∧∧∧山にまつわる怖い話Part10∧∧∧
『缶ジュースと』
10 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/06/21 01:52 ID:Q6Od0iCc
同僚の話。
以前、彼は山奥のゴルフ場で開かれたコンペに参加した。
残念ながらブービー賞だったが、缶ジュースを一箱獲得したそうだ。
帰宅する前、車の助手席に賞品を置いておき、小用を足しに行く。
車に帰ってくると、驚いたことに缶ジュースは箱ごときれいに失くなっていた。
慌てて助手席側のドアを開けると、シートにべっとりと泥が付いている。
駐車場に残っていた者に尋ねて回ったが、誰も知らないと言う。
がっかりして帰宅した。
家に帰り、ゴルフバッグを下ろそうとトランクを開けた。
ゴルフバッグの脇に、こんもりと盛り上がった生乾きの泥山がある。
よく見ると、掘り出したばかりの蓮根が、山のように盛ってあった。
・・・ジュースと物々交換ってことか。
なぜかふと、そう思った。
新鮮な蓮根は、天婦羅や煎り鳥に入れて食べたという。
彼曰く、非常に美味しかったそうだ。
『くしゃみ』
11 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/06/21 01:55 ID:Q6Od0iCc
友人の話。
夏山に単独入山していた時のこと。
その時の彼は体の調子がいまいちで、くしゃみがひどかったのだそうだ。
夜も更け、そろそろ寝ようかと片付けている頃。
特大のくしゃみが一発、山の静けさをかき乱した。
やれやれと鼻を擦っている丁度その時、近くの藪から音が聞こえた。
ホッホッホゥ
まるで梟の鳴き声のようだ。何やら喜んで笑っているらしい。
彼が身を硬くして黙り込むと、藪の中の声は不満そうな調子に変わった。
なぜだか彼は、くしゃみをせがまれている気がしてならなかったという。
我慢しきれなくなり、新たなくしゃみが一発出た。
ホッホッホッホゥ!
間違いない、藪の中の何かは喜んでいる!
彼は慌ててツェルトに潜り込んで、寝袋にくるまった。
もうそれ以上、くしゃみをせがまれることはなかったが、その夜起きている間中、
彼のくしゃみに続いて「ホッホゥ」という声が響いていたそうだ。
翌朝、藪を確認したが、もう何も発見できなかった。
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