。上流域の方に行くべ」
こうして赤ランプのあった対岸を背に、上流域へと打ちながら流す事にしました。
しかし、バスのアタリどころかギルのチョッカイも無く、だんだんと無言になりながらダムを遡っていました。
127 :100です:2007/03/19(月) 17:36:44
「うごっ!来た!」何箇所目かのポイントで、ツレのロッドがしなり、喜びの奇声を発しました。
「お!やるじゃん!」
「結構デカイぞ!」と声を聞くまでも無く、リールからはドラグが鳴る音が響いてくる。
「今シーズン初の50アップゲッ・・・・あ!!!!」
「どうした?!」
「バラしちまった・・・・・」
ガッカリとした顔を見るまでも無く、
ツレのロッドから垂れ下がるライン(※釣り糸)からは生命感の躍動は感じられませんでした。
「しゃぁねぇよ。ま、次ガンバルべ!」
私はツレの背を叩き、自分のロッドを持ち直しました。
横目で見ると、ツレはナニやらロッドの先を見ている。
「ちょっと見てくれないか?」
とツレが差し出した先には、幻の50アップがかかっているハズだったゲーリーのイモグラブ(※ルアーの種類)。
「ん???イモがどうしたん?」
「あのさ、俺さっきバラしたじゃん」
「それが?」
「それから巻きあげて、まだナニもしてないんだけどさ・・・・・」
「だからナンだっつーの!」
「バカ!イモ見てみろよ!」
その言葉に押されながらもう一度竿先を見ると、オフセットフック(※釣り針の種類)に綺麗にセットされたイモグラブ。
ん?綺麗?
「やっと分かった?」
「あぁ」
「普通、あんだけロッドがしなったりするような魚かかったら、イモどっかいっちまうよな?」
確かに。
「俺ノーシンカー(※重りを付けない)で投げてるじゃん。
だからシンカーを引っ張ってたワケでも無く、オマケにフックの先まだイモから出てないだろ?」
「・・・・・・」
「なんかキモチ悪いよココ。一回戻ろうぜ!」
ツレの硬い声に押され、俺たちはボートを下ろしたポイントまで戻るコトにしました。
129 :100です:2007/03/19(月) 18:00:35
接岸して先に下船するツレ。
「じゃタックル(※釣り具)先に・・・・・」と振り返った顔が凍りついてる。
「どうした?」
「オマエ、みてみろよ。後ろ」
振り返ると、朝モヤの晴れた対岸が見えている。
対岸。恐る恐る今朝の赤いランプが見えてた場所を探すと・・・・・
ソコにはダムにありがちな岩盤エリアがあるだけだった。
「えっ?って、あの崖のあたりだったよな?あの赤い・・・・・」
「もういい!帰ろ!」
私の言葉を遮り、ダッシュでタックルを下ろすツレ。
私はなるべく背後を見ないようにボートを上げ、押し黙ったツレを助手席にダムを後にしたのでした。
30分程走らせるとツレも落ち着いてきて、ポツリ、ポツリと話しをし始めました。
「あのさ、やっぱりあのランプんトコって・・・・・崖んトコだったよな?」
「そんなわきゃねぇだろ。あの崖だぞ。見間違いしてもっとダムの方の・・・・・・」
「いや違う。さっき車に戻った時に正面見たろ?」
・・・・・確かに運転席に座って正面を見ると、あの崖しか見えなかったのだ。
「それにな・・・・・・」
「それに?まだなんかあるんかよ」
「・・・・・いいや。今日はもう帰ろうや」
それ以降、ツレはダムのコトについてはナニも口にしませんでした。
私達は押し黙ったまま高速に乗り、ツレのマンションの前まで戻ってきた。
「じゃ、またな」
「あぁ。今日ナンだったけど、次はデカイの釣ろうぜ!」
カラ元気を出し、マンションに消えようとするツレの姿をバックミラーで見ながら発車。
しかし、なんかキモチ悪いので帰り道にあるファミレスに寄って、このスレに書き込みをしていました。
ブブブ・・・・ブブブ・・・・
落ちついて書いたモノを読み返していると、携帯のバイブが鳴りました。
発信先は・・・・・・ツレでした。
140 :100です:2007/03/19(月) 18:44:01
「どうした?」
携帯に出ると、ツレは軽くパニってるかのような声。
「悪りぃんだけどさ、今来てくれよ!今!」
「は?今?今からオマエのマンション戻るんか?」
「そう言ってるだろ!早くしろよ!早く!」
「・・・・・・あぁ、わかったよ」
「だけど玄関先まで来るなよ!マンションの下着いたら連絡してくれ!」
は?マンションには来ても家来るな?
