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[ 91829 ] 怖い話らめぇぇっっ!!

「あああああっ!!怖い・・・怖い・・・・・っ!!」って言うのは、誰でしょう。「あ~、もうさ~・・・・マジで怖すぎるわ。」←ちなみにこれは、私と誰が言ったでしょうか。正解はVIPのみなさんです。「助けて、誰か、辛い。苦しい。うわぁあぁあぁあぁあああああああああああ。あ、あ、あ、あああああああああああああうわあああああああああああああ」とりあえず、私の言いたかったのは今の言葉です。お母さんが電気をつけてくれたよ。実は、統合失調症で1年前おかしくなった私が、寝る前にね、ちょっと書いてみただけなんだ。統合失調症が治った後に、薬を飲み続けて副作用に困ってる私、おこたのお話です。誰もいないから、安心してね。おやすみなさい~。あと、あんまり怖い話ばっかり見てると、話に集中し過ぎて、おかしくなっちゃうから、疲れたら寝ようね。いつも通りなのが大切だよ~。じゃ、また着ます。明日、起きたら新しい服を。おやすみ~。
[ 2015/08/16 ] ◆HfMzn2gY

[ 91836 ] NO TITLE

元カノが所謂見える人だった。
彼女自身は「幽霊なんて見えない、気のせいだよ」
と否定するものの、度々体験談を話してくれた。
彼女は家に父親、母親、弟と一緒に住んでおり、
一階にリビングやダイニング、仏間、二階に彼女と弟の部屋
があった。
ある日の夜、彼女が自身の部屋でテレビを観ていたとき、
ふと部屋のドアの方を見ると、ドアの向こうに誰かが居る。
そしてその誰かは隣にある弟の部屋にドアを開けて入っていった。
その時彼女は「ああ、弟が帰ってきたのか、いつもより早いな」
とだけ思い、気にしなかったらしい。
しばらくすると夕飯の時間になり、彼女は一階のリビングに向かった。
リビングには父、母、弟がすでに食事に手をつけていた。
その光景を見た瞬間、違和感を感じた。弟はなぜスーツ姿のままなんだろう。
弟が帰ってきた時間から今まで30分はあったはず。
何故部屋着に着替えてないのだろう…
彼女は素直にその質問を弟にぶつけた。
すると弟は、「今帰ってきたから二階には行ってないけど?…」
その言葉を聞いた瞬間彼女の背筋に氷のように冷たい感覚が
したらしい。
なぜ私はあの時、弟だと思ったのだろう。その人影は
弟とは似つかわしくない体型、髪型、肌の色、服装…
思い出せばキリがないほど違う姿であったのに。

以上です。
オチがなくてすみません。
彼女は弟にこのことを結局言わなかったそうです。
彼女が見た人は、長い黒髪、白粉を塗ったような白い肌
白い服、痩せ型の女性?だったようです。まるで幽霊の
典型例ですね笑
ちなみに弟は坊主で若干色黒、黒いスーツで体格はガッチリ
してます。
なぜその人を弟と思ったかは未だに謎というか、勘違い、見間違いで
済ませたいそうで、幻かなんかだと言ってました。
身の回りで俗に見えると言う人は初めてだったので、
彼女に興味津々でしたが、この話を聞いて以来彼女の家に行くのは
やめました。なんとなく、嫌な感じがしたので。
話が拙く申し訳ありません。ちなみに全て実話です。
[ 2015/08/16 ] ◆X9tAm3WM

[ 92039 ]

私が中学生の時のお話しです。

いつものように布団に入りうとうとしていました。その時、キィンと耳鳴りがし始めた。(まさかこれ金縛り?…起きちゃえばいいんだ!)と思い身体を起こそうとした時には遅かった。動かないし勿論声も出ない。

どうしようと考えていたらさっきよりも高音な耳鳴りが鳴り出す。今まで金縛りなんてなったことないから恐怖で私は泣き出しそうだった。気休めに耳鳴りが続いている間はずっと目を閉じていることにした。

数十秒後、耳鳴りは止み安心して目を開けると真ん前(鼻先と鼻先がくっ付くぐらい)に千と千尋に出てくる河の神様みたいな顔がありました。
驚きと恐怖ですぐさま目を閉じ心の中で早く終って!お願いします!ごめんなさい…ごめんなさい…と半泣きで思い続けました。

すると次第に身体が動くようになりました。直ぐに身体を起こし自分の身に起きた事を考えてみたけど、恐怖心が打ち勝ちその日は父親の布団に入って寝ることにしたw

父親達の部屋から自室(姉と相部屋)を怖いけど気になるので横目に見つめていたら、自室のドア(ガラガラピシャンって閉めるタイプ)部分に黄色い光と白い光が交互に高速回転してた。(それ見た後、気失って気付いたら朝だった)

何年か立って姉にその話しをしたら姉が、その千と千尋の河の神様みたいなのこの前あんたの真上にふわふわ漂ってたよって言われて固まった。
[ 2015/08/17 ] ◆mrdWhHlc

[ 92070 ] 往診の夜道で

昔、看護婦をしていた母から何度も聞かされたはなし。

母が看護婦として病院勤めをしていた頃は往診もしていたそうだ。
往診カバンを持って自転車で先生と患者さんの家へと夜道を急ぐんだそうです。

もう少しで着くって時に、ぱあっと辺りが明るくなり、明るくなっているそれが目指す家だったということが何度かあり、そういう時には、もう亡くなっているんだそうな。
人が亡くなる時には、そんな風にたましいが抜けるんだかねえ、と言ってました。

もうひとつ、母から聞いたはなし。
夜、往診で竹藪の横を通ったら、「飯くれ〜、飯くれ〜」と、か細いおばあさんみたいな声が聞こえてきたそうです。その竹藪の家のばあさんはもう死んでるのに。
生前、本当に御飯をもらってなかったのか、ばあさんが食べても忘れてるのか、それはわからないけど、生きてる時から聞こえてた声が、亡くなってからも聞こえ続けたんだもんだからね。材木で儲けた大きな家だったが、噂がたっていられなくなり、街へ越して行ったそうです。
引越ししてばあさんの声がやんだかどうかはわからないけどね。と、母はいつも口をへの字に曲げて、あご先に梅干しをつくって話してくれました。
[ 2015/08/17 ] ◆5T9VAWzc

[ 92096 ] ばあちゃん

うちのばあちゃんは元々霊感があった人みたいで周りでちょくちょく不思議な事が起きていた(仏壇のローソクが不自然なヘビが絡みつくような溶け方をする。入院中におかっぱ頭の小さな女の子に懐かれて家に連れ帰る等)そんなばあちゃんのクローンと称される俺も御多分に漏れず色々な経験をしてきた。以前投稿させてもらった南半球で北半球の怨霊に襲われたり、寝ていて突然ボディアタックをくらってビックリして目を開けたら胸の上にスダレヘアーのメガネリーマンがいたり、似た状況で今度は灰色の顔の角刈り親父が目と歯をひん剥いて(白目と歯が異様に白く膨張している様に見える)しきりにヘドバンしていたり。細かい事例を入れたらそれこそきりが無いくらいだ。そんな俺が例(霊)のばあちゃん絡みで体験した事を書こうと思う。数年前の明け方、病院から入院しているばあちゃんが亡くなったと連絡があった。足が悪く寝たきりだったがそれ以外は健康だったはずなのに検査入院したらあっさり。とりあえずオフクロが病院へ、俺はばあちゃんを迎え入れる準備&留守番で家に残った。一応準備など一通り終えて一服していると誰もいないハズの階下から「コツン、コツン、コツン・・・」と物音が聞こえる。何だろうと思い降りてみても誰もいない。二階に戻るとまた「コツン、コツン、コツン・・・」その時ピンと来た。この音はばあちゃんの杖の音だわ。一足先に魂だけ帰ってきたんだな~と思ったが、どうやら杖使いながら廊下をダッシュしてるらしい(笑)杖の音が「コツン」から「コッコッコッ」にスピードアップした。ばあちゃんよ・・・そんなに家に帰って来たのが嬉しかったのかい? などとホンワカしてたら本体がご帰還して本格的な準備が始まった。葬儀屋との話の結果次の日に通夜を行う事になりその日は従姉妹が元ばあちゃんの部屋に泊まることになった。そして次の日従姉妹が「夜中に廊下をばあちゃんが杖で猛ダッシュして眠れなかった」とボヤいていた。それを聞いたオフクロが本体の元へ飛んでいき「せっかく手伝いに来てくれている人間を寝不足にするんじゃねぇ!!」と説教したらそれまで荘厳だったはずの顔があからさまに(´・ω・`)スンマセンになり家族全員爆笑www葬式中その話で持ちきりになりおかげで笑顔で送り出す事が出来た。そして今年のお盆中どうやら里帰りしてたみたいでそこかしこでばあちゃんの存在を感じた。しかしばあちゃんよ、自分の存在アピールの方法がオムツの香りってどうなのよ?(笑)来年はどんな方法でアピールして来るのか楽しみなばあちゃん大好きな孫であります。
[ 2015/08/18 ] ◆dSBetoaE

[ 92098 ] NO TITLE

数十年前の話ね。

ススキノのとある雑居ビルに新規開店した、今で言う「ガールズバー」みたいな店でバイトを始めた。
オープンまもなくから、幽霊的なものを見たと同期の女の子たちの間でうわさになった。
でも、店内は当時流行っていたブラックライトのみの装いだったので、零感の私としては店内の薄暗さとか酒のせいとか、あとは、まぁ~、かまってチャンの妄言だと思っていたの。

そんなある日の営業中、突然女の子の悲鳴が聞こえて一瞬店内は騒然となった。
少しして、その悲鳴を上げた女の子が店内のお客さんに
「ごめんなさ~い!!こ~んな、おっきい虫がいて~・・・」
って、弁解して回り事態は収拾。その後は何事もなくその日の営業は終了した。

 閉店後にその子と話したら、「あのとき、突然目の前に生首が落ちてきて叫んでしまった」との事。
その子はとても美人でしっかりした子で、変な嘘をつくような子じゃないんだ。
思わず叫んでしまったが、直ぐに冷静になり、お客さんの不安を煽ってはいけないと咄嗟に「虫」のせいにしたんだとか。
何度も言いますが、私零感なので、「その機転は凄いねぇ!えらい!」なんて適当にその話を終えた。「生首」とか疲れてるのかなぁ~ぐらいに。

その数日後、私はいつもの通り薄暗い店内でお客さんと話をしていたとき、向かいに居たお客さんの右肩にめがけ、天井からファサッっとボール位の大きさの黒い影の塊が落ちてきた。
私は「??」と、目を凝らしたがそれは一瞬のことで、直ぐにその黒い影は消えた。
「今・・・」っと、私はその目にしたものを話そうとしたとき、その向かいのお客さんが、右隣に座っていた人に
「え?なに?」
と話しかけ、話しかけられた人は「は??」という反応。
「いま肩叩いたでしょ?」
「??いいえ?」
「いや、トントンってしたでしょ。俺の肩叩いたしょ?」
「??」
みたいなやり取り。
因みに向かいで見ていた私は、その右隣のお客さんはその逆隣のお連れの方とずっと話していたので、彼の肩など叩いてはいないのは確認している。

私の見た影の塊は気のせいではなく、それが降り注いだ彼の肩には、人間のトントンという手の感触があったということらしい。

自分ひとりが何か見た気がするのであれば、思い込みなり勘違いで済む話だけど、他の人にそれと連動した事象が起こった事は後にも先にもあれが初めてだったので、ちょっと不思議。
結局はその彼も含め、特に誰かに何かの害が有ったわけでもないし、大した話でもないのだけど、零感の私にしては唯一不思議な体験でした。
因みにその後、その店はすぐに経営悪化で長くは続かず閉店したのですが、そのビル自体は未だに店舗を抱えて営業中。

怖くもなんとも無い話ですが、たまに思い返し、なんか生首で脅かすとか、ただ肩叩くだけとか、幽霊って言うより化け狸っぽいなぁと勝手に感慨深いと思った経験談でした。



[ 2015/08/18 ] ◆-

[ 92569 ] 虫の知らせ

息子を妊娠中だったから、今から25年くらい前の話ですが、私は死のうとしていました。
毒親との関係からノイローゼになり、私のような人間に育てられたら、お腹の子はかわいそうだと考えていました。
文字通り血を吐きながら貯めた金も、富さんの借金のせいで失いそうでしたし、目の前が真っ暗と言うか真っ白でした。
平日の昼下がり、壁や床から隙間風の吹く長屋で、玄関先の鴨居に針金をペンチでより合わせたものをかけて、椅子を蹴ったのですが、その瞬間、まさしく身重だったせいか針金の輪がはずれて、三和土に落ちました。
落ちた瞬間に玄関ドアが開いて、主人が立っていました。
足元に倒れて見上げている私を、主人は抱き上げて奥の間に運び、布団を敷いて寝かすと、トイレで用を足してまた出て行きました。

胸騒ぎがしたから、走って帰ってきたんだ。トイレに行ってくると席を離れたけど、これで嘘じゃないよな。と言い残して。

会社を発作的に飛び出すような胸騒ぎってどんなんだろうかと思いますが、なかったことにしたい事だから、私も触れないでいます。

[ 2015/08/23 ] ◆5T9VAWzc

[ 92573 ] 前触れ

数年間、自営業をしていた時期がありました。毎朝早く起きて、まだ子供だった娘と仕込み作業をしていました。
その日も仕込みでオニオンスライスを作っていたら、指先に痛みを感じて、見ると軽く皮膚を削いでいました。
よくあることですが、娘が「おかしいよ」と騒ぎます。
だって、玉ねぎはまだスライスし始めたばっかで、まだ大きなやつだし、母さんは上の方持ってたし、私見てたよ!全然スライサーの刃には触ってないのに!
でも、指先は切れてるんだから、やっぱり刃に触ったってことだよね?
うん、まあそれはそうなのかな…

そんなやりとりをして、マキロンとバンドエイドで仕事を続けていました。

そしたら、もう一度あったんです。
ゆで卵のみじん切りを作った後に、卵で汚れた長い包丁を濡れタオルで拭いた時です。
つっ…と指先に痛みを感じて、また軽く皮膚を切ってました。
今度は確かにおかしいと思いました。厚みのある濡れタオルで包丁は完全に包んで拭ったので、切れるわけがない。
でも切れてました。

なんだかわからないけどヤバそうだと思ったので、とりあえず粗塩をティッシュにくるんで胸元にはさみました。

それから当分の間は気をつけていたのですが、ひと月以上経って忘れた頃に、指先を落としました。
機械の点検中、刃にはガードもついてるし、手順通りにしてたし起こるわけのない事故、私のミスってことにしかならないんだけど、あれはミスじゃなかったと思います。
ティッシュで指先のない指を抑えながら、
もーなにコレ、コレが結末なのかな、でもまあコレで終わったんだよね、という妙な安堵感がありました。

まだそれから救急たらいまわしとか移植とか入院とかいろいろ大変だったんだけどね。
なにが原因なのかわからないけど、それからお守りは肌身離さず持つようにしてます。
[ 2015/08/23 ] ◆5T9VAWzc

[ 92609 ]

兄貴の作ったペン立てみたいなやつに透き通った霊っぽいものが何体か吸い込まれた、
という話を某記事のコメント欄に書かせて頂いた。
書いてみてはじめて、兄貴には何か不思議な力があるのだろうかと気になったので、お盆で実家に帰省した際本人に聞いてみた。

兄貴曰く、そんな便利な物(吸い込むペン立て)を意図して作る技術はないとのこと。
ただ、昔友人の部屋へ遊びに行った時、ガムの包み紙で折った鶴を置いて帰ったら後日連絡があってたいそう感謝されたことがあるらしい。鶴に守られたとかなんとか。

まあその話は置いといて、どうやら兄貴はなんやかんやと体験しているようだ。
兄貴の筋トレ好きは金縛りがきっかけなんだそうだ。
金縛りを解けなかった(途中で気を失った)のが悔しくて、そこから毎日のようにトレーニングに励んだ。
いつか己の肉体で金縛りに打ち勝とう、と。
それから何度と金縛りに襲われ解こうと奮闘していた頃の話。

ある晩、ガッと目を覚ました。
寝返りを打とうとした時今までにないような鋭い金縛りに襲われ、間髪入れず氷を当てられたような冷気が急に全身を覆った。
冷え性ってこんな感じかと思っていたところ、ふと気配を感じ、唯一動かすことの出来た目を向けると布団の横に女が立っていた。

ガリガリの女。
赤黒いワンピース。
部屋の向こうが透けて見える。人間じゃない。
その顔を見た。
ボサボサの長い髪の間から見えた異様にでかい両目。
染めたみたいに真っ赤な結膜。
歯を見せながら裂けそうなぐらいに笑っていた。マジで人間じゃない。

兄貴は悩んだ。
何とかしてやっつけないといけない気がするけど金縛っているから動けない。
しかし仮に動けたとして、女性に手を上げるのは如何なものか。
そこで兄貴は何を思ったか、心の中で女を褒めまくったらしい。
「かわいいけど痩せ過ぎはいかん。腹は減ってないか?」
「その服似合ってるぞ、おまえがかわいいからな」
「笑顔がサイコーにかわいい」
「目がくりくりしててかわいい。まばたきはした方がいい」
「充血してるけど大丈夫か?目薬貸してやる」等。

表情を変えずじっと佇む女を負けじと見つめ返していると、そのうち女の透明度が増していき、最後は金色の粉みたいになって消えたとのこと。
その後、念のため机の上に目薬を置いておいたが女が再度現れることはなかった。
これが兄貴はじめての「妙なものを見た」体験。
もし立っていたのが男だったらどうしていたかと聞いたら、「対処法が思い付かんからやはり金縛りに勝つための筋力をつけるしかない」と兄貴は言っていた。

俺はとりあえずペン立てがあるから筋トレはいいや、と思った。
[ 2015/08/24 ] ◆Viwc2kSQ

[ 92620 ] NO TITLE

怖くはないけどちょっと胸糞な話。

小さい頃、自分は犬を飼ってた。
ゴールデンレトリバーで名前はクッキー。
その頃飼ったことがあったのは、諸事情により飼うことになったカラスの子ども。
だからやっと散歩とかできるまともなペットができて嬉しかった。
子どもの自分にとってはすごく大きかったから、散歩とかは難しかったけど。

あるとき絵を描いてたか、テレビを見てたかしていたんだが外が騒がしい。
最初は気にしていなかったが母がダンボールを持って出て行ったから、何だろうと思って外に出てみた。

クッキーは車に轢かれてた。
ダンボールはクッキーだった死体を入れるためだった。
出た頃にはもう死体は箱の中だったが、自分はそれを覗いた。
あの理科とか保健とかの教科書に載ってる腸のイラストそのまんまな内臓が飛び出している。
自分はすぐ箱から離れた、轢いた運転手がごめんね、と飴をくれた。

死体の入ったダンボールは家の前の花壇の近くに埋められた。

数か月後、母が自分を外に呼んだ。
そこには綺麗で真っ赤なチューリップがある。
球根を植えてはいない、あのダンボールの真上に咲いている。
それを母から聞いてすごく嬉しかった。
綺麗な花を見せてくれてありがとう、そう言いながら毎日水をあげた。


このままいい話で終わりたいなら見なくてもいいが後日談。

つい先日、この話を思い出してそういえば、と母にクッキーの事を聞くと
「ああ、あの車に突っ込んでいったバカ犬ね」
と笑いながら言われた。
それ以来この話を、あまり人に話そうとは思えない。
[ 2015/08/24 ] ◆rc/vKGqM

[ 92625 ] NO TITLE

>>92573
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2015/08/24 ] ◆Ahsw8Nok

[ 92959 ] NO TITLE

昔2ちゃんに書いた話だけども。
前職を辞めて起業するまでの生活費を稼ぐべく、パン工場で深夜のバイトをした際の話。

練りから一個あたりの分量は機械がやってくれる。バイトはそれを成形して鉄製の焼皿(パン)に載せる。
紛らわしいから焼皿で統一しますが。
定数の生パンを載せた焼皿はキャリアと呼ばれる台車に乗せる。一台に50皿。それが一杯になったら発酵室に入れてイースト菌がパンを膨らませてくれるのを待ち、その後ベルトコンベアーの焼窯に焼皿毎おしこむ。鋼鉄の網に乗った焼皿は30メートルほど移動する間に電熱でこんがりと焼き上がるわけ。

楽なのは成形係。せわしないけれど別に筋力は使わないから。
大変なのが焼窯に入れる係。キャリアを引き出して焼皿を両手にそれぞれ持ち、五皿纏めて窯に一列で押し込まなきゃならない。生パンが載った焼皿は普段持つには大した重量じゃない。でもそれをタイミングを合わせて延々と繰り返しつつ空になったキャリアを片付け、新しいキャリアの支度をするからせわしないし筋力(特に手首への負担は著しい)も使う。白衣の下は汗まみれ。マスクが呼吸を邪魔してくれるんだ。
次に大変なのは焼き上がったパンを焼皿からおとし、焼皿をある程度纏めて回収用コンベアに乗せる係だ。
熱気をもろに喰らうし、うっかりすると火傷する。

バイト連中は女性は成形担当。男で筋力がありそうな奴が交代で窯入れと取り出しをやらされて選抜された。
器用貧乏が祟って俺が窯入れ担当にされちまって。

きついが生活のため。一番大変なのに給料は変わらず、焼き上がるのを待つ間成形は休憩を取っているのに窯入れと窯出しは休憩一切無しという差別にも耐えて頑張っていた。手首が腱鞘炎になったな。

そのうち、夜出勤した俺は社員から怒られた。「終了後窯の電源をおとさなかっただろう。朝三時に食パンを焼いた班から文句言われたぞ。真っ黒になっちまって時間が遅れたと。」罵倒をすべて省いての意訳。
んなばかなと思った。前職の習慣で指さし確認する癖をつけていたから。でも現実は現実。腑に落ちないが謝った。
それが数度続いた。普通配置換えか首になるはずだが続行。優男ばかりだから我慢しているんだろうと想像していた。でも繰り返される電源落とし忘れには正直首を傾げていた。

ある夜、釜入れを終えた俺はトイレに走り、そして袋詰め兼クリーム入れ加工場に急いでいた。でも途中で少し馬鹿らしくなった。誰もいない休憩室に急ぎ戻って缶コーヒーを流し込んだ俺は加工室に向かって小走り。途中で釜の前を通る。と、社員専用の作業服を着た若い男が俺がおとした電源を入れ直していた。あれ、と壁の時計をみれば一時五分すぎ。
【三時まで使わないのになぜだ?】と正直首を傾げた。と、はめ直していたゴム手袋の片方をおとしてしまった。舌打ちしながら拾い上げ、焼窯に目を戻したときその社員はいなくなっていた。でも五月蠅い社員が監督しているからと先を急いだ。床におとしたゴム手を交換するためにちょっと寄り道はしたな。

結果文句を言われた。少々鬱憤がたまっていた俺は「トイレと缶コーヒーを駆け足で済ませました。生理現象はしょうがないでしょう。全く休憩無しで続けられると思いますか」と文句を言ったさ。
そうしたら切れられた。窯の電源云々も持ち出して怒るから「指さし確認もしてから離れていますよ。誰かがそのあとブレーカーを入れているんじゃないんですか? そういえば今も社員が電源入れてましたよ」とつっけんどんに返した。
急に言葉を飲み込んだ社員、仕事をしろと言い捨てて加工場から出ていった。周りのバイト仲間は「逆らうな、俺たちまでとばっちりを食らうじゃないか」とか言っていた。文句を言わないのは窯出しの彼だけだったな。
戻ってきた社員が俺に「社員が電源を入れていたんだな」と詰問。あなたと同じ服を着てましたよ、と答え、た俺はもう一つ思い出した。「黒縁の眼鏡を掛けた若い男ですよ。痩せていて身長はあなたくらいの」
いつも怒ってばかりいるその監督役、それを聞いて少し顔色を変えた。その日はそれでお終い。

三日ぐらいしてまた怒られた。また電源入れっぱなしだとね。延々と繰り返される罵倒に向かっ腹が立つ。けど何とかこらえた。
その日の窯入れと後片付けを終えた俺はトイレを悠々と済まし、普段は縁がないと諦めていた喫煙ブースでゆったりとタバコを吹かし、コーヒーを味わってから加工場に向かった。
と、先日見た若い社員がまた釜のブレーカーをあげている。
【この人が点検か何かしたあと、切るのを忘れているのかも!】
閃いた俺はその人の背中に呼び掛けた。
「点検ですか?」背中を向けたままその人は電源を入れ、ダイヤルを弄り続ける(ブレーカーは8個。温度調整ダイヤルは7個。ブレーカースイッチの一つはベルトコンベアの電源。速度は一定なので温度を調整して焼加減を決める)。

ごうん、とコンベアが動き出した。無視されて更に気分がささくれた俺はその人の真後ろへ。
「〇〇班で釜入れやっている××です。失礼ですが点検後電源カットしていますか? 入れっぱなしだと何度も注意されているんですが、私は切っているんですよ!」
ゆっくりと男が振り向いた。
分厚いレンズを古くさい黒いセルフレームが取り巻いている。その奥の目は俺を見ていない。表情もない。色白な肌に伸び始めたヒゲが目立っていた。男は私を無視して歩き始める。

なんだこの小僧(つまり私はいい年)とむかついた俺は左胸の名札を確認。「松木」だ。低く唸るコンベアの音に負けじと声を張り上げた。
「答えて下さい。電源落としていたのをあなたが作動させたんですよね!」

完璧に無視された。
松木はそのままスイッチパネルのある側の反対側(釜の入り口側側面にぱねるがある。D型倉庫を長くしたような焼鎌の向こう側にいった)に歩き、床近くのパネルを開けてリレーを確認しはじめた。
こうまで無視されたら仕方がない。
ぶつくさ言いながら加工場に。案の定怒鳴られた。
「なにしていた!」
「我慢していた小便をして、それから手首を冷やしながらタバコで一服し、ここに来る前に釜を弄っていた松木さんに無視されて――」
「誰だって?」
「松木さんですよ。先日黒縁眼鏡の社員と私がいったその人ですよ。今日は名札も確認しました。松木さん、また電源入れていましたよ。窯の温度は最強で」
 まじまじと見詰められたがどうでもよかった。
 両腕パンパン。手首の鋭い痛みは一日中続く。挙句にこの社員も成形担当も休息しているのに俺たちは(窯出し要員も俺と同じ不満を抱いていた。が、彼は我慢強かった)。

「松木?」 耳が遠いのか、自分の怒鳴り声で鼓膜を痛めたかといいたくなったが頷く。
「今も釜にいるのか?」
「反対側のボックス開けてリレーを覗き込んでいましたけど、今はどうだか知りませんよ」
 真っ青になった社員はドアを開け、釜とは逆方向に走っていった。
 作業を終えてもその社員は戻らず。普段は見ない壮年の社員が来て俺たちをねぎらい、俺だけを話があると休憩所に誘った。面倒くさい、さっさと帰宅して風呂に入りたいと思うが我慢し付いていく。

 休憩所で缶コーヒーと焼立てのパン(俺たちが作った奴)を振る舞われた。
 俺は缶コーヒーだけ流し込んで社員が話しかけるのを待った。
「××さん、さっきの件だけど。松木という名札をつけた男を見たんだね」
またあの眼鏡か、と面倒くさくなった俺は頷いて返事に替えた。
「そうですか」と呟くようにいった社員はまじまじと俺を見る。
「昼の部に異動してほしいんだけど」
「昼は起業準備で忙しいのでちょっと。なぜですか」
溜息を吐いた社員はぼつりぼつりと話した。
・松木という社員は今は居ない。五年ほど前まではいたが、交通事故で死んだ。
・たまに焼窯の電源が入っていて早朝番が大変な目に遭う(生パンは必要数の一割増しで用意する。不良品がどうしても生じるから、少し多めに作ると必要数を満たせるわけ。でも窯が過熱しているとオシャカが連続して員数を満たせないから)
・いままでは不注意だとしていた(つまりは窯番に責任を押しつけてお終いだったんだろう)
・窯以外でもトラブルが時たまあった。
・時々、死んだはずの松木を工場内で見たという話はあった。でもあり得ない話だし、見たという人は古い社員に限られていた。だからつまらない怪談だとして無視した。
・でも君の話は今までと違う。特徴も正しい。(眼鏡と身長体格程度の報告だけど)などなどね。

「昼への移動は無理か。でも君は▲君と合わないみたいだし。困ったな」
ああ、と鈍い俺も漸く解った。確かに俺はあの社員とそりがあわない。皆は我慢しているけれど、どうも俺は無理っぽい。それに噂になると困る(シフト連中だって気味悪いだろう)から早々に今のシフトから俺を外したい。でもそれが無理なら――。

 俺はその日でバイトを辞めた。シフト仲間には話さないでといわれて頷いた。
十年ほど過ぎた今思い返してみて。本当に松木が幽霊だったかどうかは知らない。監督に嫌われすぎた俺を排除するための芝居かもしれない。
腱鞘炎は三年ほど前に漸く完治しました、はい。









[ 2015/08/26 ] ◆-

[ 92964 ] NO TITLE

>>92959
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2015/08/27 ] ◆Ahsw8Nok

[ 93112 ] NO TITLE

最近、県内の昔話を調べていたら、恐ろしいことが分かった。
俺は鹿児島県に住んでいるのだが、なんでも藩主の方針で一向宗禁止、税が八割で圧政をしていたらしい
知名の名前にもなってるM家は上の命令で領民を集め、見せしめか罰かは不明だが、その川原で百人ほど殺したそうだ。その家の人は早死にしたり、病死したとのこと(真相は不明)最近まで供養に来ているらしい

夜にそこに近づくのはためらうほど異様な雰囲気があり、祟りや霊を見たなどの話は見つかってはいないが、自分が暮らしている県でそんな場所があるとは恐ろしいと感じた。

真相が非常に気になり
どこの地方かわかった方は現在のM家について、それ関連の怪異などの情報おねがいします。


[ 2015/08/28 ] ◆-

[ 93568 ]

私の彼は、所謂「見えるひと」だ。
結構怖い体験をしているらしく、オカルトやホラーが大好物な私は、よく聞かせて貰っていた。
とは言っても、私はそういう話をエンターテインメントとして楽しんでいるタイプだ。幽霊の存在なんて、端から信じていない。
それでも彼の語りは上手だったし、「幽霊が見える」というのが嘘やキャラ設定だとしても、面白いからいいかなと思っていた。あの時までは。

その日、私は彼とドライブデートをしていた。行き先はあらかじめ決まっていた。
彼おすすめの、天体観測スポット。なんでも夜景まで見える模様。
場所は地元にある山の頂上付近らしいけれど、さほど標高の高い山ではない。それに途中まで車で行けるし、歩く距離も500メートル程度。その道も坂になっているとは言え、きちんとした遊歩道らしいから、私はかなりワクワクしていた。
車を途中の駐車場に停め、いざその遊歩道を歩き出すと、街灯皆無な山道は真っ暗そのもの。晴れていたけれど新月だったから、余計だと思う。
でも懐中電灯は持ってきていたし、この時点で星空がすごく綺麗だったから感動しちゃって、暗闇が怖いとかそんなのはまったくなかった。
それで色々会話しながら100メートルくらい歩いた時、なんとなく変だなって思った。何が変なのかわからなかったけれど、何か変。
なんだろうと暫く考えて、気が付いた。足音がひとり分、多いことに。
かつん、かつん、かつん。
それは明らかにハイヒールの足音で、私達の背後から聞こえていた。
彼は勿論、私もこの日はスニーカーだった。山道を歩くと言うのに、わざわざ歩きにくいハイヒールなんて履くわけがない。
誰かいるのかなぁとこっそり振り返ってみるものの、暗闇が広がっているだけで何も見えなかった。
気の所為かなぁと、また前を向いて歩き出すものの、やっぱり聞こえる。と言うか、さっきより大きくなっているような……?

「駄目」

もう一度振り返ろうとした時、彼がそう言った。見れば、険しい顔。何が駄目なんだろう。そう思って訊ねたら、「後ろにいるから」との返答。いやだから何が、と言いかけて察した。まさかこれ、幽霊的な何かなのか、と。
相変わらずハイヒールの音は聞こえる。さっきより音が大きい。つまり、近付いてきてる?
「さっき〇〇(私)、振り返ったでしょ」
振り返るべきか迷っていると、彼が言った。頷けば、「あれで向こうに気付かれた」と彼は付け足す。
「あぁこの子なら私の姿を見てくれるかもしれない、私の話を聞いてくれるかもしれない、……多分そんな感じ。嬉しそうに笑ってお前を見てる」
何それ怖い。私は零感だから多分、あなたの姿は見えないし、声も聞こえないですよ。隣の彼なら多分、それどっちもできるけど。
「そのまま無視した方がいいよ。そうすれば諦めてどこかに行くから」
無視も何も足音が聞こえるだけでどこにいるかわかんないんですけど。そう思いながらも彼に引っ張られて、私はぐんぐん目的地に向かって進んで行く。そして、目的地に着く頃には足音は聞こえなくなっていた。
「もう大丈夫」
彼はそう言って笑った。改めて振り返ってみたけれど、私には何も見えないし、聞こえない。何かを感じとることもなかった。
「何がいたの?」
好奇心で聞いてみた。
「女の子」
と彼は答えた。おそらくは私と同じくらいの年(20代前半)だろう、とも。
「私が忠告を無視して振り返ってたらどうなってたの?」
これも聞いてみた。彼はちょっと渋い顔をしてから「正直わからない」と言った。
「呪ってやるとか、そういうのはまったく感じなかった。むしろ嬉しそうだったから、かえってそういう方が厄介なのかも。でも、お前は好奇心に負けて、絶対に振り返ると思ってた。だから焦ったわ」
そんなことを言われたものだから、振り返っておけば良かったかななんて思った。初めて心霊現象らしいものに遭遇したし、もしかしたらその姿だって見られたかもしれない。そう思ったら後悔の念が押し寄せてきて、せめてどんな子だったのか知りたいと、「因みに可愛かった?」と聞いてみる。彼は微妙そうな顔をした。
「いや……額、割れてたし」
「え?」
「服まで血だらけだったし、手足も変な方向に捻れてたから……多分あれは転落死したんだと思う。事件か事故か、それとも自殺か、そこまではわかんないけど」
私、そんなスプラッターな子に追いかけられてたんですか。しかも笑いながら?
「それは見ないでも良かったかも」
そう言ったら「それがいいよ」と彼は言った。でもあとひとつだけ聞いてみたいことがあった。それはハイヒールの音のこと。
私はその音を聞いて振り返ったわけだけれど、この時点で彼にはまだそのことを話していなかった。だから彼が見た幽霊がハイヒールを履いていたなら、彼が見えているものはもしかしたら本物なのかもしれない。私が聞こえた音も本物なのかもしれない。
「その子ってさ、どんな格好してたの? ほら、服とか靴とか……」
「俺もちゃんと見たわけじゃないからあまり覚えてないけど」
「うん」
「白いブラウス着てた。あとスカートは膝丈で黒っぽかった」
「……靴は?」
「うーん。ヒールっぽかったかな、黒いやつ」

以上、彼が常に見ているかもしれない世界の、ほんのいち部分を経験したのかもしれない、というお話。
因みに、星空と夜景はめちゃくちゃ綺麗でした。
[ 2015/09/02 ] ◆sn3CbaA2

[ 93757 ] NO TITLE

 何のジャンルに入るかわかりませんが、厨坊だったときの不可思議な話。


 キノコが大好きだった自分は、梅雨になると毎日のように近所の神社や森に入って、
写真を撮りまくってました。
神社は学校からの帰り道にあったし、森も神社から10分程度の距離にあって、キノコ探しの
寄り道にはピッタリでした。

 その日は下校時にちょうど雨があがって、「今ならキノコ出てるかも!」と思い、神社を一通り
見たあと、森にも寄り道。
 森と言ってもすごく小さくて、せいぜい60m四方、周囲は住宅街という環境です。
それでも、住宅街育ちの自分には十分な異世界で、ワクワクできて、すごく好きな場所でした。

 雨上がりでいつもよりひんやりとした森の中で、自分は夢中になってキノコを探していました。
そして、森の中程に入った時です。急に背後で、ドサッ と音がしました。
多分5~6mほど後ろ、大型犬とか人くらいのものが地面に降りたような、重そうな音でした。
直感的に何か落ちた!と思ったのですが、ふと 

 「こんな住宅街の真ン中に、そんな大きい動物いるか…?」と思いました。

里山みたいな所ならまだしも、ここは関東平野の住宅街。森と呼べるような場所は、ここ以外ありません。
 そう思うと、急に背筋が寒くなりました。しかし、不審者だったら別の意味で怖いので、勇気を出して
勢いよく振り返りました。…何もいません。

 …周囲の茂み、頭上の枝、と息を殺して窺いましたが、やはり何もいません。
 下草はすね丈までしか無いので、何かが隠れられるとは思えません。かと言って、何かが移動するような
音もしません。沈黙が続き、いつもなら気にも留めないような木々のざわめきが、妙に大きく聞こえました。

 沈黙が怖くなった自分は、とにかく「存在をアピールしなきゃ!」と思い、持っていた金属製の
蚊取り線香の入れ物を打ち鳴らしました。自分は零感なので、いつもの森以外に何も見えません。ですが、
すぐ近くに何かがいるような気がして、動けませんでした。
(端からみれば、低姿勢で蚊取り線香を打ち鳴らす自分は相当怪しかったに違いない…。)
 
 しかし、その後は特に何が起こるわけでもなく、ビビった自分が急いで家に帰っただけでした。
あんな狭い森に、一体何がいたのでしょうか? ちょっと怖いけど、不思議な体験でした。
[ 2015/09/04 ] ◆y1MThrko

[ 94143 ] NO TITLE

動画に初めて投稿しようと思い、まとめておいた話の一部です
怖くないのに長くてすみません


昔住んでいた貸家の話
※6畳二間、トイレ、台所、風呂のついた昔ながらの貸家です
最初に書いた場所とは違いますが、玄関が鬼門の出口でよくお払いして貰っていました
お払いしたあとは玄関が塩まみれでしたorz
そこでは色々体験しましたが、霊感というより場所のせいです

・仏壇の前にうつむいている着物姿の女性がいた
お盆のときの真夜中にそれを見て、私が焦って母に伝えたら父方の親戚の女性の特徴そのままだったそうです
勿論、そのお方はなくなっていて遊びに来たのかなと後で思いました

・夜中にトイレに行ったあと、障子が緑青にぼんやり照らされていることがある
これは定期的にありました
貸家は6畳二間の昔ながらの間取りで、いつも襖を開けて部屋を繋げ、一面に布団を引いて家族四人で寝ていました
でもそっと覗くと部屋の角に人の形をしたものが座っているだけで、何もない状態でした
顔もなにもなくあぐらをかいた人の形のものが座っていて、時々子供を膝に乗せているということもありました
数時間この状態だったのですが、子供ながらにこの中に戻るのはやばいんじゃないかと思い、ずっと玄関にある本を読んで元の光景に戻るのを待っていました
トイレに行った数分で光景が変わってしまうのが不思議で、相手に気づかれてはいけないと何故か毎回焦っていました

・誰もいない家で肩を叩かれた
帰宅して、台所で手を洗っていたら肩を叩かれるけれど誰もいませんでした
何回か同じことがあり、部屋の方へ行くと大声で女性か子供のどっちかの笑い声がしました
母とかがふざけているのかなとベッドの下を覗いたりしましたが誰もいません
なので、うるさいので諦めて図書館へ行き、帰宅した頃にはおかしなことはありませんでした
反応がこうなってしまうのは、おかしなことがよくあったので適当に流すというのが身についてしまったせいです
後日談ですが、実は母もそのとき一緒にいた友人のおじさんの顔が何故か目の前に浮かんで気持ち悪いと、その友人に訴えていたそうです
母と友人のおじさんは交流があったそうで、亡くなったから挨拶に来たのでは・・ということでした
・・私はどうやらそのまきぞいになったらしいです

・箪笥の話
これは近所の人や噂を聞いた人たちが見学に来ていたので、知っている人が居ればわかるかもしれません
近所の家具屋さんで、一本の木から箪笥を作ってもらったことがあります
木目の立派なしっかりとした箪笥でした
気付いたのは数日後です
箪笥の木目というか染みが時間帯で濃さや形が変わっています
朝、昼、晩だったと思います
男女がもつれ合って晩には首を絞めているのが誰の目にもはっきりわかる染みです
その話を聞きつけた家具屋さんが慌てて来て、染みを見て問い合わせたところ、その箪笥は恋愛のもつれで無理心中した木で作られたそうです
家具屋さんは平謝りでその箪笥を回収、八王子のお寺でお焚き上げをしたそうです
ただ、箪笥と同じ時刻にゆらゆらと黒い影が、燃やした場所で染みと同じ形を作っているそうです
お寺の名前は教えてもらえませんでしたが、今でもそうなのかなあとちょっと気がかりです

・姉から聞いた話
なぜそんな話になったのかわからないけれど、夜中に起きたとき、天井とかに顔が浮かんでいたら怖いということを話していました
そこで、姉の一言
「そんなんしょちゅうあるよ」
そのとき私たちは二段ベッドで寝ていて、上が姉でしたが、目が覚めたときたくさんの顔が浮かんでこちらを見ているということがあったそうです
最初は怖かったけれど慣れたからすぐ寝るようにしていると笑っていました
でも、話を聞いていて、真夜中に鼻血を出した状態で二段ベッドの上から姉が私の方を覗くほうが怖いかなと思ってしまった私もダメです
[ 2015/09/08 ] ◆-

[ 94226 ] 台風の夜

お久しぶりです、ちびです。

今回お話しするのは、つい昨夜のできごと。
ほんとにびっくりして、まだ少しドキドキしています。



私は最寄りの駅のホームで、妹を待ってベンチに座っていた。

台風が近づいていて、街灯に浮かび上がる雨脚はどんどん強くなる。
既に40分がたっていて、私は寒さに歯をカチカチいわせ、携帯でラジオを聞いていた。

ふと、隣に誰かが座った気配がして、そちらをみると、サラリーマン風のスーツの男が、こちらに会釈した。私も会釈する。
そのまま、二人で並んで座った。

電車が、停まっては人を吐き出し、停まっては人を吐き出していく。
まだ、妹の姿はない。

どうも電波状況が悪いらしく、しばらく前から、ラジオには砂が混じっていた。

「誰かを待っているんですか」

突然、男に声をかけられた。
私はイヤホンを耳から引っこ抜いて、苦笑いした。

「妹、待ってます」

なんとなく会話が始まり、仕事のことや、家族の話になった。
男の話はなかなかヘビーで切なかった。
仕事が忙しく休日も返上して出勤していたが、気がつくと、愛想をつかした奥さんに浮気されて、離婚したらしい。
小さな子供もいたらしいが、その子は奥さんがつれていってしまい(正確には奥さんの実家に放り込まれた)、自分はいま、一人きりだという。

私もいま、仕事に忙殺されて、家族とすら遊べなくなって寂しい、と話すと、男は「アッ!ちゅうg……学生さんじゃないのか」とちょっぴり驚いて、あとに続く私の話にうんうんと頷いていた。

「結構、君の会社もブラックだね」
「いやーなので転職しようと思ってます。あんなとこ、とっとと逃げますよ~!」

男が、私に「頑張って!」と笑ってくれたとき、背後から「おーい、●●ー!」と、妹が私を呼ぶ声がした。

振りむくと、ホームの向こうから、妹が歩いてくる。

「あんたずっとここにいて、寒くないっけー?」
「寒かったよぅ、でもこの人と話してたで、あんま気にならんけやー」

男に向きなおろうと、体をひねると――いなかった。
ただ、男の座っていたところはびちゃっと濡れていて、白い花弁が数枚、張り付いていた。
近寄ってきた妹の顔が強張った。

「……あんた、何と話してただ」
「……仕事に疲れて、奥さんに浮気されたおっさんリーマン…」

辺りをキョロキョロしていた妹が、ある一点に目を止め、息を吐いた。向かいのホームだ。
私もそっちを見るが、なにぶん目が悪いので、よく見えない。

なにがあるだ?と聞くと、「花束」と言う。
私はハッとした。
今年の春先、この駅では、男が飛び込み自殺する人身事故があった。

妹と顔を見合わせ、そちらへと手を合わせた。

閉じた目の向こう側で、雨の音が、また、強くなった。





[ 2015/09/09 ] ◆W3c5FUYA

[ 94320 ]

いくつか書いてみます。怖くはないと思うけど…。

まずは知人から聞いた話。知人を仮にAとする。

Aは霊感が強いらしい。
ある日、寝ていて夢を見た。夢の中ではAは、母親と姉と、部屋で普通に話をしていた。
その時、玄関のチャイムが鳴ったので、姉が玄関に向かった。なんとなくAも後からついていってみた。
ドアを開けると、男の人(かな?ここうろ覚え)が、一冊の本を差し出してくる。普通に考えたらいきなり知らない奴に出された本なんか受け取らないけどそこは夢なので、受け取ったらしい。

そこからなんで床に本が置かれたかの経緯は忘れたんだけど(ごめん、でもさして重要ではなかったと思う)とにかく姉と母とAは、床に置かれた本を見下ろすようにし立っていた。
すると風もないのに、その本のページがめくれはじめた。
最初は、パラ、パラ……。その本のページは、全て白い。と、はじめはそのように見えた。
しかし、ページがめくれるにつれて、黒い小さな点が現れてくる。それと同時にAは何かを耳で聴きとるが、よく聞こえない。

ページはどんどんめくれ、速さもどんどん増していく。
それに比例して黒い点はどんどん大きくなる…。と思ったら、違った。よく見たら、ページから何かが少しずつ出てきているらしい。
そしてまたそれと比例して、微かに聞こえていたものも大きくなる。それは悲鳴だった。

本のページがバララララララ!とめくれ、少しずつ現れてくるそれは、人間の頭。男だった。悲鳴も男のもので、凄まじい恐怖を駆り立てるような悲鳴が頭の中に響いてくる。 
姉と母親は何も見えてないのか、ただ本を見つめている。
目の前の本はどんどんめくれ、男の顔が現れ始め、激しい叫びに耐え切れず耳をふさぎ…そこで、目を覚ました。

後日Aは、神職についておられる方?に会うことがありその話をすると、
「その本を最後まで見て、男が本から完全に出るまで見届けていたら、あなたはより力をつけ、神職についていた」みたいなことを言われたらしい。

書き方が下手なので怖さは伝わらないが、Aはとてもその夢の中での出来事が怖かったと言っていて、「そんなに怖いことにも向き合って乗り越える強い精神力が、神職の方には必要ってこと?」と聞くと「多分そういうことだと思う」と言っていた。
[ 2015/09/10 ] ◆TaZmuwew

[ 94321 ]

連投で申し訳ない。

こっちは自分の話だけど、怖くはないので箸休め程度に読んでもらえたら。

小さい頃、小さなアパートの一室に、姉と母と自分の三人は布団をひとつずつ敷いて寝ていた。自分は真ん中で、右に母、左に姉。

夜中、時間なんて覚えてないけどたぶん2時とかそれくらいだったのかなと思う。ふと目が覚めた。

寝転んでるとこを想像してもらうと天井ってまあ四角くあると思うんだけど、天井の端っこ…詳しく言うと、左で寝てる姉の足側の真上のあたり。分かりにくくてすまんが、とにかく目線を左下にやったあたり。天井に黒い人影が張り付いてた。
自分の生まれは昭和で、小学校高学年かそれくらいだった当時はもちろん携帯なんて家族は持ってないし、電気は完全に消してるし、家の周りも静かなところだから外の明かりも入ってこないし、部屋は真っ暗なんだけど、その人影は暗闇よりもさらに黒かった。
そんで形は、殺人現場とかで白い線で、人型をかたどってたりするあんな感じのシルエット。
しかも隣の部屋との境目があるんだけど、その境目から胸から上だけが張り付いてる。

最初は、何だあれって感じでしばらく見つめてた。
でもよくわからんので寝るかってなって、目を閉じた。しかしすぐには眠れなくって、また少ししたら目を開けたんだ。
そしたらさっきは天井のすみに張り付いてたそれが、自分の真上に移動してた。真上っていうか、ちょうど顔の部分が自分と対面するような感じで。

それまでは何かよくわからんし、怖くなかったんだけど、やっぱりそれは子どもとしても少し怖くて、でもどうしようもないし、少し考えてやっぱまた「寝るか」ってなって寝た。

起きたらもちろんいなかったし、それ以来見ることはなかった。
よく黒い影は死神みたいなことを聞くけど自分はピンピンしてるし、今もし会ったらもっとよく見れたのになぁとか思う。


ちなみにこれを話すと必ず「そこで寝るんかい」て言われるけど、寝るしかないじゃんと思うのは自分だけなのかな。
[ 2015/09/10 ] ◆TaZmuwew

[ 94426 ] ムカデってキモいよね

先日の話

その日、寝付けなかった俺は深夜にコンビニへと買い出しに行った。
コンビニは家から徒歩で1km無いくらいの距離。15分~20分ほど歩く。

誰も居ない、真っ暗な田舎道を10分ほど行くと長い石段があり、ずーと上のほうに鳥居が見える。
150m以上はあるだろう長い石段には外灯が2つ灯っているだけ。
入口に一つ。石段の真ん中に一つ。
外灯と外灯の隙間は限りなく暗く見え、その真っ暗な隙間にナニかが潜んでいる気がしてくる。

いや、その日は実際にナニかが居た。
外灯の間、真っ暗な石段のところに何かの輪郭が見える。
何かは夜の暗さよりも暗い。俺がソレを見る事が出来たのはソレが黒過ぎたからだろう。
ソレを認識してしまった後、俺はソレから目を離す事が出来なかった。
距離にすると俺の居る位置から120mくらい?石段の上の方に居る。この距離だ。それにソレが見えている間は謎の安心感があった。

しかし目を離すとなると途端に怖い。すげー怖い。頭の中で勝手に想像される。
「目を離してコンビニへと向かう為に前を向き直したら目の前にソレが居た。」とか
「目を離してからまた見るとソレは石段の下の方に移動してた。」とか
しなきゃいい想像がぐるぐると回る。

暫く俺がソレを見ていると、予想外の事が起きた。
ソレが立ち上がり、ゆっくりと石段を下りて来たのだ。
予想外の行動に軽くテンパり動けないでいる俺をあざ笑うかのようにゆっくりゆっくりと石段を下りて来る。

そしてソレに外灯の光が届いた。

どう考えても見ちゃいけないモノだった。
真っ黒な塊。周りの光を吸い込んでいるかのような暗さ。境界線がはっきりとし過ぎて、この世界に異世界のソレが重ねられているような。
いい言葉が見つからないが、俺なりに言えばソレは存在自体が浮いていた。

そしてソレの形は人型じゃなかった。ムカデに近い形をしていた。

ムカデの様な真っ黒なソレが蛇のように頭を上げ向かってくる。
その足の一つ一つが個々の意志を持っているように無茶苦茶に動いている。
そして無数の足は人の手だった。

デカさは人の2倍以上、3倍未満くらい。明らかに俺は危害を加えられる側だった。
蛇に睨まれたカエルのように立ったまま俺が硬直しているとソレを見上げるような距離になっていた。

「ああ、これで終わりか」なんて思っているとでかいムカデのようなソレにゆっくりと巻かれる。
無数の足(人の手)で全身を撫でまわされて俺は気を失った。

起きたのは3時間ほど経った時だった。
ソレに襲われた場所で俺は寝ていて、田舎なだけであって誰にも発見されなかったようだ。
ただ不思議なことにソレに襲われた前よりも体が軽く、なんだか気分も良かった。
俺は元々オカルトが好きで心霊スポット巡りもやっていて、自分でも何か憑いているだろうとは思っていた。
今回の事は感覚的にそーゆーのが全部消えた感じだ。

「神様だったのかな?祓ってくれたのか。」なんて一瞬思ったけどすぐに考え直した。
ソレの禍々しい雰囲気と異様な外見、そして滅茶苦茶に振り回していた足(人の手)は明らかにヤバイモノだった。

だから俺はこう思っている。
俺に憑いてた悪霊をソレは食ったんだと。
生きている人を取り殺す事に労力を使うより俺に憑いている悪いモノを食べた方が遥かに効率がいいと思ったんだろう。
そして無茶苦茶に振り回していた足(人の手)は、そうやって食べてきた悪霊の手だったのかな。なんて思うとまた寒気がした。
[ 2015/09/11 ] ◆-

[ 94813 ] 中一の春の話

中一の春の話
周りには簡単に端折って話したことがあるから、わかる知り合いにはすぐ身割れするかも。
詳細までは話したことないけど。

私の家は、元からあった父方の祖父母宅の側に(この時点では)三年前に新しく建てた家で、新宅の一階はいろいろあって実質生活スペースは二階だけだった。
で、階段降りて数秒で真向かいの祖父母宅に行ける構造だった。

ここからが本題。
両親と弟が出かけて、新宅は私一人になって暇だったから、祖父母に構ってもらおうと思って、階段を降りて玄関の鍵を閉めた。
そう、鍵は確かに閉めたのよ。二重ロック両方とも。新宅は留守になるわけだし。

で、祖父母宅に入ろうとした瞬間、耳元で女の子の笑い声がした。フフフッて、可愛く。
私の家族内に小さい女の子は(この時点では)いないから、ビビってばっと振り返ると、目の前で新宅の玄関扉が開いた。
鍵を閉めた筈の玄関扉が一人でに、よ。角度的に、玄関内がよく見渡せる場所で立ち止まったから、誰もいなかったのは間違いない。
扉が一人でに空いた直後、物凄い大人数が階段を昇り降りする足音がうるさいぐらい響き渡った。その間十秒ぐらいで、私は全く動けなかった(今思えばあれが金縛りだったんだろうか)。
私は泣きながら、近くの神社に走った。もうこの辺りで恐怖がピーク近かったからね。

だがこの後がさらに怖かった。
神社に向かう数分の間ずっと、物凄い大人数の笑い声や話し声が真後ろから聞こえてたから。老若男女どころか、日本語やその他いろいろ聞こえた。
英語、中国語、(ここからは推測)ロシア語、フランス語、ヒンドゥー語、ドイツ語etc...、本当にいろいろ。覚えてるのが、『逃げた、逃げたw』『チャバアーラ!』『アソボ〜ヨ〜』とか。
そんで、やった、神社に入るって瞬間、最後に『バイバイ、また遊んでね』って一番最初の女の子の声が言った。

それ以前もそれからも、本当小さいながらもいろいろ不可解なことはあったけど、この時みたいなデカイことは体験してない。
関係ないとか思われそうだけど、この出来事のちょうど半年後に従姉妹が生まれた。上で『家族内に(この時点では)小さい女の子はいない』って書いたのは、これが理由。
本当にちょうど半年だったから、あの小さい女の子の声は従姉妹だと思ってる。

その他大勢の笑い声、話し声の正体は知らん。『アソボ〜ヨ〜』とか言われてたけど遊んでやらんわ‼︎
[ 2015/09/15 ] ◆R2Z3wWhg

[ 94829 ] 俺がヒルトン東京ベイで修学旅行に行った時に体験した話です。

俺が二泊三日で初めて大阪から東京に修学旅行に行きました!1日目は東京観光でお台場等に行き、次の日が1日ディズニーランドで遊ぶと言う事でバスでホテルに向かいホテルの玄関前にバスで停まった時に何か臭うなって思ったんです!でも、気のせいだと思ってカード式の部屋の鍵を受け取った瞬間、部屋の中の映像がハッキリ観えたんです!不思議に思ったのが部屋の配置がハッキリ観えるんです!それと奥に白いワンピースを着た女の人が居るわって思って絶対に入りたく無いって思ったけど修学旅行で来てるから東京だし帰るに帰れない!仕方なく部屋に行こうってなってロビーに行くんですが、やっぱり臭い!(ここで、部屋番号もハッキリ観えてます)その部屋にエレベーターで昇ってるんですが昇ってる間もずっと臭うんですね!その階に着きました!その階に着いた瞬間から腕でずっと鼻を押さえてるんです!部屋に近づく程に臭いが強くなって行くんですよ!部屋の前に着いた瞬間にもうだめだと思って覚悟を決めて部屋の中に入ろうとした瞬間に部屋の奥にカードキーを渡されて持った時に観えた白いワンピースを着た女性が俯き加減でニコってほほえるんですよ!怖いねって言うと思って一人の友達を見たら何かぶつぶつ言ってるんですよ!言い忘れましたが四人部屋です!部屋に取り敢えず入ってワイワイとしてベッドが有ったのでベッドの位置をじゃんけんで決めようってなって俺は玄関から一番奥のベッドになったんです!ちょうど、女性が立ってる位置の前になるんです!その日の疲れも有って寝ていると突然、耳元で女性の声でウフフフと言う笑い声が聞こえたんです!起き上がって聞こえた方を見たら女性が居ないんです、それどころか人が座れるスペースすら無いんです!10センチか15センチ位しか開いてなかったので座れないんですね!怖くなって目の前に小さい椅子が有ったのでベッドから飛び出して椅子に座って暫くすると部屋全体に女性の笑い声が響いたんです!それでまた怖くなってベッドのシーツに包まってたら友達が朝やから起きてと起こしてくれたんです!それからディズニーランドに着替えて行きました!でも、何故か誰かの視線を感じるなって思って視線の方を見ると女性が付いて来てるんです!女性が何をする訳でも無く暗くなるから部屋に戻ろうって行ったら友達の一人がまだ居るわってその時はハロウィンパレードが有ったのでそれを見て帰るって言ったんですね!じゃあもう一人が俺も見たいって言って一緒に残るって言ったんです!残りの一人に聞くと俺は疲れたから一緒に帰るって言ってちょっと安心したんです!(正直、あの部屋に一人で戻るのが不安だったので)部屋に着くなり一緒に帰った奴がベッドに寝たんですね!あ~よっぽど遊び疲れてんな~って思って俺はシャワーを浴びようと思って部屋の風呂ってユニットバスなので内鍵を閉めて着替えてカーテンを浴槽の中に入れて浴びてたんですね!友達が鼾をしてる音が聞こえる位に壁が薄いんだって思いながら浴びてると急に後ろから風がビューっと吹いてカーテンが浴槽の外に出ちゃって、まぁ~気をつけて浴びようを思ってたら急に電気が消えたんですよ!でも、よく見ると部屋の電気は点いてるんですよ!だから停電じゃ無いなって思って友達の鼾はベッドの方向から聞こえてるし、そしたら暫くして電気が点いたんですが何かが可笑しいんですよ浴槽の半分だけ真っ暗なんですね!変に電気が切れてるのかと思って上を見たら黒い影がカーテンの上からこっちを覗いてたんですね!それに驚こうと思ったらハッと消えて安心したんですね!次はカーテンの向こうに女の子が多分、ずぶ濡れなのかな?って状態で居たんですよ!寒いだろうに風邪引くから入るかってカーテンを開けたらその女の子が居ないんですよ!シャワーも浴びたし着替えようってなって入り口の横が三面鏡が有ったのでそこの前で着替えようと思ったらまた様子が可笑しい!屈んで着替えてたら誰かの視線を感じるってなって屈みながら探したんですが何処にも居ないってなってその視線が三面鏡の方から感じるってなったんですよ!三面鏡だから横の鏡から見てやろうと思って見た瞬間にギャーと言う悲鳴を上げたくなった!何故かと言うと横の鏡はちゃんと鏡だから屈んでるんですが真ん中の鏡だけ俺を見下ろす様に立ったまま見下ろしてるんですね!それがゆっくりと鏡を抜け出すような動作でゆっくりとお辞儀みたいな形で来てるとこのまままじゃヤバいと思って着替えを途中で止めて服を持って部屋に戻ったんですね!俺も疲れて寝て夜中になり、また女性の声が真横から聞こえたんですね!また驚いて起き上がり朝になるまで起きてました!別の場所に移動する為にホテルをあとにしました!後日談なんですが、そのぶつぶつ言ってた友達に聞いたら自分が知ってる念仏を唱えてたって言うんですね!何か見えたんかって聞いたら何か分からんけどヤバい物が居そうだから唱えてたって言うんですね!じゃあ何であの時、部屋に俺が帰るって言った時は帰らなかったのかって聞いたらあの部屋に長く居たく無かったからここにもうちょっと居るって言ったって言われました!
[ 2015/09/15 ] ◆n4O.KbI6

[ 94886 ] 心霊写真がよく撮れる

俺が写真を撮ると心霊写真が結構撮れる。
不謹慎な話にはなりますが、
南三陸の志津川(津波の恐ろしさや破壊力を記録する目的で)
火災現場(LINEで地元の友人に報告のために撮影)

ここの『実家が南三陸町』のコメント欄にも書きましたが、変化する心霊写真もあります。
そのコメント後に確認したところ、現在も増加していて供養が圧倒的に足りていない状態です。

これは南三陸で撮影したときの話
2011年11月に前職を喜び勇んで仕事を辞めて地元に戻り、友人と南三陸町を見に行った。
山を越え、見えてきた光景は愕然とするものでした。

記憶にある建物とか町並みとか、すべてが無くなっていた。
そして、津波の脅威を記録として忘れない目的で写真を撮り始めたのですが

1.砂浜で埋もれた軽自動車
ダッシュボード(完全に顔で青色)、2列目の座席部分(モノクロで結構透過した顔、3列目の後部(コダマみたいな顔)、エンジン部分(ここは赤色)
に写っていたのをはじめとして

2.山積みの瓦礫
瓦礫手前に赤いもや、目

3.駐車場に集められた瓦礫
青いもや、目

4.被災車両置き場
これが変化する写真
山の斜面の下に被災車両が集められていた所。
白いワンピースの女、カップルか夫婦の霊、手を合わせる女性、性別不明のほおづえの霊
横顔の青いおっちゃんの顔、白黒の女性の霊、首なしの霊、スキンヘッドのおっさんの霊
半透明の後姿の霊(たぶん男)、それと山の上のほうに目やら顔やら無数に
2015年9月16日 13時確認時点で(細かいのも含めると)50体はいます。

霊感がある人へ
拡大しないとまず見えないと思いますが
この写真は相当強い写真になるので、見る際に頭痛等の霊障が起きても責任は負えません。
実際、自分で見る場合でも数分見ると頭痛が起こるので数が増えたのをすぐ確認する以外に
見ないようにしているものなので注意をお願いします。
ameblo.jp/ghost-photo/entry-12073730556.html




(管理人へ)
一応アドレス書いておきますが、画像のリンク掲載がまずいようであれば削除してください。
[ 2015/09/16 ] ◆HB5IfsXc

[ 94918 ] NO TITLE

先日投稿した怖い体験談ついでに、誰にも話せたことがない、子供時代の不思議な(というか未だに訳のわからない)体験談を一つ。
『小学生がそんなこと思うかよ』とか突っ込まれそうだけど、当時漠然としてた状況を、語彙が多少増えた今現在の自分が思い出して書いてるからってことで大目に見てください。(わかりにくいってのも大目に見てくれるとありがたい)

小学生の頃に知らないお婆さんに、いきなり予言(あるいは断言)されて励まされたことがある。
変わった事なんぞなかったある日、通学路を歩いて帰ってたら、道の反対から歩いてきたお婆さんが急に駆け寄ってきて、『可哀想に...。あんた、相当波乱万丈な人生を送ることになるねぇ...』って言われたのよ。
そのお婆さんとは全く面識がなかったが、何故か懐かしい感じがした。

当時、波乱万丈の意味なんか知らなかったが、『何を言ってんだ?この人は』ってのと『よくわからんがアドバイスしてくれてるのか?』って思いが入り混じって『はぁ....それで?』としか反応できなかった。
そしたら婆さんは『ああすまんな。そりゃ戸惑うわな』と謝ってきた。ええ、そりゃ戸惑いますさ。
なんせその後に誕生日を言い当てられたし。

それから数分間(ほんの2、3分)、婆さんからいろいろ言われた。
半分以上眉唾物としか思えん内容だったが、婆さん曰く『前世以前の業が深すぎて、とんでもない具合に雁字搦めになってる(何がかは教えてくれんかった)』『過去にいろいろあった日にちが誕生日というのも、ほぼその縁の所為』『今後万難が降りかかるのを今のうちから覚悟しといたほうがいい』『くれぐれも、周りが幸福だからといって、恨み嫉みを抱いてはいけない』とか言われた。
(文章にして自覚したが、数分間にたくさん言われた。多分、私が初めて出会ったマシンガントークの達人はこの婆さんだ)

最初の時点でもかなり困惑したが、話聞いた後はもう唖然とするしかなかったわ。
最後に言われた言葉が『可哀想だが、言うてやるぐらいしか力にはなってやれん。泥水啜ってでも頑張って生きなさいよ?』だったし。おまけに目を離したら一瞬で消えたしさ。
何それ?言い逃げかよ⁉︎ってモヤモヤを抱えて(二年ぐらいしたら婆さんのこと忘れてたけど)、その後は生きてきたよ。
それはそれは波乱万丈で、退屈どころか安息すらほぼ無い日々だったわ。

で、この事を思い出したのは二十歳になった、去年の誕生日。
なるほど。『日本』が変わりかねん日に、よりによって『二十歳(最近は18歳からって方針で進んでるらしいが)』になるとか嫌み以外の何物でもないと思ったさ。だからあまりに腹立って、白票で投票したさ。
日本は今後どうなるのかねぇ...。

とりあえず、これが『知らん人に意味深な事を言われたら、一応気にしといた方が後で思わぬ助けになる』ってのを学んだエピソード。

(誕生日のヒントは豊川信用金庫、祥光山•本妙寺)
[ 2015/09/17 ] ◆R2Z3wWhg

[ 95006 ] カーナビのお話

投稿された変化する写真をまじまじと見ても自身に何の変化もなく「あぁ、自分は零感なんだなぁ」と今更思うヘタレでビビりな自分が体験した話です

オチを先に言うならば、カーナビがトンネルや山道入って少し座標かずれたのかという普通の話ですが語らせていただきます。

そのカーナビは四年前に新品で買ったものである。働きだして車も乗るようになったのでカーナビがあれば便利だろう、MDなんてもう使えない!!という理由で、なかなかのお値段で少し頑張って買いました。(最新地図も当時のまま)現在もお世話になっている。

去年の夏、地元石川県の山中温泉に親戚と共に毎年恒例の旅行にでかけた時のことだ。
自分は少し遅れて一人で山中に車で向かっていた。
小松方面から山中に入る際四十九院トンネルというもねがあるのだが、このトンネルは新しいトンネルであり、旧トンネルは心霊スポットと言われている。
旧トンネルは新トンネルに入る少し前に脇道を行った所にあるのだが、古い道のため(記憶違いかもしれないが)1車両しか通れないような道である。そして以前昼間に友人たちと行って何も起きなかった場所だった。

そんなことを思い出しながら新トンネルを通過し出口に近付くとカーナビが「この先左です」
まー確かに左方面に温泉街があるのだがそれは橋を一本渡った後の所である。しかしカーナビはトンネルをすぐ出て左に曲がれという。
で、まぁ従ってみるかという気持ちなりトンネルを出てすぐ左に曲がる。すると細い道に入りどうみても山道に入り温泉街とは別方向の道に続くような感じで「あれ?これは旧トンネルに続く道じゃないか?」と思い少し進んでみると案の定、入ってすぐに「この先通り抜けできません」の看板…
「あートンネル入って目的地の座標が狂ったか?」と思い進行するルートを見てみると
旧トンネルを通ってまた新トンネルを通るようなルートになっていた。
ループかよ!?と思いながらほんのちょっと広い所でなんとかUターンして無事に温泉に到着したのであった。

旅館に着いたすぐにかなり強い雨がふり山には霧がかかっていた。
もし旧トンネルの存在をしらずあのままトンネルの方まで進んでいたらどうなっていたのかな?と旅館で寝ながらお菓子を食べテレビを見ていてふと思った。
[ 2015/09/18 ] ◆jPQ0updc

[ 95008 ] NO TITLE

勘が良い。

ある推理小説を読んだとき、サブキャラの見た目をある俳優さんで考えてた。
細かく読んだら違うんだがどうしてもそのひとで脳内再生される。
普段は漫画のキャラクターとかで再生するので余計不思議。
その小説が面白かったので前作(別シリーズ)読もうと思いネットで著者略歴を見た。
前作はすでにドラマ化済み。自分の住んでる地方では放送はなかった。
主演が例の俳優さんだった。
前作ドラマ化は自分が読んだ本の発刊二年後なので、その俳優さんをモデルに書いてたなら作者が凄い。

あるドラマにはまった。
しょぼいが絵を描くので好きなキャラ二人を描いた。
次の放送で同じポーズされた。
因みにお姫様抱っこ。ギャグで描いたのに。

二番目のキャラの片方は描いた後あるゲームのキャラクターみたいと思った。
顔ではなくて服装。
適当に描いたのでつい真似したんだと思った(ただし二回くらいしかそのゲームキャラは描いたことがない)。
1年半くらいしてゲームが実写化。
その俳優さんがキャスティングされててビビった。

あんまたいしたことないですね。
[ 2015/09/18 ] ◆-

[ 95359 ] そんなの絶対怖くない?

