∧∧∧山にまつわる怖い話Part9∧∧∧
『コンパス』
399 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/06/01 03:42 ID:J8NuFp0d
友人の話。
高校生の頃、彼は部活で山に行った時にコンパスを失くしてしまった。
方位磁針とルーペが一体になった物だった。
首から下げていたのだが、多分どこかで紐が切れたのだろう。
残念だったが、仕方がないと諦めたのだそうだ。
山から帰って三日目、彼はソファに横になってテレビを見ていた。
コツン!
いきなり、彼の額に落ちてきた物がある。固くて軽い物。
何だと慌てて拾い上げると、それは山で失くした筈のコンパスだった。
上を見上げたが、そこにはいつもと変わらぬ天井があるだけだった。
彼はそれ以来、そのコンパスを大切に使い続けている。
『猛スピードで峠を駆け下ってくる軽自動車』
400 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/06/01 03:43 ID:J8NuFp0d
後輩の話。
峠道の下でバイクを止め、缶コーヒーを飲んでいた時のこと。
猛スピードで峠を駆け下ってくる軽自動車があった。
運転席に見知った顔が見えたので手を振ると、車は急ブレーキをかけながら彼女の側に滑り込んできた。
同級の友人が中から飛び出してくる。
真っ青な顔をした友人に抱きつかれ、彼女は困惑した。
何とかなだめて話を聞く。
友人が語るところによると、車で峠を越えた時、後ろから肩を掴まれたという。
一人で運転しており、車内には他に誰も居ない筈だった。
しかし肩にかかった白い手が、確かに視界の端に映っている。
もう後ろもバックミラーも見ることが出来ず、必死で車を運転していた。
そうこうしているうち、バイクにもたれた彼女が見えた。
その途端、肩にかかった圧力が消えたのだと。
二人で車内を確認したが、やはり後部座席には誰も乗っていなかったそうだ。
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