意味わかんねぇよ・・・・・
まぁた浮気と勘違いでもされてるんか?
ツレは浮気の前科があり、そん時もこうして呼び出されたコトがありました。
このスレへの書き込みを中止し、ショウガ無しにツレのマンション前まで戻って来ると、
ソコにはツレと、その嫁が待ち構えていました。
「なんだよ誤解よけた・・・・・」
「車から降りて!」金切り声で叫んだのはツレの嫁でした。
「は?」
「早く!早く!」
パッツパッツパッツ!
急かされながら車を降りると、ツレの嫁は私に白いモンを振りかけてきた。
塩だ。
「なんだよ!イキナリ!」
「・・・・・とりあえず・・・・・・これぐらいしか出来ないかな?」
ツレの嫁は吊り上げた目を光らせ、私の質問なんぞには答えてくれません。
ツレはと言うと、真っ青な顔に脂汗を浮かべ私を見ている。
「おい!ナンなんだよ!オマエの嫁!」
「いや・・・・・」
「早く神社行ってきて!早く!」
ツレの言葉を嫁が遮り、押し込まれるかのように車に乗り込んだ俺とツレ。
142 :100です:2007/03/19(月) 18:45:15
ハンニャみたいな顔の嫁を残し、車を走らせ始めると、ツレは申し訳なさそうに事情を説明し始めました。
「悪いな・・・・・・」
「悪いもナニもナンなんだよ!」
「いや・・・・・さっき別れて家戻ったジャン。そんときなんだけどさ」
「うん」
「玄関でね、嫁がさっきのような顔して待構えてたんだよ」
「へぇ」ゲ!コワイよそりゃ。
「でな、『おかえり』の挨拶をするまでも無く、さっきのオマエみたいに塩ブチかけられたんだよ。
それで『玄関くぐるな』だとさ」
「は?なんで?」
「なんかさ・・・・・・嫁には俺に赤黒い帯みたいなの巻きついてるように見えたんだとさ」
「赤黒い?」
「そそ、だからナニか悪いモン拾ってきたんじゃないかって、家に入れさせずオマエ呼び出したんだよ」
「・・・・・・オマエの嫁、霊感とかあるん?」
「少しだけだけどな、少し。」
「・・・・・・」
「で、オマエの車見えた時に言ってたんだけどな、オマエにも、いや車ん中全体に赤黒いのが渦巻いてるみたいなんだよ」
「なんだよソレ!超キモイじゃんかよ!」
「わりぃな、オマエもイキナリ呼び出されてこんな話しされて」
「・・・・・・まぁ黙ってられるよりゃいいよ。ホントのコト言われた方がスッキリするし」
「ホントのコトか・・・・・・」
144 :100です:2007/03/19(月) 18:47:01
ツレはそう言ったっきり、私の顔をじぃ~っと眺めてました。
「なんだよキモチ悪い?!オマエにもなんか見えるんか?」
「いや俺は霊感ゼロだかんな。しかし霊感のある嫁と暮らしてるだろ?そうするとな」
「そうすると?」
「極たぁぁぁぁまに、ナニかみちまうんだよ」
「キモチわりぃコト言うなよ」
「だってオマエ『ホントのコト』って言ってたろ」
「あぁ」
「じゃ言わせて貰うけど・・・・・・あのダムのな崖さ・・・・・」
「崖?」
「そうボートから降りた時に俺振り返ったろ?」
「あぁ」
「あんとき見た崖によ、なんか見えちまったんだよ」
「・・・・・・」
「なんっつーかな。赤黒い人のようなモンがブラブラとゆれてたんだよ。」
「マジでかよぉ」
「あぁマジだよ。その赤黒いモンがな、風に吹かれたようにブラブラ揺れてるんだよ。ちょうどあの赤いランプみたあたりでな」
この話を聞き小便チビりそうになった私は、ただツレと神社でお払いしてもらすしかなかったです。
お払いと言っても、専門(?)じゃないそうなので、家内安全・交通安全系のでしたけど。
今ツレを送り、自分の家に帰ってきました。
自分の家だって言うのに、ナンだか暗いトコが怖いです。。。。
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