俺にはうざったい友達がいる、

まあコイツが居ねーと一人だからいーんだけど…


よく聞いてくるんだよ、


「今地球が滅亡したら怖くない?そんなの絶対怖いよね?」

って。

俺は

「別に」

って返すけど、
やたらそれがうざい。

「今もし犯罪者が家に来たら怖くない?そんなの絶対怖いよね?」

「別に?」

「じゃあさ、怖い話して幽霊出たら怖くない?そんなの絶対怖いよね?」

「別に?」

今もまさにうざったい。


「俺が幽霊だったら怖くない?」

「は?」







「…そんなの絶対怖いよね…?」
[ 2015/09/22 ] ◆L1ch7n1I

[ 95713 ]

中学の夏休み中の実体験です。


夏休み
その日は友人A宅で友人Aと2人で遊んでいた(2人とも霊感ありで怪談好き
夏だからか話の内容が幽霊とか肝試しになっていった


友人A「近くに空き家があってさぁ
そこに肝試し行ってみる?」
俺「え、大丈夫なん…?人ん家やろ?」
友人A「大丈夫、ずっと誰も住んでないしボロボロやし!行こ!」

なにが大丈夫か分からなかったが
まだ夕方前で明るいし暇つぶしになるかと行くことに


着いた、外から見ても確かにボロボロ
家の周りには草が生えまくり、二階の窓から見えるカーテンはビリビリに破けてて不気味だ

いざ入ろうにも
正面の玄関と窓にカギが掛かってて入れない
中を覗いてみるが暗くて見えない
友人A「裏に回ってみようか」
空き家の裏には人一人が通れるぐらいの小窓があって
石でぶち破り入る事に

ぶち破ったがどっちが先に入るかで暫く時間を食った
最終的にはジャンケンで決めた
俺は見事に負けた

俺「明かりないじゃんどうすんよ」
友人A「ケータイの光で照らせばいいじゃん」

とりあえず
小窓に片足をかけ中の様子を見る

小窓のすぐ下にはキッチンがあるのが見える。
が、その先が全く見えない
真っ暗というより真っ黒で
ずっと見てると吸い込まれそうな

俺「こえぇ…なんでこんなに暗いんだよ!クソッタレ」
俺「入ったらすぐ友人Aも入ってよ⁈」
とか言いながらキッチンまで降りた
この時点で怖くてたまらなかった
けど、キッチンから降りないと友人Aが入れないし
超ビビりながらもキッチンから降り床に着いた
冷や汗が止まらなかった


俺「早く!入ってきて友人A!」
友人A「ゴメン‼‼怖くて無理‼」
友人Aは逃げた
突然の裏切りである
俺は急いで出て友人Aを追った



俺「なんで⁈めっちゃ怖かったのに!頑張ったのに‼」
友人A「ゴメン…怖過ぎて
明日昼間行こ、昼間やったら明るいし」
俺「逃げるなよ」


そして昼間行ってみると
日当たりがいいのか
奥の方から光がガンガン入ってて
家の中がびっくりするほど明るかった

友人A「茶わんとか箸やら普通にあるねー」
私「新聞ふる!…夜逃げでもしたんかな笑」

その先には居間があって半分くらい床が抜けてた
造花が転がってて
何故かネガフィルムがあった

友人A「床すごいな!なにそれ?」
フィルムには赤ちゃんが写ってた
赤ちゃんの後ろには花が飾ってある
俺「……この花だ」
友人A「え?」
俺「写真に写ってる花この造花だ」
友人A「……まじか」
気味が悪くなり二階も見ずに帰る事に


友人A「気持ち悪いもんみちゃったね」

俺「あのさ…めっちゃ日当たりよかったなあの空き家」

友人A「?うん明るかったね怖さ0」

俺「昨日来た時まだ夕方前で明るかったよな
じゃあ、なんで昨日あんなに真っ暗だったんだよ…おかしくね?
多少は光入ってる筈だろ?それなのに…あんなに」

友人A「…確かに」

俺「あの時奥に進んでたらヤバかったかもな、俺」

友人A「俺が逃げたおかげで助かった的な?」
俺「否定は出来んね」
おわり
[ 2015/09/28 ] ◆-

[ 95714 ] 誰の足

まだ、こどもの頃の話し

従兄弟と一緒に住んでてよく一緒に遊んでた

その頃よくしてた
押入れに入り、布団の隙間に足を入れ(ひんやりして気持ちいい
真っ暗いなか懐中電灯で照らしながら絵本を読んだりする遊び
秘密基地みたい感覚


ある日いつものように押入れに入り
座った状態で布団の隙間に太ももまで足を入れる
自分の足の裏に従兄弟の足が当たっている、ふくらはぎかな
足が重なり合うことなんかよくあるので気にはしなかったが
なんとなーく、ふくらはぎ?の部分を軽くグッとしたら
くすぐったいのか少し足を動かした布団も動く
俺「くすぐったい?」
従兄弟「?…うん?」


しばらくすると暗闇に目が慣れてきて見えてくる
布団から出てる従兄弟の足から分かるどう見ても
自分の下にくる位置にじゃない

そこで思う
今、自分の足の裏に当たっている足は誰のだ
布団じゃない、明らかに柔らかい、人の感触
従兄弟を見ながらもう一回グッとしてみた
下にある足が少し動いた布団も動く

従兄弟の足は動いてない

自分「ねぇ従兄弟、今足当たってる?」

従兄弟「…ううん、当たってない」

自分「…俺の下に足があるんやけど誰やろ?」苦笑い
従兄弟は暗い顔で
従兄弟「やっぱり!なんか変な感じする…いつもと違う
おかしいなって思ってたんだ
くすぐったい?とか聞くし僕の足ここにあるのに」
俺「ど、どうしよう…」涙目
従兄弟「出よ‼」
俺「ひいぃっ!」

血相を変え勢いよく出てきた俺たちに母親はびっくりしてた

母「どうしたの?」
俺「従兄弟の足じゃない足があってグッてしたら動いたぁあ!」
従兄弟「今日押入れ変な感じだったんだよ!」

あまりに俺たちが怯えていたので
母親は押入れを見てくれました
母「何にもおらんけどね
でも、もう押入れに入って遊ぶのはやめときなさい。」

その日から押入れで遊ぶのはやめました
というか、押入れがちょっとトラウマ。
[ 2015/09/28 ] ◆-

[ 96178 ] NO TITLE

つい最近あったこと。

近所の学校で運動会をやる日は、合図?で朝早くに花火をあげる。
音が聞こえたら予定通りあるということ。

何週間か前の土曜日の朝、ものすごい音で目が覚めた。
花火を連続で何十発もあげたらあんな感じだと思う。尋常じゃない音で、ものすごく怖かった。思い出しても寒気がする。
普通なら朝の7時くらいにあがるのだが、その時は朝6時。早すぎるしうるせえ、と思った。
目も覚めちゃったし起きて家事をしていたら土曜日なのを思い出した。自分の時は運動会は日曜日だったので、今は土曜日にやるんだなあとのんきに思った。
起きてきた家族に
「凄い音したな」
というと、「なにが?」といわれた。
「いや、花火」
「はなびがなに?」
話が噛み合わないので六時にあがった花火のことをいった。
きいていないらしい。寝ぼけてたんだというと、「でも今日運動会なんかないでしょ」と。
じゃああの音なに?

実際その日近くのどの学校・幼稚園でも運動会はなかったし、あの音を聴いたのも自分だけっぽい。
あんな音なら近所で話題に上りそうだがそういうこともなく。

ほんとに身の危険を感じる音だったんだけど、なんだったんだろう。
[ 2015/10/03 ] ◆-

[ 98185 ]

私が働いてたビジホ、夜勤は三人体制で
2時間ずつ交代で仮眠休憩とっていたんです

小さなビジホですが、
けっこう料金高くてね
満室になることは、ほとんどない
だから、あるシングルルームを
夜勤者の仮眠室として使っていました

と言うのも
なるべく、その部屋はお客様を入れないで欲しい
と言われていたんですよ。

上が二階に続く階段で
裏がボイラー室だからうるさいという理由でね

でも仮眠室としてあるのに
私より前に入社した人は使わない

早くにチェックアウトした部屋をシーツ交換して使ってる

私は使ってたんですけどね
寝心地悪くて、あまり好きじゃなかったんです

そのうち『○○はもうあの部屋で仮眠とるな』
って言われて。

同じくして、勤務時間が普通に8時間になったから
仮眠必要なくなったし
使わなくなったんですけどね。

で、お客様を案内しちゃいけない
その部屋

満室になることは少ないけど
連休や祝前日、近くでイベントなんかあれば
部屋はすべて埋まる

月に数回だけど、使わざるを得ない
そのうち気付いたんです

その部屋を使うお客様は
チェックインしてから
だいたい5時間以内に帰られる

帰るときに『このホテルって出るって言われない?』
また叫びながら飛び出してきて『窓の外に真っ赤な顔の女がいるから見てきて』
そう言われても、窓の外は
むき出しの配管で、歩くことは困難

うちは夜勤けっこう年寄りばかりで
昼間働いて二足のワラジでみたいな人も多く
みんな身体壊していくんです

私が入ってからで、三人
会社で倒れて亡くなってます
脳溢血2人に心筋梗塞1人

そんなんだから人手不足で、また夜勤ロングシフトに

私はお化けの類は一切信用していないし
見たこともない
例の部屋で仮眠とってたんです

寝苦しさは相変わらず
寝返りするせいか、ベッドから何度も落ちてしまう

でもベッドから落ちる位置がおかしいの

寝返りうって落ちたら
ベッドに寝てる真横に落ちるはずでしょ

それがベッドの半分から後ろの方や
酷いとベッドの後ろの通路に

私、なんて寝相が悪いんだろと
自分で呆れましたね。

ある日、目覚ましより早く起きたんです

顔でも洗って、仕事戻るかとウトウト考えてると
急に足を掴まれた感覚

足がつったと思ったら
ズッと凄い力で引っ張られたんです

で、ベッドから落ちてしまった

それから私はその部屋で仮眠とらなくなりました。


この部屋の話には後日談があるんです

昔、夜勤一緒にやってて
体調崩して辞めてしまった同僚が
会社が潰れる前に遊びにきました。

実はこの人に『○○はあの部屋で仮眠とるな』
と言われたんですね

『そう言えば○○、仮眠とってる間、大声で呻いたり叫んだりしてたけど大丈夫だったか?』

え?私、そんなことありませんよ
てゆか大声なんて出しませんよ。

『かなり離れた部屋のお客様から、叫び声が聞こえると言われて、部屋の前まで言ったんだよ。そしたら○○の声なんだけど、男のような低い声でブツブツ何か話していてな。こりゃヤバいって思って、あの部屋は使うなって。あそこはまずいんだ』

結局仕事辞められなくて
最終的には病気が重くなり私もそんなに長くないでしょう
[ 2015/10/28 ] ◆-

[ 98221 ] NO TITLE

>>98185
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2015/10/29 ] ◆Ahsw8Nok

[ 98259 ] NO TITLE

夜勤のある職場に勤めてるんだけど、そこで時々あれ?と思うことが起こる。
ちなみにそこは高齢者の方が暮らしてる施設で、今のところ職場内でお亡くなりに
なった方はいない。
職場ができてまだ一年経ってないし、病院と提携してないので、病気になったら入院必須。
この前朝の6時半頃出勤すると、職場の中の空気がなんだか妙にざわついて
胸騒ぎがしたので、トラブルでもあったのか?と思い、夜勤の人に
「何かありましたか?」って聞いてみた。
夜中に救急車でも呼ぶようなことがあったのかなと予想したんだけど、夜勤の人が
ひきつった顔で「あとでね」って言って、その場では聞けなかった。
仕事がひと段落ついてから「実は…」で聞かされたのが
・自力ではベッドから降りられない人の部屋に置いてある床センサーが一晩中鳴りっぱなし
・高齢者の方は全員居室で休んでるのに廊下を歩き回る足音がする
・朝食を作ってる最中、用事があって台所を離れたら味噌汁が完成していた
ということがあったらしい
センサーは接触不良だったんだよ!
全員休んでおられたと思ってたけど、誰か起きて廊下に出てたんだよ!
お味噌汁も入居者さんのどなたかが作ったんだよきっと!
ってことにしたけど、夜勤さんは味噌汁に箸をつけてなかった。
事務所に神棚を設置してから、そういうことは起こってない。
[ 2015/10/29 ] ◆j8wrnVjs

[ 99771 ] NO TITLE

よそのまとめに『我が家の風呂場に白いワンピースを着てやたら髪の長い女の子が頻繁に出ていた。』って
いう話があったんだけど
新しい投稿みたいだったのでまだ元スレにあると思います。
良い話なのでぜひお願いします。
[ 2015/11/18 ] ◆-

[ 99775 ] NO TITLE

>>99771
「なんか笑える霊体験31」の話ですね。
このスレッドの書き込みが1000くらいになったらまとめ始めるので、もう暫くお待ち下さい。
[ 2015/11/18 ] ◆Ahsw8Nok

[ 100019 ] 廃炭坑のプログラムくん

後味が悪い話なんでここに書くのは違うかもしれないけど。
昔のゲームでロックマンエグゼというのがあって、それの5作目だったかだと思う。ハードはゲームボーイアドバンス。あれからずいぶん時間も過ぎたのに覚えてるくらい、けっこう後味が悪い。というか悲しい。記憶が怪しいところもあるから間違ってるとこは勘弁。

物語の途中で主人公が廃炭坑のある島に遊びに行くんだけど、仲間が悪い奴に捕まって炭坑奥でドリル機械で殺されかける。でそれを主人公が助けるんだけど、そのドリル機械を止められる位置に着くまで何度か電子制御の扉があって電脳に侵入、ロック解除してかなきゃならない。その中の一つにあるプログラムくんがいるんだけど(プログラムくん自体はだいたいどこの電脳にもいるんだけどね)、その子の台詞が悲しすぎる。どんな事言ってるのかというと、詳しく覚えてるわけじゃないけど要約すると

「みんなどこに行ったの? もう炭坑掘らないの? おいてかないで、ひとりぼっちはイヤだ、寂しい」

きっと手間を惜しんでここの電脳を回収しなかったからこのプログラムくんは置き去りにされてるんだろうけど、あんまりだと思った。自我なんか持ってるから余計に。何とかしてここから出してやれないものか、1時間くらいあれこれ見たり話しかけたりしたけど結局なんの救済もないし。ガキの時分でもいたたまれない気分にさせられたよ。
自分が小学校高学年頃に発売されてたゲーム、だったと思う。
[ 2015/11/22 ] ◆-

[ 101915 ] NO TITLE

ふと夜中に目が覚めて、腕の重さにずいぶんひどい体勢で寝ていたんだと気づいた
寝なおそうと体を起こしてそちらを見ると、重かった腕に見知らぬ人間が地引網のように連なっていた

寝返りの最中につかまれたんだろうか
[ 2015/12/25 ] ◆-

[ 102043 ] とんとんさん

これまで一度も霊体験してなかったのですが、初めて遭遇した時の事。

疲れていたので、布団の中に入ったらすぐ眠りについたのですが、ふと息苦しくなって目を覚ましました。
横になって寝ている私の上に、髪の長い女性がのしかかっている。身体動かないし、うわぁこの人何なんだ~!?と焦りつつも思考が、眠い>怖い という風に疲れと眠さの方が勝っていました。
なので眠いのに何なんだ、この人は!と思い
「何なんですか、疲れて寝ていたのに。こんな夜中に非常識ですよ!」と文句を言うと、女性は「すみません…」とつぶやき消えてしまいました。

それ以降、週一位寝ていると「トントン」と控えめな部屋の戸を叩く音が聞こえてくるように。最初怖かったのですが、ドア開けても誰もいないし、あ~あの時の人かなぁと。
だから夜中は寝ているんだって!ノックして人を起こすんだったら、私の起床時間に叩いてくれればいいのに。と思ったら、だんだんと深夜から明け方にノックの音が。とうとう起床時間10分前にノックの音が。もちろん誰もいない。(起床時間に目覚まし時計はかけております)
とんとんさん(ノックの音がトントンと2回なので、勝手に命名)、あと少し!と思っていたのですが、それ以来こなくなってしまいました。
だぶん何か言いたくて、訪問(?)したのだろうけれど、聞いてあげなかったから、別のところにいってしまったのか、諦めて成仏したのか。後者だといいんですけど。
[ 2015/12/27 ] ◆WNG0bjRI

[ 103376 ] アパートの二階、一番隅っこの部屋。

夜中1、2時くらいやったかな…
仕事の残業で帰りが遅くなった日のこと。
残業が終わったのが12時で、それから飲み会もあったから、
多分2時くらいだったかな。
だいぶ飲んでたから、正直、
記憶も途切れ途切れかもしれないんだけど…
これは今までで一番怖かった出来事。


いつも通り、古いアパートの二階に、
上がった。
アパートの二階への階段も、
すっげぇ古くてギィギィ言うわけ。

まぁ、それは置いといて……

俺の部屋は、二階の隅っこ。
薄暗いけど家賃が安かったからなぁ…

で、鍵を開けて部屋に入ったんだけど
なんか、いつもより部屋が冷えてたわけ
酔ってたから涼しくてよかったんだけど…

すると、
ピンポーンってインターホンが鳴ったわけ。

夜中2時だよ?
こんな夜中に可笑しいなぁ、って思いながらも
ドアを開けたのね。

「こんにちは!実は、俺、前にここに住んでたんスよ!」

10代後半~20代の若い男性が立っていた。

俺はなんなんですか?って聞いたら

「近くを通ったら、灯りついてたんで、どんな人が住んでんのか気になったんスよ!」

って言うから、なんか変な人だなと思って
突き返そうとしたんだけど…

「…待って下さい!じゃあ家賃だけ教えて下さい!」

「………2万だよ」

「…やっぱ安いッスね、だってここ人死んでますからね、
 そこで首吊って…」

一瞬背中がゾッとしたから、 
俺は帰れと、ドアを閉めようとしたわけ。

「…どんな奴が死んだか教えますよ?」

「……帰れ…」

「…俺ですよ」

俺は本当に息をするのを忘れてたかもしれない、
体の力が一瞬で抜けた。

「…だから帰れって言われても、俺の居場所、ここなんで」





朝、起きたら俺は
玄関で寝ていたようだった。
でも、ドアは開いたままだった。

俺はまだ、そのアパートの二階、一番隅っこの部屋に住んでいる。

たまに、夜中インターホン鳴る。
またアイツが来ているのかもしれないから開けないけど。
[ 2016/01/19 ] ◆L1ch7n1I

[ 103855 ] NO TITLE

オチも曖昧ですが、妹に纏わる不思議な話しとして書き込ませて下さい。
遡ると20年近く前の部分もあるので、記憶が曖昧な部分は補完してます。
そして長文注意です、すみません。

私が知る限り妹が小学1年生の頃ですが、地震予知のような事を言い出し、
そして時折当てていました。
しかし外れる事も多く、歳の離れた妹の言うことと笑って済ましていたのですが、年を追うごと徐々に確率を上げていました。
そしてある時、的中した際に何故どういう風に分かるのかと質問したところ、妹が以下のように話しいたのを覚えています。

「例えば今日の晩御飯がお鍋だってお母さんから聞いたとするでしょ?」
「そうすると、またお兄ちゃんがポン酢使い過ぎってお母さんに叱られて、お父さんは椎茸が嫌いな理由を今日も喋るだろうなって思うの」
「いつもそんな風に想像する」
「でも、そういう想像を『そんなわけないな』って思う時があって」
「きっとそんな風にはならないって、どんどん思えて来るけど理由は分からなくて」
「そういう感じで、何かいつもと違う風になる気がして仕方ない時、地震がある事が多かった」
「だから今日も地震あるのかなと思った」

百発百中なら一大事ですが、当たるのがたまにで地震の規模も微妙だったりする為、基本的に家族として静観していましたが、私達兄妹にはキツい箝口令が敷かれてはいました。
「大半は外れるのだし、外れたら嘘つきになる」
「それに当てたとしても地震が来て喜ぶ人はいない」
「一時的に凄いと言われても、外れたらいじめられるのがオチ」
「勉強や体育などのように、おまえが何か頑張って成し遂げた結果じゃないのだから、別にお前自身が凄いわけではない」
「だから他人に話してはいけない」
といった内容で諭し諭されたものです。

妹が中学1年生の頃には、地震のみならず近所への落雷や母の交通事故、電話が鳴る直前から電話機に向かって動きだしたりする事までありましたが、親として「本人が特に苦しんで無いのに精神科のカルテは作らせたくない」という考えが強くあり、私も途中からそれを聞かされていた為、極力騒ぎ立てないよう務めていました。
妹に対しては、常日頃から両親が辛抱強く他人に漏らさないよう諭し続けていました。

そのピークともいえる中学1年生の秋頃だったと思います、突然本人から
「さっぱり分からなくなった」
と真顔で相談された事がありました。
原因も分からないとの言い分で。
私がそれまで興味本意で調べた中に「初潮直前の少女が居る家でのポルターガイスト発生率は高く、初潮が来るとポルターガイストも一気に収まる」というものがあったので、それに類するものではと話しましたが、それも当てはまらないとのことでした。
それ以前に幽霊は見えるのかとの質問した際「全然見えない」と答えてはいましたが。

結局分からなくなった原因も不明のまま、彼女は大人になり、そして嫁に行き、今は2才の息子が居ます。
ちなみに東北の震災の際は「確定親告で四苦八苦してたら突然揺れた」とのことでした。

そして今年の正月です。
珍しく家族一同が実家に介し、私と母と妹だけが深夜にテレビを見ていた時(父は既に孫と就寝)、ちょっとした偶然から、これまでの話しが話題となりました。これまで我が家のタブーの1つではありましたが、もう今さらという事もあり、まさしく忌憚のない意見が飛び交う事となりました。

「とにかく心配で匿名での診療が可能かと調べたりもした」
「親戚にも相談できず、ただただ仏壇や墓に向かって祈るだけだった」
「そもそも全部本当だったのか?」
「自分で自分の事をどう思っていたのか?」
「分からなくなったのも本当なのか?」

改めて妹に聞くと、私も母も知らない話しなど出てきましたが、これまでの私達の認識に特に大きな相違は無い答えばかりでした。
ただ1つだけ、予知が出来なくなった原因について、本人には思い当たる節があったと告白されました。
文字通り私達二人は炬燵の上に身を乗り出しました。

「その頃に初体験したのよ、夏休みに」

大いに合点がいった様子で母は大きく頷きました。
「いわゆる普通の初体験だったと思うんだけど」と、神の啓示も何も無かったと笑いながら本人は話していました。
そこからアレコレと仮説を述べ合ったりしましたが、結局は本人の一言
「結局は穢れたということじゃないかな?」
との言葉で一同納得。
「巫女や依子じゃあるまいし」との突っ込みは何度か出ましたが、まあそんなところなのかと。
ちなみに神仏との縁が特に深い家系という事はありません。

数十年来の謎がすっきり晴れたとは行きませんが、何となく納得、何となく不可解な正月深夜の不思議な語らいでした。

長文駄文で失礼しました。



[ 2016/01/27 ] ◆-

[ 104487 ] 父と人形の話

零感で何も見えない自分がまた語ります
ある話で御守りの紐が解け危ない目にあったのを読み、父の話を思い出したので書きます

亡くなった祖母はお祓いに近いことをやっていて、その中には市販の人形(小さいぬいぐるみのもので五指もできるだけ再現されたものだがキューピーは使われたことがない)を身代わりとして置いておくというものもあった

自分たち家族はその身代わりとなる人形を車内の天井に紐でかけて運転している

その人形の話なのだが、父は過去に3度大きな事故に巻き込まれたのだが、その内2つは事故直前に身代わりの人形の紐が自然に解け、人形がポトリと落ちたという
その場合車がひどい状態になるのだが本人は無傷だったらしい

オマケとしてもう一つの事故は人形は関係無いのだが、とある親類の葬式の準備の際、父と他男性二人が車で移動することとなった
一人が運転席にもう一人は後部座席に座り、普通なら父は助手席に座るものだと思われるが、父は何故か勘が働いたのかもう一人と後部座席に並んで座った

オチは大体もうわかってると思うが、そのあと横から車が突っ込んで助手席の部分が大破
しかし車内の3人は一人として大きな怪我を負わなかったという

どんな護りだよ自分にもわけてくれよ
と思った昔の話
[ 2016/02/05 ] ◆jPQ0updc

[ 104493 ] NO TITLE

ばあちゃんが20代の時の話。

忙しく朝の支度をしていた時、見慣れない高級そうな車が家の前に来て止まった。
何事だろうと慌てて表に出てたら、車はなかった。
その頃はまだ雑木林が沢山あって、近所の見通しはよくなかった。
家の前で止まったのを確かに見たのに、土埃も立っていたのに。車の音も。
それではっとした。
旦那の働く鉱山は今なら車で30分の距離だけど、車なんて町に数台しかない。
電話も近所にないので連絡の取りようもない。
お昼、病院に運ばれたと連絡が来た。
子供を隣に頼むと、近所の妹とふたり病院に走って行った。
草の生えた裏庭に、ムシロ敷いて寝かされていた。
病院に付く前に亡くなっていた。
くやしかったね…。
せめて包帯でも、薬でも…物がない時代だったから、なんにもしてくれなかったし、してあげられなかった。

あれは夢で見たのかね、わからないけど、と、茶飲み話に聞いたじいちゃんの話でした。
[ 2016/02/05 ] ◆RWVFfhjU

[ 104508 ] NO TITLE

>>104487
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/02/06 ] ◆Ahsw8Nok

[ 104614 ] 夜の病院

文才がないので読みにくいかもしれないですが、昔入院していた時の体験をひとつ。

その病院は今は名前は変わっているが地元では誰もが知っているほど名の知れた総合病院。
入院のきっかけは左耳のこめかみ付近にプチトマトくらいの腫れものが出来きて膿が溜まってしまった。
最初は外来で治療していたんだが朝一病院行って仕事。疲れで治りが遅いから入院して手術しちゃいましょうってなった。レントゲン撮ったら膿の巣みたいなのが複数出来ていてこりゃあ巣ごと摘出しないと炎症繰り返すってなったわけで。
炎症が酷いうちは手術出来ないから1日3回抗生物質の点滴。んで、いよいよ明日手術ってなった晩のことだった。
古い病院なので病室の扉を開閉する度にギィギィ音がするのよ。
入院したことがある人なら分かると思うが深夜に看護士が各部屋を巡回しにくるんだよね。
俺は夜型人間だから深夜は毎晩起きていて携帯にイヤホン繋いで音楽聴いたりゲームしていた。
巡回の時間は大体決まっていて深夜2時とかそれくらい。
イヤホンしながら携帯ぽちぽちしてたらカーテン越しに懐中電灯の明かりが見えた。
起きていてるのを見つかるとやんわり注意されるので寝たふり。
ぼんやりとした丸い明かりが近づいてくる。
俺のベッドが四人部屋の窓側だったんだが、仕切り?のカーテン越しに明かりが見える。
まるで俺のベッドを狙ってるかのようにしばらく明かりが向けられていた。
早くどっかいけよ!とか内心思っていたんだが何か違和感を覚えてた。
看護士のシルエットがゆらゆら揺れてる。白いカーテンに浮かぶ人型がずっとゆらゆら揺れている。
気持ち悪い奴だな、位に思ってたんだけど、明かりが反れてそいつは退室して行った。
そしたら次にギィ、と扉の開く音がしてまた看護士が巡回に来た。
またかよー、と思いながらふと気づいたんだ。
上記にもあるが病室の扉は開閉する度にギィって必ず音がする。
最初に来た看護士の時は足音はおろかあの木製ドア特有のギィ…が一切聞こえなかった。
途端に怖くなって布団を頭まですっぽり被って動けなかったよ。
あれが本物の看護士だったのか、別の何かだったのか今では分からない。
病院って怖い。特に深夜は。

長文すみません。以上です。
[ 2016/02/07 ] ◆-

[ 104625 ] 光の向こう

連投すみません。夜の病院を投稿した者ですが、手術中に起きた不思議な体験を投下。
こみかみの手術ってことで部分麻酔ではなく全身麻酔に。
医師曰く、軟骨とか削るから部分麻酔だとかなり怖いと思うよ〜w
仕方ないので全身麻酔に。
静脈から直接麻酔を入れるとのこと。
いざ手術となるとやはり緊張する。
担架に乗せられ手術室へ。

「麻酔入りますね〜」
牛乳みたいな液体が静脈に入った瞬間、すぐに意識がなくなった。
手術自体は約二時間。
全身麻酔だと自立呼吸が停止、脳神経がシャットアウトするのでいわば仮死状態。
だから麻酔が効き始めたらすぐに気管に器具を挿入して呼吸を確保すると後で知った。
夢かよくわからいが、俺は病院の通路みたいな廊下をひたすら歩いていた。
ずっと向こうには眩い光が見えて、ひたすら目指して歩いている。
歩けど歩けど中々光の先へたどり着かない。
途中で真っ黒い人影が数体見えた。
とにかくあの光に向かって歩かなければ。その一心でひたすら歩いた。

やっと光のそばに近づいた瞬間、眩しすぎて目が眩んだ。
うわ、まぶしっ!
思わず目をつむって恐る恐る瞼を開くと手術室の中だった。
側にいた医師軍団が驚いた顔している。
どうやら予定より早く麻酔が切れてしまったらしい。
全身麻酔についてくまなく調べた結果、何故麻酔が効くか未だに不明だという。
中には麻酔から一生目覚めない患者もいるとか…
もしかしたらあれは臨死体験だったのかもしれない。
だとしたら廊下の途中にいた人影はどうなったんだろうか。

個人的に麻酔から目覚めない、が一番怖かった
[ 2016/02/07 ] ◆-

[ 104741 ] 穴

昔バイトしていたパチ屋が出すぎてやばかった。

郊外にある古いパチ屋で、パチンココーナーとスロットコーナーが別々にある。
通路の両脇に島といって要はパチンコ台の設置してあるコースがあるんだが、一番端の島がとにかく出る。
島の奥にカフェコーナーがあったんだけれど、カフェのお姉ちゃんが男がカフェの中に突然現れて泣きながら逃げ出す始末。他にも貞子みたいな女が通路をうろうろしていたり、常連のおっちゃん達も軽い口調で「この島出るんだよなーあっはっは!」なんて幽霊騒ぎは日常茶飯事だった。

ベテランの先輩Aさんがかなり霊感の強い人で、俺はあの島には近づくなと言われていた。憑きやすい体質らしく、カフェに出没する男の霊が狙ってる(憑依してやるって意味で)からとのこと。
休憩中、A先輩と二人きりになった時に例の男の霊について聞いてみたんだ。
普段はお調子者キャラのA先輩が真顔で、
「あそこ(カフェんとこ)な、穴があるんだよ」
と言った。
「霊道とかじゃなくて、底なしの穴がある。俺はある程度の霊は気にしないけどあの男は特にやばい」
何となく気まずい空気が流れたが、先輩が気をきかせて小島よしおのモノマネをしたがあまり笑えなかった。
他にもその店では色々あったが割愛。
因みにそのパチンコ屋は今もある。

オチがなくてすんません。
[ 2016/02/09 ] ◆-

[ 104931 ] 幽霊達の流行

私は幽霊などが見える時と見えない時を入れ換えられるのですが、昔はそれが出来ず、ずっと見えっぱなしでした。
ただ、力はそれほど強い訳ではなく、一日に三体~五体くらいしか見えなかったのですが、やはり生活には不便で、たまに他人からは不審者扱いされておりました。
本題はここからなのですが、長い間霊というものを見ていて気がついたのですが、幽霊達の中では生きているものを驚かす方法の流行というものがあるようなのです。
もちろん、『自分が死んでいる』と自覚している幽霊限定のようでしたが。
幽霊達のあいだでも生きている人間同様、友好関係があるかはわかりませんが、その流行に乗ると楽しいようでテンションが上がっている様をよく見ました。

驚かせる流行一例:
腰から下のみで走り抜ける
首だけで現れる
落下してくる
手をベタベタ
扉を開く
足音のみさせる
物を落下させる
追いかけてくる
上半身のみで現れてみる

などです。
基本的に私は驚かないですし、幽霊を見て顔をしかめたり、舌打ちをしておりますので、幽霊達も「怒られちゃった」状態でよく消えてくれます。
あくまで、『自分が死んでいる』と自覚している幽霊のみの話です。
基本的に私はあまり悪霊に会いませんし、会ってもそれほど痛い目もあっておりません。不幸中の幸いです。ご先祖様に感謝です。
都市伝説らしきものに遭遇しても、後日友人に話して指摘されるまで気がつかないくらいなので、本当に幸せものだと思います。
[ 2016/02/12 ] ◆Otiu6BrM

[ 105858 ] おばあさんから聞いた村の伝説の話

うちの田舎のおばあさんに子供のころ聞いた話

S県の県庁所在地の山のある方におばあさんの実家があるんだが、室町時代か戦国時代の頃にその付近を治めていた殿様がいたそうだ。ある時、秋の終わりごろに他国との境界に戦さに出ることになり、
村の領民に殿様は

「 今度の戦は長くなりそうだ。正月前に帰ってこれるか分からない。もし、わが軍が正月過ぎて帰ってこれない場合、正月の餅つきはしてはならん。帰国するまで餅つきと餅を食べる事は禁止。」とお触れを出してから出陣したそうだ。

だが、結局 お殿様の軍勢はお正月を過ぎても帰国する事はなく、正月も10日ほど過ぎてしまった。
村の領民の一部は殿様の帰国を待つことができず、餅つきを始め食べてしまいだした。ようやく15日になって殿様の軍勢が帰国した。だが、お殿様は合戦で討ち死してしまいお殿様自身は生きて帰国はできなかった。

軍勢の帰国前に餅つきをした家に特にお咎めはなかったそうだ。しかし、その年の秋の収穫の時期に不思議な事に帰国前に餅つきをした家だけが凶作になった。村人たちは「 お殿様との約束事を守らなかった罰が当たった 」と噂した。それ以来 その村はお殿様の約束事を守るという意味で正月の餅つきは毎年1月15日となったそうだ。

時は下って、うちのおばあさんが子供の頃の昭和の初めになっても 村の掟というか言い伝えは生きていて正月の15日に餅つき初めだったそうだ。だが、一部の村人はもうそんな古い時代の言い伝えは無視して普通に元旦から餅を食べようと言い出す人も出始めた。

うちのばあさんの実家は大昔から山をいくつか持ち、田畑を他人に貸す庄屋さんの家柄だったそうで、大昔の殿様の合戦の時も軍勢が帰国する前に餅つきはしなかったと伝えられていたので昭和になっても言い伝えを破ろうとはしなかった。

 だが、言い伝えをほとんどの村人が破って15日より前に餅つきをした人が出た年に事件が起こった。その年の冬にある家の馬小屋から火災が発生し、風も強風であっという間に火が家々に燃え移り、村どころか隣の市内の広範囲が焼け落ちる大火事になってしまった。(この大火事は市の歴史年表にも記載されている)

うちのばあさんの実家はというと、何故かその付近だけ風の向きが違い周囲の家が焼け落ちても火事にならずにすんだそうだ。結果として村の言い伝えは生きていたという事で、その後はその村(今は市に合併)の人々は殿様のお触れの言い伝えを守り餅つきは15日以降となっているそうである。
[ 2016/02/25 ] ◆-

[ 106028 ] NO TITLE

母の都合によりフィリピンに住んでいるのですがこっちにきてから不思議な事が起こるようになりました。
私は今フィリピンに住んでいるのですがそこでの話です。


引っ越し先での家でなぜかざわざわという音、そして人の喋る声がするのです。(タガログ語で何を言っているかはわからないのですが)
母とハウスメイドに聞いても聞こえないと言います。
この音や喋り声が聞こえるのは決まって、私、母、ハウスメイドの三人がそろっているときです。
何度二人に聞いても聞こえないというので私の幻聴かと思いましたがそうでもないようです。

というのも停電が起きた際セキュリティーガードマンがやってきたのですがその時「パーティーでもやってたのか?」と聞かれ、やっていないけどなんで?と聞いたところ「さっきまで大勢の喋り声が聞こえていたからさ。今はしないな。」そう言われました。

もう一つあってこれは先日起きたことです。
日本から出ていく時に祖父からお守りを貰いリュックサックに付けて学校へいつも行っているのですが、先日夜中に私の部屋で学校への準備をし、終わった後バッグを枕元に置き眠りにつきました。
すると急に人の笑い声、喋り声が近くで聞こえてきました。
先ほども書いたようにそういった喋り声等は家族がそろった時以外聞こえたことはなく、一人の時に聞こえたのはこれが初めてでした。

声はどんどん大きくなっていき最終的には声だけでなく体を揺すられ現象まで起こり始め、その内足を掴まれグイグイと引っ張られるまでになりました。
抵抗しようと足を戻そうとしますが引っ張る力の方が強く体は下の方へ下がっていくばかりでした。

もう駄目かもしれないとそう思ったとき、ブンっという何かを振り回したような音が聞こえその瞬間引っ張られる感覚や声が聞こえなくなりました。
その後は怖くてしばらく布団の中で丸まりながら起きていたのですがいつのまにか寝ていたようでハウスメイドが起こしに来て目が覚めました。(ハウスメイドや母には話しても信じてくれないだろうと思い話しませんでした)

支度をして学校へ行こうとリュックサックを見ると、お守りの紐が切れていました。
それだけでなく何かお守りの周りが煤けて黒くなっていました。
煤けて黒くなる前は鮮やかな朱色だったのですが見る影もありません。

このお守りが私を守ってくれたのでしょうか。
母からはクリスチャンなんだからそんなの付けないで捨てなさいと言われましたが、貰ったものだしそれをするのは向こうの神様にも失礼ではないかと効力はあまり期待せずに付けていたのですが。(異教徒には効力がないと思っていました)

異教徒である私をお守り頂き感謝しても足りません。
今年の三月から六月まで夏休みなのでその際にお礼を言いに神社まで行こうと思います。

所々、日本語がおかしかったり読みづらかったらすみません。ご容赦ください。
[ 2016/02/27 ] ◆-

[ 106185 ] ウィンカー

十九才の頃の話。

運転免許を取るのは、私は所謂見えるタイプ(と言っても時々)だったので、幽霊と人とたまに区別がつかない為にとても嫌だったのだが、両親も祖母も煩かったので、いつかは取りに行かねばならなかったし、お金も工面してくれるとの事だったので、渋々取りに行った。
運転免許を取得しに行くまで、私はウィンカーを出す方向をずっと勘違いしていた。
それというのも、私の認識では幼い頃から、親も対向車もどの車も、曲がる方向と逆の方向と違う方向にウィンカーを出していたのだ。
幼心ながら、曲がる方向にウィンカーを出せば解りやすいのになんで逆?とよく思っていたのも覚えていたし、取得しに行く少し前までも、そうずっと認識していた。
幼い頃にもそれが不思議で確認した会話の記憶もある。

「そういうものなのよ」

と、母に言われて納得出来なかった記憶も。
なので、母に運転免許を取得しに行く前に幼い頃にも確認したようにウィンカーの話を笑いながら話した。

「皆、ウィンカーを曲がる方向と逆に出して曲がるけど、曲がる方向にウィンカー出したら解りやすいのにね」

母はきょとんとしいた。
何故、きょとんとしているか私は最初わからなかったが、聞けば、誰もウィンカーを曲がる方向に出している、逆に出す者は居ない、との事。
私は驚いた。
それから、運転免許を取りに行く当日になるまで、ずっとウィンカーの方向指示を確認していたが、母の言う通りだった。
私は愕然とし、過去を振り返った。どこかおかしかった部分が確かに幾つかあった気がしたのだ。ただ、もう何年も過ぎてしまい、思い出せなかった。

ここは、何処だ?

そう思っても後の祭だった。帰り方もわからないからだ。それに、ほとんど全てが同じなのだ。自分の認識がわからなくなるくらいに。
車のウィンカーの方向指示だけの意識のみが、残っていただけで。
私は、どのタイミングで、ほとんど変わらない別の世界に来たのか、ただ、意識だけが入れ換わってしまったのか悩む日々を過ごしたが、周りには話せなかった。
話さないうちに、忘れてしまった。
十年近く経って、今日突然思い出したので、書いた。

自分的にはとても怖いな、と思った話のひとつ。
[ 2016/02/29 ] ◆K4u.dYMo

[ 107408 ] 勘

変な勘がある。

中学生くらいの頃に初めてそれに気づいた。
教室でクラスメイト四人くらいで喋っていた時に、ひとりの女子(Aとする)の鞄から下がったキーホルダーがやけに目について、気になって仕方なくなった。別に欲しいとかはなく、可愛くもなかったし、正直どんなものだったか覚えていないくらい。
Aにそれなに?と尋ねると、もらったとかはぐらかされた。でも気になって、何回かそのキーホルダーの話を振った。おかしなことにAの言うことはだんだん変化。「もらった」→「コンビニで買った」→「誕生日プレゼント」、みたいに。
一緒に居た友達が変だと思ったらしく、最初と言ってること違うじゃん?と言ったら、Aが突然ブチ切れ。殴りかかってきた。男子に取り押さえられたから誰も怪我はしなかったけど(Aも)、Aは何故か泣いてるし、先生とかきて大変だった。
Aは、キーホルダーを万引きしていた。常習犯だったらしく、そのことがきっかけでばれた。わたしが万引きの現場を見ていて、わざとその話をして脅していると思っていたらしい。そんな意図はまったくなかったのに。
それでたがが外れたのか、わたしは変な勘を発揮するようになった。
万引きとか、一区間電車賃をゴマかしたとか、拾ったお金を届け出なかったとか、酷いのだとひき逃げとか、そういう犯罪に手を染めたひとに、やったことに関してしつこく質問してしまう。勿論みんな隠してるし、わたしも何も知らない。でもピンポイントで、「ほんとはもう一つ先の駅で降りたよね?」とか(この言葉は勝手に口から出ていた)、「お金でも拾った?」とか(なんとなくそう思ったから冗談で言っただけ)、言ってしまう。相手は焦って、勝手にぼろを出して、Aみたいに怒り出したりして、周りで聞いてた人達もおかしいなと思い始めて、問い詰められて何をしたか言っちゃう、というパターン。これで何人か御用になってしまっていて、ちょっと居心地悪い。

一番困るのは、悪いことに反応するんじゃなくて、本人が罪悪感を持ってることに反応するところ。
つまり、ダイエット中なのにケーキを食べてしまったとか、そういうことにも反応する。頭から離れなくて眠れなくなるので言っちゃうけど、そんなことで「叱られた」みたいな顔されるのはこっちもしんどい。
あと、殺人とか放火とか、そういうものにも反応するにはするけど、全部ではない。罪悪感さえなければなにも気にならない。それを考えると、わたしが反応しているひとはまだ反省しているんじゃないかと思う。本当に何も悪いと思ってなければ、殺人犯でも気にならないから。
[ 2016/03/20 ] ◆-

[ 107434 ] 『卒業生、ミチコ』

怪談伝聞録
〈卒業生、ミチコ〉

私の父は日本各地に伝わる民話や怪談を取材して回る記者でした。でした、というのは先日その父が病に倒れ
亡くなったからです。
私はそんな父の遺品を整理していました。その時、私は数冊のボロボロになったノートを見つけました。ノートを開いてみるとどうやらボロボロなのは外側だけのようで、中に書いてある文章は読むことができました。文章はノートの最後のページまでぎっしり書いてあります。読む限り、そこに書かれているのは全て怪談のようでした。恐らくこのノートは、父が取材したことを記録するために使っていたのでしょう。
このままだと燃えるごみに出されてしまいそうだったので、私はこのノートを父の形見としてもらうことにしました。そして、父がこれまでに取材してきた怪談話を今、紐解いていきたいと思います。

【I県のとある中学校に伝わる話】

「えー、3年生のみなさん。卒業おめでとうございます」
 それはある年の卒業式のことだった。
 体育館のステージに設けられた教壇上に立ち、校長が恒例のあいさつを述べる。その後祝福の言葉をくどくどと話し始めた。
「それでは卒業証書授与にうつります」
 一人ずつ名前が呼ばれ、呼ばれた生徒は卒業証書を受け取る。1組の授与が終わり、続いて2組、3組、そして最後に4組の番が来た。
「えー、3年4組 佐藤ミチコ」
 4組の授与も順調に進みクラスの半分まできた。しかし、そこで急に流れは止まってしまった。
「えー、ここでみなさんに悲しいお知らせがあります。こんな素晴らしい門出の日に、とても残念なお知らせですが聞いてください」
 そこで場の空気はシンと静まり返る。
「えー、昨日の夕方。3年4組の佐藤ミチコさんがトラックに撥ねられ、お亡くなりになりました。彼女にも君たちと同じようにこれから素晴らしい未来があったはずなのに・・・とても悲しいことです。卒業生、教師、ご来場の保護者の方々、ここで彼女に黙祷を捧げましょう」
校長の「黙祷」という言葉に、その場にいた一同が皆、ミチコに黙祷を捧げた。そして、合図と共に目を開ける。
「えー、みなさんには大変つらい事と存じますが、外の天気を見てください。外は快晴です。きっと、ミチコさんも天国で皆さんの門出を心から祝っていることでしょう」
 ガトン
 その瞬間、教壇横に置かれていた花の入った大きな花瓶が床に倒れた。倒れるはずのない花瓶が何の前触れもなくいきなり倒れたのだ。これにはその場の全員、驚かずにはいられなかった。
「きゃーーーーー」
 突如、女子生徒の悲鳴が体育館中に響き渡った。
「いやぁぁぁー」
 さらに別の場所からも悲鳴が上がった。
「キャーーーーー」
 壁際に立っていた教師陣は、急いでその悲鳴を上げた生徒達の元へと向かった。

 駆けつけた教師が生徒から聞いた話によると、教壇横の花瓶が倒れた瞬間、耳元で女の声が聞こえたそうだ。悲鳴を上げた生徒の他にも、その声を聞いた生徒が多数いたそうだ。
「みんな死ねばいいのに・・・」
 そう呟く女の声を。
 そして、その声はどこか亡くなったミチコの声に似ていたという。


 長文すみません。機会があればまた投稿しようと思います。
[ 2016/03/21 ] ◆oJGIC1vg

[ 107656 ] 二段ベッド

私が中学生だった頃の話です。

その日は夏休みの最中で、友達とプールに遊びに行って疲れた私は、いつもよりぐっすり眠っていたと思う。
でも、突然夜中に喉の渇きで目が覚めてしまった。
クーラーを付けながら寝るのは体に悪くないと母に言われていて、小さい扇風機をベッドの柵に付けて寝ていたせいでもあるのかもしれない。
とにかく喉が渇いたから、お茶でも飲みに行くかと体を起こそうとしたんだ。
すると、体に磁石が付いて布団と引っ付いたように動かない。動かないというか、動かせなかった。
そう、人生初の金縛りだった。
当時の私はビビりな癖に怖い話が大好きで、暇があれば怖い話を探して片っ端から読んでは勝手に妄想して怖がっているような子供だった。
そんなだったから、金縛りにあえたのがもう嬉しくて嬉しくてたまらず、怖いだなんて1ミリも思ってなかった。
金縛り現象に興奮していると、ガチャリと音をたてて部屋のドアが開いたのを見た。
お母さんが入ってきたのか?いやでもこんな時間に?
少し怪しいなと思いつつ、まだ自分は冷静だった。

突然だが、私のベッドは二段ベッドで、足元に梯子が付いていて下は机等が置ける空洞になっているタイプのものだ。
自分の部屋が大好きな私は主に部屋の二段ベッドに居たので、母が何か用事を伝える時はベッドの側に立って話すということが多かった。その時、私が寝転がっていても母の顔は見えていたはずなんだ。

しかし、今さっき入ってきた奴は違った。
奴は私のベッドの側に居たが、ベッドの上からは奴の頭のてっぺんしか見えない。
母ならばきちんと顔が見えるはず。
ならこいつは、誰なんだ?

その考えが浮かんだ瞬間に腹の底からなんともいえない恐怖が込み上げてきて、そこにいるわけのわからない奴はなんなんだ誰だお前はなんでここにいるんだと頭がはてなマークでいっぱいになった。

そんなことを考えていると、足元の梯子がギイと音をたてた。もう考えなくてもわかった。
奴 が 登 っ て き て い る !

体は動かないし怖いから目を閉じたくても動かせないし、ああもうどうしようどうしようってなってたら、頭が見えてきた。
もうこいつ登りきるじゃないか待って私これ死ぬわと思っているうちについには胴体まで見え始めた。
あ、やばいと思った瞬間、女が一気に私の眼前まで迫ってきて、その顔を見てしまった。
顔は真っ白。目も鼻も口も無く、黒く長い髪がバサバサした白いワンピースの女が、私の目の前で両手を広げて今にも遅いかかろうとしていた。

その後失神したのか眠ってしまったのかわからないが、次に意識があるのが次の日の朝だ。
目を覚ました時、目を開けるのが怖くて手で顔の周りをブンブン振って確かめてから起きた覚えがあるw
もうその部屋には住んでないけど、引越しを期に二段ベッドは従兄弟にあげた。
結局あれは何だったんだろう。
[ 2016/03/24 ] ◆znV3k9no

[ 107862 ]

人間様の考えを読むのは楽しいです。
流石に苦労しただけはあります。
しかし、難解な事も多々見られ、理解に苦しむ事もあります。
とある所で職を戴いた時に気付かれたのではと肝を冷やしたのですが、やはり修行を積んでおられないお方でしたので、私の事を勘違いなされた。
有り難い事です。勘違いなされたままの方が良い。
気付かれる時もありますが、その方達は頭が良い。口をつぐむ。
このような場所を覗く機会を与えていただき、誠に有り難い。
これからも人間様と関わっていきたい。
ただ、残念な人間様は許せませんので、申し訳ございません。
[ 2016/03/28 ] ◆-

[ 107909 ]

私の祖父の母国にいた親族の話。

雨の日に傘をさして歩いていると、どこからか鐘の音が聞こえ、葬列に出会った。
教会に向かう人が皆白い薔薇の花を持ってるのを見て、教会で用意していないのか不思議だなと思いながら列を見ていると、妙に知り合いばかりがいる。
ぎょっとして周囲を見回しても、誰も彼に気付いてくれなかったそうだ。
しかも、霧で霞んだようにいやに色彩が曖昧である。
これは厄介なものに出会ったようだなと、警戒して列から離れようと決意し、顔を隠そうと傘の持ち手を短く握り直して気付いた。
なんと、自分の手にも薔薇が一輪握られているではないか。しかも自分一人だけ、真っ赤な薔薇なのだ。
そして、その薔薇を見た途端、彼は見知らぬ妻の存在を思い出す。
幼馴染みであったこと、やや深刻な喧嘩や、恋に落ちたときの喜びや不安、結婚式の歓声に、事故で亡くなる日の朝の姿まで。
これは、自分の妻の為の葬式なのだということまで思い出した途端、わあっと声を上げて泣きたくなった。

だが次の瞬間、ガラガラと音を立てて道を走ってゆく馬車の音に目を瞬くと、そこは彼のいつもの散歩道であった。
勿論彼は妻を喪うどころか、恋人もおらず、深い酩酊から醒めたようだったと言う。

彼はその後、雨の日に鐘の音が聞こえてくると傘を持って彷徨い歩いたが、あの葬式を再び見ることはなかった。

自分が紛れ込んだ奇妙な世界の、在りし日の記憶があまりにも幸福だったのだと穏やかに語り、亡くなるまで独身であったそうだ。

それ以降、血族の中では雨の日に真っ黒な大きな傘をさすのは良くないと言われている。
戦前のドイツのお話。

[ 2016/03/29 ] ◆AUAc3Az.

[ 107930 ] NO TITLE

>>107909
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/03/30 ] ◆Ahsw8Nok

[ 108017 ]

僕の働いていた大型スーパーでは従業員の出入りする中のスペース、働くスペースで出るという噂が従業員内で有名だった。
そのスーパーは、改装する前は活気に満ちていたのに、改装した途端、活気がだんだんと無くなり、ほとんど閑古鳥が鳴いているような情況だった。
僕が思うに、改装の際に触ってはいけなかった部分も触ったのだろう。
噂はなかったが、二つ並ぶエレベーターの内、片方は空気が重く、カート回収の際に利用していたんだが、ごく稀に照明が点滅する。なので、僕はもう一つのエレベーターが使われていない限り、その空気の重くない方のエレベーターを出来るだけ使っていた。
従業員の内部スペースでは、真っ黒い影がもの凄い速さで石段の階段を滑るよう駆け上がったのを目撃した。勿論、音はしなかった。黒い影は表情が見えなかったが、笑っているとわかった。
あれは、多分、関わっちゃ駄目な幽霊だったんだろうなと思う。
また、違う従業員の内部スペースの出口前は空気が重かったので聞けば、霊が見える従業員の話ではそこには子どもの霊が住み着いているとの事だった。
そして、地下駐車場は幽霊のオンパレードらしく、監視員が夜中見回りに行ったらよく出ていたらしい。
惣菜のコーナーの内部でも歌う女の声が聞こえたり、怒鳴り散らす男の声が聞こえたりといろいろした。
皆それなりに怖がっていたが、そこのスーパーで働く人は僕以外はほとんど中年の人達ばかりだったので気にしてないようだった。
とにかく、客がいない場所だけで出るんだから苦情来なくて良かったなぁなんて思っていた、ある日。

「鬼がいるよ!あそこに鬼がぁぁあ」

と号泣する子どもが現れた。客が買い物するスペース。
ただ、幸いなのは閑古鳥が鳴いているスーパーだったし、夜中だったので号泣する子どもとその母親と僕とレジのおばちゃんしかその場面にはいなかった事だ。
母親もおばちゃんも鬼なんかいないと号泣し続ける子どもに言い続けていたが、子どもはある方向を指したまま聞かない。
そして、この一言。

「あっちにも鬼がいるぅ!増えたぁああ!こっちは赤い鬼、あっちは青い鬼がいるよぉ!こわいいいい!!!」

そこで、母親、激怒。
おばちゃんは母親を落ち着かせて、子どもに「何もいないよー?」とか言ってた。
母親の話では子どもはよく何もない空間に向かって指指したり号泣するとの事で、とても困ってる、だから変な事を言う度によく叱っていると言っていた。
僕はと言うと、その三人の空気に入れず、ただただ子どもが指差す方向を目で追っていた。
赤鬼とやらは上の看板みたいなのにちょこんと座っていて、青鬼は遠くの階段の踊場スペースらしき場所で踊っていた。
従業員スペースしか出ないと聞いていたので、子どもには可哀想な事をしたなぁと。いろんな意味で。
ずっと帰るまで子どもは号泣していたし、親は怒っていたし、買い物が終わって袋に詰め終えたら、青鬼がいる方に向かって帰るから子どもは余計大きい声で号泣しだして、母親の怒号がスーパー内に木霊した。
おばちゃんはあのお母さん大変ねぇ、なんて言ってたけど、僕は子どもの方が大変なんじゃないかなぁと思ったのは言わなかった。

一年以上働いて進学のために辞めたけど、他の人が言う程怖いという印象はほとんどなく働けていたので良かったと思う。
今、そのスーパーは僕が働いていた時より閑古鳥が鳴いていて、原因は幽霊のせいもあるだろうけど、実は従業員の態度も悪かったのでそれもあるんじゃないかと僕は思う。
一応、僕は真面目に働いていたけど。
[ 2016/03/31 ] ◆K4u.dYMo

[ 108139 ]

私の祖父は幼少期、祖国の教会で手伝いをしていた頃があった。
生家の近くに大聖堂があり、行儀見習いのようなものだったそうだ。
その時の話。

教会で聖歌を歌うと、時折複雑な音が混ざる時がある。
ミサの最中や、掃除の合間にふと口ずさんでいてもと、時は選ばない。
いつの間にか混ざり込み、違和感に耳が気付くといったもので、決して呼吸音でもなく、石壁や装飾の軋みの音ではない。
僅かに耳にかかった髪の毛を揺らす気配まであるような音なのだ。

複雑な音とはどういうものなのかと訊けば、
ぎいぎいという鳥の囀りに似た響きと、
ざわざわ囁くような乾いた老人達の声に似た響きの二通りあるらしい。

黄昏時と夜明けにこの音を聞いてしまうと、流石に気分がいいものではない。
子供なりに特にユールが近い時期はよく注意をし、ヤドリギや柊にモミなどと合わせて古くからのものを忘れずに揃えたという。

長らく土地の教会に属した祖父の父曰く
古い土地には、名前も忘れられたような不可解なものがいる。
教会の教えに沿うものであれば訪れていても違和感はないのだが、
違和感があるということはその柵の外にいるものである。
見ることがあれば、古きものはとても美しいものも多いのだが、
残念ながら関わり方を忘れてしまったものは手に負えないので、
決して気に障らぬよう、かといって興味も惹かぬよう、
常に冷静かつ柔軟でなければいけないのだそうだ。

立場上公には出来ない見識ではあったが、
複数の国に接する土地柄か、土着の信仰にもおおらかな祖父の父だった。
晩年の排他的な国の動きは、さぞかし辛かったろうと祖父は言う。


そんな祖父は二男だったので一族の伝統通り軍人になり、
日本の神職の家に生まれた女性と結婚した。
余談だが、祖母方の家には、なぜか異国にある祖父の家とよく似た奇妙な逸話があり
その話に縁を感じ会話が弾んだらしい。
二人が雨の日に黒い傘をささなかったかどうかは、聞いていない。
[ 2016/04/02 ] ◆-

[ 108485 ] 屋根の上で踊る

ほぼ、連投に近い投稿失礼します。



子供の頃、近所のおじいさんが亡くなった。
その三日ぐらい前に屋根の上で黒い影が踊っていたのを見ていたので、亡くなるのは知っていた。
何故なら黒い影の正体を知っていたからだ。
僕は、夕陽の赤の中楽しげに、人を馬鹿にしたように踊るその影がとても怖かったのを覚えている。
その影が現れるまで、外でそのおじいさんはゴルフの練習をしていた。
おじいさんの家とは良くない関係に差し掛かっていた時期だったし、こんな話、誰も信じないだろう事はわかっていた。
だから、大人になるまで誰にも話さず、黙っていた。
そのおじいさんが亡くなった後、近所のお年寄りが次々と亡くなって、なんとなくあの黒い影が踊ったのだとわかった。

おじいさんが亡くなって、しばらくしたとき、よく行く本屋の近くを通る事があった。
本屋の近所には大きな家があり、知り合いが住んでいる訳でもないのにずっとその家が気になっていた。
その家の上で、踊っていた。

あの黒い影が。

おじいさんとは別のあの黒い影だった。
驚いて固まっていると、黒い影が踊るのを止めようとしていた。
そこで、僕の視線に気付いたのだと理解するまで数秒かかった。理解した瞬間、急いで目を反らし、もう一度見ると躍るのを再会していてとても安堵した。
その家で、やはり三日後くらいに葬式がひらかれていたので、心苦しかった。

黒い影に見ていたのが気付かれかけたのは、実は初めてではない。
近所のおじいさんが亡くなる三日前に見た黒い影にも気付かれかけた。
黒い影は何度か見たが、住んでいる近場で見たのはこの二件なのでよく覚えている。
黒い影は不気味で、とても気持ちのよい物ではなかった。

もし、黒い影達に見ていた事が気付かれていたら、僕は一体どうなっていたのだろうかと思うと、今思い出しても怖い。
[ 2016/04/08 ] ◆K4u.dYMo

[ 108621 ] 真っ黒テレビ

俺にはまだ小さい従兄弟がいる。
名前は仮名で太郎にします

太郎とは暇なとき、よく遊ぶ子だった。
幼い可愛い太郎は見える子だった。
よく襖とかタンスとか、指差して

「いる」

と言った。

それを聞くたびに恐ろしくも、笑えた。
幼いのに見えるのか、と

んで、従兄弟の家から使わなくなったテレビをもらったわけ。
早速俺ん家で従兄弟と俺の友達でそのテレビで映画を見ることになった。

チャンネルで電源をつけた。

バチッと音がしたものの、
テレビはつかなかった。
おかしいなとテレビの画面を触ったら、
手がベタついたため、雑巾で軽く擦ったら
黒い粉がポロポロ落ちた。

それは水性の黒ペンで塗り潰された跡形だった。

誰がしたんだ…と話していたら従兄弟が

「いる」

とテレビを指差した。


なるほど。

太郎が塗ったんだね。
[ 2016/04/10 ] ◆GCA3nAmE

[ 111224 ] あのオッサン誰?

オチはないですが、私が体験した唯一の不思議な体験です。

もう今から20年位前のことです。

その頃、私は夜中に峠の山道を走るのが好きでした。ローリング族に近いものがありますが、群れて走るのが嫌いなのと走り屋の集まるところは警察もよく検問を張ってたので、たいていは誰も来ないようなところで走ってました。
場所は日によって色々です。つづら折れのような所をお尻を滑らせて走る夜や、高速コーナーを攻める夜など気分次第で選んでました。あ、ちなみに私は180Sxに乗ってました。

どこに行ってもそうですが、まずは、あそこからここまでと区間を決めて下見がてら普通に走ります。それで路面の状況をチェックして(砂や水など滑りやすいものがないかなど)、そのあとは何回もそこを往復してアタックするのが私の走り方でした。

その日も一人で峠の山道へ…
時間は0時頃だったと思います。その日に選んだのは大阪能勢の山奥でかなりスピードの出せる国道でした。国道とは言っても、それくらいの時間になるとほとんど車も来ないので、好きな道の一つでした。

そこの区間の途中にバイパス的に大きくS字を描く橋が架かっている部分がありました。距離にしても4-500mくらいですかね。荷重をちゃんと掛けれれば100キロ以上でコーナリングできるS字で、楽しいところでした。ただ、20m以上の高さのある橋脚でしたのでコースアウトすると確実に死んでたでしょうが、その頃はそういう想像が欠落していたのでなんとも思ってませんでした。

下見を済ませて何回目かのアタックのとき、そのS字橋脚の道端にオッサンがいるのに気づきました。道端と言っても歩道もないので車道と欄干の間にそう幅はありません。それまで何回か往復しててもそのオッサンが歩いていたのを見てなかったので不思議に感じました。こんな時間にこんな所にどうやって?何のために?と思いましたが、かなりスピードも出てましたので通り過ぎるのは一瞬でした。で、通り過ぎた後、ちらっとサイドミラーを見たのですが、姿が見えません。あれっ?と思いましたが、スピードも出てたのでしっかり見直す余裕はなく、行きすぎました。
数分後、上りのアタックで同じところに戻ってきましたが何故かオッサンがいません。数百mの長さのある橋で高さもかなりあるので、どこかに行くといってもかなり無理のある距離です。しかも、もしオッサンが自殺志願者で自分の車に飛び込んでこられても嫌なので、その時は周りも見ながら多少ゆっくり走ってました。
どこ行ったんだ?と思いながらも、もしかしたらまっすぐ下に降りる階段でもついてるのかなと無理やり理解して、再びダウンヒルは全力疾走でいきました。
S字まで差し掛かると前方にオッサンが…
なんかヤバい気がしたのでスピードを緩めてオッサンを大きくよけるように通り過ぎましたが、オッサンは向こうを向いていて顔はわかりません。で、同じように通り過ぎた後、サイドミラーをみるとオッサンがいません…スピードも落としてたので振り返って確認したのですが、オッサンのいた場所には誰もいないのです。
「!!!!!」ってなって、そのあとはそこに戻ることもなく家に帰りましたが、後日昼間にそこを通った時には下に降りる階段もなく………


[ 2016/05/24 ] ◆/Qo2uXNc

[ 111252 ] NO TITLE

唯一体験した怖くないし訳が分からない話です。

小学3年くらいの時、母方の親戚の家に泊まった。何のためだったかは不明。
古い木造の一軒家で猫が3匹以上いて物が多かったせいか、廊下とか部屋とかが猫の毛とかでいっぱいで自分たちの寝る布団にも猫のおしっこのシミらしきものがついていた。なんとなく臭い家だった気がする。
夜になり、二枚の布団で父母に挟まれて豆電球にして三人で寝た。
真夜中だったと思うけど、ふと目が覚めたら薄明るい部屋の壁に動く影が出来ていた。
驚いたけど、親戚の飼っている猫だろうと思って上体を起こして影の下の方をみたら、白と茶色の猫がいた。部屋を横切っていた。
やっぱり猫だったと思って影の方を見たら女性の影だった。
ビックリして布団かぶって寝た。

翌朝、親に昨日の事を言った。
母は、猫ではなくて女が通ったけど、影はなかったと言い、父は着物来た女と女の影が部屋の中央に浮いていたと言いだして三人共見たモノが全く違った。父は夢で見て、母は目が覚めて見えたらしい。
因みに、自分は白に片耳と目が茶色まだら模様の猫を見たんだけど、親戚のおばさんに聞いてもそんな模様の猫は飼っていない(みんなキジトラとか灰色・黒単色とかだった)とのこと。
夢かと思って大人になった後も聞いてみたけど、やはり父母も覚えているとのこと。
今になっても何を見たのか、何で見えたのかさっぱりわかりません。
[ 2016/05/24 ] ◆o4rjoBl6

[ 111638 ] NO TITLE

「勘」を投稿したものです。
子どものころ、入院してた時の話を書きます。

大きい病院で、私がはいった病棟は子どもとご老人ばかりだった。
建物が上から見ると十字架の形で、横棒がロビーとナースステーションと廊下。縦の棒は左右に病室のある廊下。廊下(横棒のほう)をはさんで子どもとご老人に分かれてる感じの部屋割り。
ご老人たちは寝たきりがほとんどで、子どもはそちらの病室へ近付くの禁止だったから交流とかはない。ナースステーションの前を通らないと行けないので、こっそり行くとかも無理。
ある日の朝食後、隣の病室のKちゃんがいきなり部屋に飛び込んできて、「誰か死んだ」と言ってきた。私と同室者はきょとん。隣の部屋へ行ったら子供が何人か集まってこそこそ話してる。誰か死んだらしいと言う内容。
実際、おじいさんがひとり亡くなってた。お昼過ぎくらいにひとつの病室の近くにひとがたくさん集まってて泣いてるひとが居たし、二日後だったかに男子が看護師さんから聞き出したから確実。
ただKちゃんが騒いでたのはひとが集まるのよりずっと前だし、Kちゃんにどうして解ったのかきいても答えてくれなかった。
[ 2016/05/30 ] ◆7R9e0Lmw

[ 111720 ] 変な夢のお話

零感でヘタレでビビりな自分が見た夢の話を書きます

怖くもないしオチもないのですいません

去年、祖母が亡くなったのだがそれから四十九日、墓石への納骨の日

外は風雨が酷く、線香を渡された自分は外では火を付けられそうにも無かったので車の中で奮闘していた

しかし自分は不器用で1分ぐらい付かない状態が続いたので、父が見かねて
「下手糞やな、こう付けるんや」
とあっという間に線香に火を付けて行ってしまった

そしてその後日夢を見た
そこは何の変哲もない自宅の台所…
祖母が生前によくいたポジションに座っている
祖母の顔は無表情で顔色は覚えている限りでは良い色ではなかった
そんな祖母の小さく口を動かし
「線香を………つけ………」(「線香」と「つけ」の部分だけよく聞こえた)
何かボソボソと話した瞬間祖母の体から黒いモヤが湧き顔も黒いモヤに包まれて消えていった…

自分が線香を正しくつけられなかったからかと後悔するような夢だった…ばあちゃんごめん

話が変わってもう一つは内容は記憶しているのだがこの夢を見たという覚えがない。いつこんなイメージを見たのか、夢で見て起きた時に見たという事実だけ忘れたのかな?
その内容は…
気が付けば視界は赤と黒の色しか存在しない風景、赤と黒の二色で物体の形や明暗を現していた。少し先には古い和風の屋敷と入り口があり、その建物から「カーン、カーン」と音がする。
それこそ木に五寸釘を打つような音ようなイメージ(実際夢の中で聞いたというよりそんなイメージだったと記憶している。)
そしてその入り口から10m出前の茂みに隠れる二人の人間がいた。
(それが自分なのか、それとも客観的に見てたのかはわからない)
1人はそれこそ何かのホラーゲームの主人公のように行かねばなりませんと意気込んで、もう1人はビビってビビってもう1人を止めようとしていた。(自分なら確実に後者)

そしてそれ以後の内容は何も無いのである…

どこかのホラー映画のようなこの記憶
続きが気になってるのが本音である

つまらない話で申し訳ありません。
[ 2016/05/31 ] ◆jPQ0updc

[ 116040 ] 防犯カメラに「映る」モノ

どうも。以前『釈迦院』の話を投稿した者です
今度は友人から聞いた話をしようと思います

中学時代からの付き合いで東京で警察官をやっている友人がいます
警察の仕事をしていてもやはり不可解、超常現象的な事はあるようで

「警察の仕事やってるとそんなものより人間の方が怖くなるわ!」
と言っていた友人が

「まあ、それでも変な心霊的な体験をしたって話は同僚とかから聞くよ。
その内の一つの同僚の先輩が体験した話聞く?」
と話してくれたものなのですが・・・

ある日の深夜、とあるマンションの警備室から

「防犯カメラに、血塗れの人が映っている」
との通報が入ってきました
その先輩が対応して

「血塗れなら怪我をしているかもしれないから一応救急車にも連絡した方が良くないですか?」
と言うと、その警備員の人が

「いや、それが、なんて言ったらいいのか、「居なくなる」んです。そこから」
と歯切れが悪い感じで伝えてくる

「は?どういうことです?」
訊ねるとその事に気付いたのは20分程前で、3階の廊下を映しているカメラの画面に
カメラに背を向けて座り込んでいる、どうやら女性らしき人物が映っている

髪は黒のロングで白のワンピース、所謂「貞子スタイル」という風体だったのだが、その白いワンピースに
所々血の滲んだような赤い斑点が見えている

多少画質が良いとはいえ防犯カメラから見て気付くくらいだから相当出血しているに違いない
仮に別の可能性・・・たとえばその女性が誰かを襲って付いた「返り血」だったにしても
それを確認して、事件ならば通報しなければならない
そう思って警備員は3階に向かったそうです

エレベーターで3階に着くとカメラが廊下を映している場所に向かいます
けれども誰も居ません
廊下の突き当たりにある非常階段も念の為に扉を開けて確認したがそこに人が居る気配はない

エレベーターの到着する音で逃げたのかもしれない
そう思ってエレベーターではなく階段を降りて警備室に戻りました
非常階段ではなく普通の階段を降りて逃げてたのなら、
もしかしたらばったりと会うかもしれないと考えながら

結局警備室に戻る間に出くわす事はなかったのですが、再びカメラの映像に眼を向けると居るんです
同じ場所に同じ体勢で女性がそこに

少しゾッとするものを感じながらも
「ああ、自分が警備室に戻ったから彼女も戻ってきたんだな」
と思い、今度は気付かれないようエレベーターではなく階段を昇って3階に向かう事にしました
ライトの電源を切って息を足音を殺して3階まで行き、カメラの場所に近づくと一気に走ってライトを点けて
その場所を照らします

が、誰もいません

位置的にエレベーターの方に逃げたのなら警備員に出くわすので、非常階段の方に逃げたのかと思い
非常階段を先程の様に調べます 
ですがやはりいません
もしやこの階に自分の部屋があって部屋に逃げ込んだのか、とも考えましたがそれならドアの開閉音が
聞こえるはずです
そうだ、非常階段に逃げたのなら非常ドアの開く音がしたはずだ
改めてそこに気付くと、冷たい悪寒が背中を走ります
そして慌てて警備室に戻り通報した、というわけです

そこまで聞いて先輩が

分かりました。一応そちらに向かいます」
と伝えました

「ありがとうございます。今電話しながらカメラを見たんですが、やっぱり居ます」
警備員が若干震える声で言ってきたので

「とりあえず自分が向かうまで警備室に待機しててください。なんらかの事件の可能性がありますので」
そう言って同僚(友人の同僚)に

「ちょっと行ってくる」
と簡単に通報の内容を告げてマンションに向かったそうです

マンションに着いて、警備室に向かうと警備員が安堵した様子で話しかけてきました
「待機している間ずっとカメラを見ていましたが、女性は微動だにしていません」
そう言ってカメラの前まで先輩を案内すると女性の映っているカメラを指で指し示します
「・・・確かに血塗れみたいですね」
「でしょう?いや、良かった。実は自分にだけしか見えてなかったらどうしようかと」
少し余裕が出てきたのか警備員が笑ってそう言います

