∧∧∧山にまつわる怖い話Part10∧∧∧
『キャンプ場のバンガロー』
382 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/07/02 02:38 ID:vlrEW8uq
友人の話。
先日久しぶりに、学生時代の仲間と山に登った。
昔よく利用したキャンプ場のバンガローを借りる予定だった。
現地に着いて受付をしている時に、ふと気がついた。
バンガローの通し番号が一つ少なくなっている。
管理人に聞いてみると、記憶違いだろうという。
気にせず楽しむことにした。
キャンプが終わり、山を降りる途中で、仲間の一人が口にした。
バンガローの数は自分たちの記憶通りで合っていたと。
ただ、一番端にある目立たないバンガローだけは、扉が厳重に打ちつけられており、
利用はおろか立ち入ることもできなくなっていたという。
気になったのは、その扉の隅に、山ではまず見られない物があったということだ。
誰がこしらえたのか、真っ白い盛り塩が一つ。
そこで何が起こったのかは不明のままだ。
噂によると件のバンガローは、どうやら解体されてしまったということだ。
『明るい月が二つ』
383 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/07/02 02:39 ID:vlrEW8uq
同僚の話。
仕事で仲間数人と山にこもっていた時があるそうだ。
日中しか執りかかれない仕事だったので、日没後は焚き火の周りで酒を飲んでいた。
そんなある夜のこと。
仲間が演歌を歌っているのを聞いていた彼は、ふとおかしなことに気がついた。
いつの間にか頭上に、明るい月が二つ出ている。
慌てて先輩に知らせたが、「狸だろ」あっさりと答えられた。
他の同僚たちも皆、平然としている。
自分だけが狼狽しているのが少し悔しく、彼は黙って月を見ていた。
と、その時。一つの月が、いきなり落下して消えた。
彼は遠近感が狂ったような感覚を受け、頭を二、三度振ってみた。
「ありゃあ、足を踏み外したな」
「あまり見てやるなよ。狸だって自尊心があるだろうし」
先輩たちは、やはり泰然自若としていたという。
それから仕事が引けるまで、二度とそんな現象は起こらなかったそうだ。
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