∧∧∧山にまつわる怖い話Part11∧∧∧
『自転車のライトが暗くなった』
175 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/01 15:55 ID:52zv7I7b
知り合いの話。
夜の山道を一人自転車で走っていた時のこと。
いきなり、自転車のライトが暗くなった。
勘弁してくれよ、と愚痴りながら自転車を止めた。
百円ライターの火を灯して、前輪横のライトを確認する。
ライトのカバー部分に、真っ黒な胡麻のような粒が、びっしりと付着していた。
手で払い落としてみたが、またすぐにカバーを覆ってしまう。
よく見ると、まるで生き物のようにじわじわと動いていたという。
そうこうしている内、黒い粒はライターの火にも引かれたようだ。
ざぁっ! 一斉に彼の手に飛びついてきた。
まるで沢山の小さな蟻にたかられたような感触に襲われ、慌ててライターを
投げ棄てて、手を服でこすり上げた。
彼は仕方なく、星明かりだけを頼りに家まで帰ったそうだ。
奇妙な黒い粒は、途中いつの間にか消えていた。
『奇妙な獣の死体』
176 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/01 15:55 ID:52zv7I7b
知り合いの話。
彼の実家では、年に何度か持山の清掃をしている。
作業中、奇妙な獣の死体を見つけたことがあるそうだ。
その死体は山の麓から里へ下りる道の、側溝の中に落ちていた。
息絶えてから間もないようで、まだ虫も集っておらず死臭も強くなかった。
黒い濡れたような体毛から、最初は鼬だと思ったのだという。
これも何かの縁だ、埋めてやろう。そう思い、火箸で摘み上げた。
鼬ではなかった。尻尾がやけにずんぐりとしており、頭が異様に大きい。
ぱっくり開いた口腔には小さな歯が並び、目はどこにも見えない。
まるで、毛の生えた大山椒魚に見えた。
短い手足には、猫のような鋭い爪が生えていた。
そのまま林の中へ埋めたそうだ。
彼曰く、こういった奇妙な獣は時たま見られるが、その大抵は死体なのだという。
『湿っぽいペンション』
177 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/01 15:56 ID:52zv7I7b
私の体験した話。
学生時代、仲間数人で登山に出かけた時のことだ。
宿泊には小洒落たペンションを利用した。
幹事曰く、オフシーズンで安かったのだそうだ。
山は楽しいものだったが、ペンションが異様に湿っぽかったのには閉口した。
地図など紙類が、すぐに水を含んでヨレヨレになる。
ペンションの主人も気にかけているようで、換気が良くなるよう何度も改修をしたのだが、改善されていないのだと言う。
仕方なく黴が生えると困る物は、外の倉庫に保管しているのだと。
不思議なことに、そこはカラッと乾いているのだそうだ。
帰り道、仲間の一人がポツリと言った。
「あそこの湿気は取れないだろうな。
あのペンション、人より大きな蛞蝓が居座っていたんだ。
黒いのに目玉だけが白くて、廊下とか居間をのったりと這い回ってた。
なぜか俺だけにしか見えていなかったみたいだけど。
あれはおそらく、あの山小屋の主なんだろうな」
彼が本当のことをいっていたのかどうか、確認する術はない。
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