「それでどうしましょうか」
「そうですね、私が一回見に行きましょう それで警備員さんはカメラを見ていてください
もし逃げれらてもどっちに逃げたのかそれで分かりますから」
先輩がそう言うと警備員が非常階段の方から3階に向かったほうが良いと言いました
これならエレベータを使って逃げるのなら何階で降りたか分かるし、階段で下に逃げたのならカメラを見ている警備員が
警備室から出てすぐに捕まえに行ける、上に逃げたのならそのまま追いかけれるから効率が良い、との事でした

その提案を了解すると先輩が非常階段に向かいます
非常灯のぼんやりした明かり中を昇って行きます
3階の非常ドアを空ける前にそっと耳を傾けて様子を伺います
まあ、鉄製の少し分厚い扉だったのであんまり意味は無いなと思ったそうですが

それでも様子を伺って女性が逃げ出した雰囲気も無かったので勢い良くドアを開けたそうです
即座にライトを照らしてカメラの場所を見ましたが、誰もいません
エレベータが動いた気配も、階段を駆けていく足音もありません

「逃げられたかな」

しばらくその場所を調べましたが人の気配がないので警備室に戻る事にしました
非常階段ではなく普通の階段の方で警備室に戻ると警備員が顔を真っ青にしています

「どうしました?逃げた場所は分かりましたか?」
「警官さん、見えなかったんですか?」
「え?」
「警官さんがカメラの場所を照らした時に、女性が顔を上げて警官さんを見てたんですよ!」

先輩が声にならない声を喉で出すと警備員がカメラの映像を巻き戻して見せてくれました
非常ドアを開けて先輩がライトを照らします
ライトがカメラに映っている女性を照らすと女性が顔を上げる様子が見てとれました
カメラには背を向けている位置なので顔は分かりませんが、はっきりと先輩を視界に
捕らえている事だけは分かります
そのまま立ち上がるとゆっくりと歩き出し・・・
先輩に近づくかと思われましたがそのまま向きを変えて階段を降りていきました

そして警備室に戻る為、女性が降りていった後を追うように先輩が階段を降りていくところで警備員が
映像を止めました

「・・・見えなかったんですか?」
「・・・『居なかった』ですよ・・・」
お互いに小声で呟くように言うと、しばらく黙りこんでしまいました
5分程経った頃
「どうしましょうか・・・」
と警備員が聞いてきました

「とりあえず今日はもう何かあったらまた通報する事にして
警備室からなるべく出ないようにしてください
カメラにまたあの女性が映っても無視するようにお願いします」

警察としてもそれ以上何も出来ません 
あの女性が何かの事件の加害者か被害者だったにしても
居ない者を捕まえる、あるいは保護する事はできません

警備員は弱弱しく
「分かりました」
とだけ答えると
「ただ一人になるのは嫌なので、誰かに来てもらって朝まで一緒に居てもらいたいと思います
それまでここに居てもらえませんか」
と電話の受話器を取りながら聞いてきました
断る理由もなくまた、警備員の気持ちも理解出来たので先輩は了承しました

警備員が電話しておよそ30分程で別の警備員が到着しました
ある程度の経緯を先輩が話して、カメラの映像を見せると

「心霊とか信じない方なんですが、これは異常だという事は分かります
朝まで一緒にいますよ」
と理解してくれたようでした

「では自分はこれで。何も出来なくて申し訳ない」
先輩が頭を下げると二人の警備員が同じように頭を下げました
「いえいえこちらこそ」
「来ていただいてありがとうございました」

そうして先輩が警備室を出てマンションの玄関を出ようとした時に
入り口を向いている防犯カメラが眼に入ります

「今自分が出て行こうとしているのを、あの二人は警備室で見ているのだろうか」
と一瞬考え、思わずカメラのレンズを見つめていました

「・・・!」

その時先輩は見たそうです

レンズに反射して映った自分の後ろにあの血塗れの女性が「居る」のを


先輩は驚きながらも、カメラを通して見ているかもしれない警備員がこの様子を見て不安に
なってはいけない、と冷静に判断してそのままカメラを見ずに大急ぎで帰ったそうです

そして同僚の元に帰った後に上記の出来事を話したというわけです


「で、それを更に同僚から俺が聞いたわけ
「警官にはそういう出来事にも遭遇する事があるから覚悟はしておけ」
的な意味合いで」

「なるほど」

「でもな高い所にある防犯カメラのレンズって良く見えたよな、って俺ツッコんだわけよ」

「ふむ」

「そしたらさ、同僚が「同じ事先輩に言ったんだけどさ、先輩はこう言ったよ」て続けたのよ」

「うん」

「「むしろ高い所にあるからハッキリ見えなくて済んだよ。女性の「顔」がね」てさ」

「なにそれ怖いじゃねーかばかやろう」

「お前が聞きたいって言ったんじゃねーかばかやろう 
「多分顔がハッキリ見えていたら正気じゃなくなったかもしれない」って帰ってきて思ったんだってさ」
 
以上が警官である友人から聞いた話です

何かが「映る」のは映像の画面だけとは限らないようで・・・

長文・駄文失礼いたしました
[ 2016/07/29 ] ◆-

[ 116168 ] NO TITLE

>>116040
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/07/31 ] ◆Ahsw8Nok

[ 117336 ] デイサービスにて

認知症の方の話が出ていたので、ちょっと思い出して書いてみました。

施設までの通勤路に何軒か利用者さんのお宅があって、たまにデイのお迎えの時間を間違えて外で待っておられる時がある。そういう時は熱中症とかの危険もあるので、一度室内に入り待って貰うよう促す、駄目なら一人暮らしとかの場合は、同伴出勤もありということになっていました。田舎なので、農作業一段落したし、デイに行くかって感覚なんだと思う。
その日、Aさんが家の玄関前で、かばんやらデイに行くセットを持って立っていたので「まだですよ-。待ってて下さいね」と言うと「そっか。ほな後でな」と玄関に入って下さった。
職場について確認事項見てたら「Aさん昨晩亡くなったって連絡が家族さんから入った」とリーダーが報告する。いやいや、私、さっき話したんですけどね…
お葬式の準備とかで来た親戚じゃないかって事で一件落着されたけど、どうも納得がいかない。
まあ、時間だから他の方のお迎えに、大きい車で運転手さんと二人で出たんだけれど、Aさんの家の前を通ると、Aさん玄関で待っているのよ。運転手さんも「亡くなったって、朝の申し送りで言ったよな」で、一応停車してみると本人さんが見当たらない。丁度家族さんが出ていらして「今まで、ありがとう」と言って下さり、外から手を合わせさせて頂いた。
その後もしばらく玄関前で待っているAさんが、目撃されてたけど、なんとなく薄くなっていって、いつの間にか消えていたから、ちゃんと彼岸へ行けたと信じている。
デイのお風呂が大好きだったAさん、今年もお盆にかえってきているのかな。

今、書いてみたら、全然怖くないの。その時も怖くなかったし。期待してたらごめんなさい。
[ 2016/08/13 ] ◆-

[ 117341 ] ホテルの朝食ビュッフェ

とあるリゾートホテルのビュッフェで、朝食のオムレツをお客さんの目の前で焼いてます。
朝食は6:30からで、早起きのお客さんは少なく最初は暇なんですが、8:00を過ぎたあたりから
ぞろぞろと家族連れがやってきたりして、一人でオムレツを焼いている僕の手が段々追いつかなくなります。
ズラリと列が出来ています。
とても忙しく、お客の方を見て愛想も振りまけません。作業みたいになった時、あの人が今日も来ます。
とても血なまぐさい。臭いで解るんです。
チラッと目線をお客の方にやると、血で濡れた白いTシャツだけが見えます。僕の目の前に立っている。
テラスから差し込んでくる朝日で、ヌラヌラと血が光ってます。
そいつの後ろには、普通の浴衣をきた普通のお客がオムレツを待ってます。
そいつは毎朝同じ事を聞いてくる。

「コレナンデスカ?」って。

録音したテープレコーダーから流れてくる声みたいです。
僕は毎朝シカトを決め込みます。その間もずっと「コレナンデスカ?」「コレナンデスカ?」
オムレツを温めておく温熱器も、血でビチャビチャになってます。

ひとしきり同じ質問した後、そいつは僕の顔を覗き込んできます。その瞬間、

「次の方どうぞー!!」と威勢で突っぱねる。

すると、「ツギノカタドウゾー、ツギノカタドウゾー」って、人込みに消えていきます。
脂汗がドッと出て、必ずそいつがいた番のオムレツが灰みたいになる。
朝が怖い。あいつに会いたくない。

[ 2016/08/13 ] ◆gcuAVDUM

[ 117442 ] NO TITLE

>>117336
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/08/15 ] ◆Ahsw8Nok

[ 117746 ]

昔からやたら霊感の強い人と関わることが多い。
恋人、上司、取引先の顧客、飲み屋のカウンターで意気投合した見ず知らずのおっさんとか。オカルトの分野は好きだけれど自分から言うことは滅多にない。
なのにしょっぱな見抜かれる。
あんた霊感強いでしょ?みたいにさらっと言うあんたらが一番怖いです。
因みに自分は少し気配を感じる程度。
ある時、行きつけの店のカウンターでちびちび酒を飲んでいたんだ。酔いが回ってくるころには大体隣の客と仲良くなっている。カウンター席の醍醐味だ。もう一軒違う店で飲み直そうという話になり、おっさん2人でラーメン食ってから居酒屋で再び飲みはじめた。
おっさんは突然、君霊感あるでしょみたいな話を振ってきた。正直、四十路超えて霊感どうこう言うとか痛い人だなあ、とうんざりしたが守護霊の話になってから聞いてみたい、という欲求が湧いてきた。
僕にはどんな守護霊いますか?wなノリで聞いたらおっさん真顔で、
君、すごいの憑いてるよ。
とぼそり。酔いが一気に冷めた。聞いてはいけない事を聞いてしまったような。
おっさん曰く、守ってるには守ってるが善意ではない。こっちのエネルギーを吸って成長している。霊感があまりないと感じるのは憑いてる側が見させないようにしているから。
ビビリな俺は聞かなきゃよかったと後悔していた。

食われてるんだってさ。俺のエネルギーが強いから俺自身は死んだりしない。変わりに周囲に撒き散らしてるんだと。拾ったとかではなくて代々受け継ぐものらしい。
それってまんま呪いじゃん!
涙目で俺そのうち死ぬんですか、と言ったら「死なない。むしろ寿命をまっとうするよ。そいつがいる限り簡単に死なせてくれない」
死なせてくれない、が地味に怖かった。思い当たる節があったから。

お互い気まずくなり、理由をつけて帰った。それから2、3日原因不明の熱で寝込んだ。
実はこれを言われたのは初めてじゃない。何度もある。凄いのくっついてるとかやばいのがボスだから大丈夫!とか。大丈夫じゃねえじゃん。
おっさんからついてる奴の外見を聞いてみたら黒いでかい犬、らしい。

吐き出したくて書いたので読みにくく申し訳ないです。




[ 2016/08/18 ] ◆-

[ 118697 ] 黒い犬

上で喰われるを投稿した者です。
前回は支離滅裂な文章で申し訳ない。

二年ほど前に職場の年配の上司が退職する事になり、お礼がてらに連絡を入れた。
元上司はM県のとある寺で働いているという。彼もまた見える人だ。

件の黒犬について聞いてみたが「やっぱりか」と返答が来た。
俺はいわゆる憑依体質であちこちから生霊やらを貰ってきてしまう。
元上司〔以下Nさんとする〕いわく成仏しきれていない先祖がいるが為に子孫に訴えかかけている。バーで見てもらったおっさんが言う黒犬は見えないがあまり良くないものであること。
ネガティヴになるほど周りに撒き散らすものがでかいらしい。
気になるのがおっさんに死んだ愛犬が守護霊となっていることだ。
溺愛していたし、ペットと言うより家族同様の存在だった。普通、ペットは死後守護霊になるケースはかなり稀らしい。
憑いているのか不明な黒犬から守る為に守護霊になっているらしい。
果たさなくてはならない使命が何なのか。
俺には分からない。
来週、Nさんの寺に行くつもりでいる。
ただの気休めだとしてもやはり知りたい。
長文失礼いたしました。
[ 2016/09/03 ] ◆-

[ 119369 ] NO TITLE

意味怖の「最後の言葉」を見てて、
解説には納得いったけど回答がお茶目っぽくていまいちだと思ったので
解説に沿ってさらに怖い文章にしてみた。

↓秀一、遠いとこ来てくれて 行って さようなら
↓しゅういち とおい とこ きて くれて いって さようなら
↓うういい  おおい おお いえ うええ いっえ あおうああ
↑ しゅういち のろい ころ して つれて いって やろうなあ
(苦しいでも可だが、筆者視点の「父」だし名指しで仲が悪いと言われていたので父のほうが
強調されそう)

そもそも、さよおなら だったら 「まごもだな(孫もだな)」と視点主ごとになってなおいい気がする。
原文改定は作者に失礼なことだけど...
[ 2016/09/12 ] ◆-

[ 119370 ] NO TITLE

↑あと、最後ではなくて「最期(命の終わり)の言葉」だと思いました。
[ 2016/09/12 ] ◆-

[ 119766 ] 霊に家賃を請求

今の借家に越したばかりの頃の話しです。
ちょっとおかしな事あるなと思っていたら、やっぱり居ました。
1階の畳部屋が夫の趣味の部屋なのですが、その部屋の中を彷徨く白いボ~っとした何か。

見るのは殆どその部屋だけなのですが、零感の夫もついに目撃しました。
改まって話す夫に「実は私も…」と話しと伝えると、少し弱りがちな様子から一変、強気な口調で「俺が話しをつける」と断言します。
どうやら自身のノイローゼを疑っていたようですが、私も目撃しているとの告白にその心配が無くなり、完全に何かのスイッチが入りました。

夫の理屈はこうです。
「こっちは借家契約で大家は別にいる、ここに我々が住む事が気に入らないなら、我々から家賃収入を得ている大家に化けて出るのが筋だ」
「先住権を訴える先は我々ではない、大家と話しをつけてもらう」
「どうしても同居するというなら家賃の何割かは負担させる、それが不可なら不法侵入同様と扱う」
「入居時の挨拶が無かったというならお互い様だ、無礼は相手にもある」
「もう我々と同じ世界に存在を現している以上同じ土俵だ、現世のやり方、ルールに則ってもらうのは当たり前だ」

最も出現率の高い状況とタイミングを見計らって、夫の部屋で一人待ち構えます。
(私は近隣のファミレスで待機させられました)
何日か空振りがありましたが、ついに夫が対面に成功。
まず自身の名を名乗ったあと、話し掛けたそうです。
「どのような訳あってかは存じませんが…」

最初は無視(?)されていたらしいのですが、数回声をかけた後に「何様のつもりだ!」と怒鳴ると、部屋の中をただ彷徨いていた動きが止まったように見えたそうです。
そのタイミングで滔々と先程の内容を申し述べたのだそうです。
「こうして姿らしき物を見せているのだから、こっちの言い分が聴こえないとか、そちらの言い分を伝えられないという道理は無い筈だ」

立ち止まっていた(?)霊は夫の言い分が終わると、それ以前同様、また部屋の中を彷徨き始めたそうです。
今度は彷徨き歩く霊について歩くように夫も歩き回りながら話し掛け、その次には、彷徨く霊の目前に立ち塞がるかたちで話し掛けたそうですが、もう変化はなかったようです。

「最後通告だ、家賃の1/3を払うか出て行くかだ」
(夫と私と霊と言うことで)
「なにか筋の通る主張があるなら、それを分かるように伝えてもらう」
「化けて出るくらいなのだから、それくらい出来るだろう」

そう言っても何も変わらず、最初の警告で台所除菌用のアルコールでシュッ!とやろうかと霊から視線を外したところ、姿が見えなくなったそうです。
連絡を受けて帰宅した私に「話しがついたとは思えないが」と、事の顛末を伝えた後、「また出て来たら家賃を請求しろ」と言いました。

その後、お風呂のお湯を溜めていると夫の部屋から怒鳴り声が。
「家賃払え!」
「挨拶もせず何様だ!!」
私はもう緊張の糸が切れていました。

塩を撒くのは厳禁と夫に言われてましたから、とりあえずファブリーズ片手に部屋に向かうと、夫がニヤつきながら部屋から出てきました。
(夫はラジコン飛行機が趣味で、部品が錆びるからと言われてました)

「しばらく様子みよう」とのこと。
「家賃を払うかも知んないぞww?」
そんな馬鹿なと理由を聞くと
「家賃払えと怒鳴った後、頷いた気がした」
と言うのです。

まさか振り込み?現金払い?なんて真面目に考えてしまいましたが、夫が言うには「金運上がるとかさ」とのこと。
笑いながらも割りと本気で受け止めている様子で、じゃあ暫く様子を見るという事になりました。
どれくらい待つのか聞いたところ「相手にも金策の時間が必要だろう」と2ヶ月待つというのです。
これは私達が越して来てから、霊が現れるまでの時間と同じです。

果たして何か変わるのか分かりませんが、1ヶ月経った時点では金運は何も変わりません。
件の霊は時折遠慮がちに現れるようですが、夫が「あと1ヶ月だからな~!」と催促しています。
宝くじでも当たるのか、夫が昇給でもするのか(この可能性は現状かなり低いのですが)、それともある日テーブル上に現金が置かれ始めるのか。
また今度書き込みます。



[ 2016/09/19 ] ◆-

[ 119794 ] ねここねこ?

三、四年前、旦那の実家に同居し始めた頃の事
疲れてたのか早々に寝付いた旦那が、「ねこがいる」って言い出した
何処に、って辺り見回しても、動物を飼っていないウチだし寝室だし、当然それらしいものはいない
どこに?って聞いてみたら、「押入れのとこの部屋の隅に、小さい三角形のロフトみたいなのがあって、そこに猫とか蛇とか小さい動物たちが鈴なりになって見てる」と言う返答が
どうやら、私らの生活を興味津々で見てただけだそうな
まあ、それでその後特に何かあったってわけでもないんだけどね、私零感だし
因みにその後起きてる時に聞いたら「オレそんな事いったっけ?」と返された。やっぱり寝ぼけて覚えてなかったようだ

と、思ったらつい最近、起きてるダンナの口からその話が出て思い出しカキコ
[ 2016/09/19 ] ◆-

[ 120236 ] スリッパ

初めて投稿いたします。
不手際があったらすみません。


就職し実家を離れて初めての1人暮らしが始まった。
なれない仕事と生活で毎日バタバタ過ごしていたが、少し気になることがあった。
朝、トイレに入るとスリッパが乱れて置いてある時がたまにあった。
親が几帳面な性格でトイレのスリッパは必ずそろえて置くようにとうるさく言われていたので
その習慣が身についていて、1人暮らしでも必ずそろえて脱いでいた。
だが忙しい毎日に比べればたいした問題でもなく、寝ぼけてたんだろうくらいに考えていた。

ようやく生活のリズムが掴みかけてきた頃、学生時代の友人を部屋に呼んで酒を飲み、泊めることになった。
俺はベットに、その横にふとんを敷いて友人が寝ていたのだが、深夜、トイレを流す音で友人は目を覚ましたそうだ。
当然俺が入ってると思い、出てきたら交代でトイレに行こうかなと考えているとトイレのドアが開き、
一瞬、水の流れる音が大きく聞こえ、ドアが閉まる音がした。
だが、部屋に入ってくる音がしない。頭を上げて見ると部屋の扉は閉まっている。
手を洗う水道の音もしない。
何やってるんだ?と思い体を起こすと、隣のベットで寝ている俺に気がついた。
じゃあさっきトイレから出てきたのは誰なんだ?
なるべく音を立てないようにゆっくりと立ち上がり、扉を開けてキッチンを覗いてみたが誰もいない。
トイレの電気は消えていた。電気を点けて中を見たが誰もいない。
玄関のドアを見てカギを確認するが、カギは掛かっていたが内カギは掛けてない。
もしかして合鍵を持ってる前の住人かなにかが侵入したのかと、覗き窓から外を覗こうとドアに近づくと
「あなた、だあれ?」
という少女のような声がドアの外から聞こえてきた。
驚きで体が硬直する。空耳か?と思っていると
「ねえ、だあれ?」
とまた聞こえてきた。明らかに自分に向けて言われた言葉だと感じる。
「怒り」とか「いぶかしむ」とかの感情は感じられない、単純な子供の質問という感じの話し方だ。
固まったままの体とは逆に高速に動く心臓。
指一本も動かせず、声の主の次の行動を探っていたが何も起こらない。声も遠ざかる足音も聞こえない。
「それを聞きたいのはこっちだよ」とは思うのだが覗いてみる勇気がでない。
何か居ても居なくても怖い。
ちなみに友人は、もちろん俺もだが、霊感なんてものはない。
結局、覗き窓を覗くのはやめてゆっくりと後退しふとんまで戻り、
俺を起こそうと体を軽く揺すってみたが起きそうもないので
ふとんをかぶって朝を待つ間に眠ってしまったという。

翌朝、その話を聞かされて、そういえばとスリッパの話をした。
「絶対やばいぞこの部屋、引っ越したほうがいいぞ。」
と言われたのだが日々の生活に追われていてそれどころではない。
越してきたばかりだし金もない。何よりようやく慣れてきた生活だ、手放したくはない。
それに友人の夢だった可能性もある。スリッパの話をしてなかったのにトイレに関係していたのは
少し気味が悪かったが、まあもう少し様子をみると言う事にした。


その後、その友人は部屋に誘っても怖がって来てくれなくなり、別の友人も何人か来て泊まったりしたのだが、
そんな体験をする者は俺も含めて誰も居らず、3年ほど住み続けた。
その日以降、友人の助言から内カギは掛けるようにしていたが、
トイレのスリッパは相変わらずで、たまに乱れて置かれていた。
そのうち「そろえて置くから気になるんだ」と思うようになり、わざと崩して脱ぎ捨てるようになった。
おかげで引っ越すまでスリッパのことは気にならなくなったが、今度はそれが習慣化してしまい
たまに実家に帰ったときに親に小言を言われるようになった。

[ 2016/09/27 ] ◆9wSehT8Q

[ 120283 ] 化粧臭い

今住んでいるところは築2年目の新しい賃貸でメゾネットで、上にも下にも住人はいない。
端っこの部屋に夫婦で住み始めて1年になる。
親戚は地方に住んでいるので訪ねてきたりはしないし、友達も少ないので遊びに来たことはない。
自分は女なんだけど、化粧品でかぶれることが良くあるので、最低限しか化粧しない。
日焼け止めを塗ってパウダーはたいて眉を描いて口紅を塗るだけ。
ファンデーションは使わないので持っていない。
・・・それなのに、最近時々パウダーファンデーションの臭いがする。
お隣さんはいつも窓を全部閉めているから、絶対に違う。
うちの旦那はアレルギーがひどいので、化粧品なんか絶対にさわらない。
どこにもファンデーションが入り込む余地がないんだけれども、時々臭い。
寝室では臭わない。
リビングで過ごしていると臭う(大体リビングにいる)。
時間帯は日中。
臭うだけで他には何もない。
若い人というよりオバサンぽいかんじ。
現在失業中で殆ど外出しないから、電車やお店で臭い移りする可能性もない。
ファンデーションの臭いもキライなので迷惑なんです。
しょうがないのでファブリーズかけているわけですが、ほんとに困る。
親戚付き合いは浅いし、病人の心当たりもないけど、誰かの生き霊なんですかね?
[ 2016/09/27 ] ◆-

[ 120325 ] NO TITLE

ちょいと上でねここねこ?てのを書いたモンだけど。
随分前、大学時代大阪に住んでた、霊感アリの旦那に、泉の広場について聞いてみたことがあった。
車で運転してる最中の、まあ話のタネ的な感じだったんだけど、まあひとしきり話した後で、旦那が袖を引っ張って来る。
運転してる最中だったんで危ないなーと思いつつ、「袖引っ張るのやめてー」って言ったら、怪訝な顔された。本人は引っ張ってるつもりなかったらしい。
で、改めて見てみたら、なんか変な風に手が強張ってて、それが私の服の袖をつかんでた。
何とか引っぺがしたんだけど、其の後の旦那の一言が、ちょっと。
「……出張して来たんかな?」
話題に出してると呼んじゃうっぽいね。
[ 2016/09/27 ] ◆-

[ 120326 ] NO TITLE

>>120236
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/09/28 ] ◆Ahsw8Nok

[ 120621 ]

おはようございます。
只今出張中でして、昨日起きた事を皆様に質問したく初カキコさせて頂きます。

私、先週の頭からC県に出張してまして、会社側が準備してくれた格安のビジネスホテルに宿泊しています。(現在進行形)
ありがちな話なのですが、ユニットバスで入浴中に視界の端にチラチラと黒っぽいモヤが写ることがあります。
これは霊現象でしょうか?それとも気のせいでしょうか?
[ 2016/10/02 ] ◆-

[ 120976 ] NO TITLE

洒落恐まとめの『死相?』読んで、顔が青紫で思い出してしまった。いろいろと読み辛かったらごめんなさい…

私は中学生の頃、私・A・Bの三人組でいつも下校してた。
当時アホ真っ盛りだった私は自転車の二人乗りにハマってて、その日もAが運転、私が荷台に乗る形で、二人乗りで坂道を下ろうとしてた。完全に調子乗ってた私とAは「ノンブレーキで行こう」とか馬鹿なこと言ってた。そんで、いよいよ「行くぞ!」って下りかけた時、Bが急に
『止まって!!!』
って叫んだ。驚いて振り返ると、ものすごく真剣な顔したBがいた。
私とAはその顔にビビって止まったんだけど、その直後に坂下の死角だった位置からベビーカー押した親子が出てきた。
私は「Bはこの親子が見えたから止まれって言ったんだ」って納得したんだけど、よく話を聞いたら違うらしい。

Aは、私ら二人を馬鹿だなぁ程度に見てたらしいんだけど、ふと振り返った私の顔が『まっ青紫色』だったらしい。
顔色が悪いとかそんなもんじゃなくて、本当に青紫色だったと。あまりに異様な顔色だったんで、とっさに止まってと叫んでしまったらしい。そこで止まったから何事も無かったけど、もしあのまま坂を下ってベービーカーと衝突していたら、乗っていた赤ちゃんに取り返しのつかない事をしたかもしれない。本当に馬鹿な事をしてた。二人乗りも悪ふざけも、絶対にやるもんじゃない。

だから『死相?』のコメ欄を読みながら、青紫の顔色は死相というより何かの『警告』なのかもと、ふと思いました。
お目汚し失礼しました…
[ 2016/10/07 ] ◆-

[ 121017 ] NO TITLE

五年くらい前かな?
住んでるとこでお祭りがあって(夏場)、私は体調崩してていかず、残念だなーと思ってた。
母が夜中になって「DVD返さなきゃ!」とちょっと遠くのゲオへ行った……と思ったらすぐに帰ってきた。お祭りでひとがいっぱいになるからその所為?ときいたら仏頂面で
「途中で気になって確かめたら中身がはいっちょらんかった」
と。でプレーヤーからDVD取り出しケースにいれてもう一度出発。
そしたら、今度は異常に帰りが遅い。
自転車押さないと移動できないくらいひとが道にあふれるのであんまり心配はしてなかったが深夜まわったので流石に不安になり事故った?とか考えて起きていた。
一時?くらいにやっと帰ってきて、開口一番「DVDいれ忘れてて良かったー!」と。何が?ときくと。

母が行列をやっている通りを避けてその向こうへ抜けると、そっちは大通りなんだけど行列とは関係ないから灯篭とかもなく真っ暗。ちょっと離れたところにもうひとつ別のお祭りをやっている神社があるのが見えるくらい。行列は十時くらいに終わるんだけど、もう片方のお祭りは深夜すぎても舞台でお神楽を奉納してる。
やっと自転車に乗れる!と意気揚々漕ぎ出したところ、前方に女の子が二人。しかも車が並走してる。
不審に思った母はゆっくりそっちへ近付いた。車は運転席の窓が開いていて、若い男のひとが顔をのぞかせていた。女の子二人にしきりと話しかけていて、女の子たち無視して速足で逃げようとしてるんだけど、車だから追いつかれてる。
母は速度あげて女の子たちへ近付き、「遅かったな、はよ帰ろう」と声を掛けた。女の子たちは振り返って一瞬きょとんとしたんだけど、母が「さがしたんでー」とにっこりしたら意図を察して、軽くうなずいた。
車は窓もしめずに逃走。車が居なくなると女の子たちは安心したのか、「おばちゃんありがとー!怖かったー!」「どうしようかと思った」と半泣き。
「なにいいよんの、まだ油断したらいけんで!わたしがおらんなったらあの男またもどってくるわ」
と母、女の子たちを家まで送ることに。
女の子たちの話によると、友達5人でお祭りにいっての帰りだったそう。その二人(姉妹)だけ街の中心部から離れたところに住んでたんだけど、夜中までお神楽をやっている神社もあるので感覚が鈍っていて、このくらいの距離なら大丈夫と二人で帰ろうとした。そこにあの車があらわれて、いくつ?とか、送ろうか?とかいわれた。後は母の見た通り。

その後二人を家まで送り届けて家族へ引き渡してからDVDを返してきたからかえりがおそくなった、という訳。
もしDVDをケースへいれ忘れずに一回目で普通に返していたら……と考えると怖い。
ちなみに帰り道でも例の車を見かけたそう。
[ 2016/10/08 ] ◆kFp65TQc

[ 121051 ] NO TITLE

>>120976
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/10/09 ] ◆Ahsw8Nok

[ 121107 ] NO TITLE

ほんとに最近の話。というか現在進行形?

この間の木曜に旦那と喧嘩。で、財布引っ掴んで家を飛び出した。
近所のスーパーのフードコートでしばらくぼーっとしてた。喧嘩したあと私が行くのはいつもそこで、旦那はいつも川沿いで写真撮ってる。そういうふうにいく場所が決まってるので、喧嘩してる場合じゃないようなことがあったらすぐに知らせることが出来るという訳。
でもその日はなんかいらいらがおさまらなくて、ふと神社に行こうと思った。一番好きな神社へ行ってお賽銭あげようと。で歩いて一時間くらいなんだけど、下駄ばきで向かった。
その時の財布の中身が1万2千円、2千円は実家の掃除中に出てきた中学の頃のへそくり。失くしたと思ってたのに出てきたのが嬉しかったのと、今じゃ滅多にお目にかかれない夏目漱石だったのでとっておいたんだけど、これをお賽銭にしようと思った。
神社は中州にあって、夜の十一時くらいだったので真っ暗だったんだけど、急な階段をのぼって境内にはいった。真っ暗だし物音もないしちょっと怖かったんだけど、千円を賽銭箱にいれて「家族の仕事が巧くいきますように。みんな幸せになりますように」とちゃんと住所氏名付きでお願いして、そしたらすっきりしたのでてくてく帰った。
帰ったら旦那から謝られて、こっちこそいいすぎてごめんなさいと謝り、一件落着。
次の日城プロで念願の首里城ちゃんを通常築城でゲット、AUCはそれから二日連続でログインボーナスで威力増加が出てご利益かな?とほくほくしてた。まえ天神さまにお参りしたあとバンケツでミチザネサマが出たこともあったし、神さま凄いなーと思ってた。
で、今日、というかさっき、買いものに行った。お会計の時に財布開けたら、あるの、夏目漱石が二枚。
え?てフリーズしてたらレジのお姉さんがきょとんとしてた。わたしはパニックで、どうしてあんの?賽銭箱にいれたよね?間違えて一万円いれた?と一万円札の有無を確認。ちゃんとある。訳が解らなかった。
でもなんとなくとっといたほうがいい?と思い、一万円札で支払って帰った。
三枚だったっけ?とへそくり見付けた時に居た母に「この間旧札出てきたやん?あれいくら出てきたっけ?」ときくと「二千円やろ」と。

で、どうしたら良いんでしょうこの二千円。全部お賽銭にすべきですかね?それともとっておいたほうがいいのかな?
[ 2016/10/09 ] ◆kFp65TQc

[ 121596 ]

半年くらい前、我が町内の不燃ゴミ回収で仏壇捨てていった阿呆がいる。

しょうぬき?ってのもしてなくて、骨壷も位牌もそのまま。ただし身元がわかるような名前とかは削ってあったり塗り潰してあったりで結局今でも誰の仏壇かは分からず。
ジジババが多い田舎町なので大パニック、近所の爺さん(町内会長)が罰当たりな!と絶叫していた。父も地区内の役員なので険しい顔で持ち主探しをしていた。

私も仏壇見たけど、そこまで大きくないものだった。でも骨壷は真っ黒(聞いたらペンキでベタ塗り)で位牌ものみか彫刻刀で雑に削ってあって、すごく怖かった。すぐ関わった人間全員でお祓い行った。
最終的に仏壇は坊さん呼んで供養してしょうぬき?してもらい、骨壷と位牌は寺預かりになった。
[ 2016/10/17 ] ◆Cpmq7HFs

[ 121730 ] 大きい犬を連れたAちゃん

初めて投稿します。不手際がございましたら、すみません。同級生にAちゃんという子が居ました。
彼女に会ったのは幼稚園の時で、初めて彼女を見て怖くて大泣きしてしまった覚えがあります。
Aちゃんに纏わりつくようにして、傍に居た大きな犬が怖かったんです。真っ白で、沢山の目があって、黄色の角も沢山ありました。
目が沢山あるだけでも、虫のようで気持ち悪いのに動作が私の知っている犬のようにAちゃんにすり寄っている姿は、もう異質でしかありませんでした。私の視線に犬が気付いたようで、こちらに視線を向けたのですがもうパニック。
私はAちゃんと離れるまで泣き叫び続けました。
その次の日から、私はAちゃんを密かに追うことにしました。また幼稚園に犬を連れて来ないかどうかの見張りの為でした。
もし、連れて来たらAちゃんを注意しよう。そう思っていたのです。
でも、幼稚園に先生よりも大きい犬を連れて来ていたら私以外の人も気付くはず。なのに、あの時私以外の人は犬の存在に気付くことはありませんでした。
このことが、おかしいと気付いたのはAちゃんの見張りを続けて数日後、Aちゃん本人に話をした時です。
「大きい犬連れて来てたでしょ。幼稚園に犬連れて来たらダメなんだよ!」
「連れて来てないよ。大きい犬って?」
「いっぱい目があって、角があって。真っ白いの!」
私が言ったら、Aちゃんの表情は今まで見た事がないような笑顔に変わりました。とても嬉しそうで。
「みんなね、見えないって言うの。いないって。本当にいたんだ!」
居たと嬉しそうに繰り返す彼女が怖くて、私は逃げたくなりそのまま走って逃げてしまいました。
Aちゃん絡みで、あと四つ程話がありますのでまた投稿します。

[ 2016/10/19 ] ◆s1CobG.M

[ 121731 ] NO TITLE

同級生にAちゃんという子がいました。
このAちゃんが、他の子達から嫌われていることを知ったのはAちゃん本人と初めて話をした日から、そう遠くない日のことでした。
私は、逃げてしまったことを謝ろうと思っていましたがもう関わり合いたくありませんでした。そもそも、Aちゃんから逃げた日から熱を出して休んでいてどう謝れば良いか分からなかったこともありました。
私が休んでいる間にAちゃんが、私の組に来たようで同じ組の子が追い返したようでした。余計に合わせる顔もありません。
その子から聞いた話によるとAちゃんは転勤族の子で、何もないところに話をしているおかしな子だから関わらない方が良いよ。
そう教えてくれました。元々違う組でしたので自然と関わることはありませんでした。
そんなある日、広場で二十人近くの園児が騒いでいました。その中にAちゃんがいました。
騒いでいる園児の言葉で聞き取れたのは「神なんていない!」という言葉でした。
私が、集団の近くに行くとちょうどそこにいた知り合いが経緯を説明してくれました。
どうやら、Aちゃんが何かの弾みで神様と遊んだと言ったそうです。その話を聞いた他の園児がAちゃんを否定したいが為に言ったようでした。
騒ぎを聞きつけた先生により、騒ぎは沈静化しましたがそこに調子に乗った園児が先生に聞きました。
「先生、先生も思うよね!神様なんていないって!Aちゃんがおかしいよねー!」
「Aちゃん嘘つきだもん!いない存在をいるなんて言って!本当に頭おかしい!」
これを聞いた先生は、他の先生達に言いに行きました。そこに集まっていた全園児を幼稚園から連れ出しみんなを幼稚園の傍の建物に連れていきました。
みんなAちゃんが怒られると思っていたらしく、にやにやとしているばかりでした。ですが、顔を文字通り真っ赤にさせた園長先生が怒ったのはAちゃんではなくはやし立てていた園児の方でした。
それもそのはず、私が通っていたのはカトリック系の幼稚園で教会の教えもここでは教えていました。そして、みんなが集まったここは幼稚園の教会でした。
そして、園長先生(神父)が残念ですという言葉から話し始めました。
「面接の時に皆さんに言った言葉を覚えていますか?神様はいらっしゃると思いますか?と聞いたのです。ここには、いると思うと答えた子たちしかいない筈ですが、どうやら一人だけのようですね。」
続けて園長先生は、居心地の悪そうにしているAちゃんに聞きました。
「神様はどこにいらっしゃると思いますか?」」
Aちゃんは恐る恐る、後ろの窓のステンドグラスを指さしました。
「神様はあそこにいるよ!皆を見てるの!」
Aちゃんがそう言った瞬間、指さした窓が全開になりました。
そこからは、もうみんなパニック。過呼吸になったり泣き叫ぶ子、悲鳴を上げてびっくりする子が出たりしました。
過呼吸になった子は先生(シスター)から抱かれて落ち着いたり、叫んだ子は園長先生の喝で正気に戻ったり。
Aちゃんと私と他の園児達を含めた四人は、落ち着いているからと先に幼稚園に帰されました。
二人はAちゃんから逃げるように走って帰ってました。残された私はAちゃんになんとなく話を聞いてみました。少し気まずかったんです。
「Aちゃん、開く窓がよく分かったね」
「私が指さしたらなんでか開けてくれたのよ」
「誰が?Aちゃんは、神様っていると思ってる?」
「紫ちゃんは、どう思う?」
「わかんない」
「なら、私もわかんない。早く帰ってパズルするのー」
そう言ってAちゃんは、私を置いて走り出しました。Aちゃんの横に、半分透けた男性が寄り添っているのが後ろから見えました。
これ以降、私はお化けの姿をはっきりと見ることは出来なくなりました。Aちゃんの言っていた窓を開けてくれた存在が何なのか未だに分かりません。
[ 2016/10/19 ] ◆s1CobG.M

[ 121732 ] 神隠し

同級生にAちゃんという子がいました。
小学生に上がっても、Aちゃんは変わらなかったようで他クラスの自分の耳に噂が届くほどAちゃんはいじめられていたようでした。
ある日の帰り道、目の前にAちゃんがいました。Aちゃんは楽しそうにAちゃんの隣の白い靄に向かって話をしていました。
帰り道は何故か、白い靄とAちゃんと私の三人しかいません。後ろを見ても誰もいませんでした。そのままAちゃん達の後ろを歩いていると、会話が聞こえました。
「それでねー。え、なあに?」
次の言葉で、私はびっくりしました。
「私を知っている子がいるの?後ろに?」
それはきっと私のことでしょう。私はびっくりしたまま近くの横道に逃げ込みました。心臓がどきどきします。お願いだから気づかないで!そう思いました。
「誰もいないよー。え、横道に入ったの?」
白い靄が怖かったのですが、Aちゃんも怖くなりました。すると、突然Aちゃんの明るい声がしました。
「あ、Bちゃんだ」
別の子の名前が出たことに安堵して、元の道に戻ろうとしました。そこで、元の道を改めて見たのですが隠れる前と違うのです。隠れる前は三人しかいなかったのに、じゃがいもを洗うかのように沢山の下校中の児童がいました。あんなに音もなかったのに道もにぎやかです。
狐につままれるとはこのようなことでしょうか。
目を白黒させていると、肩を叩かれました。びっくりして振り返ると知り合いのおばあさんでした。
今までの話をすると、神隠しではないかということでした。昔からここの地域では神隠しの話があったそうです。
心配してくれたおばあさんが家まで送ってくれました。
あの音のない空間が神隠しなら、Aちゃんも神隠しにあったのではないかと思います。次の日もAちゃんは、普通に学校に来ていたようなので少し安心しました。
[ 2016/10/19 ] ◆s1CobG.M

[ 121733 ] 不審者

同級生にAちゃんという子がいました。
これがなかなかの変わり者で、飼育小屋の前で動物をよく見ていたり職員室近くの水槽で飼っていた金魚に勝手に名前を付けていたり、図書館で人体の本を読んでる変な子です。
Aちゃんがいじめられていた次の年に、Aちゃんと同じクラスになりました。
その年に、Aちゃんが図工で使用していた物が盗まれるということが起こりました。その事件が起こった次の日、C君が授業中居眠りをするようになりました。そこで、何度も先生から怒られるでも寝てしまう。このループです。
授業中に怒られるもんだから、邪魔だなと思いました。そう思っているのは私だけではないようで授業後にC君は他のクラスメイトから文句を言われていました。
そこから四日目に、へらへらとしたC君とばったり廊下で会いました。
「紫ちゃん、Aには気を付けろ。あいつ呪いかけるからさー。俺はもう大丈夫だけど。首絞められたんだぜ。あれくらいのことで。あいつ、おかしいんじゃないの。何かあったらAに呪いといてもらったらいいよ」
あまりの言いぐさに、関係のない私もイライラしましたがそのままC君はどこかに行きました。その日から三日程、熱を出してC君は学校を休みました。正直、すっきりしました。
C君が休みの時、Aちゃんと遊ぶ機会があったのですがその時に怖い思いをしたのでこのことについても書いておきます。
何故か、Aちゃんが花一匁をしたいと言い始め六人で始めました。しばらくすると、教育実習生らしい男性が「懐かしいな」と言って一緒にし始めました。
Bちゃんと私とAちゃん以外は、その男性とどうしたら話せるかと躍起になっていました。ですが、私はその男性がとても怖いものに見えました。笑顔も爽やかですし、見た目は良かったのですが。
そろそろ掃除の時間だからと遊ぶのをやめることになり、三人はどこの教室にいるのか等聞いていました。男性は三人を適当にあしらいつつ、三人が掃除の場所に向かったところで、Aちゃんに話しかけていました。何か話をして男性がAちゃんの手を掴みました。
そこで、BちゃんがAちゃんに声をかけました。
「早く行かないと先生に怒られるよ!」
その声に反応したAちゃんが、その男の人のあれを蹴ってこちらに走ってきました。何か汚いものを見るような顔をしたAちゃんが怖かったです。
ここで話は終わりません。
次の日、あの男性目当ての三人がBちゃんと私とAちゃんを連れて職員室まで行きました。そこで、あの男性がいないことを知りそれどころか職員室前の広場でしていたのにも関わらず私たちの姿を見た人がいないということを知りました。
更に、Aちゃんが男性について何も覚えていないということも発覚しました。
不審者かもしれないからと何日か私とBちゃんで、Aちゃんの護衛と称し一緒に過ごしました。
[ 2016/10/19 ] ◆s1CobG.M

[ 121734 ] NO TITLE

最後の話になります。
同級生にAちゃんという子がいました。
このAちゃんが、おかしなことを言う子でなくした物の場所を正確に把握していることがありました。あとは、言おうとしていることを先に言われたり、車に気を付けてねと言われたことがあるのですが、言われた帰り道で車が突っ込んできて接触しそうになったりしたこともありました。
そんなAちゃんとBちゃん、Eちゃんと放課後怖い話をしていました。Eちゃんは自分の体験だと言い張り、怖い話の本に載っている話ばかり語ってました。
Aちゃんは、Eちゃんの話を怖がって聞いたりしてそれなりに楽しそうでした。
「紫ちゃんは、何か話はないの?」
とEちゃんに聞かれ、Aちゃんの話をしようとした時です。Aちゃんの肩に真っ白な袖が乗っているのが見えました。制服の白とは別の白さです。
これは言ってはダメだと思い、「何もないよ」と返しました。
場が白けてしまったようで、もう帰ろうということになりました。その日、私はお母さんが学校まで迎えてくれることになっていましたので一人で残りました。
早く来ないかなと待っていると、帰ったはずのAちゃんが教室に入ってきました。
上機嫌なのかいつも仏頂面のAちゃんがにこにこ笑っています。
「帰ったんじゃないの?」
「忘れ物しちゃった」
「ドジだねー」
「うん。ああ、あったあった。もう帰るね」
「Aちゃん、また明日ね」
「また明日ね。あ、紫ちゃん言わなくてよかったね。僕は女の子には優しいんだよ」
ニコニコとそんなことを言って彼女は教室を出て行きました。Aちゃんは、自分のことを僕とは言いません。何か違和感を感じつつ、お母さんを待ちました。もう五時を過ぎていまして今日に限ってチャイムが鳴りませんでした。
次の日、Aちゃんに帰ってきたでしょと話すとBちゃんと首を傾げられました。
「帰ってきてないよ。家には帰ったけど」
「五時にさー」
「五時ならBちゃんと一緒だったよ。昨日のあのチャイムすっごい大きかったよね」
「チャイム鳴ってなかったでしょ?」
鳴った鳴ってないと少し言い合いになりましたが、関係のない子に聞くと本当に大きなチャイムが流れたそうです。でも、私は聞いていませんでした。
以前、帰り道での出来事を思い出した私は一人青ざめるしかありませんでした。
この後で、私の転校が決まりAちゃんと直接話すことはなくなりましたが最後に彼女の発言を書いて終わります。
「紫ちゃん、元気でね」
そう言って互いの家に帰りました。その日の晩に、転校することになったのを知りました。
彼女は何か見えていたのでしょうか。今となっては分かりません。
長い話を読んでくれてありがとうございました。話を書くたびに、パソコンの調子が悪くなることが多発した今が怖いです。
[ 2016/10/19 ] ◆s1CobG.M

[ 121750 ] 雨乞い

 私が中学生だった頃の話だ。
 
 学校からの帰り。街には雨が降り、私は安物の雨合羽を着て自転車で家路を辿っていた。
 道中、県道路沿いのバス停に差し掛かった時だ。屋根のついた待合所のベンチに男が一人座っていた。おや、と思ったのは、朝にも同じ場所で、同じ男を見たような気がしたからだ。
 バスを待つのに疲れたのだろうか、俯き地面を見つめている。ただ、その時はそれ以上深く考えもしなかった。
 次の日も、雨だった。朝、私が学校に向かっていると、バス停に昨日と同じ男が、昨日と同じ格好、昨日と同じ姿勢で座っていた。
 思わず二度見する。俯いているため顔はよく見えないが、歳は三十ほどだろうか。くたくたのシャツに、くたくたのスラックスを履いている。鞄の類は持っておらず、ベンチに立てかけた黒い傘が、彼の唯一の持ち物らしかった。
 吹き込んでくる雨のせいか、男の両足は靴先から膝まで濡れている。その後、一日の授業を終え、学校から帰る時も同じ男を見た。
 次の日は晴天で、バス停は空だった。
 再びバス停にて男を目撃したのは、一週間ほど経った後のこと。その日も、雨だった。
 気になったので情報を集めてみると、やはり、男はバスを待っているのではなかった。彼は街の人間で、雨の日に限り、ああやって一日中バス停のベンチに座っているのだそうだ。
 小さな街なので、噂の回りも早い。数か月前に、男は恋人と死別していた。数名の友達と行った旅先で交通事故。男は旅行に同伴しておらず、最後に彼女を見送ったのが、あのバス停だった。
 事故後、男は務めている仕事を休職し、晴れた日は家でぼんやりと、雨の日はバス停でぼんやりとしているという話だった。
 
 その日も、朝から雨が降っていた。前日に天気予報を確認していた私は、朝飯を素早くかき込み、手早く準備を済ませると、いつもより少し早く家を出た。雨合羽に自転車ではなく、傘を持って、徒歩で。
 雨の中、バス停まで歩いて行くと、ベンチに男が座っていた。他に人はいない。何気なさを装い傘をたたむと、私も男から一番離れた椅子に座った。
 横目でそっと観察する。
 男は、前屈みの状態で、俯き、足先から数十センチ前の地面をじっと見つめていた。両肘を膝の上に置き、祈るように組み合わされた両手は、両足の間に力なく垂れ下がっている。髭は伸び放題だったが、三十代よりはもっと若いかもしれない。時折、指を組み直したり、目を閉じたり、口元だけで小さく笑ったりしていた。
 バス停には、恋人の幽霊が出るのではないか。そういう噂もあった。男は彼女に会いに来ているのだと。女が彼のすぐ隣に座っているのを見た、という人も居た。
 その内、時刻表通りにバスがやって来た。私は、当然のように立ち上がると、男の前を通り過ぎバスに乗り込んだ。その際、彼の隣の席を盗み見たが、もちろん、ただの空席だった。
私が乗り込むと、運転手はすぐにドアを閉めた。そうして、バスは一人の男を置き去りに、雨の中をゆっくりと走り出した。
 その後、私は一駅先の中学校前で降りると、そこから駆け足気味に中学校へと向かった。
 私と同じクラスに、くらげというあだ名の人物が居た。彼は所謂、『自称、見えるヒト』 だ。私が今日わざわざバス通学をしたのも、男に関する噂を集めたのも、そもそも彼に原因があると言ってもいい。
 何時もより早く来たせいか、教室にはくらげ以外まだ誰も居なかった。彼は、自分の席で本を読んでいた。こいつは普段の動作は鈍いくせに、毎日誰よりも早く学校に来るのだ。
 荷物を棚に放り投げ、すぐ隣の机の上に腰を降ろすと、彼が読んでいた本から顔を上げ、こちらを見やった。
「見たか?」
 単刀直入にそう切り出すと、私を見る目が少しだけ細まった。いつも表情の乏しい彼だが、これは分かる。誰かさんがまた面倒なことを持ち込んできたな、と迷惑がっている顔だ。
「……何を?」
「雨の日のバス停の男」
 少し間があって、「ああ、あの人」 と彼が言った。
 私と彼の家は同じ校区でも北と南で多少距離が離れているが、彼も通学の際は、あのバス停の前を通るはずだ。
「見たことあるよ」
「死んだ恋人の霊は?」
「……何それ」
 今まで集めてきた情報を教えてやると、彼は格別興味もなさそうに、「ふーん」 と呟いた。
「見たか?」
「見てない。……と思う」
 はっきりとした確信はないようだ。そもそも、バス停の男のことも目の端に映った程度のことなのだろう。
「じゃあ、まだ可能性はあるな」
 私が言うと、次の展開が予想できたのだろう、彼が、今度は割とはっきりと面倒臭そうな顔をした。
「見に行こうぜ」
 行くとも嫌だとも言わず。代わりに、彼は読んでいた本に再び目を落としながら、小さく息を吐いた。
 ただし、その日は昼に雨が止んでしまい、決行は次の雨の日の朝ということになった。バス停の男は、雨が降っている間しか現れない。逆に言えば、雨さえ降っていたら、真夜中でも彼は座っているのかもしれない。もちろん、それは勝手な想像だったが。

 次の雨は、数日後に降った。「梅雨でもないんに」 朝食を装いながら、母がこぼす。確かに最近雨が多いな、とは私も感じていたが、早々に機会が来たのでラッキーとも言えた。
 何時もより随分早く家を出た。傘を差し、徒歩で向かう。
 友人との待ち合わせ場所は、街の中心に架かる地蔵橋。中学校とは逆方向で遠回りになるが、私とくらげが何かする時、行動の起点はいつもここだった。
 橋に着くといつも通り、くらげが私を待っていた。軽く手を上げると、彼も無言で手を上げた。そのまま、二人で中学校までの道を歩き出す。途中、町営バスが一台、私たちを追い越していった。
 雨の向こうにバス亭が見えてくる。そこに、男は居た。掘っ建て小屋のような粗末な建物の中に、六、七人ほどが座れるベンチ。男はその一番端の席に、一本の黒い傘を立て掛け、座っていた。
 私とくらげは男とは逆側に、くらげを男に近い方に座らせて、私は遠い位置に座った。こうすれば、くらげとの会話のついでに、男を観察することができる。
 意識の二割ほどを割いて、隣の友人と、通学中の学生がするような取り留めもない話をする。といってもほとんどいつも通り、私が一方的に口を動かしていただけだが。
 その内、男の身体の肩口がやけに濡れていることに気が付いた。男の脇にある傘は大人用の大きなものだったが、ここまで、おざなりな差し方をして来たのだろうか。
 そんなことを考えている間も、私の口はほとんど無意識に、昨晩のテレビ番組の話をしていた。
「見たか?」
 話の流れのまま、私は訊いた。打ち合わせも何もしていなかったが、それまで私の話を左から右に聞き流していた彼が、ちらりとこちらを見やった。そうして逆の、男の方に無造作に視線を向けると、
「……うっすら」
 と言った。
 唾を呑み込み、くらげの身体越しに、私はじっと目を凝らした。
 男の傍には、誰も居ないように見える。
 その内、次のバスがやって来た。時間切れだ。先にくらげが立ち上がり、私は後ろ髪を微かに引かれながらも、彼の後に続いた。
 男の前を通り過ぎようとした時、不意にくらげが立ち止まった。全く突然のことで、危うくその背中にぶつかりそうになる。彼は無表情に、男をじっと見下ろしていた。
 俯いていた男が顔を上げ、くらげを見やった。
 視線が合う。二人とも、何も言わなかった。
 バスの中から、何人かが怪訝そうに私たちを見ている。慌てた私は咄嗟にくらげの背中を押して、無理矢理バスに乗せようとした。
 その瞬間、私の目の端に何かが映った。男の隣に、誰かが座っている。思わず二度見する。が、その時にはもう消えていた。ただ見間違いではなかった。確かに、そこに誰かが居た。
 バスに入るよう、今度は私が袖を引っ張られた。
「……何か居たな」
 バスの一番後ろの席に座ってから呟くと、彼は至って何でも無いような口調で、「あの人には、見えてないようだったけど」 と言った。立ち止まったのは、それを確認するためだったのだろうか。
 ドアが閉まる音がし、バスが走り出す。私は背もたれの上にそっと身を乗り出し、後ろの窓から外を見やった。男は再び俯いて、地面を見つめていた。
「……教えてやった方がいいんじゃないか?」
 私の言葉に、くらげは無言で首を横に振った。彼は背もたれにもたれかかって、薄く目を閉じていた。何を見たんだ、そう訊こうとして、止めた。確かに、私たちが彼に教えたところで、信じてもらえるはずもない。きっと馬鹿にされていると思われて終いだろう。
「見えない方が、いいよ」
 目を閉じたまま、くらげが小さく呟いた。
 再び、窓の外を見やる。雨の中、男は俯きその額に自分の組んだ両手を当てていた。何かを祈るように、もしくは乞うようにか。
 バスは遠ざかり、男の姿はあっという間に小さくなって、見えなくなった。

 それから数回、バス停で同じ男を見かけたが、ある雨の日を境にぱったりと現れなくなった。不思議に思い色々嗅ぎ回った末、私は男がある程度立ち直り、仕事にも復帰したことを知った。
 そんなある日、バス停の前を通りすぎた際、ふと、ベンチの脇に見覚えのある黒い傘が残されていることに気が付いた。男の物だと思っていたが、違ったのだろうか。それとも男が忘れて、もしくは置いて帰ったのか。
 その傘も数日後には消えていた。誰が持っていったのか、私は知らない。
[ 2016/10/19 ] ◆etpFl2/6

[ 121758 ] 雨乞い

 私が小学校六年生だった頃の話だ。
 
 その年の冬、太平洋に近い街に雪が降り、幾年かぶりに、数十センチ積もった。
 朝起きると、窓の外の景色がいつもと違う。例年にない積雪に大人たちは迷惑がっていたが、子供たちはほとんど生まれて初めての真っ白な世界に胸を躍らせ、私を含め、実際小躍りした。その証拠に、私が普段より三十分早く学校に着くと、すでに校庭には多くの生徒の姿があった。
 その日、一時間目が体育の授業だったのだが、せっかく雪があるからということで、校庭の雪をかき集めて雪だるまを作ることになり。クラスの総力を挙げた結果、子供たちより背の高い巨大な横綱が完成した。
 頭にはちゃんとポリバケツを被せてあり、両腕は木の枝。右手はぼろぼろの軍手で左手は赤い手袋。花は黄色いお菓子の空き箱で、銀色の両目は、空き缶を逆さに埋め込み、さらに口には青色のホイッスルを咥えさせた。吹く穴に細い枝を差し込み、それでもって固定するというやり方だ。胸の三つのボタンは、色の違うペットボトルの蓋で、花の形をした名札も着けた。これもまず木の枝に名札を固定し、取れにくいよう胸のあたりに差し込んだ。
 彼は、『雪村君』 と名付けられた。名付け親は忘れたが、雪だるまは名前を付けると溶けにくくなるのだ、と誰かが話していたのは覚えている。
 笛と頭のポリバケツと名前以外は、全部裏山やグラウンドの周辺に落ちていたものだったが、皆、その出来栄えには満足げだった。
 雪村君は、ここなら日蔭の時間が長く溶けにくいという理由で、校舎とグラウンドの間、花壇の脇に安置された。完成を機に、せっかくということで、先生がカメラを持って来て、雪村君を囲んで皆で記念撮影をした。
 昼休み、校庭に遊びに出た際、何気なく雪村君を見やると、銀色の両目玉にそれぞれ赤と青の小さなマグネットがくっつけてあった。誰かが教室の黒板からとって来たのだろう。さらに口元が、チョークの粉だろうか、赤く色付けされていた。にんまりと笑っている。
 そう言えば眉毛が無いなと思った私は、足元にあった落ち葉を二枚拾うと、背伸びをして彼の目の上に押し込んだ。離れて眺めてみると、それまでただ笑っていた雪村君が、私のせいで少し困ったような笑みになっていた。
 その日の夜の天気予報では雪はもう降らないが、寒気はまだ居座り、最低気温が氷点下の日が何日かあるだろうとのことだった。
 翌日登校すると、雪村君がその首にマフラーを巻いていた。親切な誰かが家かお古を持って来たのか。これが昔話だったら、後日その親切な誰かの家には米俵が届けられていたところだ。
「あれ?」
 つい先ほど、校門前で一緒になった友達が言った。
「なあなあ、雪村君、ちょっと動いとらん?」
 確かによく見ると、昨日彼が立っていた位置と、若干違っているようにも見える。もっと校舎から離れてはいなかったか。今は、ほとんど壁にもたれかかっている格好だ。
 ただ今の位置の方が日差しを逃れやすい。親切な誰かが、マフラーを掛けてあげたついでに、より日陰の方へ移動させたのかもしれない。と私が言うと、友達も納得したようだった。
 私としては、彼が昨日よりも少し太って見えることの方が気になっていたのだが、頭の重さで横に膨らんだのだと、自分を納得させた。
 
 数日経ち、校舎の周りに積もっていた雪がすっかり溶けてしまった後も、雪村君は元気にずんぐり太っていた。
 その頃には、雪村君が日陰を求めて移動するということは周知の事実になっていた。具体的に言えば、東から西へ移動する太陽の動きに合わせて、校舎の陰から出ないように少しずつ身体を移動させるのだ。
 ついでに言えば、雪村君が居るのは丁度二階の私たちのクラスの真下であるため、窓か少し顔を出せば、彼の頭頂部を眺めることができる。一度、誰が雪村君を移動させているのか確かめようと思い、窓際の席の友人に頼んで、一日中それとなく監視してもらったのだが、犯人を突き止めるには至らなかった。といってもそんなことを気にしていたのはほとんど私一人で、見張りを頼んだ友人にしても、「たぶん、用務員の人じゃないかな」 と、まるで興味無さげだった。
 こんな事件もあった。昼休み中、下級生が悪戯で雪村君の所までホースを伸ばし、水をかけようとしたのだ。教室に居残っていた友達数人がいち早く気づき、事件は未遂に終わった。ただ、彼らが雪村君の危機に気付いた理由は、偶然窓の下を見たから、ではなく、「笛の音がしたから」 というものだった。
 もちろん、『ただの木枯らし説』 も有力ではあったが、一応クラス内では、『雪村君が笛で助けを呼んだ説』 で落ち着いた。
 そんな雪村君殺人未遂事件があってからというもの、何となくクラスの一部に、ふとした折にはちらと外に居る彼の様子を気遣うような、そんな雰囲気が生まれていた。
 
 また数日が経った。天気予報によれば、寒気の峠は過ぎたとのこと。太陽の光がどことなく暖かく感じられようになっていた。
 雪村君に関しては、明らかに一回り小さくなった。顔が傾き、小首をかしげているようにも見える。以前は固く閉まっていた雪も若干ゆるくなり、その日わたしが登校すると、ボタンが一つ外れ、片方の眉が剃られ、目玉の空き缶が数センチ浮き出し、鼻はもげてなくなっていた。
 さすがに憐れに思い、顔が崩れないように目玉を押し込み、新たな鼻は花壇にあった石で見繕ってやった。
 作業が済むと、ふと、雪村君の目が私を見つめていることに気が付いた。直している最中に偶然そうなったのか。チョークの口紅はほとんど消えていたが、笛を咥えた口元は、まだうっすらと微笑んでいた。
 ちなみにその日、用務員さんと話す機会があったので訊いてみたら、自分は雪だるまを動かしたことはない、とのことだった。友人に話してみたところ、「ふーん」 と言われただけだった。
 雪村君は相変わらず、陽のあたる場所には出ようとしない。それでもゆっくりと、着実に、彼の体は溶けていた。
 さらに追い討ちをかけるように、土曜と日曜、二日続けて雨が降った。これで雪村君の命運も尽きただろう。と誰もが思ったはずだが、月曜になって来てみると、彼は依然そこで生きており。その頭の上には大きなビーチパラソルがさしてあった。
 ただ、今回の犯人はすぐに知れた。校長だった。けれども、校長自身も傘をさしたはいいものの、雪村君が週末を乗り切れるとは思っていなかったようだ。
 それから数日、彼は生きていた。数えてみれば生後半月を越えていて、南国生まれの雪だるまとしては、驚異的な長寿だろう。
 
 温かく晴れた日の、二時間目、国語の授業中。
 窓の外、校舎のすぐ傍で、笛の音がした。
 クラス中が何となしに顔を見合わせ、担任もふと板書の手を止めた。まず、窓際の列の生徒たちが、首を伸ばして外を見やった。誰かが、「あ」 と声を上げた。教室内がざわめく。担任も含め、誰もが身を乗り出し、席を立ち、窓の方へと集まって来ていた。
 グラウンドに、雪村君が居た。
 いつも校舎の陰に隠れていたに彼が、何故、どうやってあそこまで移動したのか、未だ謎のままである。校長が怪しいという話もあったが、謎のままである。
 私たちの教室の真下からグラウンドまで、まるでナメクジが這った跡のように、雪の欠片が尾を引いていた。
 彼の身体はもはや原形をとどめておらず、直に当たる太陽の熱のせいかほとんど融解しかかっていた。そのほとんど溶けかかった身体の上に、何とか形を保った頭がへばりついている。形としては、目玉焼きに近い。
 雪村君は、まっすぐ私たちの教室を見つめていた。片腕が、溶けかかっているにしては不自然な程まっすぐ空に伸びており、何だか別れの挨拶をしているようにも見える。
 動機はそれぞれだろうが、気づくと皆、教室を飛び出していた。
 グラウンドに着くと、彼の身体はさらに崩れていており、先程空に伸びていた手は力なく倒れていた。鼻と片目とボタン全部とマフラーは移動中に落としたらしく、バケツがまだ頭に乗っかっていることが奇跡的に思える。
 クラスの全員がそろったところで、雪村君の残った右目の辺りの雪がごそっと崩れ、空き缶がグラウンドの上に転がった。
 担任が何かつぶやき、目を閉じ手を合わせた。クラスの三分の一くらいが、それに倣った。
 その後、残りの国語の時間は、雪村君の残骸処理にあてられた。
 私がスコップで彼の頭だった部分の雪をすくっていると、雪に埋もれて、小さな茶色の物体が出てきた。
 手に取ってみると、クルミだった。顔のパーツに使ったわけではなく、もしかしたら雪村君誕生の際、雪を転がして大きくしている最中に紛れ込んだのかもしれない。
 空にかざして眺めていると、一人の友人が傍にやって来て、同じようにクルミの実を見やった。
「頭から、こんなん出てきた」
 私が言うと、彼は格別興味もなさそうに、「ふーん」 と呟いてから、
「人の脳に似てるね」
 と言った。正直何言ってんだこいつと思ったが、確かに形といいその皺だらけの表面といい、人間の脳に似ていなくもなかった。
 グラウンド上の死骸はあっさりと片づけられた。
 かつて雪村君だった雪は全て排水溝に流され、ゴミはちゃんと分別して捨てられ、それ以外のパーツは元あった場所に戻された。ただ、彼の名札は教室の後ろにピンでとめられ、私たちが卒業するまで、そこにあった。
 
 雪村君が生まれた日、皆で撮った写真は、卒業アルバムに収録されている。
 写真の中の雪村君は、生徒たちと同じように両手でピースサインをしているのだが。
 たまに同窓会などで集まると、あの時雪村君にピースをさせたのは誰か、ということが話題になったりする。
 もちろん誰も自分ではないと言うし、こればかりは用務員のおじさんでも校長でもないだろうし、未だ犯人は謎のままである。
[ 2016/10/19 ] ◆etpFl2/6

[ 121760 ]

あ、すみません。
投稿ミスで、上の雪だるまの話のタイトルは、『雨乞い』 ではなく、『雪村君』 です。
[ 2016/10/19 ] ◆mZrkdgLY

[ 121826 ] 水溜め

 私が小学校六年生だった頃の話だ。
 
 十一月のある日。学校が終わり、放課後。少しばかり遠い寄り道をするため、自宅の前をそのまま通り過ぎた私は、街のほぼ中心に架かる地蔵橋の辺りまで差し掛かっていた。
 その日は同じクラスの友人が一人風邪で学校を休んでおり、私は彼の家にプリントを届けに行く最中だった。
 といっても私と友人はご近所同士ではなく、街の北側の住人である私に対し、友人は南側、しかも彼の家は南地区の住宅街を抜けた山の中腹あたりに建っている。ではどうして私がその役目を任されたのかといえば、単純な話、当時クラス内で彼の家の詳しい場所を知っている人間が、担任を除けば私しかいなかったからだ。
 友人は、くらげというあだ名のちょっと変わった男だった。
 何でも彼の家の風呂にはくらげが湧くらしい。所謂、『自称、見えるヒト』 だ。
 風呂に浮かぶくらげの他にも、彼は様々なものを見る。それは形のはっきりしない何かであったり、浮遊する光の筋だったり、随分前に亡くなっていたはずの私の知人だったりもした。
 彼曰く、「僕は、そういうのが見える病気だから」 だそうだ。その病気は感染症だとも言った。だから、自分には近寄らない方がいい、とも。
 
 地蔵橋を越えて、南地区に入る。空に広がる薄い雨雲には所々切れ間があって、そこから青い空が顔をのぞかせている。天気予報では朝から雨とのことだったが、今のところ天気はもっていた。
 鼻歌など歌いつつ、手に持った傘で、空中にアヒルのコックさんを描きながら歩く。
 南地区の住宅街を抜けると道は狭い上り坂になる。急な坂道をしばらく上っていると、前方に友人の家が見えてきた。
 周りを白い塀がぐるりと取り囲んでおり、その向こうの、えらく黒ずんだ日本家屋が彼の住む家だった。門柱にインターホンのようなものはなく、私は勝手に門をくぐり中に入った。
 広い庭を抜け、玄関のチャイムを押す。しばらくの間があって、ガラリと戸が開き、中から腰の曲がった老婆が出てきた。友人の祖母だった。
「どうも」
 軽くお辞儀をすると、彼女はその曲がった腰の先の顔をぐっと近づけて来た。まじまじと私を見やり、そうして顔中のしわと同じくらい目を細めて、「うふ、うふ」 と笑った。
「あの子は今日、風邪をひいて寝とるよ」
「あ、知ってます。それで、学校のプリントを持ってきたんですけど……」
 言いながら私が背中の鞄を降ろそうとすると、その動きを制するように、彼女の片手が上がった。
「まあ、お上がんなさい。お茶とお菓子があるけぇよ」
 一瞬どうしようかと迷ったが、彼女は返事も待たずに一人家の奥へと消えて行ってしまった。こうなっては仕方が無い。それに正直なところ、ここまで歩いてきて喉も乾いていた。
「……おっじゃましまーす」
 小声でつぶやき、傘と靴を玄関に置いて家の中に入る。以前くらげに家中を案内してもらったことがあるので、玄関を上がって左手が客間だということは知っていた。
 前に訪問した時と変わらず、一度に大勢がくつろげそうな大広間には、食事用のテーブルが一つだけぽつんと置かれているだけだった。
部屋の入り口辺りに立ったまま、しばらく部屋の様子を眺める。
 広いだけでなく天井も高い。友人宅は二階建てなのだが、この部屋だけが吹き抜けになっているようだ。壁には何人かの遺影が掛けてあった。その内の一つと視線が合い、私は慌てて目を逸らした。
 その内菓子とお茶が乗った盆を持って、祖母が現れた。
「まあ、まあ。そんなとこに立っとらんで、座りんさい」
 言われた通りテーブルに着くと、彼女も私の対面に腰を下ろした。盆の上の菓子はどれも高級そうで、差し出された色の濃いお茶は熱くて少し苦かった。
「部屋の中には、何かおったかえ」
 彼女が言った。初めは意味が分からなかったが、数秒、質問の意味と口の中の菓子を呑み込むと、私は急いで首を横に振った。
「うふ、うふ」
 彼女が笑う。
 言い忘れていたが、彼女もくらげと同じく、『見えるヒト』 なのだそうだ。その目は孫以上に様々なモノを見るという。
 それは例えば、形のはっきりしない何かであったり、雨の日に地面から湧き出て、空を埋め尽くす無数のくらげの姿だったり、随分前に亡くなったはずの彼女の夫だったりもする。
 以前、この部屋で夕食を御馳走になったことがある。その際、テーブルには一人分多く食事が用意され、彼女は何もない空間に向かって語りかけ、相槌を打ち、たまに楽しそうに笑っていた。
 今も、彼女には見えているのだろうか。
 しかし、私がそれを尋ねることは無かった。答えがイエスであってもノーであっても、どちらにせよ、私には何も見えないのだ。
 代わりに、友人の容態はどうかと訊いてみた。すると彼女は、顔の前で手を振り、
「こたぁないこたぁない、ただの風邪よ」
 と言った。その言い草に、私は何故か少しだけほっとしたのを覚えている。
 それから二人でしばらく話をした。学校での孫の様子はどうかと訊かれ、私は素直に証言した。授業は真面目に聞いている。休み時間は大抵本を読んでいる。友達はあまりいない。全体的に動きが遅い。ひょろい。白い。
 そんな口の悪い私の話を、彼女はじっと微笑みながら聞いてくれた。その際、話の中で私が彼のことを、『くらげ』 と呼んでいることを知ると、何故か妙に嬉しそうに、「うふ、うふ」 と笑っていた。
 ひとしきり喋った後、今度は私から尋ねてみた。
「あの、くらげって三人兄弟なんですよね」
 彼女は声には出さずゆっくりと頷いた。
「仲、悪いんですか?」
 くらげには歳の離れた兄が二人居るということは、以前彼自身から聞いて知っていた。そうして彼がそのどちらからも嫌われているとも。
 しかしながら、今考えてみてもぶしつけな質問だったと思う。
 さすがに今度は彼女も頷かなかった。ただ否定もしなかった。言葉もなく、その表情も変わらず、ほんの少し微笑みながら私を見やっていた。
 しばらく沈黙が続いた。
「えっと……、ごめんなさい」
 耐え切れず謝ると、「うふ、うふ」 と彼女が笑った。そうしてふと私から視線を外し、テーブルの上、自分の両手の中の未だ口を付けていない湯呑を見やった。
「あの子が、四歳くらいのころやったかねえ……」
 彼女のゆったりとした昔話は、二人しかいないはずの広間によく響いた。

 数年前。当時、幼かったくらげは幼稚園にも保育園にも通わず、この家で過ごしていたそうだ。父親は仕事で、医者であった祖父はまだ現役。二人の兄は学校があり、くらげの面倒はほとんど祖母である彼女が見ていた。とはいえ、彼はそれほど手間のかかる子ではなかったという。
「夕方になると、一人で庭に出て行ってねぇ……。玄関に座って、じぃっと二人のお兄が帰って来るのを待つんよ。帰って来たち、お帰りも言わん、遊んでも言わん。やけんど、毎日、毎日ねぇ。そいで、後から帰って来た方の後ろについて、家にもんてくるんよ」
 庭に出て兄の帰りを待つ幼いくらげの姿。何となくだがその光景は想像できる。私が知っている彼も、待たすよりは待つ方だ。
 けれども、その日は少し様子が違っていたそうだ。
「二人のお兄は帰って来たけんど、あの子の姿が見えんでねぇ。家にもおらん、庭にもおらん。二人に聞いても、どっちも、『見とらん』 言うろうが。あの時は肝が冷えてねぇ……」
 それから、彼女と二人の兄でそこら中を探し回ったが、くらげの姿はなかったそうだ。その内、連絡を受けた祖父も帰ってきて一緒に探したが、見つからなかった。
「そろそろ日も落ちてくる。こらぁもういかん警察じゃと言うてな。……そん時よ。下のお兄が、『おった』 言うたんよ」
 いつの間にか、私はお茶も飲まず菓子も食べずじっと彼女の話に聞き入っていた。
 話を続ける代わりに彼女はふと首を曲げ、ある方向を見やった。私も釣られるように同じ方を見やる。
 その視線の先には花の絵をあしらった襖があった。押し入れのようだ。
 もしかして、くらげはあの押し入れの中に居たのだろうか。
「この家ん外の、塀の向こうは竹林になっとろうが」
 彼女の言葉に私は小さく頷く。確かに、ここに来るときにも見たが、この家の東側には竹林が広がっている。
「あそこは昔畑でねぇ。そこで使われとった水溜め。……そん中に、おったんよ」
 そう、彼女は言った。
 彼女が言う水溜めとは、随分昔にその竹林が畑であった頃、農業用の貯水槽として使っていたものらしい。
 水溜めはコンクリート製で形はほぼ正方形、一辺は大人の背丈程、山の斜面に半ば埋め込むようにして置かれているのだそうだ。昔は山から水を引いて溜めていたのだが、今は蓋がしてあり、中は空だという。
 幼いくらげは、その中に居たのだ。
 他の三人がそこに駆け付けた時、水溜めの蓋は僅かに開いていた。下の兄に訊くと、見つけた時は完全に閉まっていて、開けようとしたが鉄製の蓋は重たく、少しだけずらすのが精いっぱいだったという。
 くらげが水溜めの底から引き揚げられた時、四歳の彼は、泣いてもいなければ、怯えてもいなかったそうだ。
 祖父が何故こんなところに居たのかと尋ねると、幼いくらげはこう答えた。
 ――お兄ちゃんと一緒に入った――
「そう、言うたんよ」
 そこで初めて、彼女は自分の茶を飲んだ。
 二人の兄は二人とも、「知らない」 と答えたそうだ。
 くらげが一人で水溜めに上り、落ちたのではないことははっきりしている。中に入るには鉄製の蓋を外さなければならないし、誤って落ちたのだとすれば、一つの怪我もなかったことが不自然だ。
 けれども、くらげは水溜めでの出来事については、それ以上何を訊かれても一切答えなかった。二人の兄の内、どちらがやったのかと訊いても、正直に言いなさいと叱っても、俯いて頑なに口を閉ざし続けた。
 そんな弟を、上の兄はまるで興味なさげに、下の兄はまるで理解できないといった風に眺めていたという。
 結局原因も理由も犯人も分からないまま、この騒動は幕を閉じることとなった。
 ただ、その日以降、くらげが外で兄の帰りを待つことは無くなったそうだ。

 語り終えると、彼女は二口目の茶をゆっくりと口に運んだ。
「はよう飲んでしまわんと。茶が冷めようが」
 彼女の言葉に、私ははっと我に返った。それは、私のぶしつけな質問に対する長い長い返答だった。
 二人の兄のうち、どちらかが彼を閉じ込めたのだろうか。考えるほど嫌な気分になりそうだったので、私は封を開けた菓子を口に放り込むと、残りのお茶を一気に飲み干した。
「悪いんですね。仲」
 つまりはそういう事だろう。しかし、彼女は否定も肯定もせずただ、「うふ、うふ」 と笑うだけだった。
 その後、いつまでもご馳走になっているわけにもいかないので、私はおいとますることにした。くらげの様子を見て行こうかとも思ったが、何だか恩に着せるような行動に思えて嫌だったのと、風邪がうつると面倒なので止めておくことにした。
「あの子はねぇ、まあ、よう変わっとるけんど……」
 玄関にまで行く途中、私の後ろで彼女が言った。しばらく待ってみたが、その続きはなかった。なので私は振り返り、彼女に向かって答えた。
「知ってます」
 彼女が私を見やり、「うふ、うふ」 と笑った。私も笑い返す。
私の見解としては、彼はひどく生真面目で、休み時間は大抵本を読んでいて、友達はあまりおらず、全体的に動きが遅く、ひょろく、白く、そしてえらく変わってはいるけれど、少なくとも、まあ、悪い奴では無い。
 最後に本日の目的であったはずのプリントを渡し、「ご馳走様でした」 と言って家を出た。空は相変わらず曇っていたが、まだ雨は降っていないようだった。

 門を抜け、私はふと、先ほどの話に出てきた東側の竹林を見やった。長く青い幾本もの竹が、ざらざらと、風に吹かれてみな同じように揺れている。
 足が向いた、という言葉があるが、あの時の私がまさにそれだった。いつの間にか、私は家を囲む塀に沿って、竹林の方へと向かっていた。
 昔は畑だったというその場所には、過去の名残が微かに残っていた。急峻な斜面を段々に削って畑にしていたらしく、崩れかかった石垣が何段も連なっていた。上下の畑をつなぐ道らしき跡もあった。
 一瞬躊躇するも、私はその薄暗い竹林の中に足を踏み入れた。
 思っていたよりも近く。少しばかり歩き、石垣を数段上った場所にそれはあった。各辺が二メートルほどの、ざらざらした粒の荒いコンクリートの箱。水溜めは、最初からこうだったのか、年月がそうさせたのか、いやに黒っぽかった。
 一枚蓋かと思っていたのだが、水溜めは、長方形の薄い二枚の鉄板で蓋がされていた。動かそうとしてみたが、ちょっとやそっとの力ではびくともしない。よくよく見てみると、二枚の蓋は中心が少しだけずれて隙間が空いていた。
 そっと中を覗いてみる。
 暗い。水溜めの中は、まるで墨を溶かしたような暗闇だった。隙間から差し込む微かな光が、辛うじて湿り気を帯びた内部をほんの少しだけ照らしている。
 ふと、暗闇の中に何かの気配を感じた。昆虫か小動物だろうか。何本もの足を持つ生き物が、水溜めの中を這いずりまわっているような。
 風もないのに、頭上でざらざらと竹が揺れた。
 その瞬間、水溜めの中の、『それ』 が私に向かってぐっと身体を伸ばしてきた。
 もちろんそれは想像上の出来事でしかなかったが、私は思わずのけ反り、危うく水溜めの上から転げ落ちそうになった。
 蓋の隙間からは何も出てこない。ただ、中を覗いている間、私は自分がほとんど息をしていなかったことに気が付いた。
 気が付けば、ここに来るとき自然に足が向いたように、今度も勝手に私の足は竹林の外へと向かっていた。
 幼いくらげは、見つけてもらうまでの間ずっとあの中に居たのだ。
 私は思う。もしもあの中に閉じ込められたのが、五歳の頃の私だったらどうなっていたか。きっと泣き叫んで、閉じ込めた奴を絶対に許さなかっただろう。
 上の兄がやったのか、下の兄がやったのか。二人の共犯ということもあり得る。その時ふと、二人以外の誰かという可能性に思い至った。
 祖母の話によれば、くらげは、「お兄ちゃんと一緒に入った」 としか言わなかったのだ。
 しばらく考え、匙を投げる。
 誰が犯人にせよ、くらげはそれ以上何も話さなかったのだ。そいつを庇っていたのだろうか。彼らしいかなと思う反面、理解はできなかった。

 竹林を抜け、家の門の前まで戻って来た時だった。
 門前の坂道を、誰かが自転車をついて上ってきていた。知らない顔だったが、見覚えのある高校の制服を着ている。
 この家の先には山しかなく、私のように何か用事のある者でなければ、彼はこの家の次男であるはずだった。
 似てない。と最初に思ったのはそれだった。背が高く、どこか浮ついた雰囲気がある。
 すれ違う際、彼は、『何だこいつ』 とでも言いたげな目でこちらを見やった。むっとした私が同じような目で見返してやると、彼は目を瞬かせ、小さく肩をすくめて門の内へと入って行った。
 しばらくの間その背を眺めた後、短く息を吐き、私は歩き出した。
 自分だったら、ぶん殴ってる。
 雨はまだ降ってはこないようだった。そんな中、私は一歩ごとにわざと大きく足を蹴り上げ、手にした傘で空中に描いた巨大なアヒルのコックさんをバッタバッタと切り伏せながら、下手に見える街並みに向かって急な坂道を下りて行った。
[ 2016/10/20 ] ◆etpFl2/6

[ 121891 ] 小舟

 私が中学生だった頃、一人の友人から聞いた話だ。



 彼がまだ十歳になる前のことだったそうだ。

 季節は夏。彼は当時、生まれ故郷の町から山を一つ越えた海沿いの小さな集落、そこに住む親戚の家に世話になっていた。
 友人と私は同じ町の生まれなのだが、彼には小学校に上がってから数年間、各地の親戚の家を転々とした時期があった。
 その日の午後、学校の授業を終えた彼はまっすぐ家には帰らず、道の途中、集落のはずれにある浜辺に座り一人海を眺めていた。
 ごつごつした岩山に囲まれた浜辺は狭く、辺りに人影はない。足元には満潮時に打ち上げられた木くずやブイや発泡スチロールなどの漂着ゴミが行儀よく一列に並んでいる。
 そこは、地元の人間にも忘れられたような、静かな海岸だった。
 学校が終わり日暮れまでの数時間。彼はその海岸でよく、他に何をするでもなく海を見て過ごしていた。
 彼がそれを見つけたのは太陽が幾分西に傾き、そろそろ夕方になろうかという頃だった。
 白波が引いた波打ち際に、何かが転がっていた。沖から運ばれて来たのだろうか。陽の光を反射して、ちりちりと光っている。
 ふと興味を覚えた彼は腰を上げて近寄り、次の波が来る前に拾い上げてみた。
 その物体については最初、貝殻かと思ったそうだ。
 それは、一対の皿を向い合せてぴたりと重ね合せたような、二枚の半球状のパーツからなっていた。形はどら焼きに近く、大きさは手のひら大。色はミルク色。表面にはエナメル質のような光沢に加え、縁の辺りに針で開けたような小さな穴がいくつも開いていた。
 貝殻だと思って手に取ってみたものの、そのような特徴を持つ貝類を彼は知らなかった。それに、もしそれが二枚貝だとしたら、蝶番がどこにも見当たらないのも妙な点だ。
 指先で叩いてみると、乾いた金属音がした。中は空洞になっているようだが、軽く振ってみても音はしない。
 果たしてこれは貝なのか、それともまた違う別のものだろうか。
 いくら眺めてみても正体は分からず、彼はそれをランドセルの中に仕舞い込み、持ち帰ってから改めて調べることにした。
 当時世話になっていた親戚の家は、浜辺からそう遠くない海沿いの地にあった。
 帰宅後、居間にいた叔母に帰ったことを告げてから、彼は自分にあてがわれた二階の部屋と向かった。机に腰を下ろし、鞄をひっくり返し中身を机の上に広げる。そうして本棚から海の生き物に関する図鑑を取り出した。
 貝類の項目を中心に調べてみたが、該当しそうな生物は見当たらなかった。
 表面にあいた無数の穴は呼吸孔のように見えたが、それは、アワビのような一枚貝に多くみられる特徴らしく。やはり単純な二枚貝ではないのかもしれない。
 その内、階下から夕食が出来たと呼ぶ声がした。返事をして、開いた図鑑の上に貝殻を乗せたまま、部屋を後にする。
 一階に降りると、居間にはやはり叔母だけが居た。漁師という職業柄か、彼はまだ叔父と一緒に夕食をとったことが無かった。
 叔母は彼に背を向け台所で何か用事をしており、電源の入ったTVだけが楽しげに喋っている。
 食事の際、叔母は一度だけ彼の方を振り向き、「おかわりは?」 と訊いた。彼が首を横に振ると、少しだけ笑みを浮かべ、「そう」 と言った。
 夕食を終え、二階の自分の部屋へと戻る。室内の明かりをつけ、彼はふと動きを止めた。
 部屋の中、何かが違っている。見ると、図鑑の上に置いたはずの貝殻が床に落ちていた。風でも吹いたのかと思い、窓の方を見やる。
 窓の外はとっくに暗くなっていた。ガラスの向こうには、黄色い月がぽつりと浮かんでいる。辺りはしんとしていて、外の虫たちの鳴き声が、やけにはっきりと聞こえた。
 そのまましばらくの間、彼は閉じた窓の向こう側を眺めていた。そうして机に座ると、拾い上げた貝殻を図鑑の脇に置き、調べ物を再開した。



 その日の夜、彼は夢を見た。
 彼は一人、緩やかな坂道を上っていた。時刻の感覚は無かったが、辺りの暗さから見て、真夜中のようであった。
 歩いているのは、見覚えのない道だった。閑散とした林の中をまっすぐに伸びている。路肩には所々等間隔に腰の曲がった古びた外灯が立っていて、舗装されてない道を照らしていた。
 歩みながら振り返ると、はるか後方までずっと同じ景色。違いはそれが上りか下りかだけだ。
 彼は寝巻のままだった。明かりの類は何も持っておらず、代わりに何故か今日海辺で拾ったあの貝殻を手にしていた。
 背後から吹き上がって来た風に、辺りの木々たちが無言で身じろぎをする。
 夢の中で、彼はそれが夢であることに気が付いていた。とはいえ、明晰夢と呼べるほどはっきり意識できたわけではなく、ただぼんやり、そうなんだろうな、と思ったのだった。
 また彼は、全く知らない道であるにも関わらず、この坂道がどこへ続いているのか、自分がどこへ向かっているのかを理解していた。
 海だ。この坂道を上りきれば、海が見える。
 ただ同時に、漠然とした疑問もあった。それは海へと向かう理由だった。
 この道は海へと続いている。それは分かる。ではどうして、自分は海を目指して歩いているのだろう。
 ぼんやりとした思考がそこに行きついた時だった。
 足の裏に微かな痛みを感じた。
 その瞬間に夢は覚め、気付けば彼は現実の中に佇んでいた。
 あまりの唐突さに、まだ夢の中に居るのではと錯覚しかけたが、道を照らしていたはずの外灯と月は消え、代わりに目の前には、見渡す限りの暗闇が広がっていた。
 夜風が身体を撫でていく。かすかに葉がすれる音と、夜鳥の鳴き声がした。
 目が慣れてくるにつれ、彼は、そこが叔父の家から十数メートルほど離れた場所であることを知った。彼が立っていた場所のすぐ後方に家があった。玄関の戸が開いていて、明かりの消えた家の中は、周囲の闇よりさらに濃く暗い。
 彼には、部屋の戸を開けた記憶も、階段を下りた記憶も、玄関をくぐった記憶もなかった。
 無意識のうちに、ここまで歩いてきたのだろうか。
 再び、足の裏に痛みを感じる。見ると彼は靴を履いておらず、どうやらかかとに小石か何かが食い込んでいるようだった。
 地面に座り込んで傷の確認をしようとした時、乾いた音とたてて、彼の右手から何かが滑り落ちた。何か手に持っていたらしい。しゃがみ込み再び拾う。
 暗闇の中、目を凝らす。それは浜辺で拾った貝殻だった。そういえば、夢の中でも彼はそれを手にしていた。
 貝殻を持ったまま、彼はしばらくその場に立ち尽くしていた。しかし、考えたところで何かが分かるはずもなかった。
 その内、小さく首を横に振ると、彼は足の裏の皮が破けていることを確認してから、家へと戻った。寝ている者を起こさないよう、慎重に汚れた床と足を洗い、二階へと上がり、布団にもぐりこむ。
 間もなく彼は二度目の眠りに落ちた。今度は勝手に起き上がるようなことは無く、夢も見なかった。



 次の日は学校が休みだった。幾分朝早く起きた彼は、朝食を食べ終わると、叔母に麦茶入りの水筒を用意してもらい、家から少し歩いたところにある小さな漁港へと向かった。
 昨夜のことは、二人には話さなかった。話したところで余計な心配をさせるだけと考えたからだ。
 晴れやかな日だった。朝の漁港はしんとしており、穏やかな波の上ではロープで繋がれた小型の漁船が何隻か、舳先にとまる海鳥と共に揺れていた。
 松林の脇を通り抜け、途中で、『く』 の字に折れた防波堤を進む。
 防波堤の先端では、一人の老人が釣り糸を垂らしていた。木で出来た釣り具箱を椅子にして、眼前の海をぼんやりと見つめている。
 彼は老人に近づき、その隣に腰を降ろした。老人が、ちらりと彼を見やった。しかし言葉はなく、その視線はまた海へと向けられた。そのまましばらく二人で海を眺めた。
 彼らの背後、どこかで遠くの方で鳥が鳴いた。
「……また家を追ん出されて来たか」
 老人が言った。
「違うよ」
 彼が言った。
 またしばらく、無言が続いた。ささくれた麦わら帽子を頭に乗せ、身体は日に焼けて黒く、対照的に伸び放題の髭や眉ははっきり白い。
 老人は彼にとって、この集落にやって来てから出来た唯一の友人だった。
「釣れた?」
 少し声を大きくして尋ねる。
「釣れん」
 短く呟くように、老人は答えた。確かに、すぐ足元に置いてある魚籠は空っぽだった。
 老人は、その集落ではそれなりに有名な人物であり、またそれなりに避けられてもいた。
 死体を釣る男。老人はそう呼ばれていた。
 この漁港で、老人が釣り上げた水死体は数十体にも上る。その噂は、僅かに誇張された分を除けば、真実だった。
「ねえ、みちさん」
 名前を呼ぶと、老人はゆっくりと彼を見やった。
「みちさんは、これ、何だと思う?」
 彼はそう言うと、昨日拾った貝殻をポケットから取り出し、老人に見せた。老人はゆっくりとその奇妙な物体を見やった。帽子の下の目がすっと細まり、日に焼けた染みと皺だらけの手が伸びて来て、貝殻をつまみ上げた。
 彼は老人に向かって、それを拾った経緯と、昨日の夜の出来事を短く話した。老人は、貝殻を眼前にかざし、しげしげと見つめながら、彼の話を聞いているようでもあり、全く聞いていないようでもあった。
「……中に、何かおるな」
 ぼそりと、老人が言った。
「声がしよる」
 老人の言葉に、彼は何度か目を瞬かせた。
 貝殻を返してもらい、自分の耳に貝殻を当ててみる。目を閉じ、耳をすます。しかし何も聞こえなかった。鼓膜に意識を集中させる。風に木の葉がこすれる音、コンクリートを叩く波の音、セミと海鳥の鳴き声。やはり、貝殻からは何も聞こえてこない。
「僕には、聞こえない」
 そう彼は呟いた。しかし反応はない。老人は少しだけ耳が悪かった。
「みちさんは、これを、何だと思う?」
 声を大きくして、同じ質問をする。老人は、先ほどからピクリともしない浮きを眺めながら、「……分からん」 とだけ言った。
 それから昼になるまで、彼と老人は二人で海を眺めていた。その間老人の竿は一度も反応せず、魚一匹もしくは誰一人、釣り上げることはなかった。


  
 それは、昨晩とまるで同じ夢だった。
 彼は一人、夜の道を海へと向かって歩いていた。
 どこまでもまっすぐな、代わり映えの無い緩やかな坂道。点在する外灯。道の両脇に生える雑草と木々。寝巻のまま、手の中にはあの貝殻がある。
 全てがまるで同じだった。ただ彼は、自分が昨晩よりも目的地の海へと近づいていることに気が付いていた。
 彼は歩いた。相変わらず、何故自分が海へと向かっているのかは分からないまま、それでも彼は、はっきりとした足取りで坂道を上り続けた。
 前方、坂道が途切れているのが、うっすらと見えた。峠だ。あと少しで海が見える。
 不意に目が覚めた。
 いきなり世界が切り替わる感覚に、彼は危うく転びかけた。
 闇夜の中、彼は幾分時間をかけて辺りを見回し、自らが置かれた状況を理解した。
 家から学校へと続く道の途中に、彼は居た。家を出て昨晩よりもずっと長い距離を歩いてきたようだ。
 自分の右手をそっと見やる。彼は貝殻を握っていた。それは、つい今まで見ていた夢がそうであったように、昨晩とまるで同じ状況だった。
 夢遊病、という言葉が漠然と頭をよぎる。その言葉が意味する症状も知識としてある。
 自分は病気なのだろうか。自覚はまるで無く、少なくとも今まで同じような経験をしたことは無いはずだった。しかし現実に今こうしてここに立っている。しばらく経って彼が出した答えは、そうなのかもしれない、というひどく曖昧なものだった。
 その内、思い出したように足がひどく痛みだした。外灯の下に行き照らしてみると、昨日けがをした場所が再び破けており、さらにどこかにぶつけたのか、片足の小指の爪が割れて血がにじみ出していた。小さな切り傷や擦り傷もいくつかある。
 痛みをこらえながら戻ると、家には明かりが灯っていた。玄関へと近づくと、叔母の声が聞こえた。電話だろうか、誰かと話をしているらしい。その声からして、彼女は明らかに気が動転しているようだった。
 不意に、懐中電灯の光が彼を照らした。見やると、山の方へと向かう道から、叔父がやって来ていた。彼を見つけると、飛ぶように走ってきた。一体何をしていたんだと怒鳴り、彼に向かって手を振り上げた。
 しかし、その手が彼を叩くことはなかった。
 叔父は振り上げた姿勢のまま、唖然とした表情で、彼の血だらけの素足を見やっていた。
 家の中から叔母が出てきた。彼女もまた、彼を見やると、言葉もなくただ呆然とその場に立ち尽くした。
「ごめんなさい」
 二人に向かって、彼はそう言った。
 先に我に返った叔父が上げていた手を降ろし、無言で家に入るよう促した。どこに行っていたのか等は聞かれず、怪我の処置をしてもらった後、その日は朝まで一階の居間で眠るように言われた。
 居間に布団を敷き、ぎこちのないまどろみの中、部屋の外で二人が話している声がぼんやりと聞こえた。「もし、こういうことが続いたら……」 叔母の声だった。 「声が大きい」 叔父が言った。それ以上は何も聞こえなかった。
 彼は、薄い掛布団の中に頭までもぐりこんで、眠った。


 
 次の日、昼過ぎに家を出た彼は、その日も漁港に居るはずの友人の元へと向かった。朝、叔父と叔母は彼を病院へ連れて行くかどうかを話し合っていたが、結局もう少し様子を見ることにしたようだった。
 防波堤の先、昨日と全く同じ場所に老人は居た。その服装も、釣り糸を垂らす位置も前日と全く変わらず、夜通し釣りをしていたと言われても信じることが出来そうだった。
 隣に座ると、老人が彼を見やった。
「……また家を追ん出されて来たか」
 いつものように、老人が言った。
「違うよ」
 同じく、いつものように返事をする。老人は、いつもよりほんの少し長く彼を見やってから、再び海に視線を向けた。
「釣れた?」
 今度は彼が尋ねる。老人は無言だった。おそらく聞こえなかったのだろう。彼はちらりと魚籠の方を見やった。すると、いつも空っぽの魚籠の中に、青い色をした何かが入っている。
 首を伸ばして魚籠を覗き込む。妙な色形の魚かと思ったら、それはただの青いゴム手袋だった。これが今日の釣果ということらしい。
 彼はその手袋に触れようとした。
「……触らん方がええぞ」
 唐突に、老人が言った。
「まだ、指が入っとる」
 その言葉に、彼は魚籠の中に伸ばした手をそっと引っ込めた。老人を見やる。どうやら冗談では無いようだった。再び視線を落とすと、その青いゴム手袋には確かに妙に膨らんでいる箇所があった。
 彼は老人の異名を思い出していた。
 死体を釣る男。
 その噂が事実であることは知っていたが、実際に釣り上げたところを見るのは初めてだった。
 ゴム手袋ということは、指の持ち主は漁師だったのだろうか。溺れて亡くなり、バラバラになって海を漂っていたところを、老人に釣り上げられたのか。
 老人はそれ以上何も言わず、指が答えるわけもない。
 彼は老人の横に座り直した。欠けた人間の一部がすぐそばにある。しかし、嫌悪感は無かった。老人が居て、傍の魚籠に人の指がある。それが当たり前であり、ごく自然なことのように思えた。
 しばらく、二人とも無言でいた。
 海面の浮きに反応はない。空を飛ぶ海鳥の影がすぐ足元を一瞬で横切っていった。昨日よりも照りつける日差しが強く、セミの鳴き声がうるさい。座っているだけでじわりと汗が滲んでくる。
 ふと、何かが彼の頭に乗せられた。見やると、それは老人の麦わら帽子だった。
 老人は何事もなかったかのように釣りをしている。初めて見る老人の頭は、額が広く、髭と同じ色をした白髪があった。
 老人の帽子は大きくつばも広かったので、その陰の下に小さな彼の身体はほとんど隠れてしまった。
 ありがとうとは言わなかった。老人も何も言わなかった。しばらくして、彼は持参してきた水筒の蓋にお茶を注ぎ、老人に差し出した。老人はそれを受け取り、一口飲んで彼に返した。やはり、言葉は何もなかった。
 そのまま、数時間が経った。辺りはまだ明るいが、陽は大分西の方に傾きかけている。
 帰ろうと思い、彼は立ち上がった。老人はまだ釣りを続けている。帽子を脱いで老人の頭の上に戻し、そのまま立ち去ろうとした。
「……船かもしれんなぁ」
 老人の言葉に振り返る。意味が分からず、彼は尋ね返した。
「船?」
「中に人がおって、海から来よったんなら、船じゃろう」
 老人は、それ以上何も言わなかった。
 彼はズボンのポケットに手を当てた。あの貝殻は、今日も持ってきていた。何故かは分からないが手放してはいけないような気がして、捨てる決心もつかず、ポケット入れたまま持ち歩いていたのだった。
 船。形こそ彼が知っているものと違ったが、それが船であるという考えは、不思議なほどしっくりと来た。あの夢のことを考える。二日続けて見た、海へと向かう夢。
 何か形の無いものが、ぴたりとはまる感覚があった。
 自分は今日もあの夢を見るだろう。根拠は何もなかったが、彼ははっきりとそう思った。
 しかし、再び家の者に迷惑をかけることは避けたかった。足の怪我だってひどくなるかもしれない。
 彼は隣の友人を見やった。老人は釣竿を手に、いつものようにじっと海を眺めていた。どうしたらいいかと尋ねても、老人はきっと、「分からん」 と言うだけだろう。
 彼は一人で考え、答えを出した。
 着ていた上着を脱ぎ、防波堤の上に広げる。
 そうして、再び老人の隣に腰を下ろし、広げた上着の上に寝転がった。横向きに膝を丸めて目を閉じる。
 昼間に比べれば、刺すような陽の光は幾分弱まったものの、コンクリートの堤防にはまだ十分熱が残っており、広げた上着を通してそれが伝わってきた。
 夜に家で眠るから問題になるのだ。だったら、先にここでひと眠りし、夜は起きていればいい。そうすれば少なくとも、家の者を悩ませたり、足の裏の怪我がひどくなることは無いだろう。
「ねえ……、みちさん」
 寝転がったまま、目を閉じたまま、呟くように彼は尋ねた。
「……死んだ人って、どうやって釣るの?」
 おそらく聞こえてなかったのだろう。老人は何も言わなかった。答えを待っているうちに、いつの間にか彼は眠りに落ちていた。



 あの道を、歩いていた。
 二日間見た夢と同じ道。右手にはあの貝殻。ただし、その日の夢の内容はこれまでとは少しだけ違っていた。まだ辺りが暗くなりきっておらず、夢の中の彼は寝巻ではなく靴も履いていた。
 峠まであと少しの場所に彼は居た。
 歩調を早める。すぐ前方に見える、坂道の終点。その先には、ほのかに暗くなり始めた空が広がっている。三日間かけて、彼はようやくたどり着いた。
 峠に立った彼の目に、海が映った。
 意外にも、海はすぐ近くにあった。
 今まで上ってきた緩やかな坂道とは真逆の急な下り坂が、曲がりくねりながら海へとつながっている。
 下り坂の終点。そこには、小高い岩山に囲まれた狭い浜辺があった。
 見慣れた風景。学校帰りにいつも寄る、あの貝殻を拾った場所だった。
 とはいえ、近くにあるはずの民家や登下校路は見当たらず、見覚えのない景色の中に突如現れたそれは、一枚のジグソーパズルの絵の中に一つだけ全く別のピースがはめ込まれているかのような、ひどくちぐはぐなものだった。
 海岸には、大勢の何かがいた。遠目にもそれが分かった。
 それらは人の形をしていたが、人とも言い切れない、おぼろげな何かだった。小さな浜辺にひしめき合い、ゆらゆらと揺れている。
 彼は坂道を下り始めた。海に近づくにつれ、彼はあの海岸にたたずむ全員が、こちらを見つめていることに気が付いた。まるで、彼が来るのを待っているかのように。
 唐突に、罪悪感にも似た感情が湧いてきた。転ばないように注意しながら、小走りで坂を駆け下りる。
 その間にも徐々に陽は傾いていく。
 急な坂道を下りきり、海岸にたどり着いたころには、山の向こうに落ちる夕日が、海をオレンジ色に染めていた。
 海岸に居た大勢の何かは、彼が到着すると、一斉に左右によけ海までの道を開けた。
 それらは、人の形をした靄のようでありながら、ちゃんと色がついていた。はっきりとは見えずとも、大まかな服装や年齢、男女の違いくらいは見て取れた。中には、一部体が欠損しているように見えるものもいれば、彼と同じくらいの背丈のものもいた。
 それらは、声を発することはしなかった。ただじっとその場に立ち尽くし、彼を見つめていた。
 走ってきたせいで乱れた息を整えながら、彼はゆっくりと、彼のために作られた道を海岸まで歩いた。
 夢の中で、彼は理解していた。自分がしてしまったこと。そうして、自分がこれからしなければならないこと。
 寄せてくる波が、足先に当たった。一瞬躊躇のような感覚を覚えるも、彼はそのまま海の中へと進んだ。そうして太腿が浸かるくらいの場所で、一度後ろを振り返り、彼を見つめる大勢の何かに向かって、頭を下げた。同時に何か言ったはずなのだが、言葉にならなかった。夢の世界には音がないのかもしれない。
 そうして彼は、右手に持っていた貝殻を、海の中に離した。
 その瞬間、一際大きな波が彼の背中にぶつかった。水しぶきが跳ね、思わず浜の方へよろける。再び見やった時にはもう、あの貝殻はどこにあるのか分からなくなってしまっていた。
 ふと、浅瀬に立つ彼の横を、誰かが通り過ぎていった。夕日に染まる沖へ。段々と深くなる浜を、足、腰、肩、頭と水の中に消えていく。一人、二人、それ以降は数えられなかった。大きいものも小さいものも、男のようなものも女のようなものも、腕が無いものも足が無いものも。皆、沖へと向かって進んでいく。
 今度は彼がその様子をじっと見やる番だった。
 どれほどの時間そうしていたのか。随分と長い時間がかかったようにも感じた。最後の一人が海中へと消え、気が付けば、彼はただ一人浜辺に取り残されていた。
 空が赤からに紺色に移り始め、空よりも先に海が黒く沈んでいく。
 彼は、腰まで海水に濡れながら、海と空の色が移り変わるさまを、ぼんやりと眺めていた。
「風邪をひくぞ」
 後ろで、声がした。
 振り向くと、浜辺に老人が立っていた。いつの間にか、彼が下ってきたはずの一本道はなくなっていて、代わりに、そこには普段使う家から学校へとつながる道があった。
 どのタイミングで夢から覚めたのか、彼には分からなかった。すでに辺りは十分暗い。老人は釣り道具と一緒に、彼が寝る前に敷布団にしていた上着を肩にかけていた。海から上がると、今更ながら足の傷に海水がしみてちくちく痛んだ。
 夢の中で彼が気づいたこと、理解したこと、人のような何かに頭を下げた時に発したはずの言葉。すでにそれらは遠い過去の出来事のようで、普段見る夢がそうであるように、はっきりと思い出すことはできなかった。
 あれは本当に船だったのか。だとしたら、誰が乗って来たのか、誰が乗って行ったのか。
 老人から上着を受け取る。手に取るとまだ温かく、太陽の匂いがした。
 ただ少なくともこれで、家の者に心配をかけることもなくなるだろう。それはやはり根拠のない確信だったが、実際その日以来、彼の夢遊病はぴたりと止んだ。
 そうしてもう一つ、彼には確信していることがあった。それは今までがそうであったように、ここでの生活もまた、長くは続かないだろうということだった。
 老人が、彼を置いて一人帰ろうとしている。
 上着のボタンを止めながら、彼はその背中に声をかけた。
「ねえ、みちさん」
 老人は返事をしない。それでも構わず、彼は言った。
「魚って、どうやって釣るの?」
 それは彼にとって、死体を釣ることと同じくらい素朴な疑問だった。
 老人が立ち止まり、振り返った。聞こえたのか、聞こえていないのか、どちらでも良かった。
 彼は小走りで老人に追いつくと、この耳の遠い友人に向かってはっきりと、今度はちゃんと聞こえるように、同じ言葉を繰り返した。
[ 2016/10/21 ] ◆etpFl2/6

[ 121962 ]

ttp://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/5120350.html
「コワイシャシン」は掲載済みですか?
[ 2016/10/23 ] ◆-

[ 121990 ] 桜の木の下には

 私が小学校を卒業し、中学生になろうかといった頃の話だ。
 
 三月下旬。その日は地区の子供会が毎年行っている花見の行事があり、私は昼ごろから、母を連れて、大きな枝垂桜がある花見会場へと向かっていた。
 昨晩ぱらついた小雨は明け方には止んでおり、他の山桜の様子を見ても心配していたほど散ってはいないようだ。
 目的の桜は町の南に位置する山の中ごろにあった。昔は名士の家だったそうだが、今は改築され、公民館として使われている屋敷の庭の隅に、その立派な根を張っている。
 私たちが着いた時にはもう花見は始まっていた。庭にはゴザと長机が準備され、子供用のジュースにお菓子、大人用の酒とつまみが並べてあった。見れば、大人たちの半分以上は早くも出来上がっており、子供たちは菓子をつまみにおしゃべりをしたり、木の枝や丸めた新聞紙でチャンバラをしたりと、それぞれ好き勝手に遊んでいる。
 今日の私の仕事は、体の弱い母をここまで連れて来ることと、酔った母を無事家まで連れて帰ることだった。
 すでに仕事の半分を終えた私は、母を酔っ払いの輪に放り込み、仲の良い友達が来ていないかと辺りを見回した。けれども、はっきりそうだと言える人物は居なかった。卒業生は入学準備で忙しい時期だし、それにそろそろ地域の活動とやらが疎ましく思えてくる年頃だ。私だって、母が行きたいと駄々をこねなければ来なかっただろう。
 手持ち無沙汰な私は、とりあえず桜を眺めることにした。
 樹齢は四百年とか五百年だとかで、幹は太く樹高は高い。今は七分咲きほどだろうか。どの方角にもまんべんなく枝を伸ばし、名前の通り、枝先に行くほど地面に向かってしな垂れるその姿は、まるで一本の巨大な傘を思わせた。
 その幹に触れようと、桜の木に近づいた時だった。
 身体がびくりと硬直する。見上げてばかりいたので気付かなかった。私のすぐ足元、桜の根の近くに蛇が居たのだ。小さな蛇だった。
 片足を宙に浮かせたまま数秒。一つ息を吐いて、足を地面に降ろした。その蛇は死んでいた。誰かに踏まれたのか頭の部分が潰れていて、前日の雨で微かにぬかるんだ地面に、半分埋まるように横たわっていた。冬眠から覚めるにはまだ少し早い時期だが、近ごろの陽気につられて出て来たか、もしかしたら私達が起こしてしまったのかもしれない。
 私はしばらくの間その蛇の死骸を見下ろしていた。すぐ目の前には満開の桜。後ろの方では酔った大人たちがくだを巻き、子供たちは元気にはしゃいでいる。そんな中、ひっそりと蹲る頭の潰れた小さな蛇の死骸は、ひどく場違いなものに思えた。
 その内、私は靴のつま先で地面に穴を掘りだした。
 別に、可哀想だから埋葬してあげよう、などと思ったわけではない。どちらかと言えば、見られたくないものをこっそりと隠すような、そんな感覚だった。
 完成した穴の中に蛇の死骸を蹴り入れ土を被せる。しばらくの内に、その姿はすっかり隠れてしまい、私は何か一仕事終えたような気分になっていた。
 ぱこん。
 小気味良い音と共に、脳天に軽い衝撃があった。
 驚いて振り返ると、そこには、新聞紙の刀を持ったチビすけが私に向かって満面の笑みを浮かべていた。
 どうやら私は一本取られてしまったらしい。
 ぐっとこらえつつ、こちらも満面の笑みで両頬をつねり上げてやると、その子はやめろやめろ痛い痛いと泣き笑いながら逃げて行った。
 周りを見渡す。花より何とやらとは言うが、大人も子供も、私も含めて、桜をじっくり見てやろうという者は少ないようだった。
 さてどうしようか、と思う。何となくこの場に居るのが億劫になっていた私は、母に一言だけ告げると、丁度この近くに住んでいる一人の友人の家へと向かうことにした。
 彼の家は、宴会をしている公民館から山の斜面をいくらか上った場所にある。
 坂道をぶらぶら歩きながら、私はふと、『桜の木の下には死体が埋まっている』 という、どこかで聞いたことのあるようなフレーズを思い出していた。
 人間の死体ではないが、あの大きな枝垂桜の下にも死骸が埋まっている。私にとって、あの桜は桜であると同時に、一匹の蛇の墓標であるとも言えた。そうして、そういう見方をしているのが自分一人だけだという事実は、私を何とも言えない妙な気分にさせた。
 それにしても、『桜の木の下には死体が埋まっている』 なんて、一体誰が最初に言い出したのだろう。
 そんなことをつらつら考えていると、いつの間にか友人の家の前に着いていた。
 屋根つきの立派な門をくぐって、広い庭を抜け玄関のチャイムを押す。誰も居ないのかと思わせる静寂がしばらく続いた後、扉越しに人の気配がした。扉が開き、顔を覗かせたのは友人の祖母だった。
「あ、どうも」
 軽く頭を下げる。私とみとめると、彼女は、「うふ、うふ」 と笑った。
「部屋におるよ。呼んでこようかねぇ」
 友人は居ますかと聞く必要はなく、彼女家の奥へと消えていった。その後すぐに友人が現れた。連絡も無しに来たせいか、ほんの少し面喰っているような、そんな風にも見える。
 彼はくらげ。もちろん、あだ名だ。
 その妙なあだ名は、彼が所謂、『自称、見えるヒト』 であるところから来ている。
 彼の目には常人には見えざるモノが映る。それは、一般に幽霊と呼ばれる存在であったり、神様と呼ばれるような何かであったり、風呂の中に浮かぶ無数のくらげの姿だったりする。
 以前、そういった他人には見えないモノが見えることについて私が尋ねると、彼は、「僕は病気だから」 と言った。見えてしまう、という病気。そうして、その病気は感染症だとも言った。
 普通の人であれば、到底信じられないような話だ。けれども私は、少なくとも彼がただの嘘つきではないことを知っている。
「よ」
 と片手を上げると、くらげは玄関まで下りてきて私の前に立ち、一言、
「……どうしたの?」
 と言った。その言い草は、まるで私が悪いニュースを運んできたと思い込んでいるようだった。とはいえ、どうして来たのかと訊かれると、私にも明確な答えがあったわけではない。何となく暇だったから来た、というのが本音だが、それをそのまま言ってしまうのも味気ない。
 数秒考えてから、私はこう言った。
「今日は天気もいいしさ、花見でもしようぜ」
 しばらく無言のまま私の顔を見やっていたくらげは、その表情を変えないまま、「……いいけど」 と言った。

 私にとって本日二度目の花見は、そういう経緯で始まった。その際くらげから、少し降りたところに有名な枝垂桜があると提案があったのだが、それは私の個人的な理由でNGとした。それに、その枝垂桜には及ばないが、彼の家の庭にも一本だけ桜の木が植えてあった。
 二人で縁側に腰掛け、彼の祖母に持ってきてもらった緑茶と煎餅でもって、桜を眺める。
 しばらくは、互いに何もしゃべらなかった。煎餅と茶で口がふさがっていたのもあったが、先ほどの乱雑な花見の後だったので、私としては、こうやってゆっくりと桜を眺められるのも良いもんだ、と素直に思えた。
 桜の木は、家を囲む白い塀の傍に植えられていた。品種はよく分からないが、高さは一階の屋根に届くかといったところで、あまり大きくはなく、花弁の量もそれほど多いわけではない。ただ、まるで子供が塀の内から外を覗き見ようとしているようなその外観は、見ていて面白いものだった。
 何か話そうとして、私は隣の友人を見やる。けれど、言おうとしていた言葉は出てこなかった。
 くらげは桜を見てはいなかった。その俯き加減の視線を辿ってみると、彼はどうやら、丁度私達と桜の木の間にある水たまりを見ているようだった。
 私の視線に気づいたらしく、ふと目が合った。何見てたんだ。そう訊こうとして、やめた。代わりに、私はへらっと笑ってから、
「なあ、くらげさ、『桜の木の下には死体が埋まっている』 って聞いたことあるか?」
 と訊いてみた。
 予期してない質問だったのだろう。彼は目を瞬かせていた。どこか驚いているようにも見える。そうして一つ小さく首を傾げてから、彼の目が、何かを思い出すかのように宙を泳いだ。
「カジイモトジロウ?」
 その口から、聞きなれない単語が出て来る。「何だそれ?」 と私が訊くと、「それじゃなくて、人だよ。梶井、基次郎」 と彼は言った。
「昔の……、確か大正時代か明治時代くらいの作家。その人が書いた、『桜の木の下には』 っていう話に、そういう言葉が出て来る」
「……お前何でそんなこと知ってんの?」
 当然の疑問をぶつけてみると、「本を読んだことあるから」 と如何にもあっさりとした答えが返って来た。
「僕の部屋にあるけど、読んでみる?」
 私は以前訪れた彼の部屋を思い出す。以前は祖父の書斎だったというその部屋には、題名を読んだだけで胸やけをおこしそうな字面の書物がたくさんあった。
「小難しそうだから、いい」
 私の返答にくらげは、「そう」 とそれだけ言った。ちなみに梶井基次郎については数年後、現代文の授業で有名な、『檸檬』 を知り、その作風に興味を覚えるのだが、それはまた別の話だ。
 くらげはまた桜の木がある方向に目をやったが、彼が見ているのは相変わらず桜ではなく、その手前の、土の露出した部分にできた水たまりだった。もしかしたら、水面に映る桜を見ているのかもしれない。それならそれでややこしいことをするもんだ、と私は思った。
「……昔、うちで犬を飼ってたんだ」
 突然、くらげが言った。あまりに脈絡のない話に、今度は私が目を白黒させた。
「犬?」
「うん。雑種の子犬。僕が小さかった頃、兄さんが拾ってきたんだけど……」
 視線を水たまりに固定したまま、彼は続けた。
「さくらっていう名前も、兄さんが付けた」
 私は思わず庭に生えた桜の木を見やった。その話自体は別に何でもない。彼の家では以前桜という名前の犬を飼っていて、その犬は彼の兄が拾ってきた。それだけの話だ。
しかし、どうしてくらげは突然そんな話を始めたのだろうか。
 じわりと、嫌な予感がした。
 ――桜の下には死体が埋まっている――
 つい先ほど自分が口にした言葉が頭をよぎる。ただ、彼はそれからしばらくの間口を閉じ、じっと黙りこんでしまった。
 どうしてそんな話をしたのか。あの桜の木の下には何かが埋まっているのか。犬はどうなったのか。くらげには兄が二人いるが、犬を拾ってきたのはどちらか。訊きたいことは山ほどあったが、私も同じようにじっと黙っていた。訊けばきっと彼は教えてくれただろうが、そうすれば、彼自身の話がそこで途切れてしまうような気がしたのだ。
 桜の木を見やりながら、彼が再び話し出すのを待つ。いつの間にか、私の視線も桜の花から枝を伝い根もと、地面近くへと降りて来ていた。
「……手を噛まれたんだ」
 水たまりを見やったまま、くらげが言った。
「一緒に遊ぼうと思ったんだけど、嫌だったんだろうね……。元々、僕にはあまりなついてなかったから」
 言いながら、噛まれた箇所を思い出しているのか、彼は視線の先に右手をそっとかざした。
「でも、その日から、さくらは犬小屋から出て来なくなって。誰が呼んでも怯えるようになって。ご飯も食べなくなって。……気が付いたら、死んでた」
 彼の話ぶりは、まるでそれが他人事であるかのように、あくまでも淡々としていた。
 私は彼を見やる。
 くらげの話はまるで、彼が手を噛まれたせいで犬が死んだのだと、そう言っているように聞こえた。しかし私には、そんなことは有り得ないと言い切ることができなかった。
 くらげが以前口にした言葉が頭をよぎる。
 見えてしまう、という病気。そうしてその、『病気』 が感染症であるということ。
 いくつもの言葉がのどから出かかって、口の中でぐるぐる回っては引っ込んでいく。そうして結局、私は何も言うことができず、彼から視線を外し、無言のまま桜の木を見やった。
 時間だけが過ぎる。
 そうした中、くらげがぽつりと、呟くように言った。
「ハナイカダ」
 再び彼の方を見やる。一体何事かと思った。
「そう、花筏。やっと思い出した」
 淡々とした口調はまるで変わっていない。けれど私には、その声が先ほどとはどこか違って聞こえた。一方、彼の発した言葉はまるで意味不明だった。
「……何だそれ?」
 思わず尋ねると、彼は黙って自分が見ていた水たまりを指差した。
「あそこに一枚だけ桜の花びらが浮いてるんだけど……。あれのこと」
 目を凝らすと、くらげの言う通り、水たまりには一片の花びらが浮かんでいた。花筏。なるほど確かに、その姿は湖に浮かぶイカダのようにも見える。しかしそれは、改めて言われてみなければ分からないほど、ほんの小さな景色だった。
「……お前何でそんなことばっか知ってんの?」
 再び訊いてみると、「おばあちゃんから聞いた」 とまた如何にもありきたりな答えが返って来た。数秒後、私は何故か吹き出してしまった。理由は分からない。くらげはそんな私を見て、少しだけ不思議そうに首を傾げた。

 それからしばらく、茶を飲んだり煎餅を齧ったりくらげと適当な会話を続けたりしていたが、時間も経ち、そろそろ母のことも気になって来たので、おいとますることにした。
 くらげは玄関まで見送りに来ていた。
 結局、彼が口にした、さくらという名の犬と庭の桜の木について、山のように浮かんだ疑問は未だ山のようにそこにあり、ほとんど何一つはっきりとはしないままだった。それは私が彼にくわしく訊かなかったせいでもあるのだが、急ぐ必要はなかった。何故なら、私たちは同じ中学に通うのだから。
「なあ、くらげさ」
 帰り際、玄関で靴紐を結びながら、私は彼に背を向けたまま声を掛ける。
「この家の下の方にさ、大きな枝垂桜があるだろ」
 後ろでくらげが、「うん」 と言った。靴を履き終えた私は立ちあがり、振り返って彼の方を見やった。
「今日ここに来る前さ、あの木の下に蛇の死体を埋めたんだ」
「……え、」
「そんだけ」
 ぽかんとしているらしい友人を尻目に、「じゃ」 と片手を上げ、彼の家を後にした。
 砂利の敷き詰められた庭を過ぎ、門を出て少し歩いたところで私は立ち止まった。振り向くと、塀の向こうから一本の桜の木が顔を覗かせ、こちらを伺っていた。
 ――桜の木の下には死体が埋まっている――
 私は思う。
 その言葉が確かな事実となった人間が、一体この世にどれだけいるのか。多くはないかもしれない。しかし少なくとも、それは自分一人だけじゃないはずだ。そうした想像は、やはり私を妙な気分にさせた。
 桜に背を向け、またぶらぶらと歩きだす。
 
 下の花見会場では、久しぶりに飲みすぎたらしい母が、桜の木の下で死体のようになっていた。
[ 2016/10/23 ] ◆etpFl2/6

[ 121996 ] 大量殺虫

最近子供の頃にあった出来事を思い出した

忘れているくらい自分自身にとってはそれぐらいの出来事だ。またその出来事は不思議な部類であり、寧ろ怖いのは子供の時の自分だと思う。
正直自分が批判を受けてもおかしくない行為だろう。



それは自分が4つぐらいの時だった。小さい頃は友達と外で遊んでいて場所は近所の公園が遊びスポットだった。
全ての公園がそうなのかわからないのだが、人がそこにいるとその頭の10センチ上を10~20匹で群がる虫がいて皆気付いたら逃げてみたり追い払っていたりした。(調べたらユスリカ)

ある時従兄弟が家に遊びに来ていて外で遊んでいるといつものようにユスリカがついてくる。
従兄弟がいたのもあり自分は冒険心(従兄弟がいると毎回色んなチャレンジをしていた)でどうやったらこの虫が来なくなるかを考えてると、子供ならではの残酷な考えを導き出した。
殺虫剤である。

家から殺虫剤を持ち出し頭の上に群がる虫に向けて撒いたのである。
殺虫剤を受けてモチロン数は少なくなるがそれは一瞬、すぐにまた頭の上に群がりまた殺虫剤を撒く…
そんな行為を10分間ぐらい繰り返した。
子供心はここでも残酷で繰り返しに飽き普通に家へ帰ったのである。

そしてその夜異変が起きた。自分と従兄弟が体の一部分が痛みだしたのである。(自分は左足)
今日何をしたのかを問われ、虫を殺した事を話すと祖母は悲しい顔をしてどんな小さな生き物でも同じ命を持っているのだと諭してくれた。そして自分のやった過ちに気付き謝罪の念を祈った。
(次の日には痛みは治まった)

それ以降このような愚行は行っていないが、思い出して思う。
子供の思い付く考えはとても残酷なものもあるものだと。
[ 2016/10/23 ] ◆-

[ 122002 ] NO TITLE

>>121750,121758,121826,121891,121990
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2016/10/24 ] ◆Ahsw8Nok

[ 123215 ] NO TITLE

私が海外にいた時に住んでいたアパート、その部屋自体には特に問題なかったんだが…
窓から見える景色が呪われていたとしか言いようのない場所だった
ちなみに、ヨットハーバーと海岸が目の前で、夕日の絶景スポットという環境

・目の前のヨットが放火された
・目の前の道路で拉致事件が発生した
・窓から見える海岸で、身元不明のご遺体が発見された

ちなみにこれ、半年の間に立て続けに起こった
もちろん、現場がよく見える場所だからと、何か不審なものや人を見なかったか?と
警察が部屋に来ていろいろ聞かれたよ…
もともとは仲良しの子が「一部屋空いたからおいで〜」と呼んでくれたシェアハウス
なんかここ、呪われてね?と最終的に、みんなで別のシェアハウスに移りました
一応、周辺では犯罪率が一番低くて安全って呼ばれる地区の一角だったんだけどな…
[ 2016/11/12 ] ◆-

[ 123828 ] NO TITLE

オカルトというかなんというか、地方伝承の話だけど
A集落に昔からいる、古老から聞いたお話
A集落にはすごく立派な神社がある
周辺一帯では一番の規模じゃないかなという神社だ
だが…ご神体は、B集落から大昔に盗んできたご神体だったりする
A集落が「神社作ろう!ご神体は…B集落のが立派だからあそこのをみんなで盗もうぜ!」と
集落全体で悪巧みして、実際にB集落の神社に忍び込み→窃盗とあいなったらしい
もちろん、気がついたB集落の人たちが追っかけてきたそうなんだが…
なんと、ご神体を持って逃げるA集落と、追っかけるB集落の間に突然鉄砲水が!!
B集落、鉄砲水に足止め食らって追っかけられなくなった
A集落、そのままうきうきとご神体を神社に祀ったそうな
神様は、新しくて大きいお家が良かったんだろうか…
[ 2016/11/23 ] ◆-

[ 124150 ] NO TITLE

最初に就職した地域は、自殺率が比較的高い場所だった
その地元で有名な自殺スポットがあったんだが、「死ぬ気がないなら絶対に行くな」と
地域の人たちから言われていた
なんでも「呼ぶ」らしくて、死ぬ気がないのにそこに言ったら自殺したくなるんだとか
実際に、なんであの人が?という人が立て続けに自殺したこともあるらしい
職場に自分と同時期に就職したAくんという人がいた
Aくんはそういうのをあまり信じない人らしくて、確かめにその場所の近くに行ったとか
その場所に近づくと、今まさに身投げしましたー。というようなものが…
女性もののヒールとカバンがぽつん、と取り残されていたそうな
で、gkbrしているとなんか呼ばれた気がして、怖いはずなのに近づいてったとか
「誰だ!?」という声でハッとなり、なんとかなったそうだが
あまりにも多いため、見回りの人がつくようになったその場所
もう10年以上前の話だけど、今でも「呼ぶ場所」として存在するんだろうか
[ 2016/11/28 ] ◆-

[ 124644 ] NO TITLE

『アドバイスをする人形』コメント欄より

[ 117918 ] NO TITLE
子供の頃ですが、夜半に母親が物音に目を覚まし、私の部屋に様子を見に来ると、私が貰い物の人形を投げたり蹴飛ばしたりしてたそうです
理由を聞くと「寝てたら脅かされたり、首絞められたりしたから、やり返してる」とのこと
怖がってるのではなく、怒ってたのだそうです
私は全く記憶にないのですけれど
「あんたの霊感なんてそんなものよ」
お盆にそんな話しをしました

[ 2016/08/22 ] NO NAME ◆-
[ 2016/12/08 ] ◆-

[ 124647 ] コメント欄より

『神社の鳥居の前を通りかかった』

[ 42581 ] NO TITLE
自分も去年の夏に地元の神社で、居るはずのない巫女さんを見たな。

普段は無人で、年一回の例祭の時にだけ神職の人が来る、神社なんだが
散歩の途中に久しぶりに前を通りかかったからお参りして行こうと境内
に入り、木立の間から社殿の方を見ると、青地に金と黒の模様の入った
袴に、銀の髪飾り、長い髪を束ねた女性が歩いているのが見えた。

木々の間に入ったのですぐ見通せる所まで移動したんだが、すでに姿は
なくて、参拝後に誰かがコスプレして歩いていたのかと、それとなく
裏の方も見たけど、誰もいなかった。
真夏の真っ昼間の話で、それが何だったのかは謎のままなんだよね。

[ 2014/01/27 ] NO NAME ◆-
[ 2016/12/08 ] ◆-

[ 124670 ] NO TITLE

『園芸担当』

[ 119903 ]
祖母の家の片隅にトリカブトが毎年ひっそりと花を咲かせていた。
決してその花に近寄ってはいけないと普段温厚な祖母がとても厳しい調子で言ったのを憶えている。
そもそもは戦争に負けたときの自決用に山から1株だけ庭に移したもののようだった。
祖父を終戦直後に亡くし大叔父大叔母達ににひどい扱いをされて苦労をし抜いた上、頼みにしていた惣領息子であった叔父を若くして亡くしてから孤独に真面目に農作業を黙々とこなす日々を送っていた祖母が、あの花を毎年絶やさずに咲かせていた理由があるのだろう。
今年のお盆、誰も住まなくなった祖母の家を古民家売買の業者に売った。築150年を超える母屋と離れに興奮気味の業者は母に任せ、庭の片隅の青い花を人目に触れないようこっそり引き抜いてあげた。
[ 2016/09/21 ] NO NAME ◆-
[ 2016/12/08 ] ◆-

[ 124738 ] コメント欄より

『かぁちゃんが割とイタコ』コメント欄より

[ 48187 ] NO TITLE
病弱な妹もかなりイタコ
親父が急遽してから仕事の引継ぎの伝言頼まれたり
顔も知らない曾祖父の親族も知らなかった財産の伝言も申し付かってたりする
見ず知らずの亡者に絡まれたりすることもあるらしく物凄く疲労困憊して寝込んで以来シャットアウトするって公言
それからは誰も下りて来なくなったみたいだけど相変わらず病弱だ

[ 2014/04/05 ] NO NAME ◆-
[ 2016/12/09 ] ◆-

[ 124775 ] NO TITLE

『間もなく信号が変わります』コメント欄より

[ 91812 ] NO TITLE
この話で思い出した。
昔住んでいた集合住宅の 国道挟んで反対側に遮断機のない踏切があった。
単線な上 周囲は田畑ばかり、人家も少ないので通る人も少ないのに 人身事故が続いて音声が流れるように工事された。

「まもなく電車が通過します~」的に機械的な女性の声で滅多に無い通行人に警告する。

夏、窓を開けて寝ていると聞こえるんだわ ソレが…電車が走るはずのない真夜中に何度か。

踏切近辺には前述の通り お店も駅も無い。
きっと通り掛かった猫か犬に 関知センサーが反応したんだろうと思うけど 起きて確認する勇気はなかったな。
[ 2015/08/15 ] NO NAME ◆s6qxlqaI
[ 2016/12/10 ] ◆-

[ 124852 ] 予知夢?

小さい頃から、ごくたまに予知夢のようなものを見ます。
夢の内容は、私の人生のワンシーンを先に見ているだけのようです。
夢の中で未来の出来事を経験しているので、
夢から覚めた私には変な夢を見た感じの記憶が残ります。
夢の内容が現実になるまで、早くても数年はかかります。
私自身も忘れかけた頃に現実になります。
はっきり言って何の役にも立ちません。
一度、先回りして夢の内容(ケガをする)を回避しようとしたら無理でした。
成人してからはほとんど見る事はなかったのですが、
昨日、久々に夢がまた現実になったのでふとこちらに書きました。
内容は物凄くくだらないです。
実家の近くにあるお気に入りの焼肉屋さんが閉店してしまって悔しがる私。
あとこれはまだ現実には起きていないのですが、
今の私にとって初対面の男性にジェスチャー付きで、
「地獄に堕ちろ!」と言っている自分の夢。
この夢は現実にならないように願っています。


[ 2016/12/11 ] ◆-

[ 125231 ] コメント欄より

『ヤマノケ』コメント欄より


[ 71906 ]
自分は宮城に住んでるんだけど、山寺に行くために新しく舗装された道を行ったことあって、そこが怖い話ばかりきくところだった。
もしかしたらここも蔵王とか山寺行くところじゃないかな。
県境は色々不気味な話きくし。
知り合いに山の神様を軽トラで引いてしまった祟りで歩けなくなってしまった人がいる。
[ 2015/01/05 ] NO NAME ◆
[ 2016/12/18 ] ◆-

[ 125232 ] コメント欄より

『ヤマノケ』コメント欄より

[ 81897 ] 私は七ヶ宿で幽霊を確かに見ました。
昭和48年6月(今から42年前)に釣りに行く途中(朝5時頃)、七ヶ宿の七十七曲りで、車の前方、約30m(目測)右側に白い着物を着た女性(はっきり性別はわからなかったが女性のようなか弱い感じがした)がはっきり認識できた。その時は、霧が少しかかっており、前照灯は点灯していた記憶がある。(4ドアの1500cc乗用車・いすず)、足があったかどうかは認識できなかった。突然、背筋に寒気が襲った。その状態のまま、2,3秒が過ぎ、幽霊はそのまま、どんどん車に近づいた。というより、車が幽霊に近づいた。車の速度は、ヘアピンが多かったので、30~40km/h程度であったが、幽霊が出た場所は、直線だった。幽霊が近づきフロントガラスの斜め前に来た時、はっきり見たというより、何か突然無意識の状態になったが、幽霊が若い女性だというような感覚があった。私も若かったからそのように感じたのかもしれない。その瞬間、幽霊が、言葉もなく「車の後席に乗せて下さい」というようなメッセージを受けとった。時間にすれば、0秒に等しいかもしれない。私は、その時、乗せるため、車を止めたわけでもないのに、何か乗せてしまったかのような感覚もあった。幽霊が車の右側を通り過ぎたような気がした瞬間、私は無意識に後ろを振り返った。しかし後席には、誰もいなく、遠ざかる道の左側(後ろを向いたので左側の路肩になる)に、白い人影は存在しなかった。それを確認した瞬間から、私のハンドルを握る手が震えて止まらなくなっていた。恐ろしくなり、その後、一目散に七ヶ宿を通り抜けたが、その時、自分の運転がどうしていたのか全く覚えておらず、帰りの道は気持ち悪く、別の道を通り、家(岩沼)に帰った。
家に帰ってから、この体験を自分自身、信ずることが出来ず(幽霊がこの世に現れるなど、全く想像もしていなかったし、ありえないと信じていた。)、なにかの錯覚かとも思い、もやもやしていた。それが、その日から3日目の朝だった。何気なく、朝刊に目を通していた時だった。朝刊のある記事に目が行った時、全身が総毛立った。なんと「タクシーの運転手が、七ヶ宿のその場所で、白い着物を着た若い女性を拾って乗せたが、後ろを振り向いたら誰もいなかったので、幽霊に出会った。」との記事。私は、自身の体験が、架空のものであったことを肯定することが出来なくなった。それから42年経ったが、一度も幽霊に会ったことはない。しかし、あの時の体験は、今でもはっきり頭の中で描くことができるので、真実に違いないと思っている。私が生きている間は多分、幽霊がこの世に存在することは証明できないと思うが、あと、何百年も過ぎて飛躍的に進歩したら、その存在が明らかになる日が来ることもあるだろう。
[ 2015/05/06 ] 【2227】 ◆N6kp4qTg
[ 2016/12/18 ] ◆-

[ 125310 ] コメント欄より

『山でキャンプ』コメント欄より

[ 1771 ] NO TITLE
多分その神様知ってる、うちの田舎だと思う。
俺は見た事無いが、じいちゃんが助けてもらったことがあったらしい。
自分の姿が人を怖がらせることが判ってて、わざわざ黒衣で姿を隠して、
人を怖がらせないように人形(ヒトガタ)を使って挨拶してくれるんだそうだ。
なので、気づかずに話をして帰って行く人も多いらしい。
声をかけてくるのは、人を護るため。
野生動物を近づけないようにしたり、気落ちしてる人(いわゆる死ぬために
山に来るような人)には元気づけてくれたり護りをくれる、優しい神様だって。

ちなみにじいちゃんがいうには、でいだらぼっちだって。
じいちゃんは若い時に不運が続いて死ぬために山に入った時に遇って、狐の
お守り様を付けてもらって運気が回復したと言ってた。
[ 2011/06/15 ] NO NAME ◆-

[ 2644 ] NO TITLE
>1771
ちょっと。その「うちの田舎」ってどこ?
オレも岐阜の人間だけど、キャンプ場がたくさんあるのは知ってるけど
そんな話は聞いたことが無い。
岐阜にでえだらぼっちの民間神語りがあるのも初耳。
詳細可能な限り教えて欲しい。
[ 2011/07/01 ] NO NAME ◆-

[ 2649 ]
でいだらぼっちと言えば信州、上田でしょ。
でも上田は岐阜に近い中信じゃないんだよなあ……
[ 2011/07/01 ] NO NAME ◆-

[ 7182 ] NO TITLE
なんとまぁ、1771の知ってる内容と完全一致とは・・・
ずいぶんと生きてる人間に肩入れしてくれるんだなぁ。
ありがたいことだ。
[ 2011/08/29 ] NO NAME ◆-
[ 2016/12/19 ] ◆-

[ 125428 ] お風呂に潜った。

私は中学生のころ、怖い体験をしました。

まだガキっぽさが残っていたからでしょうか、
お風呂に潜って水面を見たり、風呂の底に背中をつけてみたり。
今思えば本当ガキなんですけど

ある日またお風呂に潜って水面を見ました。
すると誰かが風呂場に入ってきて、湯船を覗いてきました。
髪が長かったので姉だと思っていました。

気づくと風呂場を出ていきました。





風呂を上がってみると、家には私しかいませんでした。
[ 2016/12/21 ] ◆XiwDxUrI

[ 125431 ] 無知ということは

かれこれ、もう18年くらい前の話です。
若き日の我輩は、夏場になるとショートパンツで外を歩くのが一つの日課になっておりました。
仕事が終わって家に帰った後、我輩はショートパンツ姿で、近くのスーパーを歩いたものです。

月日が流れ、それから3年が過ぎました。当時の職場の人たちとの話で、ある衝撃の事実を知りました。
今まで我輩がショートパンツと思っていたのは、実はトランクスという下着であることを知ったのです。

ということは、我輩は下着姿で人目につく場所を歩いていたことになります。
あの頃の我輩は、トランクスの下にブリーフを履いて歩いていたので、自分では下着姿で外を歩いたつもりは微塵も無かったのですが…

あの頃を思い出すたびに、自分の無知さ加減に畏怖を感じずにはいられませんでした…

下品な話になり、申し訳ありませんでした。では。
[ 2016/12/21 ] ◆-

[ 125858 ] NO TITLE

 あれは忘れもしない21年前、いや22年前、・・・いや、23年前のことでした。

私は当時、郵便外務のバイトをしておりました。午前中の配達のノルマを終えて指定集配所になっている小店で店のカップラーメンを買い店のおばあちゃん(経営者)と雑談しながら食べて26分経ったので、「ほなおばちゃん出発しよわい」と言って山間集落のある山道をバイクで登っていた。

 道の途中に昔、焼却炉の施設があった場所が今は公園になっていて(といっても小さい)、そこに公衆トイレがあるのでおしっこしてから行こうと思い駐車エリアに入った。そこに白いファミリアdx(だったと思う)が一台止まっていた。

違和感があった。それは愛媛県久万町役場の車両だった。ここは久万町よりもずっとずっと下の川内町だ。なにゆえ久万町の公務員が川内町にいるのか・・・。男の人が独り運転席のシートを傾けて背伸びしながらあくびしていた。

訳は分からないがこちらも配達があるのでかまってるわけにもいかず山の上に登って行って配達を終えた。夕方のゴ・ゴ・ゴ、五時半!?くらいに山を下りていると、その白い車はまだ止まっていた。

集配所のおばあちゃんに「おばちゃん、公園のところに久万町役場の車が止まっとる。出がけの時もおったけどおかしい。」「仕事さぼっとるにしてももう五時半すぎとるのにまだそこにおり続けるなんかいうのはおかしい。」と言った。そしたらおばあちゃんも「そういやそうやなぁ。なんでやろ?」といって二人で不思議がった。

久万町役場に問い合わせてもよかったがそれをやるとさぼっているのがばれたら気の毒だからと思って(まあ感心はせんけど何かわけでもあるんやろう、公務員やし。そっとしといてやろう)と考え、そのまま帰った。

翌日また配達に出て昼飯の時に集配所のおばあちゃんのところに立ち寄ったら、おばあちゃんが「郵便屋さんたいへんやがな!今日公園のところにエンジンかけっぱなしの車があったから上の集落から降りてきた人が不思議に思って車を見たら排気ガス引き込んで自殺しとったんよ」と言ってきた。

前日自分が見たときは排気ガスなんか引き込んでなかった。もしかして自殺しに来たんじゃないのかというおそれがないではなかったから最初に見たときに気にして確かめたから間違いない。

おばあちゃんが言うには「役場の人が言うには何日も前から役場にも家にも帰ってなかって連絡もつかなかって探しまくっていたらしいで」ということだった。

ああ、あの時に、人のあらに付け込んでかっこつけて久万町役場にクレームの電話でもかけていたら少なくともあの男の人は死ななかっただろう。(たぶん)

人間万事塞翁が馬。しかしずいぶん後味の悪い出来事であった。自分の無能さを感じずにはいられなかった。
[ 2016/12/29 ] ◆-

[ 125958 ] ドッペルさん?

つい昨日のちょこっと不思議。
スーパーで買い物をした帰り道(15時ごろの住宅街)、車道を挟んで男性とすれ違いました。
細身で長身、短髪メガネ、青色系セーターにウォッシュ加工がかなりはっきり入ったジーンズ、
手にはスーパーorコンビニで買い物をしたっぽい白いビニール袋。

私は常日頃から通りすがる人をじっくり見ることはなく、むしろものすごくどうでもいいくらいで全然気にかけることもなく、
都内という場所柄か芸能人が近くにいてもさっぱり気づけないくらい。
(彼がよく気づきます;)
で、まぁそれほど他人に興味を持っていない私が、その男性にはなんか目がいったのです。

特別イケメンということもなく、どこにでもいそうな30〜40代の男性。

そしてすれ違い、私はほどなく右に曲がって…左に曲がって…また右に曲がって…
もうあと数メートルで我が家、という時、先ほどの男性が向かって歩いてきていたのです。
「………ん?」
細身で長身、短髪メガネ、青色系セーターにウォッシュ加工がかなりはっきり入ったジーンズ、
手にはスーパーorコンビニで買い物をしたっぽい白いビニール袋…ではなく、スマホ。
「あれ?買い物袋は?え?ってゆーか、なんでこっちにいるの???」
珍しくじっくり見た他人、しかも2〜3分前に見た人です、そんな簡単に間違えません。

買い物袋男性は東から西へ歩いていました。
スマホ男性は南から北へ歩いていました。

単純に同一人物とすると、、、
最初に見た場所あたりに男性の家があって荷物を置いて、超遠回りする経路を取って、再びすれ違う場所まで息も切らさず歩きスマホでやってきた???
そうしなければいけない理由なんて見当もつかないけれど、時間的に無理があるから却下したい。

では一番に考えられるのは双子ちゃんだけれど。
お子様ならいざ知らず、いい歳したおっさん双子がペアルック???
ない。ありえない。あってはダメだ。竹下通りの若い子だってせめて色違いだよ。

となると。
残るはドッペルさん。
自分を目撃されたなんていうのはオカルトあるあるですが、赤の他人をほんの数分で見てしまうっていうのは…
どうなんでしょう?
自分を見たわけじゃないし、特になんでもないかな?
[ 2017/01/01 ] ◆-

[ 126382 ] 物がなくなる

物が立て続けになくなる時期が周期的に巡ってくる。
過去、痛手をこうむったのは財布(クレカ、キャッシュカード、その他もろもろ入り)と台所の照明カバー。
そして去年の大晦日、10年住んでるアパートの鍵が失くなった。付けていたキーホルダー(タイのお土産で、福を連れてくるという人形)ごと。10年間、どんなに忙しくても酔っ払ってもなくすことなんてなかったのに。
ただ去年は後厄の年だったので、それが終わるときの総決算的なことかなとは思っていた。
そうしたら、今日、買ってきたはずのもやし(税込42円)がどこを探しても見つからない。一緒に買った鶏肉も、お鍋のつゆも、缶チューハイもあるのに。
財布や鍵よりはダメージが少ないけど…
物がなくなる時期は、生活にわりと大きな変化があるのでちょっと怖い。それとも健忘だろうか。それも怖い、まだ三十路なのに。
[ 2017/01/07 ] ◆1ZB5r.5U

[ 126482 ] NO TITLE

『神隠し事件』コメント欄より

[ 32616 ]
さっき、コンビニいってきた。
車も、人もたくさんいた。
前から来た車のライトで一瞬目潰しにあい、目をあけると、人がいなくなった。
コンビニにもいったけど誰もいなかった。
1キロ先のコンビニにもいったけど人、1人もいない。
すると
背は俺より10Cm低い女性がきた!
ここは来ちゃだめ!早く帰りなさい!と言われた。
とても慌てた様子で何か機械を取り出し、誰かと話てる!
あと、2分で!
俺は2分後になにがあるんだと、思ってるうちに手を捕まれ走り出した!
女性が後ろ見ちゃだめよ!と言ってきた!
気になって見てしまった!
今までいた場所が崩れ始め必死で逃げてたら
いつの間にか人がいっぱいいた!
必死すぎて、気づかなかったけど、財布落としたみたいで、煙草かうどころか、免許、保険証、その他諸々、どうしよう!
今はそっちの方でパニック!
[ 2013/10/14 ] NO NAME ◆-
[ 2017/01/09 ] ◆-

[ 126559 ] NO TITLE

ないないの神様

ないないの神様というものをご存知でしょうか?
物がなくなったとき「ないないの神様、ないないの神様」と唱えながら探すと、高確率で見つかるという神様です
先日、大切で重要なものを紛失してしまったのです。
最悪なことに、どこで無くしたのかもわからない。
必死で、いろんなところや隙間を探しても、見つかる気配がありませんでした。
ふと「ないないの神様」のことを思い出し、「ないないの神様…」とつぶやきながら、また探すことに。
無駄だろうなぁ…と思いながら、先ほど全部をひっくり返して探した引き出しを再び探してみたところ、なんとすぐに発見できました。
さっきまで絶対になかったはずなのに…

ないないの神様のご利益って本当にあるんですね…
[ 2017/01/10 ] ◆-

[ 127548 ] 写真の話

不思議?とは言えない部類の話ですがふと写真のことを話したくなったので書きます。今までで聞いた話や番組に出ていた写真のことで特に印象に残った話しについてです。

番組アンビリーバボーから、最近はこの企画が見られませんが心霊写真の話
とある飲み会かの集合写真でカメラの真ん前度アップで透き通る人の鼻から上の顔が写っていた。それ自体はそんなものなのだが問題は同じ場所だが別の写真には人の顔とは思えないモノが写っており先程の写真と上下に揃えると異常に大きく口を開けた人の顔になっていた。解説者が言うには地獄からずっと苦しみ叫び続けている人らしい。
またアンビリーバボーから、とある男性から送られてきた写真で誰が撮ったかわからない写真だという。拾ったのはその男性の奥さんで写真屋から出た際に外の入り口付近に落ちていたのを拾ったらしい。そして奥さんは次の日いなくなりその後消息不明とのこと。写真の内容は大きな鳥居を左下から見上げるような写真で鳥居の足元の土台に白いお面のような顔が写ったシンプルなものだった。しかしアングルがおかしく寝そべっても撮れない位置からの写真で誰がどこで撮ったのかがわからず、解説者も相当危険な一枚と言っていた。
祖母の話。祖母がそういう類いのことをしていたのである日一枚の写真を見て欲しいと言われ依頼主がもってきた。写真を見ると山を大きく写した写真だったのだが、緑の木々の明暗で見事に髑髏の形が写っていた。すぐにお祓いし燃やし何事も無かったという。

父の話。とある心霊番組で番組に依頼があり、依頼主の家では奇怪な現象が多々起こるので原因の究明・解決というものだった。奇怪な現象の1つに変な画像のFAXが送られてるモノがあったのだが人の死に顔が写るようなモノだった。それを見ていた親父が「この依頼人、葬式で死に顔を写真に収めたな」と呟き、自分は流石に一般人が家族であろうと死に顔の写真は撮らんだろと思っていたら、依頼人が「母の葬式で撮った写真と同じような画像」と答えていた。
実際それがネタなのか本物かは自分にはわからないが(父はこれは本物と言った)…何でネタだとしてもわかる!?
と言いたくなった日だった
[ 2017/01/23 ] ◆jPQ0updc

[ 127896 ] NO TITLE

『深夜のすごい静かな時間帯』コメント欄より

[ 51498 ] NO TITLE
ビジホで似たような事あった。フロントに言ったら、その部屋は空きだって言う
でも、寝ようとするとドンって壁叩かれ、ウー、みたいな呻き声っぽいものも聞こえる
気味悪いわうるさいわで眠れないから、再度フロントに電話、部屋替え申し出た
不機嫌そうなフロントのオヤジが来て「そんなわけ無いでしょ〜」「何でもいいから替えてくれ」と
問答になってるとこに「キャハッ」みたいな女の笑い声っぽいものが聞こえ、次いで壁ドン
オヤジと俺、2人で飛び上がって、そのまま無言で荷物抱えて部屋飛び出した
オヤジは余程慌てたのか、椅子の上に置いといた俺のバッグを、椅子ごと抱えて走ってたw
[ 2014/05/19 ] NO NAME ◆-
[ 2017/01/27 ] ◆-

[ 128489 ] 念が憑いている

初めての投稿です。
お手柔らかにお願いいたします。

会社で同性に執着されていました。
派遣社員のAさんです。
席が近かったので、仕事中ずっと見つめられたり睨まれたり
追ってこられたり、暴言を吐かれたり
静かに近づかれて耳元で大声で威嚇されました。
ふと振り向くと、Aさんが私を凝視していることもしゅっちゅうでした。

いつも文句と他人の悪口や家での不平不満などを
仕事中にずっと喋り続ける人だったので、ほぼ無視をして関わらないようにしていました。

こちらを睨み付ける表情と憎しみのこもった圧は、恐怖でした。
なにしろ毎日のことです。
たまに目をうるませて見つめているのも、恐怖でした。
とにかく、私への執着が恐ろしかったのです。

その頃にあった出来事です。
電車に乗ると、必ずといっていいほど2~3人に睨み付けられていました。
座った目つきで憎々し気に。
その表情と圧は、Aさんそのものでした。
もちろん電車に乗り合わせただけの全く知らない人達です。
それは赤の他人に向ける視線としては、異質なものでした。
そういうことが電車に乗るたびにありました。
男性も女性も、です。

私にAさんが乗り移っているというよりも、見知らぬ他人にAさんが乗り移っているかのようでした。

Aさんには不可解なところがあって
私が頭の中で考えたことの返事のようなことを、独り言のように言葉にしたり
仕事中Aさんの目の前にいくと、ものすごい圧と共に
私の背中を割り開いて、強引にグイっと、私の中に入ってくるような感覚を何度も感じました。
この、自分の中に入ってくる感じは、叫びだしたいほどの気持ちの悪さでした。

Aさんは、昨今会社を去りました。
それ以降、電車に乗っても知らない人達に睨み付けられることは無くなりました。

推察でしかないのですが
彼女は、ある種の独特なモノをもっていたのではないかと思っています。
霊感なり生霊を飛ばしやすかったり、憑き物筋だったりと、なんらかのモノを。

目に見えない領域での攻撃や執着の怖さを知りました。

[ 2017/02/05 ] ◆QJt3TIzw

[ 128909 ]

リアルタイムで外からお囃子が聴こえてくる
怖い
さっきはクワァァン...クワァァン...みたいな音が鳴り響いてた
[ 2017/02/11 ] ◆-

[ 129406 ] NO TITLE

すごく疲れて帰ってきた日の話。
ふと夜中に目を覚ますと、着替えもせずに電気も付けっ放しで寝てた。
ワンルームだからベッドから玄関が見える。鍵も開けっぱなし。
どんだけ疲れてたんだよ…と半分寝ぼけながらぼんやり眺めてた。ら、外の廊下から足音がした。
ぱたんぱたんぱたん。こっちに向かってくる。
もし今この人が部屋間違えたら開いちゃうよなー、と考えてたら急に声が出た。
「鍵が閉まってるから開かないなぁ。」
は?いやいや開いてるし、何言ってんだ俺?
とその瞬間、うちのドアノブがガチャガチャガチャッと揺らされた。怖い。やべぇ開く。
たぶん数秒だったんだろうけどとんでもなく長く感じた。揺らされ続けるドアノブ。なぜか入っては来ない。
しばらくするとチッと舌打ちする音とともに足音は去っていった。
急いで鍵をかけて、窓から階下を見たけど、アパートの入り口から誰かが出ていった様子は無かった。
何だったのかは今でも分からない。とりあえず、どれだけ疲れてようが家の鍵とチェーンを掛ける習慣が出来た。
[ 2017/02/17 ] ◆-

[ 129647 ] きつねに化かされた話

これは、過疎地域のじーさんに聞いた話
じーさんのじーさんぐらいのときは、その集落はほぼ閉ざされていた
隣の集落に行くにも、山の細道をかなり歩かにゃならん
山奥の集落であり、野良仕事ができなくなる冬は、男どものほとんどは山をいくつか超えたところにある、港町へと出稼ぎに出たそうだ
出稼ぎに出たはいいが、さすがは栄えている港町
男どもにはいろんな誘惑があったそうな
だが、きちんと稼いだお金を、極寒地で待つ家族に持って帰らんといかん
ほとんどの男どもは誘惑に打ち勝ったが、中には稼ぎを使う男もいたとか
稼ぎを使った男は考えた
どうすれば、稼ぎなしで家に帰っても怒られないか…?
そこで思いついたのはきつねに化かされて、金を巻き取られたことにしよう!ということだった
山の中の集落であるので、きつねやたぬきはそこらあたりにうじゃうじゃいる
そして都合がいいことに、海側のある場所では有名な化けきつねの言い伝えが存在していた
結果、そこの集落に雪解けとともに「きつねに化かされた」と、着の身着のままで戻って来る男が、ちらほらといたそうな
[ 2017/02/21 ] ◆-

[ 131461 ]

俺は、過去に数回だけ、霊らしきものを見たことがあります。ちなみに俺は、一度たりとも心霊スポットへ行ったことはありません。見たのはいずれも、何気に外を歩いているときです。詳しい場所は忘れましたが、俺が見た数回のものを書いてみます。
・青白い顔だけのもの
・透明で顔と体が割りと明確なもの
・緑色で顔と体が割りと明確なもの
まあ、そんな感じでした。色によって、何か良い悪い普通とかってあるんですかね?
俺自身は、意図的に霊を刺激するような、そんなことをしたつもりは、全くないんですけどね…
[ 2017/03/21 ] ◆-

[ 131534 ] トンネル内のガス

今からもう10年近く前の話になります。当時、俺は道の駅スタンプラリーに参加していました。
6月頃だったか、北海道のとある国道の山間部に位置する、3Km超えのトンネルを通ったときのことです。
トンネルの中央付近に差し掛かったとき、前が一瞬にしてガスに覆われました。
特に、何かが見えたわけではなかったのですが、俺は異常なまでに嫌なものを感じ、妙な汗を吹き出しながら、50Km/hくらいでひたすら前部とその周りに集中して、ガスの中を出口に向けて走りました。
逃げ出したくなる衝動を抑えながら運転し、出口近くまで来るとガスは消えて、視界が開けました。
幸いなことに、何にぶつかることなく、無事にそのトンネルを抜けることができました。
あと、今から8年前の5月下旬頃、北海道のとある国道の海沿いに位置する、2Km超えのトンネルを通った時にも、同じことが起こりました。
後になって、それらのトンネルでは、事故で不幸にも亡くなられた方々がいたことを知りました。
トンネル内のガスは、そういった方々の無念の思いの表れなのでしょうか……
もしそうであれば、一日でも早くその方々の霊魂が救われるよう、願わずにはいられません…
[ 2017/03/22 ] ◆-

[ 131705 ]

家の一階でくつろいでいると上から子どもの走る音が二つ、たまに聞こえる。
遊んでいるのか笑い声も聞こえる時がある。男の子と女の子の声だ。
楽しげなその声に初めて聞いた子どもの頃は驚き、泥棒かと思った事もあるが、もう十数年以上の付き合いになるとそれも薄れる。
この子ども達が誰なのか未だにわからないが、この子ども達は、悪いものの感じがしないのでそれだけが救いだ。
[ 2017/03/24 ] ◆-

[ 131807 ] NO TITLE

2013年の冬。

シャワーを浴びようと戸を開いて中に入る。

その瞬間、右足に痛みを覚えたので見ると、針金の先でつけたような、5本の、長さは20センチくらいのものと、2本の、こちらは5センチくらいの線のような傷がついていました。

戸にもどこにもそんな傷がついてしまうような部分はなく、あれ~?なんて思いながら身体を洗っていました。

少し痛みはあったのですが、たいしたことはなく、そのままにしておきました。

で、今日のことなのですが、また同じ、右足だけに、今度は一本の、10センチくらいのものと、5センチくらいの傷1本づつ計2本がついていました。

なんだろうと思うのですが、私はこういった心霊や超常現象というものは、興味深く読んではいるのですが、何分体験がなく、当然霊感もありません。

ただ、霊ではないんだろうけれどもおかしな体験はありますが、ですがこのおかしな体験と、なにやら通じているのではないかと思えるのです。この傷。

この傷を初めて見たときは、悪魔の手が伸びてきて、私をここから出さんとでもしているように思えました。まるで爪を立てたようなそんな傷がついていたからです。2013年、初めてのときは7~8本だった傷が、今回は1本づつと、少なくなっていることから状況は好転しているのではないかとも受け取れますが、いかがなものでしょう?

ここからといいますのは、私は現在不幸に見舞われております。

家族がどうとかなったわけではありませんが、なにやら必然とでも言いましょうか、当たり前のように不幸が来るのですね。

例えば、道の端に川があったとします。どうやってもそこに落ちるいわれはないように思えるのですが、それがどうにも私に来てしまう、落ちてしまうのです。

ほんとうに、なんだか頭の上から何者かにこっち行け、あっち行けと操作されているかのような感じさえ受けます。

まあ、糖質だと言われればそれまでなのですが、症状を読んでいると、どうも心霊現象と糖質はどうやら紙一重のような気もいたします。

こういったこともあるのだと、少し話しておきたかったのですが、拙い文章を読んでいただきありがとうございました。






[ 2017/03/26 ] ◆-

[ 131850 ] NO TITLE

『水子』コメント欄より

[ 11825 ] NO TITLE
こういう供養してあげた系の話には、関わらないべきだってコメよくあるけど
結局、そういう救いを求めて来た霊にはどうしたらいいの?
供養したらいいの?知らんぷりして関わらないべきなの?
拾ってきたみたいで色々困ってる…
[ 2011/10/21 ] NO NAME ◆-

[ 11828 ]
>>11825
>拾ってきたみたいで色々困ってる…

どゆこと?水子憑いてきたの?別の何か?どんな状態かkwsk
[ 2011/10/21 ] NO NAME ◆-

[ 11835 ] NO TITLE
>>11828
多分子供。なんとなくだけど男の子だと思う。

・部屋の壁際の床に座ってテレビ見てると、自分と壁の狭い隙間を走り抜けたみたな振動と足音が聞こえる。
・視界の端に子供くらいの黒い影が入り込む。食器棚なんかのガラス戸に影が映る。
・ベッドで横を向いて寝てると背中側に誰か居る気配を強く感じる。たまに添い寝してるような感覚がある。視線の強さに目が覚めて飛び起きたこともある。
・DVDとかコンポ等の電化製品が原因不明の不調。修理に電気屋に持って行ったら何故か正常に作動する。部屋に戻すとまた不調。
・PCにイヤホン繋いでようつべやニコニコ見てると、検索時などの無音の時変な電子音?が聞こえる。

夜じゃなくて昼間もだから困ってるんだよね…霊って昼間出ないもんじゃないの?
[ 2011/10/21 ] 11825 ◆-

[ 11841 ] NO TITLE
>>11835
それは完全に憑かれてるっぽいし、供養しなきゃダメだろ。
この報告者みたいに自分で成仏させちゃう人もいるみたいだけど
寺や神社みたいな然るべきところに頼んだ方が無難だろうね。

あくまでも、素人が積極的に関わるな、って意味であって
向こうから関わってきたものを放置しておいていい、という意味ではない。
[ 2011/10/21 ] NO NAME ◆-

[ 11846 ]
>>11835さんの場合、意識的に「気のせい」と思った方がいいんじゃないかな。一つ一つは小さなおかしいことが<水子>というキーワードを得て、肥大化してる印象を受ける。
どうしても気のせいだと思えないなら気になった時に「ここにいても何にも満たされないよ」って念じてみたらどうでしょう?
[ 2011/10/21 ] NO NAME ◆-

[ 11859 ]
>>11835
幽霊は昼もいるよ。夜の方が活動的?だけどね。
その子はあなたになんか期待して存在アピってるから、いまさら全く無視は難しいかも。
気長に浄化に付き合えるんなら、1人分余計に御飯用意してやるとかしてお世話してあげたら満足するかもだけど…、普通に無理なら神社へGO。
[ 2011/10/22 ] NO NAME ◆-

[ 11995 ] NO TITLE
>>11841>>11846>>11859
ありがとう。身の危険は感じてないからちょっと様子をみて、長く続くようなら近くの神社に相談してみる。不思議と怖さは無いんだけど電化製品の不調が一番つらい。

これに関係あるかは分からないけど
週末に友人が泊まりに来て…この話は一切しなかったし電化製品以外の異変は特になかったんだけど、
夜中に「うん。うん。…くん、…だね。」と寝言で誰かと優しい声で会話してたのを聞いたらしい。
友人も寝ぼけてたし小声だったから名前や内容は聞き取れず覚えてないらしい。
こっちは夢を見た記憶もないんだけど。
とりあえず、お水とお握りお供えして「私は何もしてあげれない。近くにお寺があるからそこを頼りなさい。」って念じてみようかと思う。
[ 2011/10/24 ] 11825 ◆-

[ 12556 ]
>>11995
今はどうなったんでしょう
気になります…
[ 2011/11/03 ] NO NAME ◆-
[ 2017/03/27 ] ◆-

[ 131880 ] ウィンカーの続き

以前ウィンカーの話を投稿した事があり、名前も違ってました。
他にも少しだけ違う事があったので、書いていきます。

友人の家は山まではいきませんがそれに近いところにあり、友人の家はちょうど頂上付近で、数メートル先では空の青さの広がりが一面に見えて、もうすぐ着く僕には素敵な光景に見えたのです。
この間その友人を送る時に、久しぶりに友人宅の傍に行ったらそこには見た記憶のない山があり、大変驚き、友人にあの山はいつからあるのかと思わず聞いてしまいました。
友人は顔をしかめて、

「この山は生まれた時からあるから、その前からずっとあるはず」

そう言われました。僕の記憶の事を言うと、友人は幼い頃にその山での怪現象を見たのであり得ないと言いつつ、面白いと信じてはくれました。


また、歩いていると見たことのない建物が昔からそこにあったという顔で、誰かの自宅だったり、潰れた店だったりでみかけました。
ここには何もなかった、建物なんか建てるスペースなんて存在しないという場所にも。

これもあのウィンカーと同じ弊害なのでしょうか…。
世界が全て灰色に染まり、周りの動きや音が全て止まったのを何度か体験しました。
驚いているうちに目の前が急に明るく真っ白に輝いて光ったと思ったら、勝手に戻りましたが、これはもしや関係あるのでしょうか。
まとめられているのを読んでいくうちに、もしや関係があるのかと思いましたが、結局わからないままです。
[ 2017/03/27 ] ◆-

[ 131995 ] お化け屋敷好きの友達の話

友人で、お化け屋敷はテーマパークだ!仕掛けやカラクリが凝っていて、色々遊べて楽しい!!と言い、お化け屋敷を全く怖がらない(それどころか歓声をあげたり、笑い転げたりする)子がいる。
怖くないのか?と聞いてみたら「機械やら人間のコスプレのどこが怖いの?」とのこと。
グロいメイクや仕掛けも、生物学の解剖で慣れてしまったそうだ。

でも、絶対にホラースポットには出向かない。
「最悪本物がいることがあるから」ということだそうだが…。
あと、お化け屋敷でも彼女は絶対に入ろうとしないとこもある。「紛れて本物いるよ」。
果たして彼女は「見える人」なんだろうか。
[ 2017/03/29 ] ◆-

[ 131998 ] NO TITLE

131995
どっちかというと「無粋な人」かと。
[ 2017/03/29 ] ◆-

[ 132493 ] 悪夢の共通点

子供の頃の話。 当時よく見る2つのゆめがあった。 ひとつは、知ってる街から知らない街に迷い込む夢。 もうひとつは、人形に捕まえられて、振り回されて、最後は落とされて目が覚める夢。
久しぶりに知らない街に行く夢を見たので思い出したんだが、知らない街に行く時に、いつも挟まってた、建物の隙間に、いつも人形に落とされていた。 あの建物の隙間が怖かったのだろうか。 ただ、人形の夢の方が怖かったし、その夢を見なくなったきっかけは覚えてる。 押入れにあった、その人形を、オレが泣き叫んでもう近くにいたくないからと、親が捨てたんだ。 毎日毎日、何度も、その夢を見てたせいだったんだが、今思うと悪いことしたと思う。
そして…、二つに共通点を、思い出した。 当時、その隙間に、兄がよく行っていて、人形も兄のもの こころのうちで、怖かったんだろう。
[ 2017/04/07 ] ◆-

[ 132531 ]

変わる。
代わったら、起こる。
沢山、涙が流れる。
数年以内か、十数年前か。
あと何代先か。
もうすぐ終わりが近いのかもしれない。
[ 2017/04/08 ] ◆-

[ 132585 ] NO TITLE

本欄で身代わり人形の話読んで、思い出した事を書く。数年前の事
うちには認知症の婆ちゃんが居たんだが、もうアラサーな俺を幼児だと思ってたらしい
んである晩、俺は暗い夜道を自転車で走ってて、斜めに突き出してる電柱に思い切り頭ぶつけ
一瞬気が遠くなってコケた(なんで電柱が斜めなんだよ!後日市役所にチクったら
同様の陳情がいっぱい来てるから撤去の方向だって。しかし今だにそのまま。お役所仕事め!💢)
結構派手に倒れたのに、どこも怪我してない。ぶつけたデコがちょっと痛むだけで別状無い
不思議に思いながら帰宅したら、婆ちゃんが身丈30cmほどの布人形抱っこしてんのよ
なにあれ、どうしたの?って親父に聞いたら、蔵整理してたら奥から出て来た。綺麗なんで婆ちゃんにやったら
嬉しそうに俺の名前で呼びながら、ずっと抱っこして身体中ナデナデしてたよ、って
[ 2017/04/08 ] ◆-

[ 132627 ]

『少しだけ先の未来が見える』のコメント欄に書こうと思ったけど、不思議な力って遺伝なんだね。
少し先は私も見えるけど、違う話。

今でこそ、ほとんどのコンビニがトイレ貸してくれるけど、10~15年くらい前って貸してくれないとこも多くて。
私の母はお腹の弱い人で、漏れそうになって駆け込んだコンビニがトイレ貸してくれないとこだと「トイレも貸してくれへんコンビニなんか潰れたらええねん!」と捨て台詞を吐いてた。
そして、その台詞を吐かれたコンビニはなぜか1~2ヶ月以内に必ず潰れてた。
友達には「お前のオカンは魔女の末裔かwwwwww」とか言われてた。

私が20代半ばのとき、すごく苦手な男の人に「俺、〇〇(誰でも知ってる会社)やから結婚せえへん?」と言われたことがあった。
自分でもなんでか分からないけど「〇〇もうすぐ潰れるよ」って口走った。
「そんなわけないやんw」って言われたけども。
半年経たないうちにテレビで〇〇社のリストラ(1万人規模だったと思う)がニュースになってた。
ただの偶然かもしれないけど、母親の力を受け継いだかもしれないから滅多なことは口走ったらいけないなと思った(汗
私の娘も受け継いでるのかな。。
[ 2017/04/09 ] ◆DLhE2T5I

[ 132674 ]

死神にあっても、仕事中の彼らに話しかけたら駄目だ。
死神に追いかけられた事がある僕から言える事は、仕事が終わっている、仕事中ではないのならまだ少しは安心できるが、終わっていない、仕事中の彼らにもし、話しかけてしまったら、無視して逃げてほしい。
ずっと無視して全力で逃げてほしい。
それでも付いてきて、離れない場合の対処方法は申し訳ないが僕は知らない。
ただ、死神の性格によるのかもしれないが、本当に人間と間違えて話しかけると録な事がないのは保証する。
彼らの格好は共通点があるが、申し訳ないが、それはここに記載出来ない。
ただ、その共通点もそこまで特徴的だと言える訳ではないし、ある場所に行けば紛れてしまうし、見た目は人間だし、彼らも僕らと同じように車を乗るのは一度見たとだけ。
[ 2017/04/10 ] ◆-

[ 132903 ] 監視カメラ 障害報告

1.タイトル
 ○○様 倉庫内 監視カメラ正副故障

2.障害発生日時
 2016年5月9日(月) 7:11

3.ステータス
 未クローズ/暫定対応済み/品質保証部門差し戻し

4.概況
 ○○様倉庫内の入口に設置した人感センサー付き監視カメラ
 (以下監視カメラ)が長期連休中に正副故障した。
 5月9日(月)休日明けで巡回を行っていた
 警備担当○○様がカメラのランプが点灯していないことを発見。
 総務○○様より当社に連絡。即日、交換対応を行った。

5.経緯
 2016年5月1日(日) 23:05 監視カメラ副系故障
 2016年5月7日(木) 09:08 監視カメラ正系故障  
 2016年5月9日(月) 07:11 警備担当○○様にて異常検知
              07:33 総務○○様より当社連絡
                    障害受付
              07:41 部品/保守担当者手配
              10:11 交換開始
              11:19 交換完了

6.お客様ご迷惑度
 本監視カメラは倉庫入口に設置してあり、
 倉庫への入室を人感センサーで検知、検知後一定期間の録画を行っている。
 総務○○様に確認したところ、本倉庫は平日午前中の入出荷時以外誰も立ち入らない。
 念のため、警備担当○○様にゴールデンウィーク中(4月29日~5月8日※)の入室履歴(ICカード使用履歴)を確認頂いたが、入室者はいなかった。
 ※5月2日、6日は○○社特別休日。

 また、入口は1か所しかなく、
 窓等、他に倉庫に入る方法がないことから、
 幸いカメラ停止中に不正侵入はなかったものと考えられる。

 ただし、5月9日にカメラの交換が終わるまで、
 警備担当○○様に倉庫内入室者の目視確認を頂き、ご迷惑をおかけした。

7.暫定対応
 即日交換を実施

8.お客様ご所感
 総務○○様:機械なので壊れることは仕方がないが、
      壊れたことを営業時間前に検知できなかったことは問題である。

9.恒久対策
 毎日4:00に過去24時間分の録画データ有無の確認を行うバッチを自動実行する。
 データがない場合、バッチを異常終了させ、障害検知する。
 障害検知した際は、○○様へ連絡、営業開始時間前までにカメラの交換を行う。

10.テスト
 5月10日から5月23日まで2週間分の監視カメラ録画データ(暗号化済み)をお客様より受領し、テスト環境で2週間分のシミュレーションを実施。
 いずれも正常終了しており、問題無いと判断する。

11.品質保証部門
 本恒久対策は○○社には適用することができないと考えられる。再検討すること。
 また、交換した監視カメラに不具合がある可能性があるため、お客様立会いの下、録画データを再生し確認すること。 

12.本番反映
 未定

13.本番反映結果
 無し
[ 2017/04/15 ] ◆EBUSheBA

[ 132958 ] 繝輔Α縺」縺ヲ縺輔l縺氈

縺輔▲縺阪?∝、應クュ縺ョ隧ア縲
蟶?屮縺九?縺」縺ヲ繝吶ャ繝峨〒蟇昴※縺溘s縺?縺代←縲∵囁縺上※蜿ウ雜ウ繧貞ー代@螟悶↓蜃コ縺励◆縺ョ縺ュ縲
縺昴@縺溘i繝輔Α縺」縺ヲ縺輔l縺溘?
鬟シ縺?賢縺九↑縺」縺ヲ諤昴▲縺溘i縲∬?蛻??蟾ヲ髫」縺ァ蟇昴※繧九?
諤昴>霑斐@縺ヲ縺ソ繧九→縲∬i逅??諢溘§縺九i荳九°繧峨ヵ繝溘▲縺ヲ縺輔l縺ヲ縺溘?
迪ォ縺ッ荳?蛹ケ縺励°鬟シ縺」縺ヲ縺ェ縺??
縺。繧?≧縺ゥ鬆ュ繧貞キヲ縺ォ蜷代¢縺ヲ蟇昴※縺溘°繧峨?∝承繧貞髄縺九↑縺?h縺?↓縺励※蟇晉峩縺励◆縲
縺励?繧峨¥縺励※迪ォ縺瑚オキ縺阪※縲∬?蛻?↓謦ォ縺ァ縺ヲ繝槭ャ繧オ繝シ繧ク縺励※繧ゅi縺?↓譚・縺溘?
縺?▽繧ゅ?豌励′貂医?縺ィ繝吶ャ繝峨?蜿ウ荳九↓鄂ョ縺?※縺ゅk鬢後r鬟溘∋縺ォ陦後¥繧薙□縺代←縲
縺ェ縺懊°繝吶ャ繝峨?荳九↓謨キ縺?※縺ゅk迪ォ縺ョ蟇晏コ翫↓逶エ陦後?
譛昴∪縺ァ蜃コ縺ヲ譚・縺ェ縺九▲縺溘?
莉翫?∬オキ縺阪※繝吶ャ繝峨°繧牙?縺溘¥縺ェ縺??ゅ←縺?@繧医≧縲?
[ 2017/04/16 ] ◆-

[ 133026 ] NO TITLE

4年位前の話。
何の変哲もない実家の食卓、でも足が地を付いてる感じがしない。
おかしいなと足元を見てみると、床が目の粗い木の格子で出来ていて、その下に暗い水面と巨大な怪魚が泳いでた。
足元の怪魚はガチガチと歯を鳴らして頭上の自分たちを狙っている。怖くなったので隣の茶の間に避難し、ここでようやく「ああ、これは夢だ」と感じた。
周囲は色合いが薄いし、なんだか皮膚に感じる感触も淡い。けど自分は「頬をつねる」のが一番早くて確実だって思ってた。のでつねった。
痛い
あれ?て事はここは夢じゃない…?
そう思った瞬間、世界がばっと現実味を帯びた。色が鮮やかになって、音が聞こえてきて、空気の流れを感じるようになって…現実と寸分変わりないような雰囲気になった。
俺はいてもたってもいられなくなり、茶の間のもう一つの出口から逃げ出した。その先には廊下があって、その向こうに自室がある、はずだった。
目の前にあったのは大きな古臭い階段、でもそれも「現実」だって思い込んでる俺はもうがむしゃらにそこを登った。
登った先にあったのは図書館のような場所。本棚がズラリと並び、天井は高く、それが果てまで続いてた。
そしてそこにはゾンビが蔓延っていて、俺はもう恐怖で走りまくった。字面じゃ可笑しいだろうけど、その時の俺にはそれが現実にしか思えなかった。
どこまでも続く図書館、後方や本棚の合間からはゾロゾロとゾンビが現れてこっちを狙ってくる。
走っても走っても息切れしない俺、ここでようやく「いやこれはおかしいだろ」と認識した。
実家の二階にこんな空間があるわけないし、ゾンビなんているわけない。これは夢だ!目をぎゅっと瞑って、覚めろ!と意識を込めた。
ばっと目を開いたら、もうそこは自室のベッドの上だった。
それ以来悪夢を見たら目をぎゅっと瞑って開くようにしてる。
[ 2017/04/17 ] ◆AFGF2uIM

[ 133156 ] 手形

私が高校2年生の時の話です。
いつものように自室で寝ていると急に金縛りに襲われました。
疲れている時などに金縛りにあうのは珍しい話ではありません。いつものように体に力を込めて金縛りにを振り解こうとしたのですがなにかいつもと様子が違うのです。
なにか空気が張り詰めている感じがして息をするのも難しい。こんな金縛りは初めてでした。
硬直したまま戸惑っていると脇腹に違和感を感じ始めました。冷たいなにかが脇腹のあたり地肌に直でモゾモゾと蠢いているのです。
恐怖がどんどん増して行きピークに達しておかしくなったのか、今度は恐怖の感情が怒りへと変わっていきました。『お前はなんだ!なんで俺がこんな目に合わないといけない!』つのった怒りで私は右腕を高く振り上げそのまま真下に全力で振り下ろしました。

『動いたっ!』

金縛りにが解けた私は布団を放り投げて飛び起きると電気はもちろん、なぜかTVやCDデッキなど部屋中の電化製品を片っ端からつけてから、さっきまで腹のあたりをまさぐられていたのを思い出しTシャツを捲り上げたのですがそこにはなにもありませんでした。
おかしな夢を見たのだろうと思いながらもその日はつけた電化製品はそのままにもう一度布団に潜り込んで朝を迎えました。
翌朝、何事もなかったように登校し一時間目の体育の為に、昨夜見た妙な夢の話を友人に話ながら体操服に着替えていると脇腹に小さな手形の様な痣がついているのを友人が見つけました。
私はちょっと焦ったのですが友人に、『女でも連れ混んでいい事してたんだろw』とからかわれると気が楽になり寝ぼけて掻きむしったかな?と思い、その痣に手を重ねてみると明らかに私の手よりふた回りくらい小さい。いや、…そんなことより…その手形…。

親指が下向きなんです。右手でも左手でも構いません、あなたのお腹に手を当ててみてください。
どうやったら自分に親指が下向きの手形を残せますか?
[ 2017/04/20 ] ◆-

[ 134074 ]

自分は零感だけど意外と周囲には怖い話が転がってる。
創作やフェイクを交えながらだけどいくつか話したいと思う。


『元湿地帯だった住宅地』

叔父の家は郊外の新しく出来た住宅地にある。
その当時は新築で5年経っていた頃だった。
元々湿地帯のような土地だったそうが埋め立てで売り出した場所らしい。
所用があってその家に一泊させてもらうことになったんだが、バスを降りてその区画を歩くと新しい家が多く建ち並んでいるのにも関わらず、やけに静かに思えた。
バス停まで迎えに来てくれた叔父曰く、今実際に住んでる家庭はごく僅かとの事。

疑問を抱きながらも着いた家に入った途端に「暗いな」と思った。
昼間は十分に明かりが差すはずの構造だし、玄関の正面にある階段の踊り場には大きな窓があって太陽の光が見える。
なのに妙にじめっとしていて、日が暮れて照明をつけても暗い。
特に何かが出そうとか怖いという感覚ではなく、変な場所だなぁという印象だった。

そこの家には双子の姉妹がいて、自分の従姉妹に当たるのだけれどどちらの姿も見えない。
事前に母から姉の方はは引きこもり、妹の方はほとんど家に帰ってないらしいと聞いていたので事情はわかってはいたが、幼い頃の活発な従姉妹の姿を思うと一目でも会いたかった。
結局どちらとも会うことはなく叔父と叔母に礼を述べて帰ろうとしたところ「何か家にいて変だと思うことはなかったか?」と。
素直に「なんだか暗く感じる」とだけ伝えると、やっぱりそう感じるんだね…と叔母が独り言のような呟きを漏らしたのを覚えている。

自宅に戻りって母に話を聞くと、あの区画に引っ越してきた未成年は性格が変わったり何かしらおかしくなるらしい。
母が叔母から聞いた話では、同区画に住んでいた中学生の男の子は受験ノイローゼで自殺未遂。高校1年生の男の子は家庭内暴力を繰り返すように。従姉妹と同い年で仲の良かった高3の女の子は、従姉妹の妹の方と一緒に外出三昧でほぼ帰らないとの事。
異常な気もするが偶然な気もする、それにやっと建てた新築の家だから…と叔母と叔父は言っているそう。
それもまた異常で不気味だったが、叔父一家は結局その後もその家から退去する事はなく、双子の姉は引きこもり続け、妹の方は20歳の誕生日の1週間前に交際相手に刃物を刺し刃物傷害事件を起こしてしまった。

何故未成年だけがそうなってしまうのかは分からないし、その土地の因果も調べてみたけれど分からなかった。
叔父一家が売りに出したその家には今は老夫婦が住んでいる。
[ 2017/05/03 ] ◆KuGsgSgw

[ 134075 ]

『喪服と首』

小さい頃に祖母から聞いてビビり倒した話。
私がまだ生まれる前、祖母が50手前くらいの頃に祖母と親しかった友人が亡くなった。
年齢もさして変わらない友人だったので50にも満たない歳では早すぎる。祖母も友人が入院中に幾度となく見舞いに行っていたのでかなり心を痛めたそうだ。

同じ町内に住んでいたので葬儀場も近く、通夜が終わり自宅へ戻った晩の事。
眠りに就いていた祖母は金縛りで目が覚めた。
自分の瞼が開いて、ゆっくりと視線が勝手に動くのを感じる。
そちらの方向には今日の通夜で着ていた喪服が衣紋掛けにかけられていた。
そしてその喪服の襟の上に亡くなった友人の首が乗っていたと。
まるで祖母の喪服を着ているかのように。
それは青白く酷く無表情だった。
視線がかち合ったままどれだけ時間が流れたのか、腹に力が入る事を確認して祖母は言った。

「帰るとこどこかわからなくなったのかい?」

そうするとコクリ、と頷くように頭を項垂れた首はすっと消えたという。
友人がこのような形で現れた意味やかけた言葉が正しかったかは今でも分からないらしい。少なくともそれ以降は現れていないので帰るべき場所に帰ったのだろうと祖母は語った。

その他にも「火の玉は本当は大きい(ジャングルジムくらいの大きさ)」とか「霊がいる部屋は赤く見える」とかそんな話も聞いたがこの話が一番衝撃だった。
今でも寝る時に目に見える場所に服をかけておく事は絶対にしないようにしている。
[ 2017/05/03 ] ◆KuGsgSgw

[ 134145 ] NO TITLE

>>134075
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/05/04 ] ◆Ahsw8Nok

[ 134209 ]

2つ投稿してみたけど1つしかまとめられなかったな。
基準あったならごめんね管理人さん。


『草原が見える』

怖い話というよりエニグマ寄りだと思う。
3つ上の姉は小さい頃から何かの蓋を開けると時々そこに変な景色が見えるという。
その景色は風に揺れる緑の草原の向こうに小高い丘があって細い木が一本立っている、そして空は青く風が強いのか白い雲が流れるように早く動いている、何の変哲もないどこかで見たような風景。
それは絵画やテレビの映像のようなものではなく、まるで小窓がそこにぽっかり開いてそこに繋がったようなもので、向こうから自然の香りや風を感じる事もあるそうだ。
例えばクッキーの蓋を開いた時、戸棚を開けた時、冷凍庫を開けた時など忘れたようなタイミングでそれは見えるという。
そうなった時はどうするのかと問えば蓋を閉じて「これは気の所為」と目を閉じてから開き直すと元に戻るとか。
そんな話を聞けば私も見たくなって中学生の頃(姉は高校生の頃)に家中のあちこちの蓋を開けさせたが、多分人と一緒の時は見えないと思うという姉の言葉通りその景色を見ることは叶わなかった。

大人になってからもこの話は時々していて、エアコンを掃除しようとして開けた時に草原が見えたのはさすがに笑っただとか、
一度だけ恐怖を感じたのは玄関を開けて草原が広がっていた時だと話していた。
今まで自分の身体が通るほどの広さでそれが開いた事がなかったのに、その時は一歩踏み出せばそちらに行けてしまうという状況が異常に恐ろしかったらしい。

そして1年前、結婚し子供も生まれごく普通の家庭となった姉の家に遊びに行った時の事。
4歳になる姪っ子があの景色に似た絵を描くようになったと姉は言った。
その絵を見せてもらうと何のことはない緑の大地と青い空、そして遠くに木が一本立ってるだけに見えるが、姪っ子はそこをさいばらさん?みたいな名前で呼んでいて、更によく話を聞くと「悪いことをした人が行くところ」だと言う。
姉の言うことや姪っ子の絵を見てもどちらかと言えば天国の景色のように思えていた私はその言葉にぎょっとした。

「私もなんとなくだけど小さい頃からそう思ってたからびっくりした。あとはこの子が間違って向こう側にいかないようにしなくちゃね」
ダンボール箱を除いて遊ぶ姪っ子を苦笑いで見つめながら姉は言った。
[ 2017/05/05 ] ◆KuGsgSgw

[ 134247 ] NO TITLE

>>134209
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/05/06 ] ◆Ahsw8Nok

[ 134342 ] カラスの墓場

友人の話。

小学生の頃、近所にはカラスの墓場と呼ばれている空き地があった。
空き地と言ってもドラ〇もんに出てくるような整備されたものではなくて、奥が林になっていて雑草が鬱蒼と茂っているだけの一角。
そこにはよくカラスの死体が捨てられており、母親は
「車に撥ねられたカラスを誰かがそこに片付けているんだろう」
と言っていたが、その近辺は広い道路があるわけでもなく車通りも少なかった。
母親の言うように考えるには不自然だったかもしれないと大人になってから思う。

当然のように誰も好き好んでカラスの死体を見たくはないらしく大人も子供もあまりその近辺には近づかなかったが、友人Aがそれを利用して秘密基地を作ろうと言い出した。
それにいつも死体が捨ててあるわけじゃないし、捨てられている時も草むらに隠れてほぼ見えないのだ。
空き地の端の細道を抜ければ奥の林に続いている上に、その向こうには小川も流れている。
カラスの墓場を通らなければならないという一点だけ除けば格好のスポットではあった。
最初は渋ったもののAの説得で自分ともう1人の友人Bは細々と資材を運び入れ、林の開けた一部に基地を作り始めた。

連日の作業で子供ながらになかなかの環境が出来始めた頃、いつも通りに空き地の前で集合するとAが困ったような顔をしている。
話を聞けば空き地に何かが捨ててある、と言う。
元より覚悟はしていたがやはり実際にその側を通ると分かれば気は落ちる。
一気に走り抜けて林まで行こうと、何故か呼吸を止めて突入すると確かにそこにそれはあった。
草むらの緑の合間から黒ずんだ赤が覗く。
腹が食い破られたような猫の死体だった。
全員がそれを見ないように横目で走り出そうとしたところ、Bがうわっと声を上げてUターンする。
空き地から飛び出した友人は真っ白な顔で声を震わせて言った。
「ウチの猫だ」と。
半分野良で放し飼いにはしていたらしく2日程家に帰っていなかったらしい。
首輪と模様でわかったという。
Bと自分がかなり怯えていた為、興を削がれた形で解散となりそれからは秘密基地作りも終わったかのように見えた。

以降は何年も経って、カラスの墓場が更地になりマンションが建った頃…秘密基地作りのメンバーが高校生になってからやっとAから聞いた話だ。
自分とBが参加しなくなってからも一人で基地を作っていたAは、当時中学生だった兄にこっぴどく叱られたらしい。
なんでもAの兄が通っている中学校では、カラスの墓場で夜な夜な変質者が“何か”を捕まえて食っているという噂が流れていた。
実際に目撃しだという人も多く、最初はくだらないと思っていたAも兄の様子から相当ビビったという。
秘密基地には当時の流行りのカードを置いていた為、それだけでも取りに行きたいと兄に同行を懇願しA兄弟は昼間のうちに基地へ向かった。
カラスの墓場を抜けると夏場の蒸し暑さの中で異常に血なまぐさい腐敗臭が辺りに立ち込め始める。
基地の周囲にはカラスの死体が十数羽分、木の枝に刺さってぶら下がっていたそうだ。
取るものも取らず逃げ帰ってからは何があってもあの場所には近づかなかったとAは語った。



この話の後で友人(上記語り手)が、今までこの話すっかり忘れてたんだけど最近ネット見てて急に思い出したんだ、と言った。
そしてオカルト好きなお前ならわかると思う、と一息置いて「ヒサルキ」と呟いた。
本人が希望していたので書き起こしてみたけど、もう随分初出から経ってるし関係なさそうだったらスルーしてくれ。
[ 2017/05/07 ] ◆KuGsgSgw

[ 134455 ] みなまで言うな

一人暮らしのアパートで、その日は仕事も休みで一日暇を持て余していた。
洗濯も終え、部屋も掃除し、さああとは昼食の洗い物をすまそうと思い台所に立った時、
充電したまま床に放り出していたiphoneが突然、なにか耳慣れない音を発した。
電話やメールとも違う、通知音にしては不明瞭。単純に、欠かせない日用品が異音を発したというだけで小さな緊張があった。もしかして故障でもしたか。既に洗剤がついてしまった手では触りたくないから後にしようと思っても、気になってその音が頭の中で何度も繰り返される。なにか、喋ってなかったか。
緊張は少しずつ、這い上がるような恐怖に変わる。真昼間の明るさも、たった一人の空間では心強くともなんともなかった。我慢できずに手を拭いて、iphoneのホームを立ち上げた。
siriが起動していた。音声起動なんて当然してない。僕は何もしゃべってない。
だが僕以外の誰かの声に、siriはしっかりと応答していた。



「おっぱい」
「すみません、よくわかりません」


とても腹が立ったので、
「僕はよく知ってる。あと、お前に聞くまでもない」
とだけ言っておいた。

[ 2017/05/08 ] ◆2vC8meKE

[ 134509 ] お辞儀

近所を散歩してたら、通りかかったある家から子どもが出てきた。
5歳くらいかな、普通の男の子。
よく見たら玄関前に停めてる車にはエンジンがかかってて、親らしき人が乗ってスタンバイしてた。
出かけるところだったみたい。
で、その子はなぜか車に向かってペコっとお辞儀してから、助手席に乗り込んだ。
なんだ?運転手への感謝?と首を傾げてみてたら、運転席に乗ってた親?が俺に気付いて「やべっ」みたいな顔をした。そんで、コラッとかなんとか言って子どもを叱ったみたいだった。
子どもはイタズラが成功したような顔をしてた。

車は俺の目の前でさっさと出発してしまい、「?」状態で取り残された俺は何気なく今の親子の家に目をやった。
その家は玄関前の狭いスペースに車を停めてたんだが、簡易車庫?っていうのかな。壁がなくて、屋根と支柱だけのやつ。あれを取り付けてた。
さっきの不思議なやり取りもこの屋根の下で行われてたんだけど、この屋根、ほとんど木に覆われて見えないんだ。支柱のそばに生えてる木が屋根に乗っかるように枝を伸ばしてて、もはや天然の車庫みたいになってる。
ジ〇リみたいだな、と連想力の低い頭で思いながら思わず近づく俺。そして、不可解なことに気付いた。

その簡易車庫は支柱が4本あったんだが、なぜか2本は金属製、もう2本は木製だったんだ。
木製の方は古びてて表面も剥げてるし、もうただの丸太って感じ。
あ、これもしかして雪対策かな、と。
この辺は豪雪地帯だから、屋根が雪の重みで潰れないように、後付けで添え木したんかなと思った。器用だな、と思って上を見上げてギョッとした。
そばに生えてる木で隠れてて気付かなかったけど、その2本の丸太、鳥居だったんだ。
[ 2017/05/09 ] ◆WFXEHOIc

[ 134601 ] ドアチェーン

一人暮らしの怖い話なのですが…。
私が高校生の時。マンションの1階が大家さんのお店2階が美容室で6階建てマンションの4階に母と住んでた。私が高校生になる頃母は夜勤の仕事に行くことになり私は夜一人で留守番をすることになりました。
やはり女子高生がほぼ毎日夜一人だと心配だし物騒な地域だったので不安だったみたいです。
そのため、夜家に友達を呼んだりしてもいいけど必ず鍵とドアチェーンはしっかりしなさい。4階だけど戸締りはしっかりしなさい。
夜誰かが訪ねてきても名乗らなかったりあまり遅い時間に来たときは居留守を使って出ないこと。と小学生に言い聞かせるように念を押されました。
ある時私もバイトがあり帰りがいつもより遅くなった日がありました。我が家は少し細かいルール?がありトイレの蓋は閉じる。玄関からキッチンやリビングに続く扉は閉める。和室へのふすまは開けておくなど…。
今までどちらかがそのルールを破ることなんてなかったし、もしあったら喧嘩になるので(笑)一応仲良し親子でしたけどね。家に帰った時、玄関から続く扉が開いていてトイレの電気はつけっぱなしで便座も上がってました。
うちには男家族もいなく母に恋人もいなく…。少し不審には思いましたがその日は疲れていたのでそのまま休んでしましました。
後日、私の中学からの先輩(U先輩)が日付が変わる頃に「仕事が終わったからM(私)の家遊びに行くわ」と連絡が来ました。その時先輩と二人でハマっていたゲームがありその為に来るんだろうと思い待ってました。
1時間程して先輩が来て3時ごろまで夢中でゲームしてるといきなり玄関の鍵が開く音がしました。
お互い謎に思っていると玄関から土足で男(W)が入ってきました。Wは別の先輩(K)の連れでたまに私の家に来ることはありましたが5分もいることはなく、居ても玄関ドアから入ってくることはありませんでした。
そもそも私はWとは挨拶程度しかせず他は全く会話もしません。
U 先輩がW を私が呼んだのかと最初思ってたようなのですがそもそもこの二人仲良かったのか?なんでこいつ(私)はこんな「いや、なんでいるの?」的な顔してんの??など思ってたようです。
私も軽いパニックで言葉も出ず。そうしているとW が口を開きました。
W 「え…。あの…、なんでいるの…?」
私「は????こっちのセリフね。どうやって入ってきたの。なんで?つかお前誰だよ」
U先輩「え、お前知らないわけないよ。こいつKの連れ。たまに挨拶してたじゃん。てか何?どういうこと?お前がW に家の鍵渡してたんじゃないの?」
私は一瞬で頭が真っ白になりました。合鍵なんてこんな奴に渡さないししかも母と暮らしてるんだから渡すことなんてありえないし。
U先輩が事の重大さにやっと気が付いてくれて私とW の間に立ってW を私に近づけないようにしてくれて同時に地元で絶対信頼できるけど怒らせると死ぬほど怖い先輩(R先輩)に電話してくれてたようです。
10分後R先輩とK先輩が一緒に来ました。たまたま二人で会ってたらしく…。改めて事情をWに聞くとR先輩が来て怖がったのかさっきまで案外強気だったのに弱弱しい声ですべてを話し始めました。
K 先輩と我が家に来た時私に一目惚れしたようなのですが自分から話しかけたりできず、玄関に置いてあった鍵を勝手に持ち出し合鍵を作ってこっそり家に入っていたそうです。
そして夜中に来て私の寝顔を見て帰る…。そんなことをしていたようです。
確かに寝ていて誰かの気配がする気はしてましたがもともと我が家には霊道が通っており気配を感じることがあったのでそれかな?と思い気にせず寝てましたがまさか生きてる人間とは…(笑)
その後先輩たちが色々対応してくれてそのWは今どこでどうしているのか知りません。あの日から彼を見ることはなくなりました。
母はあれだけ言ったのにドアチェーンしなかったお前も悪いと怒られました(この時ばっかりはなんでやねんとは思いましたw)
今は社会人として地元を離れて一人暮らししてますが必ずドアチェーンはしますし引っ越し先の新居にチェーンがないときは自腹でも取り付けてます。
今まで何度が霊体験したことありますが霊よりも何気に人間のほうが何をするかわからないので怖いですねwww
[ 2017/05/10 ] ◆Ay1SK4m.

[ 134612 ] 川から子供の泣き声が聞こえる

もう、15年以上も前の話。
当時、俺は札幌で暮らしていた。ある日の夜、親父を迎えに行くため、お袋を連れて車で街まで出向いた。
親父が職場での飲み会を終えて、俺たちと合流して車で当時の家に向かう帰り道の途中、豊平川沿いの一方通行の道路を通っていたときのことだった。
赤信号で止まっていたとき、豊平川の方から子供の泣き声が聞こえてきた。夏場で窓を開けていたので、外の音が車に乗っていても、割と聞こえたわけだ。
それにしても…こんなにもハッキリしかも河川の方からの音が聞こえるものだろうか…
次の瞬間、あることを思い出した。そういえば、昭和末期か平成初期頃に出版された「北海道こわいこわい物語」(だと思った)という書籍に、何年か前、豊平川で不幸にも水死した子供の泣き声が聞こえる、という話が掲載されていたことを……
『この場所はっ‼……』
運転席で身を固くした俺に、どうした?と親父&お袋が俺に声をかけた。俺はすかさず、何でもないよ…と答えて、冷静を装い車の窓を全部閉めた。信号が青になった途端、俺は逃げるようにその場から離れた。
その後、特に何もなかった。それにしても…
亡くなった子供のご家族や関係者の方々が、本当に気の毒でならない。もし、転生というものがあるなら、子供とそのご家族などが、もう一度全く同じ家族となり、子供はもちろん今度こそ全員が末永く一緒に暮らし、皆が幸せな人生を送ってほしい。
[ 2017/05/10 ] ◆-

[ 134691 ] 『霊への想い』

長文・乱文、大変申し訳ない。俺の知り合いの話。
今から10年半近く前の夕暮れどきに、彼は山間の住宅地にある自宅を出て、近くの道道を散歩していた。
幸いにも、付近は歩道が整備されているので、歩くにはそれほど危険ではなかった。
しばらく歩いて、見通しの悪いカーブに差し掛かったときのこと。彼は何気なく大きな樹木に目を向けた。すると、ほんの一瞬、それが人影に見えた。しかも、その人影は完全に彼の方を見ていたらしい。
驚いた彼が、一度は目を背けていた樹木に再び目を向けると、もう人影は消えていたそうだ。
「不思議なことがあるものだ…」
彼はそう思い、踵を返し自宅に戻っていった。
その後、彼が見た樹木の所で、過去に死亡交通事故が発生していたことを知った。だが彼は、
「別に無礼なことをした訳じゃないから…」
と思い、いつしかその日のことを忘れていった。
それから2年半ほどが過ぎた頃、彼は夜中に目が覚めて水を飲みに食卓へ向かった。すると…
性別や顔立ちハッキリ分からないものの、明らかに人影と分かる何かが、食卓から彼を見ていたらしい。
「…………‼‼‼‼」
さすがの彼も驚いたが、極めて冷静に努めながら、足早に食卓を立ち去り、寝床へ戻ったそうだ。
「どこのどなたかは知らないけど、俺は決してあんたのことをバカにしない!」
彼は、そう念じながら、人影の方には一切目を向けず蒲団に入った。次第に彼は日々の仕事疲れも手伝い、ぐっすりと朝まで眠った。
さらに、その夜のことを忘れかけた数ヶ月後の夜、彼が仕事から帰宅して部屋に入ると…
ボンヤリと緑色がかったその人影が、彼のベッドに座って彼を見ていたらしい。
「…………‼‼‼‼」
彼は驚き、咄嗟に部屋から逃げようとした。だが、その時彼は家に一人しかいなかった。
意を決した彼は、もう消えかけていた緑の人影を覗きこむように見て、パソコンの電源を立ち上げ、OSが一通り起動したら、彼はワードを開いた。
「…あなたは、不幸にも早いうちに、この世を去ってしまったのですね…あなたにとってかけがえのない人たちとの別れは、相当悲しかったでしょうね。向こうさんも、あなたを失ってしまったことで、深い悲しみを背負っていることと思います。俺なんかでは、とてもあなたを助けることなどできません。でも…」
「遠い遠い将来、いつの日かあなた方が、長い長い年月を経てようやく再会を果たせたとき、今度こそもう二度と離れ離れにならず、いつまでも一緒に過ごせるよう、本当に心から祈ることなら俺でもできます‼‼」
「だから、こんな所に留まらず、あなたはどうか遺された大切な人たちを守り続けてあげて下さい‼‼」
といった内容の思いを彼はワープロで、不器用ながらその人影に向けて精一杯伝えたそうだ。
"ありがとう……"
美しい女性の声が聞こえた気がした。振り向くとそこにはもう、彼女の霊はいなかった。おそらく、その人影が彼にお礼を告げてくれたのだろう……
彼の目からは、涙が溢れていたそうだ。女性の霊や彼女の遺された人たちのことを思うと……
[ 2017/05/11 ] ◆-

[ 134727 ] 『用足しは極力トイレで済ませよう』

下品な長文・乱文失礼。俺の知り合いの話。
1987年晩春~初夏の頃、奴はとある漁港を訪問した。
車から降りて、158m位の短い国道のトンネル(今は廃止)を歩くうちに、小用を足したくなった。
トンネルの反対側に出ると、さらに旧道のトンネルがあった。奴は、出来るだけ人目につかないよう、そのトンネルまでは行かなくとも、人目につかなさそうな岩盤の所で立ち小用をした。その直後、
"・・・・・・・・・‼‼"
何を言われたか全く聞き取れなかったが、何か文句を言われているような感じがした。
ヤバイ!見られたか?と思い、周囲を見回したが、誰もいなかった。そして、奴は車に向かった。
先ほど通ってきたトンネルの歩道は、極めて狭かったので、奴は違うルートを進んだ。
旧道のトンネルを通ろうとしたが、コンクリートパネルで塞がれていたため、断念して海側の岩場を伝っていった。旧道のトンネルの反対側、すなわち車がある側の方に抜けた岩場を伝っていたとき、
"・・・・‼‼"
地の底から怒りのような声がした。また、何を言われたか分からなかった。そして誰もいなかった。奴は不思議に思いながら、ようやく岩場を伝いきると、
"・・・・・・‼‼"
あの声がした。最後まで何を言われたか分からなかったが、怒りに満ちた声であることは分かった。
奴が車に戻り、身を固くしていると、知り合いの知り合いが釣りから戻ってきた。
漁港を後にして、釣りから戻ってきた人が運転していると、何かが道路の前に立ち塞がったらしい。
その人はすかさずハンドルを左に切った。助手席にいた奴の側にはすぐ海が迫っていたが、さらにその人のハンドルテクニックで事なきを得たようだ。
数週間後、彼らはまたその漁港を訪れていた。小用を足した奴は、再び例の場所に行ってみた。
そのときはもう、奴は用を足さず(トイレを事前に商業施設で済ませていた)、黙って立ち竦んでいた。
"もうするなよ‼‼"
あの声がした。許してくれたのだろうか。分からないけど、以後奴はもう二度と立ち小用をしなくなった。
十数年後、奴はある過去を知ることとなった。奴が立ち小用をした場所こそ該当しなかったものの、その場所から1Kmほど西側の岬では、過去に岩場を伝って歩いていた人たちが高波にのまれて亡くなり、一方奴が立ち小用をした場所から3Kmほど東側の素堀の70m位のトンネルでは、過去にそのトンネル拡張作業に従事していた人たちが、岩盤崩落により亡くなっていた。
奴は、亡くなられた方々に対して、心の底から深くお詫びを申し上げ、無闇矢鱈に立ち小用をした当時の自分に、相当呆れ果てて猛省したそうだ……
奴は、全くもって救いようのない下衆野郎だと思う。
[ 2017/05/12 ] ◆-

[ 134782 ] NO TITLE

俺んちの玄関の戸は怪談でおなじみ、すりガラスだ。影が映ってたのに開けると誰もいなくて…ってやつ。
でも、俺の体験した出来事では少し違って、開けたらちゃんと人がいた。宅急便の人だった。
ただ、映ってた影は子どもの影だったんだ。
今でも不思議でちょっと怖い話。
[ 2017/05/13 ] ◆-

[ 135032 ] 観葉植物

友人Sが、家の観葉植物が人を叩く、と言い出した。
何言ってるんだコイツと思ったがよくよく話を聞くと、リビングの天井から吊るしてあるパキラが家族の誰かが近くを通る度にブンブンと蔦を振るらしい。
Sは呑気に、
「成長中の植物は動くから普通なんじゃないの?昔から家に吊るしてある植物は人の事べしべし叩くよ」
なんて言っていたが意味がわからない。
どうせ空調の風が上手く当たってそうなるんだろうと思ったが動画で撮影してその日のうちに送ってくれるという話になった。

Sから送られてきた動画はSが撮影したらしく、全く微動だにしていないパキラの側にS弟が立つとブンブンと蔦を振ってS弟を叩いている。
S姉弟は動画の中でゲラゲラと笑っていたのでピアノ線か何かで吊ってるのかとも思ったが、わざわざそんな事をするか?という疑問が湧く。
とりあえず専門家に話を聞こうと花屋に勤めている友人Yに転送してみたところ、Yはこれをおかしいとしながら興味があるから見に行きたいと言い出した。

後日私とY、そしてSとも親交があるもう1人の友人Mと3人でS宅を訪れた。
リビングの例のパキラが視界に入った途端、Mが「ひっ」と短い悲鳴を上げる。
振り返るとリビングの入口で固まったまま動かない。
Yはずかずかとパキラに近づき動画で見たとおりブンブンベチベチとやられながらあぁでもないこうでもないと葉や蔦の様子を見ている。
Mの顔色がどんどん悪くなる様子に一旦Sの部屋に移動すると、Mは
「緑色の顔をした小人みたいなのが2匹鉢に乗ってた。気持ち悪い笑い声を出しながら蔦を振り回してる」
と言う。
今までMがそう言った類のものを見るという話は聞いた事が無かったが、何となく嘘を言っているようには見えなかった。
さすがにSもその話が不気味だったのか翌日パキラは捨てたらしい。

それにしても昔から観葉植物はそうやって動く、と信じている程に前からそうだったとしたら、その緑の小人のようなものはSの幼少期からS宅を住処にしているのではないのか。
観葉植物が無くなった事で小人は今S宅のどこに潜んでいるのか。
どうも気味が悪くなってS宅にはもう入れなさそうだ。
[ 2017/05/17 ] ◆KuGsgSgw

[ 135062 ] 金縛りのお話

先週金縛りになったのだが、後日金縛りについて調べたところ科学的に説明できる金縛りだったので先に言う
「全然怖くない!!本人だけが怖かった!!」
という話。

まず金縛りが起こりやすい行動として、寝る前に暗い部屋でスマホなどの明るい画面を見て寝ると起こりやすいと書いてあったが、自分も暗い部屋でゲームをして眠りについた。

また金縛りは夢を見た、夢を見ている時になるようで、自分は夢を見て「あれ?これ夢じゃないか?」と思っていたら金縛りが発生…今のところ説明そのまんまであった。

そして大きな耳鳴り、色んな所から「ピシッ、パシッ」と聞こえてくる…
説明ではこの時目を開けると金縛りによる不安により夢か幻による霊が見えるようだが
自分は怖いので目を開けることができませんでした!!
そして声を出そうとしても出ない…夢の中で意識だけがそうしているようだった。

そしてやはり動かさなければならないのは四肢!!説明では本気で動かそうとすれば金縛りが解けると書いてあったが…
全然動かない!!本気も何も動かない(笑)

時間の経過と共に耳鳴りの音も小さくなり、金縛りが緩くなるような感じがあったので手を動かしてみると少し動く。これで一発大きな拍手を打てば金縛りが一気に吹っ飛ぶんじゃないかと頑張るも音が鳴らない…
悪戦苦闘をしていたら足が壁に当たる音が聞こえその瞬間金縛りが一気に解けた。そして自分の手が意識の中で動かしていただけであって実際は何も動いていなかった。
夢というか金縛りの状態は凄いと思ったよ…
そして金縛りの耳鳴りもしくは夢の中では聴こえなかった外のどしゃ降りの雨の音。
ゲームを閉じたのが2:50分、金縛りが解けたのは3:14分…20分という中で凄く長く感じた戦いだった…
[ 2017/05/17 ] ◆jPQ0updc

[ 135073 ]

※135032
パキラじゃねぇわポトスだ。
なんで間違えたんだろう恥ずかしい…。
[ 2017/05/17 ] ◆KuGsgSgw

[ 136423 ] NO TITLE

tesuto
[ 2017/06/04 ] ◆-

[ 136706 ] 厄介な案件

今まで微妙な話や体験を書いてきたが、今回身近に恐ろしい出来事が現在も進行している状態なので記すことにした。

身元や現状があからさまになると厄介なので多少フェイクをいれていきます。
あと実際にモノを見たりしていなければ害は無いと思いますが、もしそう言った報告があれば管理人さんお願いします。

始まりは50年くらい前に遡り、父が小学生の時だ。父の母(自分の祖母)に色々教えてくれていた先生(かなり徳が高く本物だそうだ)が町内のとある施設に参った時に
「この施設にはあってはならんものが2つある。早くどうにかしろ」
その施設に入る前にそう言ったそうだ。

時間は進みここ数年町内のとある役員になると当人に不幸が多発し、誰もがやらたがらなくなっていた。父は原因が先生の言っていた2つの曰く付きと考え、町内で動いた。「祖母ができなかったことで自分に縁が回ってきたんだろ。後世に回すわけにもいかん。自分がやらねばならん。」と言っている。
そして一昨年その一つを何とか撤去し、残りは一つとなった。
その残り一つで厄介なことが起きているのが今の話である。

今年その残り一つを厳重に処置をして、倉庫に片付けることができた。あとは燃やすだけなのだが、ここから不思議な事が起こりだす。
まず市に誰かは知らないが、その曰く付きのモノの写真を送り広報にだすべきだと投稿があった。もし話が進んで歴史的なモノと見られたら撤去に反対案がでる可能性があることだった。
これについて父は「執念の為せる業で、撤去されないように手を回してきたんだろう。」と言っている。
そして写真で思い出し、とある役員に
「おまえ、そういえばこの写真撮ってただろ?あれどうなった?」と確認したところ、本人は撮った記憶が無かったが家を探してみるとネガ(データ)があった。

そして金曜日の夜、父から話しかけられだ。
父「写真…色々写ってるらしいぞ。」
自分「マジでwうわー見てみたいが見たらアウトだろうな~」
父「生半可で見るものではないな」
自分「で写真は?」
父「処分しろとは言った。」
自分「曰く付きのモノも実際に見たことないし自分とは縁がないんだな~」
父「あんなモノはこの世から抹消しなきゃならんモノだ。で何が写ったと思う?」
自分「色々って言うなら顔とか、手とか目とか影じゃないんかね?」
父「なんにせよ、この世にはとんでもない本物があるもんだ。作者も誰がいつ何故飾ったかもわからん…作者も所持者ももう家は断絶してるだろう。持っても一週間で我慢できなくなるモノだ」

ところが次の日の早朝、写真(プリントアウト)を持ってきた。処分する方法もわからないくらい迷ったらしい。
そして自分もその写真を拝見した。
(ここからその時思ったことをそのまま書きます。)
なんじゃこりゃ?見にくい画像やな~外の風景てか木々が見えるがガラスに反射した外が見えるのか?
とマジマジ見ていると…
父「(自分)にはまだ見えんか?」
自分「いや、これって後ろの風景ってこんなの?」
父「馬鹿か。施設内に外が写る訳ないだろ」

自分「ワハッwこれすげぇ、あ見える見える(笑)しかもここに女性が恨めしそうにガン見してやがる。これはヤバイなw」

ここで写真の説明をすると

「古い木造建築の室内から外に向けて写真を撮った風景で外に木々が茂っており建物に近い位地に(むしろ密接して覗いている)顔はボケて見えないが人がいる」

上の風景が元々の曰く付きのモノを写した写真を隠すように写っていた。
これ合成か?合成じゃないなら心霊写真とかのレベルじゃないよ(笑)念写だよ念写!!しかも女性が恨めしそうにと言ったが顔も見えないしイメージで出てきたもんだわ!!今まで生きてきてテレビや雑誌で心霊写真とか見てきたがお子様レベルに見える!!あとこの写真で外の人物が室内に入ってきたり、近付いてきたら死ぬか発狂もんだわ!!これは呪物じゃないぞ厄災だよチクショー!!

と怖さを通りこして笑いながらそう思ったものだった。

そして父が写真を預かり丁寧に処置をして燃やしました。

世の中にはやはり人の手には負えない代物があり、それが身近にあるとは思わなかった。今は早くその厄災の存在が無事何事も起こらず無くなることを祈っている。
[ 2017/06/07 ] ◆jPQ0updc

[ 136742 ] NO TITLE

とある漫画家が肩が上がらなくなる症状に悩まされていた。
日に日に症状は重くなり、とうとう漫画が書けなくなってしまった。
医者に診てもらっても「異常なし」と診断され、原因もわからなかった。
漫画家は悩み抜いた末に、藁にも縋る思いでとある霊能者を訪ねた。
霊能者は「あなたには日本兵の霊が憑りついている」と言い、お祓いをした。
すると、症状はきれいさっぱりと無くなった。これは実話である。

人気お笑い芸人のKさんは、地方営業やテレビ出演の際に、上の話を自身のネタとして面白おかしくふざけた調子で語っていた。
そのことを耳にした件の霊能者は激怒し、Kさんを呼び出した。
そしてKさんにこう言った。
「今後、その話をおちゃらけた調子でするのであれば、あなたにハムスターの霊を憑りつかせる」と。
ハムスターの霊に憑りつかれた者は頭の回転が遅くなるという。常に話に機転を利かせなければならないお笑い芸人にとっては、これは致命的である。
しかし、Kさんは霊能者からの牽制があったにもかかわらず、さんまが司会の番組でふざけた調子でこの話をした。
現在、Kさんにはハムスターの霊が憑りついているのは間違いない。
最近は以前に比べてKさんのテレビ出演は減ったものの、地方の営業先では大人気とのことである。
特に子供たちからの人気は絶大で常に地方巡業でスケジュールは埋まっているとのことである。ギャラも相当な額を稼いでいるという。
また、2016年の春ごろに7歳年下の一般人女性との婚約を発表し、私生活も非常に充実しているとのこと。
Kさんは早稲田卒の秀才であることからも相当に頭のきれる人物であると推察できる。
ハムスターの霊が憑りついたところでそんなの関係ないのかもしれない。
[ 2017/06/07 ] ◆-

[ 136747 ] NO TITLE

>>136706
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/06/08 ] ◆Ahsw8Nok

[ 137337 ] 呪い発動?

数年前、会社で配置換えがあって今の部署に来たんだが、そのころから、元々なんとなく馬が合わないなと思っていた別部署の先輩Aさんからきつくあたられるようになった。

私がミスをしたときは、些細なことでも大声でなじられた。
はじめは慣れない業務のせいもあり、自分の失敗を指摘されるのは仕方ないとあきらめていたら、今度は私の上司の失敗まで「あなたのフォローが足りないせいだ」と言われるようになった。
さすがに腹がたって言い返したりするようになったら、ますますあたりがきつくなった。
周りに相談しても、すっきり解決とはならなかった。

そんな状況だったので、「Aさんが不幸になればいい」と思う事が度々あった。
そしたら、Aさんの身に起きた不幸な話が度々聞こえてくるようになった。

財布を無くしたとか、事故渋滞にまきこまれたとか、送ったはずのメールが未送信で恥かいたとか。

何かのおまじないとか儀式とかしたわけじゃないけど、これも呪いなのかな?
もしかしたら、生霊とか飛んでるのかも?
[ 2017/06/13 ] ◆-

[ 137708 ] 『見えない何かに引っぱられた』

1995年3月のある日、俺は当時の職場の仕事で、札幌から苫小牧経由で豊浦へ出張した。室蘭で一仕事終えた後、豊浦へ向かうときに事件は起こった。
国道37号のクリヤトンネルに差し掛かったとき、トンネルの左側の壁に向かって、急にハンドルが引っ張られた。道路に轍があるわけでもなく、他にも特に目立ってハンドルを取られる要素は全く無かった。なぜ?
とにかく俺は、トンネルに衝突しないよう、車線からはみ出さないよう、力の限りハンドルを操作した。
ふと、あることを思い出した。真相は分からないが、1991年頃?に北海道で放送されていたパック2という番組の心霊特集で、昔クリヤトンネルの室蘭側坑口付近で、行き倒れか何かで亡くなった母娘がいて、その霊が目撃された、という話を…まさか⁉
俺が引っ張られたのは、まさにその場所だった。だが彼女たちの姿はどこにも見えないし声も聞こえない。
いや、それよりも。事故を起こしてしまうと、会社や周囲に迷惑をかけてしまう…
「お願いだから止めて‼」
俺の思いが通じたのか、かろうじて車線を逸脱せず、何とかトンネルを抜けて事なきを得た。その後、豊浦での仕事を終え、無事に札幌へ戻った。
あのとき俺を引っ張ったのは一体何だったのか。22年以上経った今でも分からない……
[ 2017/06/17 ] ◆-

[ 137759 ] 聖域?

つい先日のこと。
仕事で山歩きをすることがあるんだが、その日も山歩きの仕事をやっていた。
その日歩いた山は、下山ルートの一つに、山の中腹部になぜか祀られているお社があるところ。
お社に近づいたとき、突然、花の匂いではない不思議な匂いがしたんだ。周囲全体にお線香の匂いが漂っているようなイメージ。
一緒にいた人たちに聞いても「そんな匂いはしない」と言われた。
でもかすかにだけど、どこからかお線香のような匂いはしてくる。
そのお社から離れたら、その不思議な匂いは途端にしなくなった。
あの匂いは、もしかしたらお社の聖域の匂いだったんだろうか…。
[ 2017/06/18 ] ◆-

[ 138001 ] 『奇っ怪な交通事故』

いかんせん昔のことで、俺には直接関係していないことですので、所々間違っているかもしれませんが、俺の記憶の限りを辿って話してみます。
1990年秋頃から1991年3月頃にかけて、それぞれ時期を異にしてそれぞれ別々の車が、全く同じ場所に突っ込むという奇っ怪な交通事故が発生していました。その場所には家屋があり、そこに突っ込んだそうです。
この間の6件の交通事故は、いずれも自分の意思に反して何かに引っ張られる形で発生していたそうです。なお何れの事故も、死亡事故には至りませんでした。
ただ、あまりにも偶然が重なりすぎるということで、ついには当時昼2時頃から50分程度放送されていた番組の心霊特集のときに取り上げられました。
心霊の専門家?の方の話によると、土地的な因縁のほかにも、これらの事故が発生するよりもさらに12年位前、猛スピードで走行してきた車に横断者が轢かれて即死するという痛ましい事故があったとのことです。
話を戻しますが、その6件の事故があった現場で、お祓いか供養かを行い、事故は鎮火したそうです。
余談ですが、その現場は今、空き地になっているそうです。その理由は俺には分かりません…
今回書き込みをさせていただきましたこと、関係者の方々には深くお詫び申し上げます。
[ 2017/06/22 ] ◆-

[ 138355 ] 『無数の白い手』

今から40年くらい前の出来事です。この話は、俺が直接経験したわけではなく、とある地方の心霊話を集めた、とある書籍の一部から要約したものです。

大学生くらいの男性3人が、ある海岸を訪れました。彼らは日中、自分達が海に飛び込む姿をそれぞれ写真撮影したり、夜はキャンプをして楽しんだそうです。

次の日、朝早くに1人が起きて、テントを抜け出し早朝の海水浴を楽しんでいたそうです。
やがて、陽が高く昇り、他の2人も起床しました。早朝泳ぎに出た仲間が、まだ戻っていません。

その後、彼らが朝食の準備を終えても、彼はまだ戻って来ませんでした。彼らは警察などに連絡し、行方不明になった彼の捜索を依頼したそうです。
数時間後、警察・消防の懸命の捜索や、彼らの願いもむなしく、行方不明の彼は遺体で発見されました…

悲しみに暮れた彼らが、先日写した写真を見て驚愕したそうです。亡くなった彼が海に飛び込む写真に、撮影したときその場に無かったはずの無数の白い手が、彼を海中へ引きずろうと待ち構えていたのです……
[ 2017/06/26 ] ◆-

[ 138535 ] NO TITLE

転勤で地方に行くことに。
1年だけと決まってたからアパートは適当に決めた。
引越しが終わり、さすがに疲れたとベッドに横になっている内に寝ていた。

"ポン"という音で目が覚め、顔の横にあったスマホを手に取るとsiriが起動していた。
「hey siri」機能で誤作動することがあると聞いたことがあったからそれかなと思って画面を見ていると、また"ポン"と音が鳴り、siriの無機質な声で


「"ネシネシネシネシネ"が理解できません」


ぞっとし、ビビリな俺はすぐにまた引っ越した。
ちなみに引っ越すまでの一週間で同じことが一回、
「すみません。聞き取れませんでした」が一回あった。
[ 2017/06/28 ] ◆QCV1PaOI

[ 138748 ] 光る空

2003年の9月半ばくらい、月曜日だった。

当時はサービス業で、ひと月に何日か休みを決めて、自分の働く日をおおかた決める事ができた。

そんな時、月曜の夜に仕事が終わり、次の日が休みという事もあり、家に帰って酒を飲んでだらだらしていた。と、飲み物が無くなり、ちょっとコンビニで買って来ようということになり、夜中1時30分くらいに夜の町をてくてくと、200メートルは離れたところにあるコンビニまで歩いていた。

一軒家が立ち並ぶ道を、真っ暗な中歩いていると、すぐ傍にある国道から車の走る音が聞こえて来る。

テレビでは次の日が雨になると言われている事もあって、空にはうす雲が垂れ込めていた。形の名前は分からないが、結びこんにゃくみたいなの。それが空一面に並べられていた。

(ああ、まだ働いている人がいるんだろうな・・・)

なんて思いながら顔をふと、前へ向けた途端だった。

一瞬だった!

空一面が白く光ったのである。

見える限りの、空一面が、一瞬ではあるが、、真っ白に光ったのだ。

空一面にうす雲があり、その日は雨だと聞いていたこともあり、

(カミナリか!?)

と、すぐさま両手で耳を塞いだ。

あの光ようはただ事ではない。とてつもない音が世界をつんざくであろうと思い、その姿勢のままじっと立っていたのですが、変化がない。音が聞こえて来ない。

(あれっ? おかしいな?)

と思いはしたものの、なにもないので10秒ほどして耳から手を離し、なにも起こらない事を確認し、そっと足を前に出してはそのまま店へ歩いていった。

買い物が終わり、家へ帰る途中もなにもなく、あれはいったいなんだったのだろうと、家に帰りました。

次の日、まだ明るい夕方でした。

前日に、テレビで言っていたとおり雨が降り出しました。自転車に乗っていたのですが、慌てて家へと走らせました。

そんな時、カミナリが鳴ったのです。

空が一部、光で明るくなり、余韻を残すように、ゴロゴロと音をたてては消えていく。そう、これがカミナリだった。

昨日(実際にはその日)見たのは一瞬だけ、その時気づいたのが、あれだけの光を見ると、目が光にやられて、眩んでもよかったのだ。けれどもそんなことはなかった。まるで白い「面」を空一面に敷いたような、被せて取り除いたような・・・。

天気予報でも、ニュース番組でも何も言わない。

ああいった記録というのは衛星からでも見る事ができないものなんだろうか。



これ以降ではあるが、同じような光景を見たのは見たのだ。

これから2年は経った、夏の日だった。

夜、職場から帰る際、空から音が聞こえて来る。

ゴロゴロゴロゴロ・・・・・

カミナリだ。

けれどもおかしかったのは光が空に、丸い形でまるで打ち上げ花火のように、大きく広がると、小さくなってゆく。その中から音は聞こえて来るのだ。

いくつもいくつも光っては消え、光っては消え・・・

規模が、こちらは明らかに小さいものであるが、同じようなものなのだろうか?

こういったカミナリが今は自然に見ることができるが、空一面っていうのはあれが初めてだった。

こちらは当然、音は聞こえはしなかったが。

それにね、おかしなことに気づいたんだ。

空にはうす雲が垂れ込めていたんだ。空一面が光った、ということは、そのうす雲の下に光は、白い「面」は、見えてなくてはいけないことになる。それが光であったなら、まぶしさで雲が見えなくなることもあろうが先の説明でも書いたように、光とは感じられなくてやはり、白い「面」だったとしか・・・。

以降はこういったことには遭っていない。




[ 2017/07/02 ] ◆-

[ 138998 ] NO TITLE

全く怖い話じゃなくて申し訳ないが、土地の因縁みたいな事を考えさせられた一件があったのでここに書いてみようと思う。

私は某ハウスビルダーで働いている。
数年前に会社で仕入れた土地があって、そこに建売住宅を建てたり、家は建てたいが土地を持ってないお客さんに勧めたりしている。
ところがこの土地、なかなか売れない。
坂道とかも無く平たい土地で交通も便利、歩いて10分ぐらいのところに大きなショッピングモールもあって買い物にも困らない立地だというのに、遠方から引っ越してくるお客さんにはそこそこイケるのだが、地元のお客さんには全くウケない。
ウチの会社が買う前は工場があったという事なので、土壌汚染とかを気にしてるのかなと思って、科学的に問題ないという資料(会社が土地を購入する時に一応調べたのがある)を示して話をするけど、地元のお客さんの反応が今一つ。

なんでだろうと思ってたら、70代ぐらいのおじいちゃんがこそっと教えてくれた。
問題の土地は、工場が立つ前はと殺場があって、もっとさかのぼると刑場だったらしい。
刑場の話はそのおじいちゃんが、そのまたおじいちゃんから聞いた話らしいので微妙だが、工場を建てるとき(昭和20~30年代ぐらい?)に地面を掘ったら何の物かわからない骨がザクザク出て来たというのは、地元の人ならみんな知ってる話らしかった。

ど う り で 地 元 の 人 た ち が 買 い た が ら な い 訳 だ よ !

ウチの社長がそれを分かってて買ったのか、それとも騙されたのかは分からない。
今のところその場所に住んでる人たちに奇妙な出来事が降りかかった話は聞かない。
けれど、『そこに住むと何故か不幸になる家』みたいな話を聞くと、もしかして今では理由を知る人もいなくなってしまった土地の因縁みたいなものだけが、まだ残っているのかなと思わずにはいられない。
[ 2017/07/05 ] ◆-

[ 139198 ] NO TITLE

先日から続いてた。

夜中に目が覚めると、胸の上に何かが乗っている夢を見ていた。
にゃーにゃーと鳴く黒い物体が、胸の上に乗って暫く鳴いてから、ひょいっと部屋の箪笥の隙間に逃げていく。
朝起きると、胸元に乗っていた感覚と、存在感から「うち猫飼っていたっけ?」と本気で思うほど現実感があった。
それが数日続いた。

その日はなかなか眠れず、電気をつけたまま本を片手に眠ってしまった。
気づいたら、身体が動かなかった。
にゃーっという声が聞こえ、唯一動く首だけで部屋を見回す。
見える範囲には猫の姿はない。
ああ、これは夢なのか?と思っていた。
だが、首筋まで掛けていた毛布がずるずると足元まで引っ張られ、床に落ちていく。
毛布が身体に引っかかる感覚に、初めてぞっとする。
夢じゃない。自覚したまま、にゃーっという鳴き声に寒気が増す。これは猫じゃない。
とすっと、胸の上に重いものが乗っかった。
にゃーっと言う鳴き声が、頭だけのおっさんの口から出た瞬間、腕が動き、その横顔を殴りつけていた。
どすんと壁にぶつかって、そのまま消えてしまった。

可愛い猫を想像していた気持ちを返せと、本気で思った嫌な体験談だった。
[ 2017/07/09 ] ◆-

[ 139476 ] 本当に神様が教えてくださったの?

私が体験した不思議な話です。

私の実家は小さな居酒屋を営んでいます。
今では年老いた母が一人で細々とやっていますが、昔は繁盛しましたので、私も母を手伝っておりました。

20年以上前の事です。店の常連客であるB君と、姉の友達のAちゃんが結婚しました。
皆祝福しましたが、その幸せは長くは続きませんでした。

ある日、Aちゃんが家出してしまったのです。
Aの父も、Bも、突然の事に混乱して、助けを求めてきました。
好きな人が出来て出て行くんだ、と姉も聞いていたので、知っている事はお教えしました。
そして諸事情もあり、私と母と姉は、彼らに協力する事になったのです。

それからしばらく経った、ある日の事です。
いつも通り満員だったお客様が、まるで干潮のように一気にお帰りになられました。

すると先程帰ったB君が戻って来て、話を聞いて欲しい、と言われました。
彼は苦しんでいましたから、少しでも話し相手になりたかったのですが、何分、山盛りの洗い物が待ってます。
私は仕事をして、母が聞く事になりました。

彼が帰った後に、母が教えてくれたのは
「三日以内に見つかると、神様が言った。」
という不思議な話でした。
その直前にA父が悪質な探偵業者に騙された事もあり、どこで見てもらったのか、また新興宗教にでも騙されてるんじゃないかと、私達は心配しました。
それが何と、本当に三日後にAが見つかったのです。

後日.母はBに言いました。
「凄い神様だね。どこで見てもらったの?」
すると、Bはキョトンとして
「何それ。神様?A父が見てもらったの?僕は初耳だ。」
母はびっくりして「B君が私に話ししたじゃない。」と言いましたが
「えー!僕は言ってないし、見てくれる所も知らないし、そんな所あるなら教えて欲しいくらいだよ。」
という返事が返ってくるばかりでした。
「あなたも聞いたよね。」
といわれましたが、
私は確かに、Bとの話の直後に、母から聞きましたが、Bの口から直接聞いた訳ではありません。

母は今でも、絶対にBの口から聞いたんだよ
と言っています。
ちなみにお二人は離婚されました。
[ 2017/07/12 ] ◆FNvLGSkI

[ 139497 ] NO TITLE

>>139476
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/07/13 ] ◆Ahsw8Nok

[ 141094 ]

目の前にある橋を渡れば向こう側にある向日葵畑に行けそうだが、橋は古くて途中で崩れてしまいそうだ。
橋の側にある看板にには、『南に行くとここより丈夫な橋があります』『北に行くと川幅が狭くなって橋がなくても向こう側へ行けます』と書いてある。
北の方を見ると道らしい道は見えないが、南の方は今まで通ってきた平坦な道が続いている。迷わず南へ進んだ。
暫く行くと確かに頑丈そうな橋が架かっていた。橋を渡って向こう側に着くとたくさんの花が咲いていたが向日葵だけは無かった。
引き返そうとしたがそれはできなかった。
[ 2017/07/30 ] ◆-

[ 141731 ] NO TITLE

「の」の形の謎の物体見たとか、でかい「キ」が空飛んでたとかという話があるじゃないですか
何かの見間違えだろwwwと、今日まで思ってた
今日、中国山地の某国道を走ってたときに、「へ」の字が、ひょこひょこと動きながら、道路を横切っていくのを見てしまった
体長だいたい50センチぐらいで、体高は20センチぐらいだった
絶対にヘビでもテンでもイタチでもない
ましてや巨大な虫でもない
本当に「へ」の字だった
[ 2017/08/06 ] ◆-

[ 142379 ] NO TITLE

神隠しにあう山を読んでて思い出したので。
海外に住んでた時に仲良くなった、タイ人から教えてもらったタイの怖い話。
彼の実家近くには「絶対に一人では入ってはいけない森」があるという。
そこに一人で入ったら、必ず行方不明になってしまうからだそうだ。
でも、何故か二人以上一緒だったら大丈夫だという。
なので、子供の頃は、友達とみんなで探検して遊んだこともあるらしい。
探検した結果、本当になんの変哲も無い、迷うこともなさそうなただの森だったそうだ。
ある日、また友達みんなで探検したときのこと。なんの拍子か、途中で一人だけがはぐれてしまったという。
あわててみんなで固まって探したけど、その子は見つからなかった。
大人も一緒に探していたが、そのうち大人の一人も行方不明になってしまって「犠牲が増える前に辞めよう」と、捜索は打ち切りに。
未だに、その友達も、大人も見つかってないという。
[ 2017/08/15 ] ◆-

[ 143445 ] NO TITLE

先日、背筋が凍るような体験をしました。
本来であれば2chなどのオカルト板に書くべきだと思うのですがどのスレに書いたらいいのか分からなかったので、こちらで報告させて頂きます。もし私の体験談に目を通していただき更にその手のことに詳しいようであれば是非とも助言をお願いします。

数年前、私がまだ高校生だった時に「しげる」と言う友人がいました。しげると言う名前は本名ではなくあだ名で、そのあだ名の由来は「彼の父親の名前がしげるだったから」「髭が生えていたから」と言った理由からだったと思います。クラスのほぼ全員がしげると言うあだ名で彼を呼んでいました。
性格は独特で、クラスでただ一人携帯電話を持っていなかったり、妙に古臭い言い回しを使ったり、目立とうとしている訳ではないのに面白がられる、そんな人でした。ただ根は真面目で、少なくとも誰かを貶めたり不用意に怖がらせるような人間では決してありません。
そんな彼と高校生の時から私は友人としての関係を持っています。
[ 2017/08/26 ] ◆-

[ 143446 ] NO TITLE

昔話が続いてしまい恐縮ですが、今回の出来事の発端となる話を書かせていただきます。
数年前、私が高校二年生の時に沖縄へ修学旅行に行きました。私の通っていた高校は二年生の段階で修学旅行を済ますカリキュラムになっており、生徒は「アメリカ・シンガポール・沖縄」の三つの中から好きな場所を選んで行くことになっていました。
私としげるは沖縄を選び、同じ班に入って行動を共にしていました。昼は観光名所をバスで巡り、夜になれば教師に内緒で生徒同士集まり様々なレクリエーションを楽しむ、そんな修学旅行でした。

一日目の夜は飛行機に乗った疲れもあってか私たちの班は部屋の電気を消して直ぐ布団に横になりました。ただやはり遊び盛りの心を抑えることが出来ず、寝たまま皆でお喋りを始めました。恋愛話に始まり明日の予定の談義を経て、やがて各人による怪談話が開かれました。

私を含めた班の四人はそこまで怖い話に詳しくなく、どこかで聞いたことのあるような話を一つだけ話し、後はしげるだけが怪談を口にすると言った流れになりました。
しげるの話し方はとても上手く、怪談の内容もぞくりとくるようなものばかりで、しげるが話し終ると「おぉ…」と笑いの籠った感嘆の声が周りから漏れたりしました。私も「怖いなぁ…」と唸りながらしげるの怪談を聞きつつ、「何だかこのままだとしげるに怖がらされているようで腹が立つから何か仕返しをしてやろう」とよからぬことを考えていました。そうこうしている内に夜が更けていき、気付いた時には二日目を迎えていました。
[ 2017/08/26 ] ◆-

[ 143447 ] NO TITLE

二日目の観光も終わり、ホテルの廊下を一人歩いて部屋を目指していると、床にお守りが落ちていることに気付いたんです。そう、お守りです。
何とは無しに拾っていました。床は絨毯が敷かれていたし汚いと言った印象が薄れていたのでしょう。
「御守」と書かれたお守りでした。赤や青などで彩られており、いかにも沖縄と言う感じがします。
その時私は、「これをしげるのバックにこっそり入れて怖がらせてやろう」と地味な計画を練りました。このお守りをしげるの鞄に忍び込ませ、彼がお守りの存在に気付いて驚いた時に種明かしをしてやろう、と。

早速部屋に戻り、しげるが出かけたタイミングを見計らって他の三人に自分の計画を伝えました。彼らも「それは面白そうだ」と乗り気になり、「急げ急げ」と笑いをこらえながらしげるのバックの内側のポケットにお守りを入れました。
さて、その後しげるが部屋に帰ってきて五人でトランプゲームをしながら、「しげるはいつお守りに気が付くのだろうか」とにやけながらその時を待ちました。
結論から先に言うと、しげるは修学旅行中にお守りに気が付きませんでした。途中から私たちもお守りのことなんかすっかり忘れて人生最後の修学旅行を満喫し、最終日を迎えて本土に帰り、そして高校を卒業して数年が経ちました。
[ 2017/08/26 ] ◆-

[ 143448 ] NO TITLE

しげると偶然会ったのは今年の六月でした。場所は私たちが卒業した高等学校で、二人とも教育実習の申し込み及び説明会の為に母校へやって来ていたのです。
スーツ姿のしげるを見た時に私は「あっ」と声を出して、顔を綻ばせながら彼の元へと近づきました。彼もこちらに気付き、破顔したまま手を振ってきました。
連絡先を知らない旧友に会うことがこれほど嬉しいものだとは思いもしませんでした。彼は二十歳の時の同窓会に顔を出していたそうですが、その時の私は丁度インフルエンザにかかってしまい参加出来なかったので、こうしてしげると顔を合わせるのは卒業以来と言うことになります。

彼は昔と全く変わらない様子で私と話してくれました。しかし今回は教育実習の説明会に参加するとのことだったので髭を剃ってきたらしいです。「じゃあここに来るまでは相変わらず髭を生やしていたのか」と私が笑うとしげるも「その通り!」と歯を見せて首肯しました。その後も「大学生になって流石に携帯を買った」とか「俺は地方の国立大学に入学した」と言った情報を交換し合って長話に花を咲かせました。
[ 2017/08/26 ] ◆-

[ 143449 ] NO TITLE

「あ、そうだ」としげるがポケットに手を入れたのはその時でした。「ちょっと手を出して」と頼まれたので言われた通りに手を出すと、彼は私の手に例のお守りを置きました。
実はこの時まで私はこのお守りのことをすっかり忘れていたので「何これ?」と顔を上げてしげるを見ました。
彼は先ほどまでの笑顔と打って変わって無表情で私の目を見ながら、「これはお前のものだ」と静かに言いました。

その瞬間、これが修学旅行の時にいたずらで入れたお守りだと言うことを即座に思い出し、鳥肌が立ちました。声を失い、私は黙ってしげるの顔を見ていました。
しげるは何事もなかったかのように懐から携帯電話を取り出すと、さっきまでの調子と同じように「今の内にメアドを交換しておこうか」と明るく提案をしてきました。私も少し間を空けてからスマートフォンを取り出し、互いのメールアドレスを確認して、その日は別れました。
[ 2017/08/26 ] ◆-

[ 143450 ] NO TITLE

以上で私の体験は終わりです。霊的なものを期待していた方はごめんなさい、傍から見ればとても地味な内容です。
そして「これのどこが怖かったんだ」と思う方もいるかもしれませんが、私の考えを述べておきます。
しげるは修学旅行の時も、高校生活の時も、お守りの存在に気付かないで日々を送っていました。それなのに今更そのお守りを、私に返してきたのです。それもたまたま会ったと言ってもいいような環境で、です。私は教育実習の説明会でしげるに会うとは思ってもいませんでした。彼は常日頃からそのお守りを持っていたのでしょうか? そもそも彼はいつお守りの存在に気が付き、どうやって私がそれを鞄に入れたと知ったのでしょうか?

もし彼が、例えば同窓会などで「修学旅行の時あいつあんないたずらをしていたんだぜ」と事実を知り、更に私が教師を目指していると言うことを聞いて、教育実習説明会の日に会うかもしれないからお守りを持っていこう、と思っていたのならそれはそれで構いません。むしろそうあって欲しいです。
ですが、彼が「これはお前のものだ」と言った時、表現が正しくないのかもしれませんが、彼が彼じゃないような錯覚を覚えました。しげる以外の何者かが言っているような、そんな気がしました。大袈裟ですが、生気を感じなかったのです

もしあのお守りに何か悪いものが憑いていて、それがしげるに乗り移っていたとしたら、罪悪感で胸が押し潰されてしまいそうです。しかし彼の身内に不幸があったと言う話も聞きませんし、その後のメールのやり取りでも彼は充実した学生生活を送っているそうです。
私もその受け取ったお守りを近くの神社で処分してもらい、何も変わらない日常を過ごしています。今も私としげるは友人です
[ 2017/08/26 ] ◆-

[ 143569 ] NO TITLE

『弟と電話』コメント欄より

[ 100123 ]
以前購入した文庫本で、亡くなった芸能人のみじかな人にインタビューしたものをまとめたものがあった。その中の一人、大地喜和子の死にまつわる話で、男性の俳優か誰か(失念してしまった)が、自分が泊まったホテルは誰にも教えてないのに事故にあったと連絡が来た事を不思議がっていたのを思い出した。その話も女性からの電話だった筈。 そういえば電話が鳴るのがわかるのは、昔自分も持っていた。黒電話からプッシュホンに替えたあたりからわからなくなったが。たしか、テレビがついている部屋や電気が点いてる部屋がわかる原理と同じで、高い周波数の音が原因だった筈である。しかしこの電話で教えてくれる女性っていったい何者なんだろうか?
[ 2015/11/24 ] NO NAME ◆-
[ 2017/08/27 ] ◆-

[ 143575 ] NO TITLE

>>143445
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/08/28 ] ◆Ahsw8Nok

[ 143813 ] NO TITLE

『ゲームか何かで夜更かししてた』コメント欄より

コメント欄全般

[ 2017/08/29 ] ◆-

[ 143830 ] NO TITLE

私は小田急線使ってるんだけど、今日、退勤中に変なもんをみた。
そのとき私は、↓みたいな立ち位置で、向かい合う座席の間に立っていた。

席| b a|席
席|人私人|席

車内は、満員ってほどじゃないけど人で込み合っていた。

私はスマホをいじっていたのだが、ふと、斜め隣(※a)に立っていたおじさんの肩から、何かが降りてくるのに気がついた。

顔を上げると、逆さまにぶら下がった女の首と目があった。
ニタニタと不気味に笑う顔が目に焼き付き、思わず息をのんで身を引いた。
後ろの人にぶつかり、謝ってから振り返ると、女の首は消えていた。

気味が悪かったが、ちょうど側の席が空き、誰も座る様子がなかったので、↓みたいな感じでそこに座ることにした。

席| b a|席
私|人 人|席

やはり先程のことが気になったので、aのおじさんをうかがおうとしたところ、おじさんの背後、私から見て斜め前の若い女性(※b)に目が釘付けになった。

女性は近年流行りのレーススカートを履いていた。
普通はその下にスカートやズボンを併せるんだけど、なんとこの女性、白の下着しか身につけていない!
上はTシャツで、普通の人ならギリギリ見えるか見えないかなんだけど、私の座高だと下着丸見えだった。

しかも、この女性の様子を窺うに、どうやら痴女らしかった。※fc2の規約に引っ掛かりそうなので割合します
私の隣にはサラリーマンが座っていて、やり場に困るように目を背けていた。
私はサラリーマンの代わりにガン見してしまった。
そして、帰宅するまで、最初にみた女の首のことをすっかり忘れていた。

ヤバいもの同士が背中合わせだった驚きもさることながら、お化けより生きてる人間の方が……と思った日でした。
[ 2017/08/29 ] ◆62ihgE2w

[ 145086 ] ロードキル

以前、海外に住んでいたときのこと
住んでいた地域は特に動物が多い場所で、昼間でも野生動物や脱走した羊が道路脇でうろちょろしているということも少なくなかった
友達と少し遠出をして、国立公園周辺の道路を夜に運転していたときのこと
突然、ライトの目の前に飛び出してきたのは巨大なカンガルー
あ、やべ。と急ブレーキを踏んだものの、ガツンッとかなりの衝撃を受けて、カンガルーとぶつかった
慌てて車を止めて、轢いたと思われるカンガルーの様子を見に車を降りたけど、そこには何もいない
(※野生動物を轢いた場合、メスだったら袋にいるかもしれない子供を保護することがあるので)
不思議に思って周辺を持ってたヘッドライトで照らしても、カンガルーらしき生き物はどこにもいない
かなりの衝撃だったので、車にも結構な損傷がいってるはずなのに、傷も凹みも全くない
カンガルーなどの動物との衝撃をカバーするためにある、カンガルー避けなしの車なのにだ
怪我したカンガルーもいないし、車にも影響ないしと、ドライブを再開してその日の宿に着いた
翌日、国立公園のビジターセンターで、カウンターにいたレンジャーに一応、カンガルーを轢いたかもしれないと連絡したところ
「◯◯のところでしょ?だったら気にしなくて大丈夫」という返事が…

もしかしたら、私が轢いたのは、カンガルーの幽霊だったのかもしれない
[ 2017/09/13 ] ◆-

[ 145769 ] NO TITLE

『温泉街の按摩士』コメント欄より

[ 73640 ] NO TITLE
母親がこの仕事やってんだけど、やっぱ何か感じる事は少なくないらしい
「悪い事やってるな」
「あんまり長いことなさそうな人だな」
なんて風に感じ取るらしいんだけど、ほとんど総合的な結果みたい
ただ、妊娠する・しそうな人は、結構はっきりと、本人いわく「簡単に」分かるらしい(女の人限定で)
それ故に老婆心から、それとなく話しを振って示唆したり、妊娠を希望しない人には注意を与えたりしてるとのこと
その結果からか「おばさん、あの時のこと覚えてます?」という風にリピートされたり、土産などを貰って帰ってくる事が時折ある
私自身、子供の頃に生まれて初めて食べたフグは、こういった中の一人のお客さんから頂いた物である事をいまだ覚えているwww
何故わかるのか聞いたところでは
「体温と肌の独特な感じ」
とのことで、肌はきめ細かさ的な特有の質感と色合いがあるらしく、
「きめ細かい綺麗な肌なら良いってもんじゃない」
と、アレコレ聞かされたが、私には分かるような分からないような感じでしたwww
[ 2015/01/25 ] NO NAME ◆-

[ 101652 ]
私も分かるな、妊娠しない人。
見たら内部がすごい乾いてるって思う人。
最近まで分からなかったけど、乾いているって思う人は妊娠しない人だった。
もちろん成人女性で。
私も按摩師向いてるんだろうか。
[ 2015/12/20 ] NO NAME ◆-
[ 2017/09/21 ] ◆-

[ 146037 ] NO TITLE

『幽霊のいた家』コメント欄より

[ 34411 ] NO TITLE
受験勉強で必死こいてた頃、正月に田舎の婆ちゃんちにお呼ばれ
断末魔シーズンだから行きたくなかったが、無理矢理連れて行かれた
勉強道具持って行ったが、焦りはつのるばかり
そんな時、夜中にトイレに立ったところ、長い廊下の隅っこに白い人が
女のように見えた。前に従兄がこの家で「女の幽霊を見た!」と騒いでたのを思い出した
次の瞬間、湧き上がってきたのは恐怖ではなく、ものっっ凄い怒り!
生きてるもんは受験だ就職だ仕事だと大変なのに、お前らときたら
せっかく死んだのにまだこの世をフラついて、一体何がしたいんだと。
で、手に持ってた参考書を女の幽霊と思しきモノの頭の辺りにバシッと叩きつけてやったら、消えた
10年ほど前の話である。その後この家で変なもん見たという話は聞かない
婆ちゃんは当時、酷い肩こりと腰痛に悩んで、早く死にたいとこぼすほど落ち込んでいたが
それもそれ以来無くなり、老人会でテニス始めて若返ったw
[ 2013/11/01 ] NO NAME ◆-
[ 2017/09/24 ] ◆-

[ 146316 ] NO TITLE

『和田峠』コメント欄より

[ 117929 ]
10年くらい前、深夜に行ったことない道を探して相方とドライブしてたら和田峠の近くに行った。
折角だから和田峠を越えてみようということになったんだけど、不法投棄禁止の立て札が立ってるところで何故か道が途切れていて、峠を越えることが出来なかった。
車を降りて周りを見てみようにも、あまりにも暗くて気が進まなかったからその日はそのままバックして帰った。
数日後の昼間改めて行ってみると、普通にすんなり通れる道がしっかり見える。…というか、道が切れてるなんて要素はどこにも見当たらない。
狐か狸に化かされたのかなー?と、このまとめ読んで思い出したので※投下。
[ 2016/08/22 ] NO NAME ◆
[ 2017/09/27 ] ◆-

[ 146439 ] 全寮制お嬢様学校

同い年の親戚の話です。カテゴリ的には間違いなく「後味悪」。オカルト要素ない、人間が怖い話です。

まとめるの下手なので長文です。すみません。

親戚はA子としておきます。
A子の家はお金持ち。地位のある父にお金持ちの家から嫁いできた母。
A子はコミュ力ハイパー人間。
どっこいお勉強は控えめに言ってあんまり出来ず、高校のブランド力が高い当田舎で、名の通った高校には入れませんでした。
しかし両親とも結構なブランド思考。地元の希望の高校に入れなかったA子は遠方の全寮制お嬢様学校に入れられます。
名の知れたお嬢様学校です。そんなところにいくら金持ちでも勉強出来ん子が入れるん?という疑問は出るかもしれませんが、どういう仕組みなのかわかりませんが、A子はそのお嬢様学校に通いました。

A子は持ち前の行動力で、入学してすぐ、新しい部活を作りその部の部長になった、という話が私の耳にも入り、流石だと感心しました。
お勉強は出来ないと前述しましたが、行動する前に思考にがんじがらめにされる私にとって、A子は尊敬の対象でした。
A子を見てると、この世には頭脳やら能力やら美貌も含めあらゆる才があるけど、
最も自分を活かす才は行動力だなあとすら思ったものです。

以前から長期休みになるとA子一家は家を訪れてくれ、私とA子は同い年だということもあり来るたびに色んな話や遊びをしました。

高校が始まってから初めてA子一家が訪れてくれた日のことです。
多分、夏休みだったかと思います。
いつも通り大人から離れ、私 とA子は子供同士の会話に入りました。
A子が、「高校に親友グループがいるんだけどさ、」と切り出し、
私は(おっ、親友自慢か~!いいぜ!私も良い親友が出来たぞ~!)と話題のテーマにウキウキ しました。
とはいっても、私が親友と呼べる程親しくなる人はせいぜい学校で1~2人。そこをグループで来るあたり、流石A子だなあと思った時です。

「その内の1人を全員でリンチしたら学校辞めちゃったんだけどさ~」

………………えっ?と思いました。
聞き間違い?と。
一瞬で思考が止まった私にお構いなしにA子は続けました。

「だってそいつ嘘つきなんだよ!「子供の頃、私おじいちゃんに誘拐された事ある~」とか、嘘ばっか言うの!だから皆集めてさ、「てめえ嘘つきなんだよぉ!!」とかって、ボコボコにしたの!そしたらさ…」
と、怒り顔で踏みつける動作を取りながら更にA子は続けました。
「「…………!………………!(泣きながら手を合わせ謝る仕草)」って!土下座すんの!面白くない!?ぎゃははははは!」
と、豪快に笑って見せたのです。

お嬢様学校に来るような人だから、親戚に誘拐とか、私の知る日常とは違うこともあるんじゃないか、とか
それを、「気に入らない話」イコール「嘘に決まってる!」と即座に決めつけちゃうA子、
お嬢様学校にかなり非日常的であろう暴力沙汰、
とにかく私の頭はいっぱいになってしまって、後は呆然としてたことだけ思い出せます。

ここからは蛇足になります。
私がそれまで知らなかったA子の一面をまざまざと見せつけられ、今までに感じなかったしこりを心に残したまま、次にA子と会ったのは冬休みだったかと思います。

A子がまたまた学校の話を切り出しました。「変なやつがいてさ~」と。
私は、なんていうか、思わず心で身構えたと思います。ビクっとしたというか。

「休み明けに走りよってきたかと思ったらさ、「ごめんね、旅行行ったんだけど、お土産用意出来なかったの」って。確かに私休み前に更衣室で「休み中旅行行く人、お土産よろしく~♪」っていったけど、普通信じる!?ねっ、変なやつでしょ~!?」
と同意を求めて来ました。
私は、再びビクっとしたというか、まさか、と思ったというか、
以前話を聞いてからずっと渦巻いていたストレスがそこで弾け、
「いやっ…完全に恐れられてんじゃん!!あんたの親友グループの1人、あんた主導でリンチされて学校辞めさせられたって皆知ってるってことでしょ!?あんたに逆らったら「今度は私がリンチされて学校辞めさせられる」って思ったからわざわざ謝りに来たんでしょ!あんた不良の総大将って思われてるよ!!」
と、こういった内容で、今度は私がまくしたててしまいました。
「親友をリンチって何!?私が言う親友とあんたが言う親友って絶対違うよね!?」とも言った思います。A子は聞きながら「えっ?えっ?」って感じで急にオロオロしだし、「いや、ちがうんだよ…」とか言ってました。(何がちがうんだ)と思ったので覚えています。

A子はそこで初めて、事の重大さに気付いた、といった感じでした。
言えて良かったと思う反面、もっと冷静に、落ち着いて話して、辞めていった子にどう思っているのか、せめて謝りにいけるのか等、聞き出せば良かった…とも思います。
あれ以来一切この話題は出ませんし、出してません…。

時折ふと、重々しく思い出します。罪悪感もあります…。
私の話ではないのだから、誰かに相談することでもないし、
わざわざ話す機会もないし…。
でも話せば少しでも軽くなるかな、思いました。どこかで相談?というか、ただ語らせて欲しかった。打ってる間もちょっと手が震えた…。
[ 2017/09/28 ] ◆-

[ 146465 ] NO TITLE

『背の高い黒ずくめの男』コメント欄より

[ 50279 ] NO TITLE
読んでて戦慄した。私も学生時代(10年前)、鷲鼻の黒ずくめの男に会ったことがある。ただし場所は大阪のS市だ。夜11時過ぎ、マンション前で影のように立ち尽くしていた。深夜はキーと暗証番号で玄関のロックを解除することになっていたが、その番号入力端末機のすぐ横で男はうつむき加減で立っていた。番号を覗かれても嫌だし、何より不審者そのものな風貌だったので、勇気を出して「どなたかお待ちですか」と声をかけた。

今でも思い出すと寒気がするが、その男を正面から直視した瞬間、異空間にいるようなめまいと本能的な恐怖を覚えた。私は男と目が合う直前で顔を反らし、あわてて玄関のロックを解除して中に逃げ込んだ。入ってすぐにガラスドアの内側から外を振り返ったが、そこにはもう誰もいなかった。ものの1、2秒のことだ。もう一度ドアの外にでてすぐ確認したが、マンション周辺には人影は全くなく深閑としている。ちなみにマンション前は一本道(ガードレールと壁に挟まれた歩道)が坂下の駅から続いており、街灯も多く煌々としていたが、車も人も見えなかった。

その後、幸い何事もなく、今日に至っている。私の会ったアレは、死神というより悪意の権化という感じだった。
[ 2014/05/04 ] NO NAME ◆-
[ 2017/09/28 ] ◆-

[ 146793 ] NO TITLE

3年前の10月1日、川﨑駅前での話。

夜9時、DVDを返す為チャリで走っていた。
帰り道に駅前のショッピングモールへ差し掛かったところで、駅から出てきた人波とぶつかった。
車道はタクシーが並んでいるから、チャリを押して歩道を歩くことにした。

そこで怖いものを見た。
2メートル程先に、青いおっさんがいる。
(仮に人間だとして、普通の色が付いていたら「おっさん」としか表現できないからおっさんとする)
とにかく、全身が青いとしか言いようがない。
髪も服も靴も、見えている部分の全ての肌も、目玉も歯も青い。口の中も青い。
濃淡のない、均一で鮮やかな青。服は上下青いジャージ。靴は青いスニーカー。
身長は160くらいで、猫背。てっぺんが禿げている。
こちらに右側面を向けたまま、口をぽかんと開けて突っ立っている。

私はあまりのインパクトにただただ立ち竦み、じっと見つめてしまった。
テレビか何かの撮影かな?とも思ったが、すぐに違和感を感じた。
私以外の誰にも、そのおっさんが見えていないようなのだ。
駅の階段から次々に人が吐き出されてくるのに、通り過ぎる誰一人として一瞥もくれない。
すぐ隣のタクシー乗り場にも大勢の人が並んでいるのに、気に掛けている様子の人が一人もいない。
背中に嫌な汗をかきながらも何故か私はその場を動けず、チャリのハンドルを握りしめたまま
固まってしまっていた。

数分後、駅からOL風の女性が降りてきて、おっさんの向こう側2メートル位の位置に立ち止まった。
おっさんを中心に私と一直線上に並んだ感じに。
彼女は「えっ?」と驚いた表情を浮かべておっさんを凝視し、次いでキョロキョロと周りを見渡した。
そして血の気の引いた顔で、私の目を見た。
「あなたにも見えてますよね?」というアイコンタクトであるのは明らかだったので、急いでうんうん、
と頷いた。

すると突然、いままでピクリとも動かなかった青いおっさんが2度首を振り、私、OL、私、OL、
と交互に顔を向けてきた。
そして私に向かってのそりと歩き出した。
もう怖くてたまらず、「ひゃあ」みたいな奇声を漏らしながらチャリに飛び乗り、全速力で歩道を走って
逃げた。

駅から自宅までは5分程だし、繰り返し通った馴れた道。
何より、たったの一度も角を曲がらずに直線で帰れる。
にもかかわらず、夢中で走って気が付いてみれば、6キロも離れた武蔵小杉にいた。
どこをどう走ったか全く覚えていない。
しかも時計を見れば、気を失っていたわけでもないのに朝の4時を過ぎていた。

あのおっさんは何だったのか?
逃げられなければどうなっていたのか?
どうして自分とあの女性にだけおっさんが見えたのか?
家に帰ってから落ち着いて考えてみたが、さっぱりわからない。

今では思うが、あれがいわゆる「狐に化かされる」ということだったのではないか。
[ 2017/10/02 ] ◆-

[ 146884 ] NO TITLE

『山で隠れて用を足した』コメント欄より

[ 29185 ] NO TITLE
うちの父方のひいじいちゃん(故)も、投稿者さんと似たような経験してる
父方の故ばあちゃんの家は、ちょっとした土地持ちの農家で、
その父方ばあちゃんの父ちゃん(故ひいじいちゃん)が、まだやんちゃ坊主だった頃、
庭にあった石にイタズラのつもりでシッコかけたら、
その日の晩から高熱が出て、手を尽くしたけど、医者もさじを投げてしまったんだと
で、藁にもすがる思いで地元の霊能者の坊さんに相談しに行ったら、
庭石にシッコかけたことをピタッと言い当てて
「それはただの石ではなく、人さまのお墓だ。すぐに水をかけて流し清めて、お詫びをしてきなさい。」
と、言われたそうな
すぐさま家族がその石に水をかけて洗い流すと、
熱はぐんぐん下がって、故ひいじいちゃんは元気を取り戻したんだと
自分ちの庭でも、長く住んでる土地とか、
以前の持ち主が代々守ってきた土地とかだったりしたら…
まあ、とにかく場所は問わず、お粗相するとエライ目に遭うかも、ってのは覚えとくと良いと思う
[ 2012/06/02 ] NO NAME ◆-
[ 2017/10/02 ] ◆-

[ 146886 ] NO TITLE

『警官になった兄』コメント欄より

[ 26793 ]
うちの祖父も戦争中大陸で命を落としかけて以来、第六感が出てきたみたいで、昔は警察のかたが何度か見えられた。まあ当たっていたので良かったとは思うけど。祖父は普通の農民で、宣伝もしなかったしお金も取らなかったけど、どこから聞き付けたのか遠方からも来てたなあ。自分は冗談半分に「農作業の手を休めて相手してるんだから、少しはお金請求したら?」と言ったけど笑って取り合わなかったよ。極まれに現金書留で贈られたこともあったけど、大概は箱菓子や農作物(白菜とか)だったなあ。祖父いわく、万一外れた時の事を考えると、やっぱりお金請求したりとか嫌だなあと言ってました。長文御免なさい。
[ 2013/08/18 ] NO NAME ◆-
[ 2017/10/02 ] ◆-

[ 146979 ] 友人との帰り道に

10年くらい前になるかな。
高校の頃、早帰りの日に(たしか期末テスト明け)友達と一緒にいつもの帰り道をだべって帰っていた。
目の前には大きな病院があって交差点があった。
横断歩道渡るのに自転車を降りて信号待ちしていた時だった。

車の音がうるさくて会話が途切れた数秒、
目の前で『助けて』って聞こえた。
ホント目の前、顔の近く、女っぽい高い声で。

余りに急な出来事だったんで、最初友達がふざけて驚かそうとしたのかと思った。
「助けてってなんだよw」って言ったら「え、お前が言ったんじゃないの?w」、と。
お互いがお互いフザけてたと思っていたから、そうじゃないと分かると一気に体中に鳥肌が立った。
別にいわくつきの交差点とかではない。強いて言うなら病院の前ではあるが。
その日は滅多にない怖い体験に盛り上がって帰宅した。

後日、またそのネタが話題に上がった。
どういう状況だったかな、とお互いの記憶のすり合わせをしてみた。

・あのとき会話を遮ったうるさい車、大型のワゴンタイプだった(たぶんハイ○ース)
・目の前で声がしたのは車の窓が横切った時だった。

あれ、これってもしかして幽霊とかじゃなくて・・・。
声を聞いた日からすでに数週間が経っていた。
ナンバーも色も確認していない。
あの日まで遡って、全国紙や地方紙で行方不明者がいなかったか調べたが特にはなかった。
とてつもない罪悪感を感じつつも何も出来ず、もう10年経ってしまった。
[ 2017/10/03 ] ◆OzaJdJNk

[ 147796 ] 続けて事故に合う

ちょうど10年前の年末のことです。
続けて事故に合っていました。

最初は娘を乗せて運転中。ナビの「左折してください」の声に、「え、ここ?」なんて言いながらナビを覗きこみ、ゆっくり速度を落として曲がろうとしていました。ほとんど停止状態。
そこへスクーターが運転席の私に向かって突っ込んできた。
ハンドルの両側にかけたスーパー袋をいじっていて全く前を見ずに・・・

フェンダーにスクーターが突っ込んで倒れ、ダウンを着た女性らしき人物がフロントガラスに乗り上げて転がっていった。
ドアがつぶれて開かないし、助手席の娘が降りて相手の様子を確認しようとしたのですが「大丈夫です」「大丈夫です」とその場を離れようとする。(無保険だった)
私はショックでガタガタしていたので娘が警察と救急車を呼び、対応してくれました。
無保険でかわいそうだから10:0にしてあげなと警察が言うのでそうしてあげたら、あれもこれも買ってくれというのでちょっと保険屋さんが困っていたが、結局は補償できる範囲で応じて終わりました。

二度目は、春先の篠つく雨の交差点。
赤信号で、私は停止線から三台目に停車していた。
信号が青になったその時、私から見て右側、交差点角脇にあった仏壇屋の駐車場から一台の車が出て来て、まっすぐまたフェンダーに突っ込んできた。また運転席のドアが開かなくなり、助手席から頑張って降りました。相手は雨が激しくて、信号が変わることばかり気にしていて、目の前の私の車が目に入らなかったと言い、今度はきちんと補償していただきました。

その1ヶ月後。朝早く通勤途中に住宅地の中で、工事があり停止柵の手前で停まりました。
右手に脇道があり急な坂(私から見たら下り坂)になっています。
そこを新聞配達のカブに乗った人が、後ろの新聞に手を伸ばし、顔も完全に後ろを向いて、グーーンと登ってくるのが見えました。
(これはいけない!)と思いました。(三度目の正直で人死にが出るぞ!)と。
咄嗟にクラクションを鳴らすと、急ブレーキで私の座っている運転席ドア手前数センチで停止して、去っていきました。通勤に急いでいたしそのままになりました。

この一連の出来事を、友人に「こんなことがあってね」と話すと、友人のほうが気色ばみました。
「あんた半年くらいの間にそれって尋常じゃないよ、お祓い行きなさい!お祓い!」

そう言われればそうですね。おかしいって友人に言われるまで気が付かなかった。
そして思い出したんです。一連の出来事の前に、車の幽霊を見たなって。

私はこの件以来、近づかないようにしている交差点があります。
娘を乗せて運転中、その三叉路を通ったとき、左右確認したはずなのに、急に目の前に車が現れて、そのフェンダーに突っ込んでしまったのです。青いきれいな角張った乗用車でした。
そして目の前でフワーっと消えていきました。
衝突した衝撃はなかったです。私のふんだ急ブレーキの衝撃だけでした。
助手席の娘が携帯から顔をあげて「どうしたの」というので「なんでもない」と言って先を急ぎ、忘れていました。

友人の勧めの通り、早速地元の神社で安全祈願をしていただき、それ以来無事に暮らしています。
[ 2017/10/12 ] ◆-

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[ 2017/10/15 ]

[ 148168 ] NO TITLE

『アウト物件』のコメント欄より

[ 68590 ] NO TITLE
仏壇自体が呪物になってるんじゃないだろうか。

そういえば前に与太話程度で不動産やってる友人に聞いたんだが、こういった出る家に最悪の怨霊クラスに憑かれてる人を短期で入居させるんだそうな。
そうすると、よほどでない限りその連れて来た怨霊に吸収される、もしくは意気投合してその人に憑いていってしまいいなくなるらしい。
いなくならなかった場合はどうするのか聞いたら「そらお手上げやがな。どうしようもないから更地にしてまうか、それか管理したまま壺漬け(死蔵)やがなww」と笑っていました。

ちなみにそんな最悪の怨霊クラスを連れているの人をどうやって見つけて来るのか聞くと急に真顔になって「そら言われへん。企業秘密。知ろうとしたらアカンでぇ? 知らんでええんよ、そんなモンは」と言われたので怖くなってその先は聞けなかった・・・
[ 2014/11/24 ] NO NAME ◆-
[ 2017/10/17 ] ◆-

[ 148369 ] 管理人のみ閲覧できます

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[ 2017/10/20 ]

[ 148421 ] 修学旅行の夜に

私は2~3日前人生初の修学旅行に行きました。
とても楽しみにしていたんですが・・・・まさかあんなことになるなんて・・・・

修学旅行1日目は科学館にいった後、豪華なホテルでテーブルマナーを学び、平和記念館に行きホテルに来ました。
「あ~疲れた~」
と自分の部屋に入って直ぐに大きいバックを床に投げた綾香を見て同室の真奈美と桃華と加奈と私で笑いました。
綾香「はぁ~何で笑うん 綾香悲しい~(笑)」
私『だって、科学館で一番はしゃいでたの綾香じゃん(笑)』
綾香「いやいや、だって科学館で無重力体験で散々回った後、テーブルマナーと平和記念館はきついよ」
加奈「たしかに・・・(笑)」
桃華「そう言えば・・・愛利科学館で投げた玉の速さがわかるやつ愛利99㎞出したよね?」
私『あ・・・うん・・でもさ、優夜は107だったし』
真奈美「あのね・・優夜は野球チームのエースよね?それい一番近い記録出したのは野球をやってない愛利で   しょ?」
先生「みんな、夕食の時間よ~」
私達は返事をして夕食を食べに行きました。
その後のお風呂タイムから事件は起こり始めました。
私がお風呂で綾香に無限シャンプーをしていると心寧が突然お風呂に落ちました。
お風呂が深かったから良かったんですが一歩間違えば頭を強打していました。
その後露天風呂で騒いでいると突然霧が出始めたんです
慌てて室内に戻り外を見ると霧で何も見えませんでした。
その後直ぐに先生を連れてきたんですが霧が出た痕跡すら残っていませんでした
その後の部屋長会議で先生の見回スケジュールを暗記して見回りのない11時に私のクラスの女子全員で集まる約束をしました。
11時に集まった後は持参したお菓子をみんなで一緒に食べ本当は持って来てはだめなiPhoneで写メを取り合い2時くらいにお開きになりました。
その後、私と同室の和室グループが入口から見えないという理由で私の洋室の方にきて話しました。
3時くらいでしょうか当然トイレのドアが閉まる音がしたんです。
私達は怖くなり洋室の締めていたドアにカギをかけました。
その後、二つのダブルベッドをくっつけて灯りを全てけしみんなで一緒にベッドの上で丸まっているとドアが
ドンドンドンドン
とたたかれ始めました。
私達はより一層固まりました。
どうして?
どうして先生は来ないの!?
そんなことを考えていたら桃華と加奈、綾香が気絶したんですそれを合図に私と真奈美も気絶しました。
朝には、カギは空いていてみんな夢と考えようと顔を見合わせてうなずきました。
[ 2017/10/20 ] ◆-

[ 148435 ] NO TITLE

『ムカツク奴をねじ伏せる力が欲しかった』のコメント欄より

[ 42353 ] NO TITLE
神主の卵なんだが、2年ほど前正月2日に山の上にある小さなお社で氏子崇敬者数名と神様への新年のご挨拶等の簡単なお祭りをした時、祝詞を奏上してる最中いきなり後ろから風がビューってふくと同時に「お前の祈りには心がない!」って頭の中に響いてびっくりしたことがある。
僕の場合は声として聞こえるんじゃなく頭の中にいきなりバーンと響く感じだったけど。
その時は確かに寒くてあんまり身が入ってなかったけど、あぁ、マジすか~(´・ω・`)と思って凹むと同時に神様と参加者にほんとごめんなさいと心の底から思った。ちなみに祝詞は親父殿が作成して、親父殿の代理で急遽自分が祭典に奉仕した。
神主って神様と氏子崇敬者の仲を取り持つ仕事だから、祝詞は神様に想いが伝わるように自分の想いを込めて言葉にしなきゃいかんのだなと痛感したよww

皆様も参拝するときは自分の言葉で伝えましょう。願いが叶っても叶わなくても後で「その節はありがとうございました」のお礼参りも忘れずに。
[ 2014/01/25 ] NO NAME ◆-
[ 2017/10/21 ] ◆-

[ 148482 ] NO TITLE

零感なんだが、初めて見てしまったかもしれない。
ウチの会社の事務所は前から出るとの噂があって、事務所のすみにお札が貼ってあったりするんだが、10年以上働いていて見た事なかったんで気にしたことが無かった。

今日の仕事が終わって帰る前にいらない書類をシュレッダーにかけていた。
シュレッダーに向かって右手にドアの無い倉庫がある。
目の端の方で誰かが倉庫に入って行くのが見えた。
小柄で紺色の服を着ているように見えたので女性事務員の誰かだと思った。
(事務員の制服が紺色のベストスーツ)
シュレッダーにかける書類が多かったので3分近くかかってしまった。
しかし、それが終わっても倉庫から誰も出てこない。
倉庫の広さはせいぜい2帖ぐらいで、そこに棚を入れてあるので、何か作業ができるスペースがあるわけでもない。
気になって覗いてみた。
案の定誰もいなかった。
倉庫の突き当りの壁に貼ってあるお札が妙に生々しく見えた。
[ 2017/10/21 ] ◆-

[ 149273 ] 脚だけの人

私は零感だと思っていたが、ただ単に霊的にトロいのかもしれないと、最近言われるようになってきた。
酒の席で友達や同僚と怖い話をしたりすると、ほとんど「翠さん。絶対怖い思いしてますって」「その話、まとめてみたら?」などと言ってくる。
私としては普通に体験した日常の話なのだが、友人にやるとオカルト話に分類できるらしい。

少しずつ投稿していければと思うので、よろしくお願いします。

これは小さい頃の話です。
私は三歳くらい、お手伝いさんとしてきてくれたお姉さんと、近所の商店街に出かけました。
手をつないで晴れた日の昼下がり、商店街を歩いていると、目の前に白いシャツに白いステテコ(クレープ生地の涼しそうな物)を着たおじいさんが現れました。祖父も父も、家でそんな格好でウロつかないので、今までそんな格好の人を見たことがなく、後ろ姿でしたが、シゲシゲと見てしまいました。
おじいさんのふくらはぎがシワシワで、当時テレビでやっていた人形劇の人形(ジュザブローさんという作家さんが作られたとあとで知りました)みたいだな〜と思ったのをハッキリと覚えています。
ふくらはぎを見ていると、足元が裸足でした。痛くないのかなぁと上の顔のあるあたりに目を向けると、青空が見えました。
??おじいさんの身体、どこ行ったんだろう?
足元に目を返すと膝から下だけが何事もなかったように歩いていました。
??おじいさんの腰どこ行ったんだろう?
まばたきした隙に、足も消えて、ふくらはぎだけが残っていました。
??たどたどしい言葉で、お手伝いのお姉さんに伝えても、「帰りにガム買ってもいいですよ〜」って全然通じていません。おじいさんも見ていないようでした。
前を歩いていたふくらはぎも、お姉さんと話しているうちに消えてしまいました。
別に、だからどうこうということは無いのですが、その日の空の明るさ青さはステテコとふくらはぎの白さと一緒に心に残っています。


こんな感じの不思議で変だけど、怖く無い話ですが、需要があれば書いていきたいと思います。
[ 2017/11/02 ] ◆-

[ 149796 ] あれはなんだったのか。

怖い話というより私が心霊的な存在を信じるようになった不思議なお話です。
今から七年ほど前、私が小学校六年生の時学年テストの勉強をしていた時です。

小学生の頃の私は授業中ほとんどと言っていいほど寝ていました。クラスでは寝てないと逆に驚かれるほどにです。
ですが決して不真面目ではなく、授業中に寝るということを除けば真面目でした。テストも点数はいい方でしたし遅刻もサボりの欠席もしませんでした。なぜそんなに点数がいいのかとあまり寝なくなった今も言われますが、答えは寝てる分家で勉強してるからです。今もそうです。
この時の学年テストも私はテスト勉強なるものを一週間前から始めていました。
その頃スイミングスクールに通っていたので、それが終わってから勉強していたため9時に始めて12時には寝る。という小学生にしては割と不健康なスケジュールでした。テスト勉強1日目、その日は算数のドリルをひたすらやって12時に寝ました。

おかしなことが起こったのはその夜からでした。
朝、私が起きて母親に挨拶をすると母親は挨拶を返しながら私に聞いてきました。
「夜、なんであんなこと聞いてきたの?」
母の話によると、私が寝た後、夜の1時過ぎにリビングで作業をしていた母親のところへ私が来て、
「6割る2って答え3だよね。」
と聞いて来たらしいのです。母親はそれに対して戸惑いながらもそうだよ。と答えるとありがとう。とだけ言って部屋に戻って行ったらしいのです。
当然私にはその記憶がありません。
まず第一に私がそんな簡単な問題を親に確認するわけがないのです。絶対的に理解していることは勉強しないし相手にも質問しない性格でしたし、まして自分が一番得意な算数なんてもってのほかです。親も私が算数が得意なのは知っていましたし親に勉強を見てもらうなんて今の今までなかったので衝撃でした。しかし母親の言うことが嘘だとは思えず、とりあえず気のせいだと言うことでその日は収拾がつきました。
しかしその日の夜も次の日の夜もその現象は起きました。
内容は算数じゃなく漢字だったり理科だったり様々でしたが、立て続けにこんなことがあると流石になんだろうと怖くなって来ました。冗談めいて幽霊かななんて言ってみると、真面目で非科学的なことを信じない母親はそんなわけない。ただの夢だとして話を終わらせました。私もそう言う存在をあまり信じていなかったのでまぁそうかと忘れることにしました。

不可思議なそれらはお母さんの夢か何かだとしていた私がそれを見たのは、テスト二日前の夜のことです。
私はテストが近づいて来たのもあって勉強に没頭していたため時計を見ると予定の12時を過ぎていました。めんどくさがりな私はいつものようにドリルや鉛筆を机の上に置いたままにして、慌てて布団に入り寝ました。
眠りが浅かったのかなんなのか、ふと何かを感じ夜中に私は目を覚ましました。一度寝ると熟睡する私が夜中に起きることは今までなかったので自分でも驚きました。その時私は布団だったので、体を起こさないと首だけでは天井と壁と机の側面しか見ることができませんでした。軽く体を起こして光が漏れているドアの方に目をやると母親がドアの前で何かを見てるのが見えました。机と私の方を交互に見ていて起きた私を見て目があうと何も話さず机を凝視しました。何を見てるんだと私も隣にある机を見ると、私がいました。
同じパジャマを着て同じ姿形をした私が、鉛筆を持ちただひたすらにドリルをやっているのです。声も出ませんでした。
確かにその時私は夢ではなく現実を見ていました。向こうは私の存在など全くわからないのか一心不乱にドリルをしていました。私はそれに触れることも話しかけることも怖くてできず母親と再度目を合わせて何も言わず寝よう。とだけ合図をして母親は部屋から去り私は寝ました。

次の日から不思議なことは起きなくなりました。私があの不思議なものを見ることもなくなりました。
母親はあのことを信じたくないようで、そんなこと知らないとなかったことにしていました。
ただ私はあれが夢だと信じたくても信じきれません。あれはなんだったのでしょう。あの出来事から今まで私や周りの人に何か被害があったなんてことはありません。本当になんだったんでしょうか。
[ 2017/11/11 ] ◆uQzxZaL6

[ 149800 ] もしかして…

施設介護のお仕事をしています。
皆さんのお察し通り、施設には、魂だけ何となく居残っておいでの方もいらっしゃる感じで、時々気配を感じたりします。
私は基本的に霊的にはウトイので、そんなに怖くないし、生きておいでの間に出来る限りのことはさせていただいたので、恨まれる筈もないと思って、「早く気づいてくださいね。居るべきところに行ってくださいね」と、心の中でお話しています。
職員の中には怖がりもいるし、私より霊感の強い者もいるので、基本的には職場でそういう話はしていません。
でも時々ですが、急に性格の変わる職員がいるんです。
その変わり方が亡くなった癖のある利用者さんとそっくりになってくるんです。
ちょっとした仕草とか、お茶の好みとか…
変わる職員は、だいたいがダラな裏表のある奴。
亡くなった利用者さんはキリキリと結構キツイタイプの方。
ダラが裏表なく働くようになれば、ある意味美談なのですが、今の所は「こんな所で働けない!」と辞めていくか、事故を起こして辞めざるを得ないようになるか、辞職一本です。
ダラが辞めるのは構わないのですが、その前の仕草とお茶の好みの変化がほぼ必ずあり、もしかして利用者さんがこの施設を守ろうとしているのか?と考えてしまいます。
そこまで施設を気に入ってくださって嬉しいのですが、人手不足なので、心を入れ替えて良く働くようになる方向でお願いしたいです。
[ 2017/11/11 ] ◆-

[ 150169 ] NO TITLE

『神隠し事件』のコメント欄より
[ 32616 ]
さっき、コンビニいってきた。
車も、人もたくさんいた。
前から来た車のライトで一瞬目潰しにあい、目をあけると、人がいなくなった。
コンビニにもいったけど誰もいなかった。
1キロ先のコンビニにもいったけど人、1人もいない。
すると
背は俺より10Cm低い女性がきた!
ここは来ちゃだめ!早く帰りなさい!と言われた。
とても慌てた様子で何か機械を取り出し、誰かと話てる!
あと、2分で!
俺は2分後になにがあるんだと、思ってるうちに手を捕まれ走り出した!
女性が後ろ見ちゃだめよ!と言ってきた!
気になって見てしまった!
今までいた場所が崩れ始め必死で逃げてたら
いつの間にか人がいっぱいいた!
必死すぎて、気づかなかったけど、財布落としたみたいで、煙草かうどころか、免許、保険証、その他諸々、どうしよう!
今はそっちの方でパニック!
[ 2013/10/14 ] NO NAME ◆-
[ 2017/11/16 ] ◆-

[ 150234 ] 「クイズダービー」で出題された事故の話

怖い話では無いのですが、自分の中でどうにもスッキリしない話なので
こちらに投下させて頂きます。
なにぶん子供の頃の話なんで記憶違いがあるかも知れませんが・・・

子供の頃、テレビ番組で「クイズダービー」というのがあり、時々観ていましたが、
ある時にこんな変な問題が出たという記憶があります。以下覚えてる範囲で箇条書き。

・確か三択問題。
・「イギリスで実際にあった事故で、ある事が原因で3人が異なる死に方をしたが
 その原因とは?」というような問題だった。
・他の選択肢は忘れたが、正解は「アパートの窓から犬が転落」。
・解答後にわざわざ解説が入り、「最初の一人は落ちてきた犬が直撃、次の一人は
 落ちてきた犬に気付き避けようと車道に出たところを車に跳ねられ、最後の一人は
 先の二人の様子を見た事によるショック死。」という内容だった。

数年前に上記の記憶がフッと蘇ったので、実際はどんな事故だったんだろうと思って
ネットで関連しそうなワードで検索をかけてみたのですが。今現在それらしい
事が書かれてるページは日本語では一件も見つかっていません。

どなたか「クイズダービー」で上記の問題があった回を観たことが有る方、
または、この事故について実際にあったかどうかを御存じの方っていますでしょうか。
[ 2017/11/17 ] ◆Kenox2ME

[ 150237 ] NO TITLE

うーん。篠沢教授に1000点。
それ昔なつかしの~系番組でやってた時、その場面出たんでなかったかなあ。いつ頃かは忘れたけど。
[ 2017/11/17 ] ◆-

[ 150596 ] NO TITLE

一人暮らしをしている祖父が数週間ほど入院して家を空けるということで、暇な孫=私が祖父の家に泊まることになった。
祖父の家には神棚があって、毎朝水とすこしの食べ物をお供えしていることを知っている。
知ってはいるが何をあげたらいいかは分からなかったため、私が常備しているラムネを供えることにした。
朝に数粒小皿に乗せて供え、翌朝に新しいものと交換する。
何日目かにラムネが切れていて、持っていたフリスクを供えた。
次の朝、神棚を見るとお供えしていた小皿が伏せられている。中身は無くなっていた。自分で触れた覚えも来客もなかった。
その後はずっとラムネを供えていたが、皿が伏せられたのはそれっきりだった。
後々退院してきた祖父に聞くと、いつもは白ご飯をお供えしていたらしい。
いきなり刺激物は良くなかったのかもしれないと反省した。
[ 2017/11/22 ] ◆-

[ 150599 ] NO TITLE

フリスクw
神様「神に口臭などありえぬ!」皿伏せる
(え、口臭かった?マジで?まじで?)
[ 2017/11/22 ] ◆-

[ 150983 ] NO TITLE

『ヤマノケ』のコメント欄より

[ 81897 ] 私は七ヶ宿で幽霊を確かに見ました。
昭和48年6月(今から42年前)に釣りに行く途中(朝5時頃)、七ヶ宿の七十七曲りで、車の前方、約30m(目測)右側に白い着物を着た女性(はっきり性別はわからなかったが女性のようなか弱い感じがした)がはっきり認識できた。その時は、霧が少しかかっており、前照灯は点灯していた記憶がある。(4ドアの1500cc乗用車・いすず)、足があったかどうかは認識できなかった。突然、背筋に寒気が襲った。その状態のまま、2,3秒が過ぎ、幽霊はそのまま、どんどん車に近づいた。というより、車が幽霊に近づいた。車の速度は、ヘアピンが多かったので、30~40km/h程度であったが、幽霊が出た場所は、直線だった。幽霊が近づきフロントガラスの斜め前に来た時、はっきり見たというより、何か突然無意識の状態になったが、幽霊が若い女性だというような感覚があった。私も若かったからそのように感じたのかもしれない。その瞬間、幽霊が、言葉もなく「車の後席に乗せて下さい」というようなメッセージを受けとった。時間にすれば、0秒に等しいかもしれない。私は、その時、乗せるため、車を止めたわけでもないのに、何か乗せてしまったかのような感覚もあった。幽霊が車の右側を通り過ぎたような気がした瞬間、私は無意識に後ろを振り返った。しかし後席には、誰もいなく、遠ざかる道の左側(後ろを向いたので左側の路肩になる)に、白い人影は存在しなかった。それを確認した瞬間から、私のハンドルを握る手が震えて止まらなくなっていた。恐ろしくなり、その後、一目散に七ヶ宿を通り抜けたが、その時、自分の運転がどうしていたのか全く覚えておらず、帰りの道は気持ち悪く、別の道を通り、家(岩沼)に帰った。
家に帰ってから、この体験を自分自身、信ずることが出来ず(幽霊がこの世に現れるなど、全く想像もしていなかったし、ありえないと信じていた。)、なにかの錯覚かとも思い、もやもやしていた。それが、その日から3日目の朝だった。何気なく、朝刊に目を通していた時だった。朝刊のある記事に目が行った時、全身が総毛立った。なんと「タクシーの運転手が、七ヶ宿のその場所で、白い着物を着た若い女性を拾って乗せたが、後ろを振り向いたら誰もいなかったので、幽霊に出会った。」との記事。私は、自身の体験が、架空のものであったことを肯定することが出来なくなった。それから42年経ったが、一度も幽霊に会ったことはない。しかし、あの時の体験は、今でもはっきり頭の中で描くことができるので、真実に違いないと思っている。私が生きている間は多分、幽霊がこの世に存在することは証明できないと思うが、あと、何百年も過ぎて飛躍的に進歩したら、その存在が明らかになる日が来ることもあるだろう。
[ 2015/05/06 ] 【2227】 ◆N6kp4qTg

[ 83229 ] NO TITLE
81897
詳細でこわい。強烈に記憶焼き付いてるんですね…
うちの父トラック野郎で、関東から南東北へのある峠道だけは絶対夜通らないことにしてる。
やっぱ女性を見てる。脚なかったんだと。散々事故とか人がお亡くなりになるとこ見てきたけど怖さが違うって言ってる。
その後81897も父も無事ってことはこの話の娘に入った存在とは違うものなんだろうけど、女性ってとこがさー
[ 2015/05/20 ] NO NAME ◆-
[ 2017/11/29 ] ◆-

[ 151536 ] お手伝いさん

長文となります。怖い、というより不思議な体験。
弟の話ですが。

弟はクモに愛着を持つ。というのも、祖母が昔話や妖怪の話なんかがとても上手で、僕らは子供の頃から祖母の語りのファンでした。
その中に時折クモがでてくるために、おそらくここで話を読んでいる多くの人にとってそうであるように、僕らにとってもクモは意味深な存在でした。

弟は特にその思い込みが強く、30ちかくなっても、女郎蜘蛛の巣を「ごめんなぁ、引っ越ししてなぁ」と言いながら箒の柄でそっと払うし、アシダカグモが壁に張り付いていたら(言わずもがなの理由で)仕事仲間のように「お疲れぃ」なんて言って放っておくし、ハエトリグモはペットのように可愛がる。

するとある日から、弟は気にしないが明らかにおかしなことが起こるようになりました。
実家に帰省した際、弟が仕事の時間になっても起きてこないからと、母に言われ部屋にあがると、弟の顔でなにか黒いものが跳ねている。
よくみるとハエトリグモ。僕が声をかけるまでもなく弟は慌てて起きて出社した。

夕飯前に弟が帰ってくるのを、飼い犬が察知して嬉しそうに玄関に駆けていった。その頭にちょこんと乗って同じように弟を待つのもまた、ハエトリグモ。
別の機会に、テレビゲームに興じる弟の肩におそらく同じクモが。弟が「寒い、どっか開いてない?」とこちらを振り返ると、肩にいたクモがスルスルと降りて窓辺に。それを目で追っていた僕が、窓が少し空いていることに気づいた。少し待ってみてもクモが出る気配はない。仕方なくそのまま閉めた。またある日に戸棚を開くと、積んであるトイレットペーパーの上で跳ねていた。これも何か言いたいのかと見ていると、「なにしてんの?はよ」と便所から母の声。紙が切れたらしい。
ちなみに、母は五分も前に誰かが居た気がしたので頼んだというが、僕は二階にいたので知らない。

夏場に母が、生ゴミにコバエが出て困っていた。あれは一度出てしまうとどんなに掃除しても必ず数匹が飛び回る。鬱陶しいのは同感なので、クモを弟の筆立ての前で見かけたときに、人に聞かれたくはないので声を潜めて「コバエ、なんとかならんけ?」と言ってみた。
当然返事はなかったが、母には「その名の通りのハエトリグモがいるから、クモだけちょっと我慢して」と言っておいた。
翌日からコバエが綺麗に消えた。その日からハエトリグモは二匹になったが、夏が終わるとまた一匹になった。夏中コバエは見なかった。あと、クモにも友達がいることに驚いた。

弟の28歳の誕生日。お祝いのあと実家に泊まっていた夜、夢を見た。京都の四条河原町の通りで弟と並んで歩く女性に会釈される夢だった。愛想のいい笑顔だった。弟に彼女はいないので、どちらさま?と首をかしげると、その子は声をださず、人なつこい笑顔のまま、その場で二度小さくぴょんぴょんと跳ねた。僕は「ああ!」と言って旧知の友のような気持ちで挨拶したが、急に申し訳ない気持ちになった。
夢の話に脈絡がないのは常だが、無意識に「すまん、弟、離したってくれるか?」と言った。女性は僕の手をとって、深々と礼をしたところで目が覚めた。なんだか泣きそうになった。
今年の9月に弟が結婚した。三ヶ月前に知り合った女性との急な結婚だったが、たったそれだけの期間でもその子は我が家に馴染んでいた。夢で見た女性と似ているわけではないが、その子いわく、なんとなく家のどこになにがあるかわかる。らしいのです。
クモにまつわる不思議な出来事は以降なくなりました。ただ最後に付け加えたいのは、結婚式での出来事。
祖母が自分の手相でも見るようにずっと手のひらを眺めている。母も可笑しそうに祖母の手のひらを見ている。
祖母の手にあのクモが。
「あの子はクモに好かれるね。お祝いにまで来たよ」
祖母は、礼儀のある子だよと指先で撫でるようにクモに触れた。
ハエトリグモはその後も度々家で見ることはあるのですが、気のせいか、なんとなく他人だなという気がするのです。
あの子じゃないなというか。
僕も大概弟に感化されすぎているのでしょうが。
[ 2017/12/08 ] ◆MlQgtKFg

[ 151566 ] NO TITLE

>>151536
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/12/09 ] ◆Ahsw8Nok

[ 151956 ] 目目連

またしても長文ですが、祖母と私たち兄弟の話です。

私たち家族は京都に住むものですが、祖母は奥多摩の方から嫁いできた人で、独特の口調で妖怪の話などを語ってくれます。
子供の頃の我々兄弟はそれが大好きで、母の実家に泊まる時には、必ず祖母の部屋で寝ていました。
牛鬼、大入道、ぬらりひょんなどの妖怪奇譚はどれも見てきたかのように真に迫っていて、水木しげるの妖怪大百科ですら、我々兄弟にとっては祖母の語りに遠く及ばないものでした。

そして祖母にはほんとうに身近に、妖怪がいたのではないか、と今でも思う出来事がいくつかあります。これはそのうちの一つ。

祖母のことを私たちは「ヒガシのばあちゃん」と呼んでいました。理由は住んでいる土地名などからですが、省略します。
ヒガシのばあちゃんの決まりは、夕方五時より遅くは妖怪の話をしないこと。でないと私たちが風呂やトイレに一人で行けなくなるからです。
ちょうど12月頃の冬、その日は語りの調子が良かったのか気がつくと時計はとっくに五時を過ぎており、続きは明日と話も唐突に終わりました。
最後まで聞きたいと言ってもダメで、夕飯にも呼ばれたので仕方なく居間に。食後、その時分には珍しかった電気毛布の温もりを楽しみに、ヒガシのばあちゃんの部屋へ戻りました。
部屋に入ってすぐ、我々は立ち尽くして障子をじっと見てしまいました。
貼られた和紙のほとんどがオレンジ色にぼんやり光っている。全てではありませんが丸いオレンジ色の光が行儀よく格子に一つずつ入っている。
あれはなにと聞いても、なんかいるかい?と言われてしまう。しかし明らかに異様な光景ですからやはり目がいく。
「可愛い子がいるねって見に来たんだわ」
と言ってヒガシのばあちゃんは私たちを寝かせようとしましたが、弟が「動く」と言って障子の一点を指差しました。
たしかに、弟が言ったそれだけでなく、ほとんどの光が眼球がそうするように不規則に蠢いているように見える。
私が気になったのはこの、庭に続く障子を今開けると外に何がいるのか。光の正体はなんなのだろうということでしたが、ヒガシのばあちゃんは私たちをそばに寄せて、格子を一つずつ、京都の道の数え歌で数え始めました。
てらごこふやとみ・・
まるたけえびすにおしおいけ…じゅうじょうとうじでとどめさす
最後まで歌ってヒガシのばあちゃんは堀川五条の交差点から上に四つを順に指差し、「四つ指で突いてやれ」と笑いました。障子を突くとは大変魅力的。弟と私は二つずつ、人差し指で穴を開けました。
あの心地よいポスッという感触に続いて、四つを突き終わった時に「おお、あはは」と太い男の声が笑いました。
弟はその時、「あい参った」と笑うような調子の声が聞こえたと言います。
障子の光はさっぱり消えていました。
開けて見ても何もいませんでしたが、その時はなんとなく見ていて、今思い返すに意味深な光景が。
亡き祖父が使っていた埃を被った囲碁の台に、碁石が散らかっていたのです。ヒガシのばあちゃんは囲碁はしませんが、祖父は腕利きだったと聞きます。詰将棋のようなものを挑まれたのでしょうか。
今思うとアレ、有名な目目連ではないかと勝手に思っております。
そして、子供向けに五目並べになっていたのではと。推察ですが。
伝承のように目は取られてませんし、なんなら私たち兄弟は未だに両目2.0。負けるとなにかあったのかな、とも思いますが、なにか楽しげな存在だったと記憶しております。
ちなみに、ヒガシのばあちゃんは、たしかに五目並べは強かったそうです。母親の談。
おしまいです。


[ 2017/12/15 ] ◆MlQgtKFg

[ 151957 ] NO TITLE

いい話だ。じいちゃんばあちゃんの話はほんわかするね
[ 2017/12/15 ] ◆-

[ 151980 ] NO TITLE

>>151956
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2017/12/16 ] ◆Ahsw8Nok

[ 154064 ] ゲームセンター

同人板っぽい話ですみません。

友人宅に、冬の祭典の為に泊まりに行った時の話。

次の日が祭典だと言うのに、原稿が出来なくて必死でPCに向かっていた。
時計を見れば、夜中一時。
仕事で疲れていた友人は先に眠っていて、一人PCの明かりだけで作業をしていた。
ふと玄関の電気が暗くなり、不思議に思いながらそちらを見ると、玄関から部屋に通じる短い廊下に黒い物体が浮かんでいた。
大きさは一メートルくらいの、丸いもの。
じっと見ると、黒い影になった女性の横顔だけが浮かんでいた。ショートカットで癖っ毛か、パーマか髪が横に跳ねている。
薄っぺらな生首に、一瞬ぽかんとしたものの、きっと気のせいだとPCに視線を戻した。
また少しすると、友達の寝返りを打つ音が聞こえ、そちらを何の気なしにみると友人の上あたりに女性の横顔が浮かんでいる。
さっきより近づいているな、とは思ったが、こちらを見ていないし、嫌な感じはしない。
また視線をPCに戻して作業を進めた。
あとちょっとで終わり、コピーに行くかと思った時に視界の端に黒い影が現れた。
横を向くと真横に黒い影だけがある。
相変わらずの横顔。
近すぎる事にぎょっとしつつ、見なかった振りをしてPCを見る。
段々と近づく影が、PCを覗き込むくらいになった。
寝不足による幻覚かとも思ったが、リアルすぎた。
手で影を押し退けるようにして(実際にはなんの感覚も無かった)、立ち上がりトイレに向かう。
すり抜けた影は振り返ってもそこにあった。PC画面を覗き込んでいるように。
トイレから戻ると、影はない。
ほっとしつつPCの前に座ると、画面に違和感があった。
Wordを開いていたが、意味のわからぬひらがなと英語の文字の羅列が、三十文字くらい打たれている。
身に覚えがない文字に焦りつつ、消して見直したが他には異変がなかった。
ほっとした頃、くすりと笑う声が聞こえ、玄関を見るとまた横顔が浮かんでいた。
横顔だけなのに、笑うように口元を綻ばせて。
あ、この子の悪戯か。
玄関から動かない横顔に近づくのが嫌になり、コピーは朝起きたら行こうと諦めて寝る事にした。
泊めてくれた友人には幽霊が出るなどとは、悪いので言わなかったのだが……
後日、友人から笑いながら告げられた。
泊まりに行った日の昼食を食べたのは、前に話していたゲームセンターだったところだと。

蒲○のゲームセンターの話、知っている人はいるだろうか。
商店街の中にあるビルの一つ。
そこはかつてゲームセンターで、幽霊が出るので有名だった。
心霊ものでも取り上げられているが、ゲームセンターは潰れ、今は別の店になっている。
ゲームセンター時代にお祓いに何回か霊能者が入ったが、無駄だったらしい。
そこには女の子とおじいさんの霊が現れるという。

もしかしたら、そこから連れてきたのかも知れない。
数日後また泊まりに行ったが、何事もなかった。あの時だけだったのだろう。
次はしっかりと現象が起こるか、飲食店で意識をするつもりだ。
[ 2018/01/22 ] ◆-

[ 155231 ] NO TITLE

友人の体験。

友人は適当、コミュニケーションはできるが嫌い。
グータラだが行動力が高いという仲間にいると楽しいタイプ。

彼は大学生で、常に金に困っていた。
バイトもするが飽きるか面倒くさくなり一週間ともたずに辞めてしまう奴だったからだ。
そこで、夏季に2週間ほど山に住み込みでするバイトなら無理やりにでもつづくのでは?
という結論に達し、それに応募した。
集まったバイトたちも親方もいい人だったが、肉体労働がとてもきつく、途端に帰りたいと思い始めた友人は夜に脱走する事にした。
しかし前述した通り山の中。
昼間、親方に町への距離と道はある程度聞いていたが、30キロ以上はゆうにあった。
(親方は歩いては無理だぞ!ガハハハハと笑っていた)
夜、プレハブのような寮を抜け出し、友人は山道を歩き始めた。
山道と言っても舗装されている道路だ。真っ暗な道をスマホで時折確認しつつ進んでいた。
3、4時間ほど歩いたところで、前方に椅子がいくつかおいてあるだけの簡素なバス停があることに気づき、
そこで休憩しようと近づいた。
が、そこにゆらゆら赤い光と煙が。
それは初老のオッサンで、くわえたばこを楽しんでいた。
友人「うわっ」おじ「おっおっ」
お互いに近づくまで気が付かず、同時に驚きの声を上げた。
おじ「なんだ人か・・・こんな時間に何してる」
友人は一瞬戸惑ったが仕事先から逃げかえると話し、多少の会話をかわした。
当初は休憩の予定だったが、コミュニケーション嫌いな友人はすぐに立ち去ることにした。
しかし、十数メートル歩いたところで疑問も出てきた。一本道の道路で深夜にオッサンはなにしてんだ?
振り返り、バス停を見た友人だったが、そこにはおじいさんの姿はもう無く
たばこの匂いと煙だけが残っていた。
パニックになった友人はそこから走り続け、空が白み始めた頃に町に着き、電車で地元に逃げ帰った。
友人が言うには、明らかに実体で、思考能力もあるモノだったが一瞬で消えた。らしい。








[ 2018/02/12 ] ◆-

[ 156114 ] 鳥の声

久々の投稿なので、トリップが変わってしまうかもしれません。
祖母の家で飼っていたインコは、賢いのかなんなのか、とにかくよく喋るやつでした。親族一同、面白がって色々な言葉を繰り返し話しかけていました。
祖母は一日中家にいますから、必然的に覚える言葉が祖母のものに偏ってきます。
「よく喋るんやけど、なんか変な声だすねん」
私たち家族が家を訪れた際に、叔母は怪訝な顔でピィちゃんの籠を見て言います。
「ピィよ」
叔母の声に応じるようにチィと鳴く。
「ピィ、おはようございます・・おはよ・・おーはーよう」
「おはよう」
雑音の混じるようなインコの独特な声で、祖母のゆっくりとした挨拶が返ってくる。叔母が三度それを繰り返すと、異変がおきた。
「おはよう・・おう」
明らかに低く出した声で、相槌のようなものを付け加える。
「これ」と言って叔母が困った顔で首をかしげる。
祖母の挨拶に対して、「おう」なんて答えを返すものはいない。少々乱暴な叔父は、挨拶にむしろ厳しい。たしかに妙なのです。
「なん個かあるんよ」
叔母は話しかけ続けました。
「おはよ」
「おはよう・・・うん」
うん、だけが唸るような声だ。
何個かあると言われたが、ほとんどがうんだのあぁだの気のない返事ばかり。
もう誰の声かは我々家族にとって明らかだった。
「おじいちゃんやわ」
母が納得したように言った。祖父は私が生まれるよりも前に他界しています。昔ながらの堅物で、祖母にこれほど愛想がない人物は我が家には一人しかありません。
「愛想ないくせに、ずーっとおばあちゃんにくっついてはんねん」
母は笑っていました。
「やっぱりそう?あたしもそうおもてんけど、やっぱりか」
叔母も納得がいったようでした。
祖母にその声が聞こえているのかどうかはわかりませんが、インコが覚えるほどですから、よほど律儀に返しているのでしょう。
祖父と思しき声は、
「おはよう」「おいしい」などの後に時折返事をしましたが、気になったのは
「ええこ、ええこ」の後に聞こえることがあったことです。




[ 2018/02/27 ] ◆MlQgtKFg

[ 156121 ] NO TITLE

>>156114
>気になったのは「ええこ、ええこ」の後に聞こえることがあったことです。

これはどういう意味ですか?
[ 2018/02/27 ] ◆Ahsw8Nok

[ 156145 ]

>>156121
良い子良い子の訛りです。

会話文は雰囲気を出すためにできるだけ方言をそのままに、と思ったのですが、申し訳ない。わかりにくくなってしまいました。
[ 2018/02/28 ] ◆MlQgtKFg

[ 156243 ] 友人の声

昔あったことを探り探り思い出しながら、いくつか投稿させていただきましたが、私自身の身に起こった大きな出来事を失念しておりました。

大学の頃、大阪で一人暮らしをしておりそのアパートで起こった出来事。
文学部だったのですが、とても仲のいい友人がおり、授業の後には毎日のように私の部屋に来て、互いの文学論をぶつけ合いながら、安上がりな男料理を共につついて朝まで語り明かしておりました。
もちろん、毎日のようにとはいっても一緒に住んでいるわけではありませんから、来ない日もあります。その日友人は来ておりませんでした。
珍しく早い時間から寝ていたのですが、早朝に台所からの物音で目を覚まします。考え事をする人がそうするような、指をトントンと規則的に鳴らす音。シンクにあたる指の音が聞こえてきます。
あいつ、来てたか。まだ微睡みの中にいる私はぼうっとそう考えていました。
足音もあります。台所を行き来するような。
「腹減ったな。でも寝とるしなぁ・・。なんか作ったろかな」
大阪人らしい独り言で何か言っています。声を聞いて確信しました。友人のもので間違いありませんでしたので。
しかし眠りが浅くなるにつれて、記憶は鮮明になります。昨晩は私一人、来ていない。あいつは鞄を必ず玄関先の壁に立てかける。目をやるが、鞄はない。寝床から見える玄関に、靴もない。
台所にいるのはあいつじゃない。
しかし自身の身に何か妙な現象が起きていると即決するほど、私は夢見がちではありません。
静かにシンクの音を聞き、足音に耳を澄ましていました。そういえば、さっきまで夢にあいつが出てきていた。まだ寝ぼけているんだ。
雨が降っている。シンクじゃない。窓のふちを伝った雨粒が、下の枠に落ちる音だ。
足音は、声は、よく耳をすませばそんなものは聞こえない。寝ぼけたか。
怪奇現象を解き明かした探偵のような気持ちで、自分の冷静さに多少の酔いを感じながら、台所の方に顔を向けようとした途端。
強烈な本能がそれを拒否しました。絶対に見てはいけない。首が動かない。突然冷や汗が出はじめる。
足音がする。
「んー」
なにかを思案するよう声。間違いなくあいつの声だが、あいつじゃないとわかる。
なにもできないまま、どれほど時間が過ぎたかわかりません。雨音をじっと聞きながらただただ、意を決して台所に走るか、やり過ごすかと考え続けていました。そのうち、ほんの少しだけ重い気配が和らいだような、隙のようなものを感じました。
心の中で他界した父を呼び、自分を勇気づけ、勢いよく起きて台所へと駆け込みました。
なにもいない。気配も、声も。
振り払いたい一心で台所のマットを蹴り飛ばして。
「じゃかましゃぁ!ボケぇ!」
一喝してだいぶ楽になりました。
時刻は5時。長い攻防だったとタバコに火をつけましたが、やはり気味が悪い。
誰かと話したい一心で、パソコンをつけてスカイプを起動させ、こんな時間でも平気で起きてテレビゲームをしている後輩に心当たりがあったので、チャットを飛ばしました。
「すまん。通話できるけ?」
「おっけーっす」
すぐに繋いでくれて、初めて後輩の存在を心強く思うと同時に全てが終わったと笑い話の準備を始めました。俺、柄にもなくめっちゃビビってさ、ダサかったわ。そんな調子で話そう。
「おっす」
「どもっす・・あれ?聞こえます?ん?」
「聞こえる?」
「あ、いや、あぁ」
「おーい」
「あ、おっけーっす。誰かいるんすか?」
「おい」
「え?」
「やめろや」
「え?」
「なんか聞こえたけ?」
「いや、ふつうにいつもの、先輩と仲良いあの人。朝からまた楽しそうに話してんなーと思って」
「いや、おらん。まぁええわ。全部喋るわ」

後輩共々、心底肝を冷やした話でした。

後日談がありますが。
例によって私の話は長いので、一旦失礼させていただきます。

おしまい、



[ 2018/03/02 ] ◆MlQgtKFg

[ 156761 ] NO TITLE

携帯からなんで、誤字があったらごめんなさい。
この前、会社帰りに某中華料理の店で一人で飲んでたんだけど、そん時に知らない番号から着信があった。
自分はITやってる人間なんで、一応セキュリティとか意識して、知り合いでも登録してない人とか結構いたんで、多分、そんな一人だろうと思って、「はい、もしもし」(知らない番号の場合は名乗らないようにしてる)って普通に出たんだ。

そしたら電話口から、「○○さん?今、外?あぁ良かった!」ガチュン!って、なんか一方的に納得して電話を切られた。

聞いたことない声だったんだけど、呼ばれた○○って名前、あってたんだよね。

なんかモヤモヤしながら、明日、会社で同僚にでも確認してみようと思って、普通に帰ったんだけど、電車の時刻表見たら、帰りに乗るはずだった電車がほんの数分レベルなんだけど間に合わなさそうだった。

あ~あ、あんな電話出るんじゃなかったなぁとか思いながら、次の電車待ってたんだけど、予定時刻になっても電車が来ない。
その時、館内放送が流れてきて、なんだ、遅延か?と思って聞いてみると、どうも一本前の電車(元々乗るはずだった電車)が、車両故障で動かなくなったらしい。

仕方無く、その日はなんとか別路線で帰ったんだけど、翌朝、昨日の車両故障について調べてみたら、乗客が橋梁の上で翌朝まで閉じ込めらる羽目になってたらしい。
昨日の電話が事故を教えてくれた電話だったにしても、よくよく時系列で考えると、着信があった時間の方が、電車が車両故障を起こした時間より前なんだよね。
会社で聞いてみても、誰も掛けてなかったらしいし。

結果として、危機回避することになったんだけど、よくわからない出来事だった。
[ 2018/03/14 ] ◆-

[ 156766 ] NO TITLE

怖いというか今でも切なくなるお話。

昔、自分がまだ小学生くらいの頃、近所に一つ年上の女の子がいて、他の近所の子と良く一緒に遊んでた。

その子(Aちゃんとする)、割りと活発な女の子だったもんで、どちらかというと恥ずかしがりだった自分でも、気にすることなくせっせと話し掛けてくれて、なんか幼いなりの淡い想いみたいなのを持ってたんだ。

しばらくして、近々Aちゃんちが引っ越すことになって、凄く寂しい思いに苛まれたのを覚えてる。
そして、引っ越しの当日、わざわざAちゃん、うちに挨拶に来てさ。最後に「元気でなっ!」って自分に言ってくれて。
嬉しいやら寂しいやらで涙ボロボロってなもんよ。

結局、そのまま連絡取ること無く、記憶にはあるんだけど、せいぜい近所に昔、そういう子とも遊んだなぁ、くらいになっていった。
んで、月日が経ち、県外の大学に入学して、そんなことも忘れてたある日、大学で初めて知り合った仲良しの友人(Bとする)と遊んでて、「今度、俺(B)の友達とドライブ行こうとしてるんだけど、○○(自分)も行く?」って誘われたんだよ。
でも、もちろん友達の友達なんて知ってるはずもなく、「初対面なのにお互い気まずくね?」って言ったら、「大丈夫!大丈夫!その子、そういうのあんまり気にしないタイプだからw」って言うのよ。
自分も、Bの性格から、まあそういう友達もいるんだろう、って納得して、じゃあ行こっかってなった。

んで、当日、いざご対面ってなったんだ。
まあ、ここまでの流れでなんとなく察してると思うけど、その友達ってのが、Aちゃんだったわけですよ。
※Bは俺とは地元は全然別。

ただ、悲しいのが、お互い会って即気付いたわけでは無くて、色々会話してるうちに、あれよあれよと記憶のパズルが嵌まっていってさ。

結果として、昔一緒に遊んでたってのがわかったんだけど、どうも向こうは状況は思い出したけど、俺っていう個人は余り覚えてなかったみたいで、、、。

お互い、間違い無く知ってはいるはずだけど、あまり知らない仲っていう感じで、そのあとは特に急接近するでもなく、今では良くネタにする、笑い話になりましたとさ。おしまい。


[ 2018/03/14 ] ◆-

[ 158749 ] NO TITLE

『障子がガタガタ震える』

[ 158457 ] NO TITLE
15年ほど前に住んでたアパートが昼間に金縛り&朝方ふすまガタガタ物件だったわ。
最初は怖かったけど、引っ越す金もないし放置してたらヒートアップしやがった。
残業続きでヘトヘトなのに必要以上に早く起こされるから、だんだん怒りが沸いてきてね。
隣に迷惑かかってたら嫌だしね。
ある日とうとうブチ切れてふすまブチ殴ったらそれっきり何も起こらなくなったよ。
気合があればなんとかなるもんだと思った一件でした。
[ 2018/04/25 ] NO NAME ◆-
[ 2018/05/02 ] ◆-

[ 159223 ] おかしな家族

この方は、私が30歳の時に偶然お会いした霊能力者さん、みな先生と呼んでいました。

50〜60歳くらい、黒いちょびひげを生やしたおじさんでした。

私(男)にはおかしな記憶?があるのです。夢なのか、突然思い出したものなのかはわかりませんが、5歳の時にふと頭の中に入り込んできた映像がありました。

これがおかしいのです。

記憶というのは実際に過去に体験したことであり、なんらかの、今との繋がりがあって然るべきなのですが、この記憶に至ってはどうあってもあり得ないのです。

この映像が入り込んできたときは、私は団地に住んでいました。3歳の頃に引っ越ししてそこに移り住んだのです。それまでは3階建てのアパートに、断片的にではありますが生まれた頃からここに住んでいた時の記憶があります。実際そうでした。

この入ってきた映像というのは私が戸建ての一軒家に住んでいるのです。その家の外観を見たわけではないのですが、少なくとも団地やアパートのような部屋とは明らかに違うとわかるものだったのです。

その映像とはこのようなものでした。

私が部屋に入ると、テーブルの上に置かれた籠がありました。中には灰色のウサギが一匹いたのです。

すると後ろから、「このウサギを裏山に放しに行こう」と立っていた両親に云われ、「うわあああ♡」と喜んでいました。それがだいたい5歳くらいの年齢だったと考えるのです。1メートルか、くらいの高さのテーブルを少し上の視点から見ることができる、くらいの背丈だったからです。

次に裏山の場面に変わって、私には姉?(妹かもしれないが以降は姉と表記)がいました。私と同じくらいの年齢でした。ですので4人家族です。

その裏山は、小山の真ん中を横に薙いだような場所で、すぐ片側にちゃんとした山がそびえている、そんなところでした。

地面にはところどどころに草が生え、薄い細いヒビが入っているそんな場所でした。

そこに父親が籠からウサギを出しました。ウサギはぴょんぴょん飛び跳ねながら走ります。

姉と私は走り出したウサギの後を追いかけます。私が前で、姉がすぐ後ろについて走っています。ウサギはぴょんぴょん走って行きます。そこでふと、後ろが気になって走りながら振り向いたのです。そこにはすぐ後ろを走っている姉と、その後ろで私たちを見ている両親が立っていました。また向き直り、ウサギを追いかけていたのですが、そこに切り株ひとつあり、そこへウサギがぴょん、ぴょん、ぴょん、とその切り株の上に飛び乗って私たちの方へくるっと向いたのです。私はウサギを捕まえようと手を伸ばしましたが、もうすぐ捕まえられる、というところで動きを止めて、もう一度振り返りました。すると姉がいません。

離れたところで見ていたはずの両親もいなくなっていて、後ろにも山があったのですが、代わりにあったのはその頂上から少し離れた空中に細長い球体でした。浮いている、というよりはそこに止まってあったのです。

左手側から振り向いて見た光景だったのですが、もう少し左を見ました。するとそこには、先の両親と姉ではなく、今の父、母、妹が三人並んで立っていたのです。しかも三人の顔がなかったのです。のっぺらぼうだったのです。

そこから記憶が途絶えています。

父も母も妹もちゃんとあります。のっぺらぼうだったのはこの映像の中だけでした。

私には家族がふたつあるようでした。ですがウサギを放した両親と姉の顔はまったく思い出せず、この今の並んで立っていた家族に関しては今まさに見ています。当時5歳でしたが母に聞いてみたことがあります。こののっぺらぼうだった、今は顔のある母にです。

「小さいときウサギを飼っていなかった?」

細長い球体がどうの、のっぺらぼうがどうのというのではなくそう聞いたのです。すると、私がまだ赤ん坊だった頃、のっぺらぼうだった父が会社からもらってきた大きなウサギがあった、と言うのです。

私が3歳の時に引っ越す際にはいなかったから、どうなったかはわかりません。しかし私が見たのは走ることができて、言葉もはっきり話せる年齢でしたから、赤ん坊というのはこの映像とは合わないのです。

怖くて詳しくは聞き出せなかったのですが、それから25年の後、夏、会社の新入社員(男)に涼しくなるような話でもしてくれないか、と冗談半分で聞いてみたのです。すると新入社員は、「そんなこと信じてるんですか?」と言われたのでどうしてか、なぜこの話をしようと思ったのかわからないのだけれどもこの映像の話をしたのです。すると新入社員、「それは先生に見てもらったほうがいい」と言われ、今度新入社員といっしょに会いに行くことになったのです。霊能力者さん、先生に。

我々のいる場所からは遠いところにあり、そこに戸建ての家がありました。中に入ると先生がいました。畳の部屋に案内されて、長方形のお膳に先生、新入社員が向かい合って座り、私がその間に二人を両脇に見る形で座り、この映像の話をしたのです。先生突然こう言われました。

「こいつ、時間がズレ込んでおる」

突然意想外なことを言われたので「先生、それはどういうことなのですか?」と聞きました。

すると先生は目を瞑って「それは灰色の記憶のはずだ」そして「考えるな、気にするな」と言うばかりでした。

「私の家族は何なのですか?」と言うのですが、先生はこの質問に関しては、ちらっ、ちらっとしか私の顔を見ないのです。なにか見てはならないモノが私か、私のすぐそばにあるかのようでした。

時間が来たようなので、先生の電話番号をちょうだいしてそこを後にしました。

それから5年後。私が35歳になった時、実家が戸建ての家をローンだけれども購入したというので行ったのです。そこには母が一人でいたのですが、そんな時、母が突然こんなことを言いました。

「おまえの本当のお父さんは愛媛県にいる」

市町村名まで言いましたがさすがに番地は言わなかった。お父さんだけではなくお母さんも妹も違うのだろうとは小さい頃から知っていました。追求しようにも、もう一切の質問を受け付けようとはせず、別の話題に振ってしまいました。

かれらは私が『普通』の家庭を知る以前からやはりおかしかった。幾つかそういった状況が、そういったものを見てしまうような場面がありました。先に書いた団地にいた時ですが、ふすまの向こうで父、母、妹三人の話し声がします。ふすまをスッと開くとそれまでしていた話をぴたっとやめるのです。四角いテーブルに伏せたような形で押し黙るのですね。

これはみなさんの言われるような、パラレルワールドというのとは違うような気がしますし、幽霊や妖怪とも違います。

私は現在一人暮らしですが、今でも戸建ての実家で我々と同じ空気を吸っていることでしょう。

パソコンを購入していろんな話を読んでは関心してばかりいるのですが、こういった類いの話が出て来ないのですね。ですのでこういった体験を書き込んで、後からもし、なにか手がかりなりがあれば教えてほしいのです。もっと奇怪なこともありましたがここでは控えます。それともう大方わかってはいるのです。かれらの正体が。

傍目から見れば普通の家庭に見えるでしょうが、ええ、家族は変です。












[ 2018/05/13 ] ◆-

[ 159695 ]

家の前が線路なんですけど、
今、線路の上を頭だけが自転車に乗ってるような動きで横切っていきましたよ。。。
鳥ではなく黒い球体であることは確か。
[ 2018/05/24 ] ◆-

[ 160360 ] 祖父の川

 私が中学生だった頃の話だ。
 八月中旬、学校は夏休み。生来身体の弱い母が検査入院という形で幾日か家を空けることになり、加えて消防署に務めている父の仕事の都合もあって、数日の間、私一人で母方の祖母の家に泊まりに行くことになった。
 別に一人で留守番していても良かったのだが、事情を知った祖母が電話の向こうからこっちに来いとうるさいのと、行けば面倒くさい家事をしなくても良い、という事実につられて、行くことにした。
 祖母の家までは電車で一時間半ほど。県境の山奥へと線路は谷間を縫うように進み、駅に着いたのは正午前だった。
 冷房の効いた車内から、ホームに降り立つ。ドアが開いた瞬間、むっとした外気と緑の匂いがまとわりついてきた。周囲は勾配のきつい山とその谷底を流れる川と青い空と青い茶畑が大部分、あとは国道沿いにぽつりぽつりと家が建っている。
 随分昔、いくつかの小さな集落が集まって出来た、それでもやはり小さな町。ここが祖母の住む町であり、私の母の生まれ故郷でもある。正月から数えて数か月ぶりの訪問だったが、一人で来たのはいつ以来だっただろうか。幼いころには、こういったことがもっと頻繁にあったように思う。
 駅から坂道を下り、川に掛かった沈下橋を渡る。日差しは肌を射すようで、あちらこちらから聞こえるセミの鳴き声がやかましい。橋の丁度真ん中あたりで立ち止まり、欄干も無い石橋の縁から下を覗き込んでみる。水は澄んでいて、川底まではっきりと見通せた。
 しばらくじっと川を見やる。
 町と同じ名前であるこの川は、水が綺麗なことで知られる県下でも有数の清流だった。そうして私が泳ぎを覚え、生まれて初めて溺れた川でもある。
 よくは覚えていないのだが、幼い私は、まだ満足に泳げないくせに深みに入ってしまい、溺れているところを傍に居た祖父に引き上げられたそうだ。その後、河原でひとしきり泣いた私は、呑んでしまった分の水を両目から出し切ると、またけろりとして水に入って行ったという。
 こうして聞くと完全に阿呆だが、祖父はそんな孫の行動を、「俺の血じゃ」 と言ってえらく喜んでいたらしい。
 川に遊びに行く際、私のお守り役はいつも祖父だった。当時の記憶は飛び飛びの途切れ途切れだが、河原から孫を見守るだけで泳ぎも釣りもしない祖父に対し、一緒に遊んでくれればいいのに、と少々不満だったことは覚えている。
 昼食を食べたらひと泳ぎしようか。青々とした流れを横目に私はまた歩き出した。
 祖父母の家は、橋を渡って川沿いの坂道を少し上った場所に建っている。一見木造の平屋だが、よくよく近づいてみていると実は二階建てで、何だか普通の二階建ての日本家屋を、大きな掌で上から押しつぶしたような、少々不格好な家だ。
 祖母は、家から道路を挟んだ斜面に沿った畑で、何やら作業をしていた。どうやら畑周りの雑草を刈っているようだ。
「おーい、ばあちゃん」
 呼ぶと、彼女は腰を曲げたまま顔だけこちらに向けた。日差しから首筋まで守れる農作業用の帽子をちょいと上げ数秒、ようやく私だと分かったようだった。
「おーおー、来たかよ」
 言いながら、祖母は鎌と器用に束ねたカヤの束を両手に、もはや斜面というより崖に近い段々畑を軽々と降りてきた。歳は七十に近いはずだが、足腰はまだまだ達者なようだ。
「時間を言うたら駅まで迎えに行ったんに」
 少々口惜しそうに祖母は言った。そう言えば、小さい頃ここに来たときには、必ず祖父母そろってホームで待っていたことを思い出す。もちろん二人とも入場券など買わず、改札は顔パスだ。良くも悪くもこの町は狭く、住む人々の結びつきは強い。
「そんなんいいって。それより、腹減ってるんだけど」
「おうおう、もうそんな時間かよ。そうしたら急いで作るきよ、先におじいちゃんに挨拶しとき」
「それ、後じゃいかんの?」
「あこぎなこと言うとらんと、さっさと会うて来んさい」
 親子だから当然なのだが、こういった物言いは母とそっくりだ。足腰だけじゃなく、まだまだ口も達者らしい。
 玄関に荷物だけ置き、そのまま家の裏手に回る。先祖の骨が収められている納骨堂は、河原へと降りる道の傍にあった。お堂の周囲には、古い墓石がいくつか並べてある。元々はすぐそばの山を少し上がったところに墓地があったのだが、管理しやすいようにと、祖父の死の際に骨と墓石を降ろしたのだった。
 墓前に立つ。
 祖父が死んだのは、私が小学校低学年だった頃のことだ。
 突然畑で倒れ、病院に運ばれた時には医者も呆れる程全身癌だらけだったらしい。それから一ヶ月もしないうちに祖父は亡くなった。入院中、痛いとも辛いとも、泣き言や弱音は一切吐かなかったそうだ。
祖父の入院中、一度だけ私は父と二人で見舞いに行った。しばらく見ない間に、祖父は随分と痩せてしまっていた。
 祖父はベッドに横たわったまま、私を傍に呼ぶと、自分の子供時代のことを語り始めた。それはもっぱら川についての話だった。生まれ育った故郷を流れる川。私が泳ぎを覚えたように、祖父もこの川で泳ぎを覚え、モリ突きを覚え、投網のやり方を覚えた。
 当時の川がどれほど綺麗だったか、どれだけ多くの魚が居たか、どのくらいの水量があったか、祖父は語った。
 ただ、それらはすでに何度も聞いたことのある話で、退屈を持て余した私は、祖父の話よりも病室内の観察ばかりしていた。しばらくすると、語りつかれたのか祖父は寝息を立て始め、病室から出た私は脳天に父の無言の拳骨を食らった。
 それから幾日か過ぎた後、祖父は死んだ。その日はひどい雨で、最後の言葉は、「川の様子を見てくる」 だったそうだ。
 手を合わしながら、私は、そんなことを思い出していた。
 墓参りが済むと、祖母と二人で昼食をとった。御多分に漏れず、「もっと食いんさい」 が口癖の祖母であるが、大皿いっぱいの芋の天ぷらには正直まいった。
「そのくらげ君っていうあだ名は、あんたが付けたんかよ」
「そう。小学六年の時からそう呼んでる」
 二人で山盛りの料理をつつきながら、話題は私の同級生である一人の友人についてだった。
私にはくらげという友人が居る。もちろん、あだ名だ。
 くらげは所謂、『自称、見えるヒト』 だ。
 例えば、彼の自宅の風呂にはくらげが湧くらしい。だから、くらげ。また、彼はそうした自身の特徴について、「僕は病気だから」 と言う。見えてしまう病気。しかもそれは、稀に他人に感染ることがあるとも。
 ただ、私が祖母に話した事柄は、自分にはくらげというあだ名の一風変わった友人が居て、彼には一般的に幽霊の呼ばれるようなものが見えるらしい、ということだけだ。
しかし何故か、祖母はそのくらげ君のことがいたく気に入ってしまったらしい。
「今度うちに連れて来んさい」
 祖母が言った。最初は軽い冗談かと思ったが、それから何度も、「会ってみたい」 や、「連れて来い」 を繰り返すのを見ると、どうやら本気らしかった。
「あのさ……、誰が好き好んで他人のばあちゃんちに行きたいと思うんだよ」
「そんなもん聞いてみんと分からん。来たい言うかもしれん」
 祖母は、何故か自信満々だった。
「大体さ、何て言って呼ぶんだよ」
「『家の前の川に死んだおじいちゃんが出るらしいから、見てくれんか』 って言うたらええが」
 どうやら私の言葉を予想していたようで、祖母は間髪入れずに答えた。
 そうきたか。
 亡くなったはずの祖父を川で見た、という話が出てきたのは、祖父の葬式が済んでから半年ほど経った頃のことだったそうだ。
 最初に目撃したのは、同じ集落に住むご近所さんで、朝の散歩の途中、川に架かる沈下橋を渡っている際に見たのだという。なんでも死んだはずの祖父が上半身裸で腰まで川に浸かり、モリで魚を突いていたのだとか。
 それからというもの、同じように祖父の姿を川で見た、という人間は徐々に増えていった。祖父が出る場所は、きまって家の裏手を降りたところの川だった。泳いでいたり、縁に立ってただ川を眺めていたり、投網をしていたりと、バリエーションは様々で、時には複数人が同時に見たということもあったらしい。
 ただそんな中、祖母自身は未だそうした夫の姿を見てはいない。が、だからといって、信じていないわけでもないらしい。
しかし、もし祖父の霊が居ると仮定して、くらげに見てもらって、その後どうするつもりなのだろうか。
「……あいつ、たぶんお祓いとかは出来んと思うけど」
私が呟くと、彼女は一瞬きょとんとした表情になって、それから小さく噴き出した。
「別に、そんな気はないけんど」
 そうして祖母は、その顔に、まるでいたずらっ子のような笑みを浮かべ、
「ただ単に、見てもらいたいんよ」
 そう言って、芋の天ぷらを一口、旨そうに齧った。
 昼食が終わると、私は膨らんだ腹と釣り具をひっさげ家の裏手の川へと向かった。納骨堂の横を通り過ぎ、河原へと続く階段を下る。空は青く雲は白く日差しは依然ぎらりとしている。
 そこら中に葦やカヤやイタドリといった背の高い草、河原には大きさの様々な石がごろごろしており、その向こうには深い青色をした水の塊がころころ流れている。
 川岸にて、大きな一枚岩の上に釣り具とサンダルを放り出す。そうして私は助走をつけて走り出し、服のまま川に跳び込んだ。
 小魚が数匹、いきなり現れた私に驚き茶色く苔むした岩の下へと逃げていく。水はきんと冷えていて、実に気持ちが良かった。
 水中は、ゴーグル等をつけなくてもかなり遠くまで見通せる。昔に比べて足の届く範囲は広がったが、それでも一番深いところでは三メートル弱ほどの水深があり、流れもある。一人で遊ぶには十分な空間だった。
 しばらく好き勝手に泳ぎ回り、気が済んだところで河原に上がった。釣竿を置いた岩の縁、微かに丸く窪んでいる箇所に腰を降ろす。跳び込んだ際に冷たい水が気持ちよかったように、今は照りつける日差しが心地いい。少しの間、釣竿も手に取らず、足をぶらぶらさせながら、ただぼんやりと目の前の川を眺めた。
 幼い頃、祖父も同じようにこの場所に座り、川で遊ぶ私の姿を眺めていた。
 私の記憶の中では、釣りも突きもせず、決して川に入ろうとしなかった祖父だが、若いころは一年中毎日のように川に関わっていたそうだ。
 聞くところによると、モリ突きの腕は確かだったようで、息が長く、一度の潜水で五匹のアユを突いてきたこともあったという。投網も上手く、台風で憎水した日でも漁をしに川へ行き、祖母や母を心底心配かつ呆れさせたこともあったらしい。夏も始まらないうちから泳ぎ始め、秋になり、見ている方が寒くなってくる時期でも平然と川に入って行ったそうだ。
 私がそうした祖父の姿を知ったのは、亡くなった後のことだった。
 ふと、誰かに名前を呼ばれたような気がして、私は辺りを見回した。近くに人の姿は無い。聞き違いだろうかと思った瞬間、クラクションの音と共に今度ははっきりと誰かが私を呼んだ。
 見ると、流れの上流、午前中に渡って来た沈下橋の上に一台の軽トラックが止まっていた。材木を運んでいるらしく、荷台の尻から丸太が付き出ている。運転席に居るのは、白いタオルを頭に巻いた若い兄ちゃんだ。開けた窓からこちらに片手を上げている。
 私が手を振りかえすと、彼は橋の袂にトラックを止め河原に降りてきた。
「おー、こっち来とったんか」
「イチ兄、久しぶり」
 イチ兄は私の又従兄弟にあたる人物だ。歳は十ほど離れているが、何故かうちの父とウマが合うようで、私も幼い頃からよく遊んでもらっていた。高校を卒業してから山師として働いていたが、数年前に辞め今はこの町で農業をしている。
「一人で来たんかよ?」
「うんそう。二、三日泊まってくつもり」
 それからお互い近況報告のような会話を少し続けた後。橋の方を振り返りながら、イチ兄が言った。
「いやー、最近この辺りで泳ぐ奴とか滅多におらんからよ。またお前んとこのじいさんが出てきたんかと思ったわ」
 それについては、つい先程の祖母と話したこともあって、私は二割増しほど驚いた。
「イチ兄、見たことあんの?」
「ん。一回こっきりやけどな。お前を見つけたように、向こうの橋の上からよ。俺が見た時には、モリ片手にそのへんを泳いどったな」
 イチ兄がそれを見たのは、去年の夏のことだったらしい。
「見間違いとか、人違いじゃなくて?」
 イチ兄は、私の無遠慮な質問にもあっけらかんとしたもので、「あー、そう言われると何とも言えんなぁ」 と、頭頂部あたりを指で掻きながら言った。
「けんど、この辺りでモリ突きやるのは、あのじいさんくらいやったしなぁ。……しっかしまあ確かにな。あれがお前んとこのじいさんやったら、死人のくせにえらい活き活きと泳ぎよったもんだ。こう腰にアユ何匹もぶら下げてな」
 そうしてイチ兄はからからと笑いながら、ふと川の方を見やった。釣られるように、私もつい先ほど泳ぎ回った水の流れに目をやる。
「……まあ、心残りもあったんやろうな。あのじいさんも色々あったしよ」
 イチ兄の視線が川を上流に辿っていく。
 この川の上流にダムが出来たのは、三十年以上昔、この町がまだいくつかの小さな集落に分かれていた頃のことだったそうだ。
 ダムの着工に当たる際、電力会社は地元の地理や人間関係に明るい人物をほしがった。そうして白羽の矢が立てられたのが、祖父だった。
 祖父は当初、ダムの設置には反対していたそうだ。ただ、着工が決まってからは一言も口を挟まず、電力会社の求めにも、周囲の人間が意外に思う程あっさりと首を縦に振ったという。
 ただその日以来、祖父は川に入ることをしなくなり、魚も一切捕らなくなった。
「お前のじいさんから聞いたけどよ、昔、ここの辺りは流れが早すぎて、川底に苔もつかんかったらしいからな。今は、水も魚も随分減ったとよ」
 その話は私もよく聞かされた。晴れた日には、太陽の光が川底に反射して、赤や緑や白といった色の石がきらりきらりと輝くのだ。当時の川は、まるでビードロを溶かしたようだった、と、病室で私の頭をなでつつ、祖父は言った。ろくに話は聞いていなかったが、その言葉だけはよく覚えている。
 私の知らない、祖父の記憶の中にある川。
「お前のじいさん見た時な」
 イチ兄が言った。
「そん時だけよ、川がえらい澄んで見えたわ」
 私はその髭面を見上げる。イチ兄は、強烈な陽の光に目を細めながら、ダムのある方角を見やっていた。
 目の前の川に視線を戻す。私が初めて泳ぎ、溺れた川。
「今でも十分キレイと思うけどなー……」
 呟くと、隣でイチ兄がからからと笑った。
 それからしばらく話をして、イチ兄は畑に杭をたてる仕事があるということで、車に戻って行った。
「二、三日泊まってくなら一度くらい飯食いに来な。嫁さんもチビすけも喜ぶけぇよ」
 車の中から、イチ兄はそんなことを言った。彼はつい近年結婚し、子供も生まれたばかりだった。トマトのような頬をした女の子で、一度抱っこしてみろと押し付けられた時に大泣きをされ、皆に笑われた苦い思い出がある。
「あー、気が向いたら、行く」
 私がそう返事をすると、イチ兄が笑って片手を上げた。軽トラは緩やかな坂道を上りすぐ見えなくなった。
 その後、私は持ってきた道具を広げ、釣りを始めた。二時間ほど粘ったが釣果は芳しくなく。釣れたのは痩せたアメゴが一匹だけだった。
 そう言えば、祖父は突きも投網もやったが、釣りだけはしなかったそうだ。そう話してくれたのは祖母で、理由を訊くと、「あの人にゃあ、川に入ってばちゃばちゃやる方が性にあっちょったんよ」 と、可笑しそうに笑っていた。
 今日はこれ以上続けても無駄だろう。服もすっかり乾き、大分腹もこなれてきた私は、一匹だけアメゴの入ったバケツを手に祖母の家に戻ることにした。
 そうして、河原から家へと続く階段を上ろうとした時だった。背後からまた誰かに名前を呼ばれた気がして、私は振り返った。
 そこには誰もおらず、ただ同じように川が流れていた。
 もう一度名前を呼ばれた。見上げると、階段を上りきったところに祖母が居て、私が上ってくるのを待っているようだった。
 私はもう一度だけ後ろを振り返り、それが確かに気のせいだったことを確認してから、再び石段を上りだした。
「じいさんはおったかよ」
 途中、上から祖母が言った。私は首を横に振って、「おらーん」 と答える。そうしながら、ふと、もしくらげを連れて来たとしたら彼には見えるのだろうか、と、そんな想像が頭をよぎった。
 イチ兄が見たという祖父の姿。そうして、まるでビー玉を溶かしたようだという、祖父の川。
 気が付くと、いたずらっ子のような笑みを浮かべた祖母が、私を見やっていた。
「何だよ」
 すると彼女は、まるで私の考えなどお見通しだでもというように、こう言った。
「次はくらげ君と来んさい」
 私は祖母を見やり、手のバケツを見やり、その中のアメゴを見やり、息を吐いた。
「……気が向いたらなー」
 祖母が笑った。
そうして、「じいさん聞いたかよー」 と、私の背後に向かって大きな声を響かせた。
[ 2018/06/10 ] ◆etpFl2/6

[ 160362 ] 水を撒く

 私が中学生だった頃の話だ。
 二月の平日。その日の朝、いつもより随分早く家を出た私は、中学校とは逆方向のとある友人の家へと向かっていた。
 冬の空気は澄んでいて、自転車を漕いで火照った体に冷たい風が心地いい。空は薄曇りだが、降ってきそうな程ではなく、そう言えば一年前は雪が降っていたんだよな、と、そんなことをふと思う。
 友人の家は、街の南側にある山を少し登った場所に建っている。家の周りを囲う塀に自転車を立て掛け門をくぐると、当の友人が一人、玄関先に手桶と柄杓で水を撒いていた。
 私に気付いたようで、その手が止まる。訪ねることは事前に伝えてあったので、驚いている様子ではない。
「よ」
 軽く手を上げると、彼も手にした柄杓を微かに上げて見せた。
 彼はくらげ、もちろんあだ名だ。小学時代からの友人で、所謂、『自称、見えるヒト』 でもある。
 傍らに歩み寄ると、くらげがちょいと後ろを振り返った。玄関の戸は少し開いていて、隙間から妙に薄暗い玄関と廊下が見えた。
 今日は、くらげの祖母の一回忌に当たる。彼は私服姿で、忌引き扱いにはならないはずだが、今日は学校を休むようだ。
「何してんだ?」
「水を、撒いてるんだけど」
「そりゃあ、見りゃわかる」
 この寒さだ。ただの打ち水でないことも、分かる。
 すると彼は手桶の中の水に視線を落とし、「今日はそういう日だから」 と言った。
 聞けば、彼の家では亡くなった人の魂を迎える際と送る際、家の周囲に水を撒くのだという。
 そういう風習があることを、私は知らなかった。「うちは元々やってなかったみたいだけど……」 彼が言った。
「おばあちゃんの方の家では、そうしてたらしいから」
 一人でやってるのか。
 言いかけて、止めた。
「上がってもいいか?」
 代わりにそう尋ねると、彼はもう一度後ろを振り返ってから、小さく頷いた。
 玄関を抜けてすぐ左が居間になる。くらげの後について部屋に入る。室内には誰の姿もなかった。
 丁度一年前、葬儀を行ったのもこの部屋だった。
 神棚には供え物と一緒に一枚の遺影が立て掛けてあり、当たり前の話だが、写真の中の彼女は一年前に見た時と全く同じ表情をしている。
 隣を見やると、彼もまた普段となんら変わらず、表情は乏しい。
 霊前に進み、二礼二拍手一礼。頭を下げ手を合わせ、目を閉じる。
 彼女とはこの家で何度か会って、何度か話もした。最初の印象は、しわだらけで、まるで童話に出て来る魔女のようなおばあさんだったのだが、その性格は至って穏やかで、いつか、私が孫のことをくらげと呼んでいることを知ると、ひどく嬉しそうな顔で、「うふ、うふ」 と笑っていた。
 目を開く。霊前、写真の中の祖母の表情が変わっている、といったこともなく、彼女はやはりあの皺だらけの笑顔で私のことを見やっていた。
 一年前、私はここで不思議な光景を見たのだが、今回は、例えば霊前に無数の光るくらげが浮いている、といったことも無かった。
「ありがとう」
 お参りを済まして振り返ると、戸口の辺りで突っ立っていたくらげに礼を言われた。「何が?」 と訊き返すと、彼は小さく首を傾げて、
「……何だろう?」
「何だそりゃ」
「ごめん」
 そうして彼は、何故か困ったように、少しだけ笑った。
 二人で外に出る。空模様もここに来た時と何も変わらない。くらげが玄関わきに置いてあった柄杓と桶を拾い上げる。また水を撒くのか。
 予定では、お参りが済んだらすぐに学校に向かうつもりだったのだが。何となくそんな気にならず、私は玄関横の壁に背中を預けた。
「そもそもさ、何で水を撒く習慣が出来たんだろうな」
 私の言葉に、くらげは一度自分の足元に水を撒いてから、「……おばあちゃんから聞いた話だけど」 と言った。
「こういう日、お盆とか、一回忌とか。昔は、海からここまで大勢で水を撒きながら帰って来たって」
 私たちが現在居る家から山一つ越えれば、そこはもう太平洋だ。
「目印だったんじゃないかな」
 それ以上、くらげは何も言わなかった。目印。私は思う。もし海から水を撒いて戻る行為が目印を残すためだとすれば。それはもちろん、生きた人間のためではなく、そうでないモノたちが、迷わず帰ってくるためのものなのだろう。
 何故か、 童話、『ヘンゼルとグレーテル』 で兄妹が落としていったパンくずを思い出した。ただあのパンくずは確か小鳥に食べられてしまうのだったか。
 何にせよ、昔の人たちは、水を撒くことによって海から死者を招こうとしたのだろう。
「……戻ってきた人、見たことあるか?」
 訊くと、彼は桶の中の水に目を落として、「無いよ」 と言った。そうして再びぱしゃりと水を撒いた。
 見たことないのに、やってるのか。言いかけて、止めた。今日はこんなことばかりしている気がする。
「じゃあそれって、海の水?」
 代わりにそう尋ねながら、桶を覗きこむ。三分の一ほどに減った水面にぷつぷつと泡が浮いている。やはり海水のようだ。
 その時、ふと水面の泡に混じって、何か別の小さなものが浮かんでいることに気が付いた。何だろうか、丸くて小さな何か。
 目を細めていると、くらげも同じように桶を覗きこんできた。
「……くらげが居るね」
 くらげが言った。
 桶の中には、小指の先程の小さなくらげが一匹、ゆらゆらと揺れていた。もし私の目が良くなければ、見逃していただろう。
「これ、お前にも見えてるんだよな」
 分かりきったことを訊いてみると、彼はこくりと頷いた。
「庭に撒くところだった」
 くらげがこぼす。そうして小さく二度、笑った。血が繋がっているのだから当たり前だが、何となく彼の祖母の笑い方と、少しだけ似ているような気がした。
 その後、くらげと二人で裏の山を越えて海へ向かった。
 くらげは頑なについて来るなと言っていたのだが、結局、彼の家の電話を借り、身体の弱い母が体調を崩していると嘘をついて、学校はサボることにした。実際、過去にそういう理由で休んだことが何度かあるので、先生も疑問に思わなかったようだ。
 くらげが桶の水をこぼさないようにゆっくり歩くので、峠を越え海が見えた頃には、曇り空の向こうの陽もかなり高くに上がって来ており、結局海に着いたのが昼前だった。
 小さな漁港は閑散としていて人影はなく、冬の海はどこか色が暗く静かだった。
 くらげが堤防の縁に立ち、桶の中の水をゆっくりと海に撒いた。海面が一瞬だけ白く粟立つ。いくら目の良い私でも、さすがに海にまかれた小さなくらげの姿は確認できなかった。
 隣のくらげは、しばらく今しがた自分が水を撒いた海面を見やっていたが、その内、防波堤の縁に腰を降ろして、水平線の方に視線を向けたまま動かなくなった。山越えで疲れたのだろう。少し、休んでいくつもりらしい。
「なあ、くらげさ」
 彼の横で立ったまま、尋ねる。
「海に出るくらげって、毎年お盆を過ぎたら出て来るって言うだろ」
「うん」
「あれ、何でだろうな」
 隣のくらげが座ったままこちらを見上げた。
「さあ?」
「くらげのくせに、知らねーのかよ」
「……何それ」
 その不服そうな呟きに、私は水平線に向かって軽く吹き出し、くらげはそんな私を見て呆れたように小さく息を吐いていた。
 くらげが再び桶いっぱいに海水を汲んだため、帰りも行きと同じくらいの時間がかかった。訊けば、明日の朝の分だという。海水で一杯の桶は結構重いらしく、よろよろしながら歩いていた。
 山道を登って下りて、ようやく彼の家にたどり着いた。くらげはもう疲労困憊といった有様で、とりあえず今から少し寝ると言う。どうしようかと迷ったが、学校をサボった手前家にも帰り辛いし、さすがに私も少し疲れていたので、一緒に昼寝をさせてもらうことにした。
 私もいいかと訊くと、彼はどことなく迷惑そうな顔をしたが、追い出すのも億劫だったのか、「夕方になったら人が来るから、それまでなら」 と言った。
 やはり相当疲れているらしく、二階の自室まで上がる気力も無いようで、玄関を上がるとそのまま大広間に入り、押し入れから敷布団を一枚と掛布団を二枚引っ張り出すと、自分はその内の掛布団一枚にくるまるように、畳の上に転がった。私も習って同じようにミノムシになる。
 布団からは少し、古くくすんだ匂いがした。
 目を閉じたが、ふと、誰かに見られている気がして、布団から頭を出した。くらげは身体を丸めて、頭まで布団の中にすっぽりと隠れてしまっている。逆の方に目をやると、神棚の一番上で祖母の遺影がこちらを見つめていた。
 しばらく視線を交わしてから、目を逸らした。
「最初の海の水もさ、くらげが汲んできたのか」
 隣の彼に尋ねると、「……朝は、父さんが」 とだけ返って来た。あまりに眠たそうな声だったので、それ以上何かを訊くことは止めにした。
 仰向けになり天井を見上げると、寝転がっているからか、ただでさえ広い居間が余計にだだっ広く感じられた。
 そうやって畳の上でごろごろしていると、徐々に深くなる眠気と共に、一年前のことがぼんやりと浮かんできた。
 葬式。
 私だけに見えた霊前に浮かぶ無数のくらげ。
 遺体が火葬場で焼かれている間、外で待っていた時の寒さ。
 そう言えば、ヘンゼルとグレーテルの魔女も、最終的にはかまどで焼かれるんだったか。
 くらげの兄と父親、亡くなった祖母。異様なほど黒い外観に住んでいる、住んでいた人々のこと。
 やっぱり、おかしな家だよな。
 取り留めのない記憶や考えが、ふらふらと頭をよぎる。
 その内、私は眠りに落ちた。
 どれくらい眠っただろうか。ふと気が付けば、寝ている私たちの周りに大勢の誰かが立っていて、私とくらげをじっと見下ろしている。
 そういう夢を、見た。
[ 2018/06/10 ] ◆etpFl2/6

[ 160364 ] 河童の出る池

 私が中学生だった頃の話だ。
 自分がその日の記憶をいくらか失っていることに気付いたのは、私を轢いた車が、その場から去っていくのを見送った後のことだった。
 川沿いの道から、自宅がある住宅街に入ろうとした瞬間。十字路。田舎道で、見晴らしが悪いわけでもなかったが、左右の確認もせずそのまま十字路を横断しようとした時、丁度右から来た車とぶつかったのだ。
 ボンネットに叩きつけられ、気づいた時には道路脇に転がっていた。
 私と衝突したのは青色のハイエースで、作業着を着た若い男が慌てた様子で車から降りてきた。
 車に轢かれた混乱と、妙な気恥しさが手伝って、私は急いで立ち上がった。
 結局、警察も救急車も呼ばれることは無かった。それは相手の非ではなく、私が頑なに、「大丈夫です」 を繰り返したせいだ。
 しばらく押し問答があった後、男を乗せた青いハイエースは去り、私の手には無理矢理渡された一万円札と連絡先が書かれたメモが握られていた。
 頭と体の熱が冷めるまで、少しばかり時間がかかった。見ると、右半分の肘と脛の部分に擦り傷が出来ていて、微かに熱を持っていた。
 身体の状態を一通り確認してから、倒れた自転車の元に向かった。荷物籠と前輪が少しゆがんでいたが何とか走れそうだ。幾分ほっとしながら自転車を起こし、跨った。
 その時だった。
 あれ、と思った。ペダルに足を乗せたまま、私は固まっていた。
 自転車に乗ったはいいが、行先が分からないのだ。
 私は、どこへ行こうとしていたのか。どこからどこへ向かう途中だったのか。そもそも、私は今日何をしていたのか。
 思い出せない。
 記憶が無い。車に轢かれる前のことが、思い出せない。
 自覚した瞬間、言いようのない不安がどっと押し寄せてきた。衝動的に自分の名前を何度もつぶやく。名前は言える。自分が誰かもわかる。今日が休日だということも、ここが何処かも知っている。
 幸い、全てを忘れてしまったわけではないようだ。私は次第に落ち着きを取り戻していった。
 一つ、息を吐いた。事故に遭ってから、初めて呼吸をしたような気がする。
 初夏の空はまだ十分青いが、太陽は大分西に傾いていた。時計の類は持っていない。五時過ぎ頃だろうか。とすれば、私は今日どこかに出掛け、家に帰る途中だったのか。
 自転車に跨ったまま、十字路を見やる。当然、道は四方向に分かれているが、自分がどの方向からやって来たのかは何となく分かった。東に延びる道、街の中心へと向かう道だ。
 不意に、一つの映像が頭に浮かんだ。橋だ。コンクリートで固められた川に架かる、赤い橋。街の中心を流れる川には所々橋が掛かっているが、赤い色をしているのは一本だけだ。地蔵橋。それが橋の名前だった。そうして、地蔵橋は東へ伸びる道の先にある。
 思い出したのはそれだけだった。
 不安はいつの間にか小さくなり、代わりに、奇妙な好奇心が頭をもたげていた。
 私は手の一万円札とメモ用紙をポケットにねじ込むと、サドルの上の腰の位置を据え直した。足と頭の奥に微かな痛みを感じたが、無視した。ペダルを踏み込む。手負いの自転車はギコギコと軋むような音と共に、ぎこちなく前に進みだした。自宅に向かって、ではなく、地蔵橋へ。橋を見ればまた何か思い出すかもしれない、そう考えたのだ。
 人に話したら呆れられただろう。
 車に轢かれたというのに。自転車がひん曲がったというのに。記憶の一部を失ったというのに。私はその時、少しだけわくわくしていた。
 

 
 私が中学生だった頃の話だ。
 六月中旬。週末。朝から快晴。学校は休み。所謂、絶好の探検日和だ。自宅で昼食を食べてから、私は自転車に跨り街の中心に架かる地蔵橋へと向かった。
 橋に着くと友人が一人、橋上で川を眺めていた。「よ、」 と声を掛けると、彼はこちらをちらりと振り向いて、返事の代わりに軽く片手を上げた。
 彼はくらげ。もちろん、あだ名だ。
 『自称、見えるヒト』
 彼の特徴を端的に書くと、そういうことになる。加えて、彼がその奇妙なあだ名を賜ることになった原因もそこにある。
「んじゃ、行くか」
 私の言葉に、くらげは小さく頷いて、自分の自転車に跨った。
 二人並んで自転車を漕ぎだす。目的地は事前に伝えてあった。
 隣町に、河童が出るという噂の池があるらしい。所謂、ご当地オカルトスポットだ。河童ではなく、遥か昔、その池に沈められ死んだ男の幽霊が出る、という話もあった。ともかくその池には何かが出るらしい。
心地よい風を肩で切りながら、私は隣の友人に訊いてみた。
「くらげはさー、河童とか見たことある?」
「無いよ」
 短く答えてから、彼は前を向いたまま、「たぶん」 と付け足した。
「そう言えばさ、河童って頭の皿が乾くと死ぬって言うじゃん。あれ、死因は何なんだろうな。脱水症状?」
 彼が一度こちらを見やってから、視線を空にやった。真面目に考えているようにも、ただ単に呆れているようにも見える。
「……脳漿かもね」
 少し間を置いて、ぽつりと呟いた。
「のうしょうって何だっけ?」
「頭の中に溜まっている水のこと」
 頭蓋骨の中には水があり、脳はその中に浮かんでいる。それは私も知っていた。ただ、河童の皿の水がその脳漿であるなら、その脳天には常時穴が開いていることになる。私は脳漿が乾ききった、頭蓋に穴の開いた河童の死骸を想像して、多少鼻白んだ。
「……何だよ、怖いこと言うなよ」
「ごめん」
 それからくらげは明後日の方向を見やった。
「そう言えば、昔、おばあちゃんに聞いた気がする」
「何を?」
「河童の皿について、だったと思う」
「どんな話?」
 しばらく、沈黙があった。
「よく覚えてない」
「……だったら言うなよ。気になるだろ」
「ごめん。思い出したら、言うよ」
 そんな取り留めもない話をしながら、太陽の下、私たちは隣町を目指して自転車を走らせた。

 
 
 夕刻。
 私の記憶通り、地蔵橋は街の北半分と南半分を繋ぐ形で掛かっていた。
 橋の袂で自転車を停める。
遠くの方で車の音がするだけで、辺りに人の姿はない。行きがけの小さな公園にあった時計は午後五時半をいくらか過ぎていた。
 実際に橋を目にしても、失った記憶は戻って来なかった。ただ、もし私がこの赤い橋を目指していたというのなら、理由は一つしかない。友人と待ち合わせをしていたのだ。そうして、私が地蔵橋で落ち合う友人は一人しかいない。
 彼はくらげ。もちろん、あだ名だ。
 その友人は、自分のことを病気だと言う。死んだはずの人間。存在しないはずの何か。自宅の風呂に浮かぶくらげの群れ。そういったモノが見えてしまう病気なのだと。さらに、彼の言う病気は感染症であり、稀に他人に感染ることがあるとも。
 自転車を降り、スタンドがひん曲がったそれを欄干に立てかける。疲れているのか、たったそれだけの動作に少し手間取った。
 一息ついてから、いつもくらげがそうしているように。欄干に手を置いて川を見やった。コンクリートで両岸を固められた川は、しばらくまっすぐに伸び、途中から遠方の山を迂回するように大きく弧を描いている。
 橋の下から、微かに川の流れる音がする。右のこめかみに微かな痛みを感じて、私は目を閉じた。
 ――よ、――
 瞼の裏の暗闇の中で、誰かが誰かを呼ぶ声がした。思わず目をむき、振り返る。
 橋の周りには、私以外誰も居ない。それでも確かに聞こえた。聞き覚えの有る声。当たり前だ。あれは、私の声だった。
 一つ、思い出していた。
 河童の出る池。
 以前から、噂は聞いていたのだ。そこには河童か幽霊か、もしくは得体のしれない何かが出ると。地図で場所を調べ、くらげを誘ったのが数日前。不思議な体験をしたいなら、彼と一緒の方がいいからだ。
直前で私の気が変わったり、くらげに止められたりしたのでなければ、私たちは今日、隣町にある池に向かったはずだ。
 ただ思い出せたのはそこまでだった。河童の出る池に向かったとして、河童は居たのか。私は何か見たのか。くらげには見えたのか。それらは未だ空白のままだ。
 どこかでカラスが鳴いた。隣町まで、この自転車だと四十分といったところだろうか。
 そろそろ日も暮れるだろう。私は再び自転車に跨った。帰るか、進むか。考えるまでもなく答えは決まっていた。
 川沿いの道に、太陽を背にした私の影が長く伸びている。昼、この道を走った時、影は真下にあったはずだ。覚えていない。道中何を話したかも覚えていない。河童の話でもしていたのか。
 相変わらず歯切れの悪い自転車を漕ぎだす。そう言えば、河童は頭の皿が乾くと死ぬと言うが、死因は一体何だろう。そんなことを、ふと思った。



 地蔵橋から県道を東へしばらく走ったところで、隣町に入ったと標識が知らせてくれた。天気は良く、風は心地よく、格好の自転車日和だ。とびっきりの日差しの中、私は何度か意味もなく立ち漕ぎをし、その都度くらげは追いつくのに難儀しているようだった。
 隣町は私たちの住む街と同じくらい田舎で、同じくらい山に囲まれた、同じくらい小さな町だ。
 目的の池は、街はずれの森の中にあるという話だった。大体の場所は頭にあったが、一応、通りすがりに出会った老人に詳しい場所を訊いて、情報通り、とある地区の集会所に向かった。
 集会所に着くと、建物の脇には森へと続く藪道があった。あまり人は通らないのか、まだ伸びきってはいないが、カヤや、猫じゃらしに良く似たエノコロ草がわっと生えてあって、自転車はここまでだろう。
 集会所の横に自転車を置いて歩き出す。藪道はここらでは、『かまち』 と呼ばれる農業用水路に沿って続いていた。
 雑草を踏み越えながら少し歩くと、前方に荒いコンクリートの壁が現れた。壁の上には傾斜の急な道が山を駆け上るように走り、集会所のあるこちら側と池がある森を分断している。
 山道の下にはトンネルが一本通っていた。
 奥行は五十メートル程。広さは大型乗用車がギリギリ一台通れるくらい。中に電灯は無く、壁はあちらこちら凸凹していて、トンネルというよりは隧道と言った方がしっくりくるかもしれない。
 トンネルの先はもう森の中のようだった。半月状にくりぬかれた出口の向こうで、木漏れ日が微かに揺れている。
 足を踏み入れると、空気がさっと冷たくなった。私とくらげ、二人分の足音が響く。夜にでも来れば良い肝試しになるだろう。
「……さっきの河童の話だけど」
 トンネルを半分ほど過ぎた頃だった。隣に顔を向けると、くらげも私の方を見やり、「思い出したから」 と言った。どうやら今までずっと、記憶を辿っていたらしい。
「おばあちゃんじゃなくて、別の人から聞いた話だったけど」
 彼が語り出す。
 それは、河童の皿で酒を飲んだ男に関する話だった。
 その村には、河童を水の神として祭るという風習があったそうだ。村の神社には、河童の頭の皿が奉納されており、皿に水を満たして飲むと、河童の知恵、つまり水の神の知恵が授けられ、その年の水害やまたは干害が予知できる、とされていた。
 通常は祭事などで年に一度使われるだけだったが、ある日の夜のこと。神主の息子が勝手に皿を外へと持ち出した。息子は神仏を信じておらず、その日は仲間と酒盛りをしており、酔いも手伝っていたのだろう。
 そうして彼は、持ち出した河童の皿で酒を飲みだした。
 一緒に飲んでいた仲間の話によると、しばらくは何事もなかったそうだが、酒が進むうちに、次第に彼は自分を河童だと言い始めた。そうして、面白がる仲間たちに、今年の雨の降り方や河での泳ぎ方を語り出したという。
 酒も尽きかけると、神主の息子は、「そろそろ戻る」 と言い残し姿を消した。それっきり彼は姿をけし、翌日川の縁に脱ぎ捨てられた着物と履物と、二つに割れた河童の皿が見つかった。
 酔って川に入り溺れたのだろうと誰もが思った。ただ遺体は上がらず、代わりに、その川にはしばしば河童が現れるようになった。
 目撃された河童は、神主の息子によく似ていたそうだ。
「つまり、酔っぱらいが一人で溺れただけだろ」
 私が素直な感想を漏らすと、彼は小さく苦笑し、「そうなんだろうね」 と言った。
 トンネルを抜けると、木々がうっそうと茂る森の中だった。足元には、おそらく先程の水路に繋がっているのだろう、天然の沢が流れ、小魚が泳ぎ沢蟹が水底を歩いている。
 沢沿いにしばらく歩くと、古ぼけた鳥居が見えてきた。奥には掘っ建て小屋のような社がぽつりと建っている。
 目的の池はその神社の脇にあった。直径七、八メートルほどの円状の池で、全体的に苔むした岩が周りを囲んでいる。水深は一番深いところで一メートルもないだろうか。
 残念ながら、河童が住めるような池には見えない。ただ見た目には、まるで河童の皿のような池ではあった。
 

 
 少し肌寒くなった風と茜色の風景の中、県道を東へ走り隣町にたどり着いた。
 農作業の帰りらしい老人に道を尋ねると、老人は何故か怪訝な顔をして私を見やった。私は昼間にも同じように老人に声を掛け、河童の出る池までの道を訊いたのだと言う。
「双子なんです」
 まさか車に轢かれて記憶を失ったと言うわけにもいかない。とっさに口から出た嘘だったが、老人はあっさり信じたようで、「そう言われりゃぁ、ちぃと顔が違うかよ」 と一人頷くと、再び池までの道を私に教えてくれた。
 老人に教わった道を行き、小さな集会所の脇に壊れかけた自転車を停める。この先は徒歩だ。
 太陽はすでに山の向こうに隠れてしまい、夕焼けの名残もそろそろ消えようとしている。身体がやけに重い。
 雑草が生い茂る藪道に風が吹き、まるで道自体がうねうねと揺れ動いたような気がした。記憶の中の景色と違う。まだ全てを思い出してもいないのに、そんなことを思う。
 藪道を進むと、目の前にぽっかりと穴が現れた。山道の下に抜かれたトンネル。中に明かりは無く、目を凝らすと、暗闇の向こう側に辛うじて出口が見えた。
 穴の入り口の前で、ふと足を止める。ここをくぐれば河童の出る池に着くはずだ。ただ、薄暗い空にはもう一番星が輝き始めている。そうして、私は懐中電灯の類を持っていなかった。もし森の中で完全に夜になれば、何も見えなくなるだろう。
 ここらが潮時だった。もちろん消化不良ではあったが、無くした記憶の分は、また明日にでもくらげに訊けばいい。
 そんなことを考えながら、私はぼんやりと目の前の暗闇を眺めていた。何か、頭の中に熱があった。小さな火が、消えるでもなく燃え広がるでもなく燻っているような、そんな感覚。
 唐突に、声がした。話し声。トンネルの中から聞こえてくる。加えて足音。一人ではなく、二人分。それらの音は微かに反響しながら、確かに、目の前の穴の中から聞こえてきていた。
 歩きながら、一人がもう一人に向かって話をしているらしい。
 語られているのは昔話のようだった。
 河童の皿で酒を飲んだ男の話。
 話し声は、子供が歩くくらいの速度で、まるで私から遠ざかるようにトンネルの奥へと向かっていく。気付けば、私はその声を追いかけるように、黒々とした穴の中に足を踏み入れていた。
 数メートルも進むと自分の靴も見えなくなり、半分まで来ると、地面も壁も境界を失い、まるで光の無い巨大な空間に一人放り出されたような気分になった。それでも、怖いと思わなかったのは、先導する声があったからだ。
 河童の皿で酒を飲んだ男は、河童の記憶を飲み過ぎ、最終的にはその記憶に喰われ、自ら河童となってしまった。昔話はそう物語っているように、私には聞こえた。
 ――つまり、酔っ払いが一人で溺れただけだろ――
 すぐ目の前で、誰かの声がした。
 ――そうなんだろうね――
 隣の誰かが言った。
 出口から洩れる微かな明かりの中で、並んで歩く二人分の影がおぼろげに浮かんでいる。
 私と、くらげだ。
 記憶の中の光景。私はそれを、第三者の視点から眺めていた。
 穴を抜けると、影は消えていた。トンネル内程ではないが、鬱蒼と茂る森の中は十二分に暗く、辛うじて道は分かるが、すぐ足元を流れる沢は細かな流れの筋が微かに見えるだけだった。
 頭の中の熱はまだ消えずそこにあった。疲れもあったが、その熱が力となって私の足を動かした。すでに引き返すという選択肢は頭になかった。
 私はできるだけ足元に気を付けながら、森の奥へ、河童の出る池へと向かった。



 木々の隙間から光が漏れている。
 青々とした新緑の森の中。賽銭箱の前の階段に腰を降ろし、しばらく二人で池を眺めた。
 座る際に、邪魔だったのだろう、くらげは尻のポケットから手のひらサイズの小さな懐中電灯を取り出して、自分の傍に転がした。
「そんなもん持って来てたのか」
「森に行く、って言ってたから」
 河童の出る池に行くとは伝えたが、森の中にあることまで話しただろうか。ふと浮かんだ疑問は、すぐに薄れて消えていった。
 池には名前の知らない細長い水草と、蓮の葉が浮かんでいる。水中を泳ぐ小魚の影も見えた。河童は居ない。幽霊の姿も、私には見えない。
「おい、何か見えるか?」
 私の問いに彼は池を見やり、
「魚がいるね」
 と答えた。
 私は両手を突き上げ、伸びをした。まだ可能性が無くなったわけじゃない。そんなことを考えながら、背後の賽銭箱にもたれかかる。
 気温は暑くもなく寒くもなく、木漏れ日とそよ風と。昼寝をするにはもってこいだが、さすがに昼寝をするためにここに来たのではない。
 隣を見やると、くらげは先程と全く変わらない姿勢でじっと池を見つめていた。瞬きもしてないのではないだろうか。すると、彼が私の視線に気が付いて、「何?」 とでも言うように目を瞬かせた。
「あのさ、くらげの覚えてる中で一番古い記憶って何?」
 何時ものように、その場で思いついたことを訊いてみる。彼の視線はしばらく私の顔に留まり、それから数秒宙を彷徨い、最後に目の前の池に落ち着いた。
 彼は、「自分でも、本当かどうかよく分からないけど……」 と前置きしてから、
「水の中に、浮かんでる記憶」
 その言い方に、私は微かな引っ掛かりを覚えた。
「……それって、何時の?」
「覚えてないけど。たぶん、赤ん坊の頃じゃないかな」
「浮かんでるって、風呂?」
 私が訊くと、くらげは首を傾げて、「そうだと思うけど」 と言った。果たして、赤ん坊というものは水に浮かぶのだろうか。ふと、そんな疑問が頭をよぎる。
「誰かに、風呂に入れてもらってたんだな」 
 するとくらげは首を小さく横に振り、おもむろに、傍に落ちていた白い石ころを池の中に放り投げた。石は、小さな水しぶきを上げて、あっと言う間に底へと沈んでいった。そうして、彼は石を見やりながら、再び、今度はゆっくりとその言葉を口にした。
「水の中に、浮かんでたんだ」
 水底に転がる白い石。水面ではなく、水の中。幾分時間をかけて、その言葉を呑み込む。
「……それって、息できないじゃん」
「そうだね」
 彼の口調はまるで平然としていた。
 もしもその記憶が真実なら、それは浮かんでいる記憶ではなく、沈んでいる記憶ではないのか。もしくは、沈められた記憶。危うく口が滑りそうになったが、さすがに不謹慎すぎて、思わず私は自分の頬を一発ひっぱたいた。
 そうやって気を取り直してから、私は言った。
「……お前、実は河童の生まれ変わりなんじゃね?」
 怪訝そうにこちらを見ていたくらげが、一度二度瞬きをした。それからまた池の方を見やり、小さく笑った。
「そうかもしれないね」
 笑いながら、彼が呟くように言った。
 その後、二時間ほど粘ってみたが、池では特に何も起きなかった。唯一妙だったと言えば、珍しくくらげから話題を振られたと思えば、。
 退屈が限度を超えたあたりで、私たちは帰ることにした。
「そう言えば、来月、夏祭りあるよな」
 行きにも通ったトンネルを歩いていた時のことだ。
 私たちの街では毎年、盆の始まりと終わりに二度祭りを行う。どちらも仮装した行列が町と海とを往復するというものなのだが、その祭りのやり方にも起源にも、色々と面白そうなところがあった。
「一緒に行こうぜ」
 くらげがふと立ち止まった。そうして何かに気を取られたように、後ろを振り返った。何見てんだ。そう訊こうとして、私は口をつぐんだ。彼の視線の先には、私たちが歩いてきたトンネルがあるだけだった。
「やめとくよ」
 彼が言った。
 真っ先に感じたのは、何故という疑問ではなく新鮮な驚きだった。彼が何かをはっきり断るのを、私はその時初めて聞いた気がした。それから彼は、どこか弁解するような口調で、「ほら、そろそろ、受験も近いし」 そう付け足した。
 一日くらい大丈夫だろ。そんな言葉が頭に浮かんだが、言えなかった。
 出会った当初から、彼は忠告してくれていた。彼が抱える病気。私が感染した病気。見える、ということ。彼にしてみれば、長すぎる程だったのかもしれない。
何か、夏休みの宿題に一切手を付けないまま残り数日を迎えたような、そんな感覚を覚えた。あの時も、まだ大丈夫だと思っていたのは私だけだった。
「そっか、分かった」
 その言葉は、以外にあっさりと出てきた。目の前の彼が、少しだけ笑ったような気がした。
 トンネルを抜けると、日差しが眩しく感じた。私たちは再び自転車を漕いで地蔵橋まで戻り、そこで別れた。
 別れ際。ふと、何か彼に言い忘れていたことがあったような、そんな感覚を覚えた。自転車を停めて振り返ったが、すでに彼の背中は遠く小さくなっていた。大声を出そうとして、止めた。頭の中は空っぽで、何の言葉も無かったからだ。
 ただ、何かを言い忘れたという、感覚だけが残っていた。
 あの時、私は、何を言おうとしたのか。
 帰り道、自転車を漕ぎながら、私はそのことばかりを考えていた。



 トンネルを抜けた後は、ほとんど手探りで歩かなければならなかった。
 暗闇の中、鳥居を抜けた先に神社を見つけた。頭上の木々の間から降り注ぐ星明りが、境内をうっすらと照らしている。
 社の隣に小さな池を見つけた。これが、目的の池のはずだった。落ちないよう覗き込むと、黒々とした水面に数粒の星が映って見えた。
 池は静まり返っていた。生き物は住んでいるのか。深いのか、浅いのか。それすら分からない。相変わらず、頭には少しの熱と痛みがある。
 ふと、社に据えてある賽銭箱の前に、何か黒いものが転がっていることに気が付いた。近づいて拾い上げると、それは手のひらに収まる程の、小さなライトだった。
 スイッチを入れると、はっきりとした細い光の筋が伸びた。その瞬間、私はこのライトが友人の物であることを思い出していた。
 水面に、蓮の葉が浮かんでいる。池を囲む苔むした岩。古ぼけた社。ライトが照らす僅かな範囲だけ色がつく。そうして色がついた分だけ、記憶が蘇ってくる。
 まるで空っぽの頭蓋に水が流れ込んできたようだった。池に河童はおらず、何も起きなかった。私はここでくらげと他愛もない話をしただけだ。
 頭の中にあった熱が消える感覚があり、代わりに頭痛がひどくなってきた。
後頭部から頭頂にかけて手でなぞると、何か細かなものがぼろぼろと剥がれ落ちた。ライトで照らしてみると、指先に小さな血の塊がこびりついている。どうやら、怪我は腕と脚だけでは無かったようだ。
 光を池に向ける。木の葉でも落ちたのだろうか、水面に微かな波紋が広がって、消えた。
 夜虫の鳴き声。木々の擦れる音。
 帰ろう、そう思った。時刻はもう七時をとうに過ぎているはずだ。夜の森の中で一人。加えて頭には傷があり身体は疲れ切って重たい。改めて確認するまでもなく、異常な状況であることは間違いなかった。
戻る前に、私はポケットの中にあった一万円札を、諸々の不安と一緒に賽銭箱の中に突っ込んだ。それで、気持ちはいくらか楽になった。
 ライトで確認しながら、来た道を辿る。地面は木の根や石が散らばっていて、見えているにも関わらず、二度ほど躓いて転びそうになった。
 そうやって、トンネルのある場所まで戻ってきた。今日ここをくぐるのは四度目になるのか、そんなことを改めて思う。
 ライトを中に向けると、まるで当然のごとく、見覚えのある二人の背中が見えた。何か話しながら、歩いている。後頭部がずきずきと痛んだ。光を逸らせば、二人の姿は見えなくなる。声も聞こえなくなる。
 まだ全てを思い出したわけではない。私は自らの記憶を照らしながら、彼らの背中を追った。
 トンネルの中ほどまで来た頃、前を行く二人の内の、私だ。私が、思い出したように言った。
 ――そう言えば、来月、夏祭りあるよな――
 そう言えば、そうだ。私たちの街では毎年、盆の始まりと終わりに二度祭りを行う。どちらも仮装した行列が町と海とを往復するというものなのだが、その祭りのやり方にも起源にも、色々と面白そうなところがあった。
 ――一緒に行こうぜ――
 私の言葉に、隣のくらげがふと足を止めた。後ろを行く私も、記憶の中の私も立ち止まる。
不意に彼がこちらを振り返った。私が持つライトの光が、その病人のように白い顔を浮かび上がらせる。光の先、記憶の中の彼の目。見間違いでも記憶違いでもない。確かに、視線が合った。
これは果たして現実だろうか、とふと思った。もしかしたら、私はあの時、車に轢かれたまま死んだのかもしれない。
 彼は何も答えず無言のまま、あちらの私に背を向け、こちらの私を見やっている。
 何かが違う、そう感じた。
後頭部に、今までで一番ひどい、刺すような痛みが走った。思わず体を丸めて目を閉じる。痛みはすぐに去った。はっとして、再び前方に光を向ける。
 くらげは相変わらずそこに立っていた。光から目を庇うように、片手をかざしている。
「……眩しい」
 かざした指の隙間から覗き込むようにして、彼が言った。抗議の響きは無かったが、私がゆっくりと光を逸らすと、彼も手を下ろした。
 二人とも、無言だった。目の前の彼が幻覚でもフラッシュバックでもなく、現実にここに存在していると実感するまで、随分と時間が掛かった。
「……何してんだよ。こんな時間に」
 先に、私が口火を切った。ただ、もし彼が先だった場合でも、きっと同じ質問が出ただろう。
「忘れ物を取りに来ただけだよ」
 そう言って、くらげは私の持っているライトを指差した。
「……明かりも持たずに来たのかよ」
「そうだね」 彼が言った。「忘れて来たから」
 何かひどくおかしい会話のような気がしたが、何がおかしいのかはよく分からなかった。身体も頭もずしりと重たい。ただ、今までこびりついていたはずの頭痛は徐々に引いていた。
「君の方は?」
 何故ここに居るのか、とくらげが訊き返す。思わず私が上げた小さな笑い声が、トンネルの中にこだました。
「歩きながら話す。とにかく、出ようぜ」
 それから私は、今日、地蔵橋で彼と別れた後のことをくらげに語って聞かせた。
あの後すぐに車に轢かれて、数時間分の記憶を失ったこと。その後、好奇心に駆られて再び河童池を目指したこと。池で何も無かったことを再確認したこと。話していると、三たび、その時間を通りすぎているような、誰かが後ろから私たちを追いかけているような、そんな気分になった。
 くらげとトンネルではち合せた場面で、私の話は終わった。
 隣のくらげは、横やりも相槌も何一つ挟むことなく、ただ黙って私の話を聞いてくれていた。
 藪道を抜け、集会所にたどり着く。
「……そう言えばさ、来月、夏まつりだよな」
 くらげが私を見やる。
 私の記憶が確かなら、数時間前にも同じ質問をしたはずだった。ただ、私は何もかも忘れたふりをした。何故そうしたのかは、自分でも分からない。
「一緒に、行こうぜ」
 その質問の答えは、未だどうしても思い出せない、最後の断片だった。
 しばらく、彼は突っ立ったまま動かなかった。ライトはすでに彼のポケットの中で、近くには外灯もなく、星明りだけでは、どんな顔をしているのかもよく分からない。
「そうだね」
 目の前の影が、ぽつりと呟いた。
「行こうか」
 その瞬間、私は事故で失った全ての記憶を取り戻していた。
 しばらくの間、言葉が出てこなかった。
「……そっか、分かった」
 やっと出てきた言葉は、自分でも驚くほどあっさりしていた。
 やはり理由を訊くことはできなかった。訊けば、せっかく繋がった何かがまた切れてしまうような気がした。ただもしかしたら、数時間前に私が感じたように、彼もまた、『一日くらいなら』 とでも考えたのかもしれない。
 その後、私たちは自転車を漕いで地蔵橋まで戻り、そこで別れた。
 別れ際、「また明日な」 と私が言うと、暗がりの中、彼はこちらを見やり、小さく頷いた。
 帰り道。事故に遭った十字路を通り過ぎる。夜道のうえに自転車のライトは壊れて点かなくなっていたが、今度は轢かれて記憶を失うようなこともなく、無事家にたどり着くことができた。
 あの日以来、河童の出る池には行っていない。
 結局、私の怪我は大したこともなく、自転車の方がよっぽど重症だった。ただ、つむじの近くに出来た傷だけが完全には治らず、小さな禿として今でも残っている。
[ 2018/06/10 ] ◆etpFl2/6

[ 160367 ] NO TITLE

>>160360,160362,160364,
まとめに掲載しました。
[ 2018/06/10 ] ◆Ahsw8Nok

[ 160818 ] NO TITLE

『親がカフェオレ入れてくれた』コメント欄より

[ 154413 ] NO TITLE
わたしも同じこと経験したことある!(私の場合は5年位前)

いつもと同じように朝の支度をして、(むしろいつもより20分は余裕があった。)
トイレに入って便座に座ったら、会社から着信。

なんだろうとは思ったけどすぐには出られないし、出すもんだして
さて掛け直そうとケータイ見たら、トイレに入る前に確認した時間から1時間経ってた。

えっ!?なんで????ってまさに目が点状態だったけど、
とりあえず会社に電話して出社。もちろん遅刻。
(会社が車で15分ほどだから大きな遅刻ではないけど…)

現実的に考えるなら、便座に座って一息ついた瞬間に、眠っちゃった。
ってオチなんだろうけど、体感的には瞬き一回したら1時間経ってた。って感じで全く納得がいかなかった。

当時は時間泥棒に時間をとられた…!(それか宇宙人が時間を止めた!)って、
周りに説明してしばらくは憤ってたけど、それ以来そんなこともないし、
あれはいったいなんだったんだろう…

私もこの人の話を読んで、思い出したぐらいだし、
きっと気付いてないか、流してるだけで同じ経験している人はもっといると思う。
[ 2018/01/29 ] NO NAME ◆-
[ 2018/06/21 ] ◆-

[ 160909 ] 古木

 『横を過ぎ去り際に、首を吊った人影が見える』 という噂の木がある。
 その木自体はどこにでもありそうな、いたって普通の木で、何時何処で誰が何故どのように首を吊ったのか、といったバックボーンは語られていない。
 ただ、そういう木がある、という噂だ。
 じっと見つめてもそれは見えず、偶然もしくは何の気なしにその木の横を通り過ぎた際、『ふと』 目の端に写るのだそうだ。思わず二度見すると、影は消えている。
 言わば、意識の端でしか捉えることの出来ない首吊り死体、といったところだろうか。
 ホラー映画などで、何気ない風景を映した画面端にさりげなく幽霊が映っている、といった手法は稀に見るが、現実でその手の怪談や噂話は聞いたことがない。

 というわけで、見に行くことにした。

 普段そういった場所に向かう場合、出発は大抵夕方以降になるのだが、今回は午前中に出ることにする。
 根城である大学近くのぼろアパートから外に出る。春空はすっきり晴れていて、愛車のカブも機嫌が良さそうだ。
 家から南へ向けて、一時間ほどのんびり走った。
 太平洋に面した広い平野をこれでもかと耕した、やはりだだっ広い田園風景の中、目的の木は立っていた。こぢんまりと茂った、鳥居があることからして鎮守の森だろう、その端から何かラジオのアンテナのようにまっすぐひょろりと突き出ている。
 鎮守の森から広い畑を二つ挟んだ農道の途中にカブを停めた。農道は間隔の広い碁盤の目のように縦横に走っている。
 見たところ、何の変哲もない普通の木だ。
 カブのシートに尻を乗せたまま、目を細めて横に張り出した枝の数を数える。もちろん、どの枝にも首吊り死体の影はない。
 樹種は杉だろうか、あまり詳しくないのと遠目であるためよく分からない。葉は少なく枯れかけているんじゃないかと思う。樹高は隣の鎮守の森よりはっきり高い。
 再びカブのエンジンを掛け、農道を走り出す。
 噂では、『木の横を通り過ぎた際』 とあるようだが、あまりにだだっ広い場所に生えているため、どの位置が横なのかいまいち分かり辛い。
 とりあえず今走っている農道を、振り返らなければ木が見えない位置まで走って、Uターン。というのを何セットか繰り返してみた。
 極力木を視界に入れないよう、意識しないように走ったのだが、目の端に何かが映ることはなかった。
 しばらく往復して無駄だと悟る。そもそも、意識して意識しないと意識することは、それは意識しているということではないだろうか。何だかこんがらがってきたので、それ以上考えるのはやめた。
 作戦を変更することにする。
 またカブを停めて、ヘルメットを脱ぎハンドルに引っかけ、道の脇を流れる水路の縁に腰掛けて、木を眺めた。
 人間、一つのものをずっと意識し続けるのは困難だ。いくら集中していても、ふとした瞬間に意識がそれる。
 そのそれた瞬間に、見えないだろうか。
 というわけで、意識しない作戦はやめ、腰を据えてじっくり木を眺めることにした。
 腰を降ろして目線が下がると、ただでさえ広い田園がよりだだっ広く感じられた。こういう場所に居ると、遠近感覚がおかしくなる。何だか自分が巨大な生物になったような気がするのだ。
 前方の木の上空では鷹のような鷲のような鳥が一羽、輪を描いて飛んでいた。
 時間が過ぎる。
 思惑通り、何度か木から目線と意識を外してしまったが、思惑に反し、首吊り死体のくの字も見えない。
 暇だ。尻がこる。腹が減って来た。
 そんな深層心理からの訴えを無視して木を凝視していると、ごとごとごと、と音がして農道の向こう側からトラクターに乗ったじいさんがやって来た、かと思うと、傍で停車した。
「……兄ちゃん、さっきから何をしゆうぞ?」
 運転席からこちらを見下ろしながら、じいさんが言った。その口調からして、何やら見知らぬ若もんが農道を何度も何度も往復しているのが気になって声を掛けた、といったところだろうか。
 別に隠すこともないので、木を指さし、あそこに出るらしい首吊り幽霊を見に来た、と答えると、じいさんは目を丸くした後、
「あー……、ああ、ああ」
 と何度か頷き、
「ほうか」
 とだけ言い残して、また、ごとごとごと、と去って行った。
 小学生のころから単騎心霊スポット巡りを趣味かライフワークかといった形で続けてきた身としては、こういう反応は特に珍しくない。たまに、どうして一人で行くのだ、と聞かれるが、人と分かち合うようなものじゃないから、と答えると大概首を捻られる。
 何故行くのか、とも訊かれる。単純な話だ。見てみたいから。だから数撃ちゃ当たるの精神でとりあえず突撃する。あとは、そういう場所の雰囲気が好きだから。そうして、それを最大限味わうには一人がいい。
 その後相手は、実際に幽霊を見たことはあるのか、と続ける。一度もない、と答えると相手は呆れて去っていく。
 首吊りの幽霊は、まだ見えない。
 とても暇だ。尻と腰が痛い。腹が減った。
 相変わらず浮かんでくるそんな思考を脇へどけながら木を眺めていると、ごとごとごと、と先ほどのトラクターじいさんがまたやってきて、傍に停まった。
「ほれ、兄ちゃん兄ちゃん。これ、ほれ」
 そう言って、じいさんは小さなビニール袋を一つ差し出してきた。
 受け取って中をのぞくと、中身は缶コーヒー一本とコンビニのおにぎりが二個。
「どうせ期限が過ぎちょらあ。遠慮せんでええけよ」
 見ると確かに、にぎりの方の消費期限が昨日の日付だった。礼を言うべきかどうか少し迷う。
「……首をくくったはええが、長いこと誰も気づかんかったそうやけぇなぁ」
 何の話かと訊くと、どうやらあの木で自殺をした人物は、このじいさんの遠い親戚にあたるらしい。話しぶりからして、このにぎりと缶コーヒーは、『これをやるから俺の話に付き合え』 ということだろうか。
 首を吊った男は、それはそれは影の薄い男だったそうだ。
 大人しく控えめで自己主張がなく、家族もその存在を忘れるほど。はっきり言えば、周りの誰からも無視されていた。
 男が首を吊ったのは何十年も前の話で、当時は木もまだ低く、丁度木陰に隠れるようにしてぶら下がっていたらしい。
 発見された時、遺体は少なくとも五日は宙ぶらりんのまま放置されていたそうだ。
「それにしてもやなぁ……、家のもんが森の周りで畑しよって、それで気づかんっちゅうんも、おかしな話よなぁ」
 確かに、おかしな話だ。
「気づいてたんじゃないかな、それ」
 すると、じいさんはこちらをじっと見つめ、何故かもごもごと笑った。
 それからしばらく今年の気候や農作物の話を聞かされたあと、じいさんはまた、ごとごとごと、と去って行った。
 その後、賞味期限切れのにぎりと缶コーヒーでランチをして、それからさらに二時間ほど木を眺めてから、帰ることにした。結局、ここでも何かを見ることはなかった。ただそれはいつものことだし、別の収穫はあったから結果としては上々だ。
 帰る前に鎮守の森に接近して、近くから木を見上げてみた。森から突き出るようにひょろりと伸びている以外は何の変哲もないただの木だ。
 ふと足元を見ると、丁度木の影と自分の影が上下に重なり、人が首を吊っているように見えた。しばらく眺めてからその様子を写真に撮って、昔々一人の男が首を吊ったらしい木を後にした。


 帰宅後、夕方。いつものように隣の部屋のヨシが酒を持ってやって来た。
「また行ってきたのか、おまえ」
 と訊くので、酒の礼に今日の話をしてやった。
 一通り話し終わると、ヨシは眉をひそめ腕を組み何やらしばらく考えてから、
「そもそもさ、『意識すると見えない首吊り死体を見ることが目的』 って時点で無理じゃね? それ矛盾してね? 意識してね? 見えなくね?」
「ほう」
 こちらも腕を組みしばらく考えた後、
 なるほど。
 と思った。
[ 2018/06/23 ] ◆UtLfeSKo

[ 160910 ] NO TITLE

>>160909
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/06/23 ] ◆Ahsw8Nok

[ 160911 ] 見返り橋

 『渡っている間、振り返ってはいけない橋』 がある。
 その橋は山間の川に掛かった古い橋で、この辺りでは中々有名な心霊スポットの類だ。
 時代はまちまちだが何組かの男女が心中場所として選んだ橋だとかで、『カップルで行くと破局する』 というお決まりの噂と共に、『橋を渡っている最中に振り返ると、男なら女の霊が、女なら男の霊が立っていて川底へ引きずり込まれる』 というありきたりな怪談話がまことしやかに語られている。

 というわけで、見に行くことにした。

 午後の講義を終え軽く食事も済ませてから、ビニール製の白い安合羽を着こんで愛車のカブに跨り出発した。その日は朝からしとしと小雨が降っていて、目的の橋は少しばかり川を遡った上流域に、新道と旧道をつなぐ形で掛かっている。
 時刻は夕刻。まだ陽は落ち切っていないはずだが、曇天の下、辺りはまっ暗でさらにかなり濃く霧が掛かっていて車通りの少ない山道と相まっていかにも何か出てきそうだ。
 途中、小さな町を通り過ぎてしばらく走り、大学近くのぼろアパートを出て一時間弱で、目的の場所に到着した。
 橋から幾分手前の路肩にカブを停めて、そこから歩いて現場に向かう。
 川の向こう側には旧道と今は使われていない廃線、廃駅があるらしいのだが、いかんせん霧と暗すぎるためまったく見えない。
 ここら辺りの谷は深く、川は水量も流れもあり、景観の良い渓谷として観光パンフレットにも載っているのだが、それはよく晴れた陽の差す時間帯でのことで現在はただの墨を使いすぎた水墨画だ。
 夜中、小雨、霧。足元からざらざらと水の流れる音がする。時刻、雰囲気と共にシチュエーションとしてはとても良い。カブを橋の近くに停めなかったのも、心の準備もあるが雰囲気を壊したくなかったからだ。単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身からすれば、そういったお膳立ても大事だと思う。
 暗闇の中を歩く。遠くに街灯はあるがあまり役に立っておらず、もし懐中電灯がなければ文字通り一寸先は闇だろう。
 その闇の中、目の前に手摺に錆の浮いた赤茶けた橋が、ぼう、と浮かび上がった。
 車が一台ようやく通れるくらいの幅の狭い橋。長さは七十メートルくらいだろうか。川幅いっぱいに緩くアーチを描いている。
 橋の袂に光を向けると、欄干の元に、『見返り橋』 と彫られているのが見えた。その瞬間、膨らんでいた期待が僅かにしぼむのを感じた。 橋の名前がそのまま、『見返り橋』 だとは思っていなかったのだ。
 その土地の名前や形状から後付で、『そういう場所』 にされてしまうことはよくあることだ。例えば、七子峠という名の峠にまつわる怪談話があったが、よくよく調べてみると元の名は、『七戸峠』 であり、怪談話で語られるような事実は全く無かった、だとか。
 この橋も、もしかしたらそういう類の場所なのかもしれない。『見返り』 という言葉のみが先走って生まれた心霊スポット。
 ただ、まだそうと決まったわけではないし、まだ何も検証していない状態で自ら意気消沈してしまうこともない。そう思い直す。
 とりあえず、橋を渡ってみることにした。
 向こう岸は暗やみと霧に煙り、うっすらとしか視認できない。欄干から下を覗き込むと、数十メートル下を黒い色をした塊が音を立てて流れ下っている。
 例え心中話が作り物だったとしても、吸い込まれそうな雰囲気がある。もし跳び降りれば普通に死ぬだろう。
 橋の中心まで歩いてきたところで一度振り返ってみる。
 誰もいない。何もない。
 例えばホラー映画などでは、気配を感じ振り返るがそこには何もおらず、ほっとして視線を戻すと居た。という手法がよく見られるが、今回はそういうこともなかった。
 とりあえず、何度か振り返りながら橋を渡り切ってみた。やはり何も出てこない。
 いつものことだが期待していた分だけ落胆もある。
 向こう岸にはもう使われていない線路と旧道が並んで山の斜面にへばりつくように伸びている。線路沿いに懐中電灯の光を這わしていくと、幾分向こうの方に廃駅のホームがうっすら確認できた。
 せっかくなので戻る前に廃駅の方も見ていくことにした。別にこの駅に関しては何の噂もないのだが、モノのついでだ。
 駅舎は木造で、床には小石や落ち葉や木くずが散乱し、壁は所々ペンキが剥げ黒ずんだ木の色がむき出しになっている。そうした風景に懐中電灯の光を向けつつ、切符も買わずに改札を抜けた。
 夜雨と霧とが降り掛かる駅のホームに電車を待つ人の姿はない。
 すぐ傍にとても座れそうにないボロボロの青いベンチが並び、線路には背の低い雑草が生えている。ただ、まだ古びきってはいない。所々微かに残る人の名残に背筋がぴりぴりする。
 いい雰囲気だ。そう思った。
 何となく、手にした懐中電灯の光を消してみる。暗澹とした空には月も星もなく、対岸のぽつりぽつりと立つ街灯が唯一の明かりだが、こちらには全く届いていない。かざした手さえ、よく見えない。
 何が出てもおかしくないと言おうか。例え今ここに電車がやって来たとしても、驚いて腰を抜かしつつ頭の隅で納得するだろう。というか、ぜひやって来てほしい。そうして出来れば乗せてほしい。
 そんなことをぼんやり考えていると、山の向こうから微かに車の音がした。一台、こちらにやってきているらしい。
 しばらくすると、対岸、霧の向こうの新道にヘッドライトの光が現れ橋の袂あたりで停まった。
 ああ、と思う。そう言えばここは地元ではそこそこ有名な心霊スポットなのだった。
 エンジン音が止んでヘッドライトが消え、代わりに車のライトよりも細く小さな光が点灯した。懐中電灯。ドアの開く音と話し声。川を挟んで距離も結構離れているのによく聞こえる。どうやら若いカップルが一組、肝試しに来たらしい。
 懐中電灯の光が橋を渡っていく。途中で何度か振り返りながら、その度に、きゃあきゃあと黄色い声が響いた。
 ここで気を利かせて駅舎の影に隠れてやれば良かったのかも知れない。
 ただ、別にこちらが悪いわけではないし相手が悪いわけでもない。たまたま白い合羽を着ていたこともそうだし、懐中電灯を消したままにしていたことも、霧が濃かったのもそうだ。
 いわば間が悪かった。
 一瞬、懐中電灯の光が身体をかすめていった。男の声がして、黄色い悲鳴の色合いが少し変わった。動揺しているのか。光が戻ってきてこちらを照らした。霧のおかげか、あまり眩しくはない。
 そのままじっと、照らされるまま照らされた。
 何か気の利いた反応をした方がいいのかと考えているうちに、本物の悲鳴が上がった。
 まず高い悲鳴、それにつられる様に低い悲鳴。
 懐中電灯の光が逃げるように橋を戻っていく。ばたんばたんとドアが開いて閉まる音。ヘッドライトが点灯し、ものすごい摩擦音をさせながら車はあっという間に走り去ってしまった。
 しばらくしてから、自分のライトを点けて辺りを確認する。もしかしたら近くに別の何かが居たのかもしれないと思ったのだが、期待に反して何も無いし誰も居ない。
 どうやら自分はあの二人のデートの邪魔をしてしまったらしい。
 まあしかし、夜中にここに来たということは、人でない何かに会いに来たということだ。希望が叶って羨ましい限り。自分はれっきとした生きた人間だが、あの二人にとっては、『見返り橋の脇の廃駅に出た謎の幽霊』 に相違ない。
 彼らは見たのだ。幽霊を。全くもって羨ましい限りだ。
 その後、もうしばらく廃駅に入りびたり、廃線を少しばかり歩き、見返り橋を何度か往復したのだが、結局何も出なかったので帰ることにした。
 カブまで歩いて戻る。霧は晴れる様子がなく夜の渓谷を包み込んでいる。
 エンジンを掛け走り出す直前、最後に橋の方を振り返ってみたが、やはり何も見えはしなかった。


 アパートの自分の部屋に戻ると、しばらくして隣の部屋のヨシが後輩の銀橋と一緒に酒とつまみを持ってやって来た。
「おまえー、また行ってきたろ」
 訳知り顔のヨシが言った。そうして期待に満ちた表情をしている銀橋と共に、今回はどうだったのかと訊いてくる。
 ありのままを話してやったら、げらげら笑われた。
 
[ 2018/06/23 ] ◆UtLfeSKo

[ 160914 ] 河川敷の処刑場跡地

 『梟橋(さらしばし)』 と呼ばれた橋がある。
 市内を流れる川に掛かったごく普通の橋だ。名の由来は昔、その辺りの河原が処刑場だったところから来ているのだが、現在は銀杏橋(いちょうばし)と名を変え、刑場だった場所は小さな公園になっている。
 そうして当然のごとく首のない幽霊や人魂がよく見かけられる場所でもある。
 ちなみに橋の袂にはコンビニがあり住んでいるアパートから近いため時々利用する。
 普段は自炊をしているのだが、その日は朝から取り掛かった大学のレポートが夕方までかかり疲れていた上に、冷蔵庫はほとんど空だった。

 というわけで、行くことにした。

 家から出て川沿いの土手を歩いて十分ほど。
 橋は川に出た時からずっと前方に見えている。土手には青い若葉を茂らせた銀杏が所々植えられていて、途中何人か犬の散歩やジョギング中の人とすれ違った。
 この辺りに住む人は橋の名前が、『首を梟(さら)す橋』 であったことを知っているのだろうか。茜色の空の下、河川敷は至ってのどかで過去にそういう場所だったという名残は無い。
 そんなこんなをぶらぶらと考えている内に橋に着いた。袂に銀杏のイラストが描かれた看板が立てられている。それほど幅の広い橋ではないが両脇に歩道があり、花壇も据えられている。車のためというよりは歩行者のための橋だ。
 対岸のコンビ二へ引き続きぶらぶらと橋を渡る。
 単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身としては、この橋は行きつけの居酒屋のようなものだ。たまのバイトからの帰り。コンビニに行くついで。酔い覚ましの散歩がてら。数えきれないほど橋を渡り、処刑場であった川原を眺めた。
 以前はよく心霊写真も撮れたようだ。人魂のような光が写っていたり。河原に石のような生首のような何かが転がっていたり。誰かの指がでかでかと写りこんでいたり。と、最後のはただの実体験だが。フィルム式のカメラが減ったせいか近頃めっきり聞かなくなった。
 元梟橋の上を歩きながら周りを見回す。妖しいモノは何も見えない。いつものことだが、もう癖になってしまっているのだ。それに、行きは駄目でも帰りは何か見えるかもしれない。
 橋を渡り切り、目的のコンビニに到着する。とりあえずは今日の夕食と、ついでに明日の朝食分も買ってしまおうか。
「あ、先輩だ」
 惣菜コーナーで何にしようかと悩んでいると、後ろから声を掛けられた。誰かと思えば、大学の後輩の銀橋だった。「今日はコンビニ飯ですか。珍しいすね」 言いながら、肩口からひょいと買い物カゴを覗き込んでくる。
 ここのコンビニは大学生御用達なので誰に会おうが別に不思議ではない。不思議なのは、学部も年齢も所属サークルも違うのに、この銀橋がよくウチに飲みにやってくることだ。最初は隣の部屋のヨシに連れられて来たのだったか。それ以来、頻繁に襲来しては大量の飯と酒を飲み食いして去っていく。
 こいつにとって、我が家は行きつけの居酒屋といったところか。
「そうだ、今からそっち飲みに行っていいすか?」
「今日は駄目だ」
「ありゃ」
 銀橋はそれ以上しつこく言ってこなかった。珍しく聞き分けがいい。
 会計をすまして外に出ると、自転車を押した銀橋が後ろから追い付いてきた。何やら大量に買い込んだのか、カゴの中にパンパンに膨らんだコンビニ袋が入っている。
「そんなに何買ったんだ? お前」
「酒とつまみです」
「ほー」
 家には上げんぞ、という意思を込めて視線を送る。銀橋は全く気付いていないか、そういうフリをしている。
「あ、そう言えば先輩知ってますか? 先輩好みの話ですよ、これ」
 銀橋が言った。ちなみにこいつは目の前の先輩が妙な趣味を持っていることを知っている。
「そこの河原のあたりって、昔は罪人を処刑する場所だったみたいすよ」
「ほー」
 別に期待はしておらず、既知の話だろうなとは思っていたが。えらく得意そうに言うので知っていると言いそびれてしまった。まあ、せめて最後まで聞いてやることにする。
「で、今歩いてるこの橋の名前も昔は違ってて。銀杏橋じゃなくて、ふくろう橋って名前だったらしいす。ふくろうですよ、ふくろう。ほら、面白くないすか」
「……ほお」
「でも何でふくろうなんすかね。その辺はちょっとよく知らないんですけど。きっと、昔はこの辺りにめっちゃふくろう居て、橋の上から見物してたんすよ」
 えらく自信満々に言うので、まったくお前は物知りだなぁと言いそびれてしまった。
「ふくろう橋じゃなくて、さらし橋だな」
「え、何が? さらし?」
「橋の名前。梟と書いてさらしと読むんだよ」
「え、何で。腹に巻くさらしですか?」
「さらし首の方のさらしだな。ここらの河原は昔、処刑場だったんだろ?」
「あー、はー、なるほど」
 銀橋は感心したような声を上げて、
「一瞬、切腹した後に腹に巻くから、さらし橋なのかと思いました」
 何で切腹したやつの腹にさらしを巻いてやる必要があるのか。あの一瞬でそこまで違う方向に考えられたのか。そもそもいったい何の言い訳だ。色々浮かんだが、突っ込みどころが多すぎて言いそびれてしまった。
「てか、先輩知ってたんすね」
「まあ」
「でも何で、梟って書いてさらしって読むんですかね」
 何とも不思議そうに、銀橋が言った。
 もともと梟は縁起の悪い鳥だと言われてきた。その鳴き声や、夜に活動することも相まってイメージが悪かったのだろう。梟にとっては迷惑な話でしかないが、そうしたイメージから、ある地域では魔よけのために梟の頭を木に突き刺しておくといった風習があったそうだ。また害獣よけのため、梟の死骸を案山子のように畑の周りに立てていた場所もあるらしい。
「……そういうところから、さらすって読むようになったみたいだな」
 話している内に銀杏橋を渡り切り、今は銀杏の並ぶ土手を歩いていた。
「はー、なるほど」
 感心するのはいいが、銀橋の住んでいるアパートは橋を渡って逆方向にある。
「あ、そういや先輩って、梟に似てますよね」
 まだウチに来るつもりじゃないだろうなと言いかけたのだが、相手の言葉があまりに意味不明で言いそびれてしまった。
「……誰が何だって」
「いや似てますって。先輩夜型だし。よく、『ほうほう』 言ってるし。それにほら、先輩よくこう小首をかしげるじゃないですか。あれ、梟もよくやりますよね。何でですかね」
「記憶に無い。それにあれ首をかしげるのは、獲物との距離を測ってるんだぞ」
「先輩が?」
「梟が」
「そういう物知りな所も、梟っぽい」
 言い返そうとしたが、諦めた。
「……お前、家逆だろ」
「先輩んちが駄目なら、ヨっさんちに行こうかと思って」
 銀橋の言うヨっさんとは自分と同じアパートの隣部屋に住むヨシのことだ。銀橋とは同じ運動系のサークルに所属していて、そう言えば銀橋をウチに連れてきたのもヨシだった。
「アポ取ったのか」
「なくても大丈夫ですよ、ヨっさんですし」
 そうだな、と思う。
「今日疲れてんだ。あんま騒ぐなよ」 
「無理っす。酒ありますし。ヨっさんですし」
 そうだな、と思う。
 そのまま銀橋は本当にアパートの部屋前まで着いてきた。「ヨっさーん」 と呼ぶが返事はない。「酒もってきましたー」 と言うとすぐに中で動き出す音がした。ガチャリとドアが開く。
「すまんすまん、今レポート終わって寝てたんだわ」
 面倒くさそうなので、ヨシと鉢会う前に自分の部屋に滑り込む。すでに夕飯の時間だったが、眠かったのでとりあえず少し寝ることにした。
 そういえば、コンビニからの帰り、銀橋の相手をしていたせいで、いつもの様に橋の上から河原を眺めることをしていなかったな、と思い出す。
 多くの人が見たという噂によれば、黄昏時によく無数の生首が河原の上を飛び交っているそうなのだが。残念ながら、自分はまだ見たことがない。
 見てなかっただけで、飛んでいたのかもしれないな。
 耳栓代わりにイヤホンをつけ、座椅子を倒して目を閉じながら、そんなことを思った。
 

 一時間ほど眠った後、突然インターホンが鳴り、元気よくドアが叩かれ目が覚めた。
「おーい、開けろー、起きてんのは分かってんだぞー」
 ヨシの声がする。面倒くさいので無視していると、玄関前の気配が消えた後、しばらくして今度は窓ガラスを叩く音がした。
 見やると、開いたカーテンの向こう。窓枠の上に赤ら顔の生首が二つ乗っかっていて、こちらを覗き込んでいる。
 まるでさらし首だ。
 目が合うと、奴らはにたりと笑った。



[ 2018/06/23 ] ◆UtLfeSKo

[ 160931 ] NO TITLE

>>160911,160914
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/06/23 ] ◆Ahsw8Nok

[ 160981 ] おばけ煙突

 『おばけ煙突』 と呼ばれる煙突がある。
 おばけ煙突といえば、かつて大都会のど真ん中に立っていた四本煙突のアレが有名だが、ここでいうおばけ煙突は辺鄙な田舎町のはずれの小高い丘に立つ白い煙突のことだ。
 もともとはコンクリート工場で、廃業に伴い主要な建物は壊されたのだが、何故か煙突だけが残されており。取り壊す際に色々あったらしい。工事中、重機に乗っていた作業員がことごとく体調を崩しただの、作業中の事故で一人亡くなっただの、工事の監督が行方不明になっただの。とにかくこの煙突はゲンが悪い。
 廃棄物と一緒に燃やされコンクリートに混ぜられた人間の霊が出るだとか、煙突から真っ赤な煙が出ていただとか。
 工場がなくなった今、ただ一つ残った煙突はそれら悪い噂を一身に受けて、立派な心霊スポットと化している。

 というわけで、見に行くことにした。

 朝方、愛車のカブに跨って大学近くのぼろアパートを出発した。今回は県を跨ぐのでかなりの遠出だが、空はすかっと晴れていて、風も気持ちがいい。
 途中で昼食をとり、おばけ煙突のある町にたどり着いたのは午後二時ごろだった。 
 小さな町であまり高い建物もなく、街並みの背後、こんもりとした丘の上に一本の煙突が突き刺さっている。おばけ煙突というよりは、町を見下ろす監視塔といったところか。
 緩く曲がりくねる坂道をしばらく走ると、工場入り口に到着した。門扉は半分瓦解し開いており、『私有地につき立ち入り禁止』 と張り紙がされている。
 カブに跨ったまま門の外から中を覗く。前情報の通り、煙突以外の建物は綺麗に壊されていて、小高い丘いっぱいにがらりと広い。こうしてみると、確かに煙突だけ残されているのが奇妙なことに思える。
 当の煙突は遠くから見たときよりもくすんで見えた。煙突下部の建物には色とりどりの落書きがされている。屋根に上ったのか、煙突に直接書かれたものもあった。
 単騎での心霊スポットめぐりを趣味かライフワークとしている身からすれば、基本的にこういう場所の落書きは雰囲気を損ねるだけだと考えているのだが、ここの落書きには、味気ない白色の煙突が頑張って自身をデコレートしたような、妙な微笑ましさがあった。
 中に入ってもっと近くで見てみようかとも考えたが、こんな真昼間から堂々と不法侵入するのもどうかと思い、とりあえず下の町で時間をつぶし夕方頃また来ることにした。
 町の自動販売機で飲み物を買い、その辺の公園のベンチに座り休憩していると、ふと丘の上の煙突から煙が上がっているのが見えた。
 白い煙。
 廃されたはずの煙突の先からひょろひょろと、徐々に薄らいで広がっている。
 ついに来たか。
 と身構えるが、しばらく眺めていると正体が見えた。雲だった。ただ、真っ青な空の中、丁度煙突の先から伸びる一筋の雲はパッと見た限りでは本物の白煙と見分けがつかない。
 おばけむり、正体見たり、雲ひょろり。
 まあ期待した末何も無いのは、いつものことだ。
 とりあえず、雲が霧散してしまう前に写真を一枚撮る。その傍らで、小学校低学年くらいの二人の子供が、こちらを不思議そうに眺めていた。何を撮っているのかと思ったのだろう。
「おばけ煙突から、煙が出てるぞ」
 それだけ教えてやってベンチを立った。世知辛い現代、不審者と間違われても困る。カブに跨りエンジンを掛けようとした時、背後から、「ホントだ、スゲー!」 「コエー!」 とはしゃぐ声が聞こえた。
 煙の正体が雲だとばれる前に退散する。
 それから近くにあった貸しビデオ屋で時間をつぶし、そろそろ陽も陰って来たところで、再び煙突に向けてカブを走らせた。
 夕暮れの中の煙突は陽を背にしているせいか、細長い棒のシルエットと化している。
 門の前に着くと同時に、西の山の向こうに陽が沈む。夕日の名残はまだ残っているが、辺りが目に見えて暗くなる。そうなると先程とは打って変わり、薄闇に白い煙突が、ぬぼう、と浮かび上がる。
 門から少し離れた位置にカブを停め、壊れた門扉を跨ぎ越える。自分の他に不法侵入者は居ないようだが、一応用心のためライトはつけずに煙突へと向かった。
 煙突とその下部の建物は、朽ちているとまではいかないが年月相応に荒れ寂れていた。壁には所々によく見かけるデザインの落書きがそれぞれ自己主張していて、遠目から見たときは味気ない建物に添えられた飾りにも思えたが、やはり落書きは落書きだ。
 建物の傍で、ほぼ真下から煙突を見上げる。
 改めて、大きな煙突だ。
 そう言えば、ここの数ある噂の中には煙突清掃員の事故も含まれていたことを思い出す。作業員が作業中に落ちて怪我したり亡くなったりしたのだそうだ。それも何人も。
 煙突にへばりつく幽霊でも見えやしないかと目を凝らしたが、何も見えない。赤い煙でも出てやしないかとさらに視線を上げてみたが、出てやしない。
 そもそもここには、『これ』 といった噂話は無い。小さないくつもの話が積み重なって出来てあって、お得感はあるが、心霊スポットとしてははっきりとした実体の無い、何だか薄ぼんやりとした……、
 ああ、なるほど。
 だから、『おばけ煙突』 か。
 しばらく見上げていると、首が痛くなった。せっかく心霊スポットに居るのだから首が痛くなるより肩が重くなったりしてほしいのだが。それとも、見えていないだけで実は幽霊に首を絞められているのかもしれない。いや明らかにそういう痛みではないけども。
 それからしばらく粘ったが、煙も幽霊も何も出なかったので帰ることにした。
 せっかく法を犯してまで入ったので、不法侵入者らしく、門からではなくカブを停めたところに近い塀を乗り越えて外に出た。特に意味はない。
 カブに跨り、おばけ煙突の立つ町を後にした。信号で停止した際振り返ると、暗やみの中、ぬぼう、と浮かぶ白い煙突は確かにひょろりと背の高い一匹のおばけのように見えなくもなかった。
 

 夕飯も帰りがけに済ませ、ぼろアパートに帰りついた時には、時刻は午後十一時を若干過ぎていた。
 自分の部屋に入ろうとすると、隣の部屋のドアが開いて家主のヨシがのそっと顔を出した。
「……おまえー、また行ってきたのかぁ」
 飲み会でもして来たのか、随分酔っているらしい。少しだけ開いたドアからずるずると外に出てきて、何故かこちらの部屋に一緒に入ろうとしている。
「……水をくれ」
「自分とこで飲めよ」
「……駄目だ。蛇口が四つに見えるんだ」
 なら四つとも捻ればいいだろうに。とは口に出さず、仕方なくだが水を出してやることにする。台所でコップ一杯の水を飲み干すと、ヨシはようやく息を吹き返したようだった。まだ随分酔ってはいるが。
「飲みすぎだろ」
「ええー、水一杯くらいケチケチすんなよー」
「酒な」
「ああー、酒かぁ。酒はー……、いっぱい飲んだなぁ」
「ほー」
 水を飲んで帰るのかと思ったら、奴はそのまま居間のテーブルの前にどかっと腰を据えてしまった。
「おーい、今日はどこ行ってたんだよー」
「○○町のおばけ煙突」
「おばけえんとつー? あー、おばけの煙突ねー」
 そうしてヨシはうんうんと頷くと、
「そのおばけの煙突は見れたのかよ」
「煙突は見たぞ」
「えー、何て?」
「煙突は、見た」
「えっ、お前見たって言った?」
「見た」
「おばけ?」
「おばけ煙突な」
「おおーっ、すげーじゃん」
 何やらこの酔っぱらいは、おばけ煙突が煙突の幽霊だと勘違いしているらしい。「そーかぁ、お前もついに見たのかー」 などと感銘深そうに何度も頷いている。今説明してやるのも面倒くさいので放っておくことにした。
「そういや写真あるぞ」
「おーっ、しんれー写真まであんのかぁ」
 デジカメを取り出し、今日撮った写真をヨシに見せる。ヨシはしばらく、「んー?」 などと言いながら写真を眺めていたが、
「これー、普通の煙突じゃん。煙出てるし」
「いや、煙は出てない。そもそも廃工場だしな」
「……んー? あ、煙も合わせて幽霊なわけか?」
「いや、そういうわけじゃない」
「んー?」
「その煙突も別に幽霊じゃない」
「んんー?」
 画像をいろんな角度から眺めながら。赤ら顔の隣人は、何やら煙に巻かれたような顔をしていた。

[ 2018/06/24 ] ◆UtLfeSKo

[ 160990 ] NO TITLE

>>160981
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/06/24 ] ◆Ahsw8Nok

[ 160998 ] ダムと人魂

 『人魂が出るという噂のダム』 がある。
 県境に近い二つの町に跨って作られたダムで、天端(※ダムの上部)には車がすれ違える幅の道路が走り、この辺りでは中々の貯水量を誇っている。
 目撃者の話によれば真夜中、ダムを下から見上げた時にいくつもの白い人魂がダムの上空を飛び交っていたのだそうだ。
 同じような話は他にもいくつかあり、ダム建設の際に沈められた村に住んでいた人々の魂だとか、ダムから飛んで自殺した人の霊だとか言われている。

 と言うわけで、見に行くことにした。

 その日は午前中の講義だけだったので、学食で昼食を食べた後いったん家に戻り、懐中電灯等準備を済まして出発した。
 愛車のカブで川沿いの道を上流に向かってひた走る。五月。初夏というには随分と暑い日で、白く厚い雲と刺すような陽射しもまるで夏本番のようだ。
 道中、道の駅のベンチで昼寝をしたり、おやつ代わりにそばをすすったりしながらのんびり走る。川と田園の向こうにダムが見えたのは午後五時を過ぎた頃だった。
 青空の下、山の合間にそびえ立つ巨大な石の塊は、よくまあこんなものを一から造り上げたなと感心させるには十分な威厳を備えていた。
 人魂が飛ぶにはまだ陽が高すぎるのか、ダムの周りにそれらしき光はない。
 陽が落ちるまでその辺にあった定食屋で夕食兼時間つぶすことにした。ついでということで店員にダムに飛び交う人魂の噂について訊いてみると、近くの席に座っていた数人の常連らしき客と一緒に色々教えてくれた。
 何となく察したのは、地元の人にとってダムの上に飛ぶ人魂は別におどろおどろしいモノではなく、夏の風物詩に近い感覚のようだ。盆に帰って来たはいいものの、故郷の村がダム湖の底で帰れずうろうろしているご先祖様の霊だとか。毎年ダム下の広場で行われる夏祭りを見に来た浮幽霊だとか。
 私が聞いた、ダムから跳んで自殺した人の魂だという話は全く出なかったが、そういうものなのかもしれないな、と思う。
 店員と客の話を聞きながらゆっくりとかつ丼を胃に放り込み、外が完全に暗くなった頃店を出た。
 田舎町だからか街灯が少なくやけに暗い。ダムの方を見やると、天端の道路に据えられた照明が夜のダムをぼんやり照らしている。
 カブで走りながら目を凝らしたが、照明の明かり以外の光は見えない。
 ダム脇の道から上部へ向かう。カブが息切れするような急斜面をいくらか上ると、小さなトンネルの先に管理署の建物とダムを照らす灯が見えてきた。
 管理署の駐車場にカブを停め、明かりに照らされた天端を向こう岸目指して歩き出す。
 両脇には胸くらいの高さのコンクリートの塀と、その上に落下防止用だろうか、太い手摺が二本通っている。等間隔で設置された照明は目に刺さる白い光で、夜のダムをより無機質な石の塊に見せていた。
 天端の長さは二百メートルほどだろう。高さはその半分くらいか。自分の他に人はおらず、車の気配もなく、噂の白い火の玉も見えない。
 いつもは寂れた場所や廃墟が多いからか、こういった小奇麗な現役バリバリの建造物では、雰囲気的に少し物足りないな。と、単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身としては思う。
 とはいえ、ここが色々噂のある場所であることも確かだ。
 三分の一ほど歩いてきたところでダム湖側の手すりから下を覗く。水面までは三十メートルほど、夜の人工湖はまるで粘り気のあるコールタールのような水をたたえ、どこか吸い込まれそうな不気味さがある。
 次いで逆側の手すりから同じように下を覗く。ダム湖の方とは違い、こちらは単純な高さに腹のあたりがむず痒くなる。手摺からしばらくはストンと真下に切れ落ちているが、下部に行くにつれダムがせり出し緩く弧を描いている。もしここから跳び降りれば、しばらく落下し加速がついたとこで壁にぶつかり、何度も転がった末直視したくない姿になってしまうだろう。
 定食屋の人たちは口にしなかったが、白い人魂はここから跳び降りて死んだ自殺者の魂ではないかという話もあるのだ。
 その時、ふと疑問に思った。
 どっち側から跳んだのだろう。
 ダム湖側と下流側、どちらから飛んでも死ぬことはできるだろう。下流側はその高さからして言わずもがなだが、ダム湖側も水面までの距離は十分高い。もし着水時点で死ななかったとしても、自殺するような人間が三十メートルの飛び込みをした後、濡れた服を着たまま対岸まで泳ぎ切れるかと言われれば、それは難しいのではないか。
 もし自分だったら。
 先ほど両方覗き込んだ視点から言えば、下流側は絶対無理だ。あの高さは高所恐怖症でなくとも足がすくむ。ダム湖側なら頑張れば跳べるかもしれない。しかしそれは、『もしかしたら死なないかもしれない』 という心理からだ。きっぱりと死にたいのなら、下流側だろう。でも生に未練があるのだから人魂になっているのだろうし、そういう人はダム湖側から跳びそうな気もする。
 ぐるぐると考えたが、結局自分には自殺者の心理は分からない、という結論に達した。
 分からないと言えば、そもそもダムに出る白い人魂が自殺者の魂か、帰る故郷のなくなった村の住民の霊なのかも分かってはいないのだ。
 もし人魂が出てきたら訊いてみようか。しかし実際実物に遭遇してしまったら、奇声を上げて走って逃げ出してしまうような気もする。
 それもまた出くわしてみなければ分からない。
 ダムの天端をゆっくり一往復してみたが、白い人魂が現れることはなかった。
 仕方がないので帰ることにする。カブに跨り、いつもの様に微かな失望と一握りの安堵とよく分からない満足感を覚えながら、夜のダムを後にした。
 
 
 大学近くのぼろアパートに帰ると、こちらの帰宅を嗅ぎ付けた隣部屋のヨシが、いつもの様に酒とつまみのタネを持ってやって来た。
 実家から送られてきたという野菜をどっさり渡されたので、それらのいくつかを使って簡単な浅漬けと野菜炒めを作って出してやる。
 安酒で乾杯した後、いつもの訳知り顔でヨシが言った。
「今日はどこ行ってきたんだよ」
「△△ダム」
「おー。俺のホームグラウンドじゃん、そこ」
 そう言えば、ヨシの生まれ故郷はあのダムの付近の町だと聞いたことがあったような、無かったような。
「あれ、でもあのダムに怪談話なんてあったっけ?」
 不思議そうに首をかしげるヨシにダムにまつわる噂を、定食屋で聞いた話や今日の自分の体験談を交えて話してやった。
「……白い人魂?」
「そう」
「夏に出る?」
「聞いた話だとな」
「ダムの上を飛んでる? 下じゃなくてか?」
「下っていう話は、聞いてないな」
 果たして自殺した者の魂か、はたまたダム湖の下に沈んだ村の元住人か。と、続けようとしたが、何となく雰囲気を察してやめた。
 ヨシが腕を組んで何事か考えている。
「うーん」
 唸っている。
「何だよ」
「……いや、一つ聞いてほしんだけどさ。俺は別に幽霊とか妖怪とかUFOとか、そういうもの全般を否定するわけじゃないんだけどな?」
「ほう」
「俺がガキの頃さ、あのダムの上って結構な穴場だったんだよ」
「穴場?」
「カブトムシとか、クワガタの」
「ほう?」
「あの辺って暗くなるとダムの上が一番明るいだろ? だからその光めがけて色々な虫が寄ってくるんだよ」
 ヨシが何故いきなり虫の話を始めたのかは分からないが、酒を飲みつつ黙って聞いておくことにする。
「でだ。夜中に数人で虫取り網もってダムに行って、網を持ったまま飛んでるやつを追ったり、あちこち振り回したりしてたわけ」
「ほー」
「そしたら警察呼ばれてさ」
「ほう」
「『ダムの上に白い人魂が飛んでいるからどうにかしてほしい』 って通報があったらしくてよ」
「……ほぉ」
「どうも下から見てたやつが居たみたいで。ほら、俺らまだ子供だったから背も低いし下からだと手摺で見えんでよ。その割にはでかい大人用の虫取り網とか持ってたからさ。その人からしたら、妙な白い人魂みたいなものが何個もダムの上をふらふら飛び回ってるように見えたんだな」
「……」
「最初はガキだけで遊んでるから通報されたのかと思ったけど、よりによって人魂と間違われるとは思ってなかったなー」
「……」
 何も言えないこちらをよそに。ヨシは作ってやった野菜炒めに箸を伸ばし一口酒を飲むと、「全く笑い話だよなー」 と言って、可笑しそうにげらげら笑った。

[ 2018/06/24 ] ◆UtLfeSKo

[ 161046 ] NO TITLE

最近「日本現代怪異辞典」っていう辞典を買った。知っている人は知っていると思うけど、これがなかなか面白い本で、著者の方が古今東西の噂話のような、あるいは伝承のような怖い話を辞典として纏めたものだ。もともとは個人の趣味かなんかで同人として発行されていた本だったけれど、今は出版社を介してamazonとかでも買える。
自分は元々怖い話が好きで、ひょんなことからこの本の存在を知り興味を持った。なにせこの本には洒落怖に載っているような話も纏められているというのだから、自分の知らない話があってもおかしくは無いだろう。そう思って今や第五版まで刷られているこの本をamazonでぽちって、わくわくしながら本の到着を待ったわけだ。
届いた本は元が個人製作とは思えないほどにしっかりと作りこまれていて、それにはもはや感嘆の息しか吐けなかった。これを個人で作ったのか、すげえ。単純にそう思った。
その日から暫く、時間があるときはその本の適当なところをぱらぱら開いては見たことなかった話を検索して読むのがちょっとしたマイブームになった。さすがに持ち歩けないサイズなので、出先はメモッたタイトルを検索して探す日々。結構充実していた。
そうしてそろそろ怖い話がよく合う夏に差し掛かって、「あおいさん」という話が気になった。この話は先頭から数えて数ページ目に書かれていた話だ。辞典なので先頭から見る必要も無かろうと適当に見ていたために、気付くのが遅れたのだ。
内容としては、とあるコンビニに来る奇妙なおじさんの話。あおいさんと名乗るおじさんが間延びした声で命ちょうだいっていって、針金細工を置いていく話だ。自分はこの話を読んだ事が無かったので、すぐ検索した。「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?245」スレッド。さすが辞典だ、出典もきちんと明記されてる。
しかし検索をしても、それらしい話が一発で引っかからない。スレッド名、番号、あおいさん。何度か検索しなおして、スレッドをサルベージする事に成功した。けどブラウザの検索であおいさん、と入れても出てこないから、地道にスクロール。ようやくそれらしい話が出てきたので、読んで満足して、ブラウザを閉じようとしたところで手が止まった。自分の見間違いかと思ったが、そうじゃないらしい。それに気付いたとき、久しぶりに背筋が本気でぞっとした。
察しのいい人は気付いているだろうけど、そのスレッド内に書かれていたおじさんは、「あおいさん」じゃなかった。「おおいさん」、と書かれていたのだ。
すぐさま辞典を確認した。その話が載ってたのは【あ】の項目、間違っても四つずれた【お】ではない。見たスレッドを間違えたのかと思ってまとめサイトも回ってみた。全部「おおいさん」だった。もちろん、このまとめブログにあるのも確認してる。この後暇だったらぜひ探してみてくれ。
通常なら、「ただの誤植」で済むだろう。噂話や怖い話なんて尾ひれ背びれが付いて当たり前。ああ、間違えちゃったんだなって気にも留めない。
けれど、この本はそうじゃない。個人でこれだけのものを纏め上げるのに費やした労力は、恐らく自分が想像出来る領域を越えているだろう。しかも、第五版まで増刷された代物だ。著者以外のチェックだって山ほど入っているに決まっているし、読んだ読者だって大勢いるだろう。その話に、「おおいさん」を知っている人が一人もいなかったんだろうか。しかもだ。この本は、"辞典"という体裁を保っている。ならば頭文字は他より気を使ってチェックするはずだ。単純な思い込みや間違いと、切り捨てていいのだろうか。
どうして、「お」が「あ」になるんだ。もしかしたら、「おおいさん」の話を収集したときは、「あおいさん」って名前だったのかな、なんて。
その当時を知らぬ自分がしてしまった想像に本を閉じて、今は鍵の掛かる本棚に入れている。自分としては誤植でも全然構わないし想像の域を出ない話だからはっきりと原因究明して欲しいとは思わない。でも、他にも似たような話を見つけてしまったとき。そんな洒落にもならない怖い話がこの世に本当にあるんじゃないか、って怖くなるから、暫くマイブームは控えようかなって気分だ。
[ 2018/06/25 ] ◆-

[ 161047 ] 耳無し地蔵

 『耳無し地蔵』 と呼ばれる地蔵がある。
 名前の通りその地蔵には耳がなく、表面にはびっしりと経が彫られている。過去にこの地を訪ねた琵琶法師が平家の悪霊に取り憑かれ、寺で魔よけの香料を塗ってもらうのだが、耳だけ塗り忘れた結果悪霊にもがれてしまう。といった話が地蔵の由来だそうだ。
 地元の人間によると、かの有名な耳なし芳一のモデルになった話らしい。こちらの話では香料を体に塗ったとされているのだが、実際地蔵の表面には経が彫られていて、香料の代わりに彫ったのか、芳一の話に便乗したのかは定かではない。
 地蔵は国道沿いに建てられた小さなお堂の下に安置されていて、夜になると未だに平家の悪霊が琵琶の音を聞きに現れるのだとか。

 というわけで、見に行くことにした。

 その日一日の大学の講義を終え夕食も済まし陽もとっぷり暮れた頃、一人カブに跨って根城であるぼろアパートを出発した。
 目的の国道に出てそこから西へ一時間ほど。いくつか町を通り過ぎ、とある町外れ、川を跨ぐ橋を渡った先に目的のお堂が見えた。
 山に上がる脇道の起点に小さな広場があって、その隅に人の背丈くらいのお堂が建っている。この辺りの道は何度も通ったことがあるが、妙な地蔵があると知ったのはつい最近のことだ。
 耳なし地蔵はお堂の下にぽつりと安置されていた。
 ライトで照らしてみると、確かに地蔵には耳がない。最初から無かったというよりはいったん作った後にそぎ落としたような。その辺りも元の話を再現しているのだろうか。袈裟は着ておらず前掛けや頭巾もない。裸の上にびっしりと経が彫られている。
 地蔵の台座には平べったい穴の開いた石が何個も供えられていて糸で纏められている。参拝客が置いていったのだろう。何でも、この地蔵に穴の開いた石を供えると願いが叶うそうだ。
 お堂の傍には立て看板があり、耳なし地蔵の由来が説明されている。それによれば香料と経の違いのほかにも、芳一は耳を取られたものの生きていたが、この名もなき琵琶法師は耳を取られた後すぐに亡くなってしまったそうだ。
 辺りには琵琶の音を聞きに来た平家の悪霊の魂が飛び交っている、といったことは、ない。
「♪~♪~」
 悪霊は琵琶の音を聞きに来ているとのことだったので、琵琶の代わりに口笛など吹いてみる。
 駄目で元々の精神だが、夜に口笛を吹くと悪いモノが寄ってくるという言い伝えもあることだ。曲は適当に最近の流行りからチョイスした。
 夜の国道に口笛の音が響く。サビの部分で大きな音を立てながら大型トラックが走り抜けていった。
 辺りには何の変化もない。当たり前の話だが素人の口笛程度では駄目のようだ。
 だったら、とバッグから穴の開いた石を取り出す。今日のために適当な石を見繕って穴を開けておいたのだ。音楽で寄ってこないのなら地蔵に直接願って呼び出してもらおうという寸法だ。
 台座に石を置こうとして、ふと手が止まった。
「……あ、耳か」
 思わず呟きが口をついて出る。
 事前に調べたときも、立札の説明にもなかったので思い至らなかった。何故穴の開いた石を供えると願いが叶うのか。不思議ではあったのだが、ここに来て地蔵に供えられたたくさんの石を見てようやく気が付いた。
 穴の開いた石は、耳だった。耳をもがれた地蔵に耳を供えているのだ。
 しまったな、と思う。
 供え物が耳だとしたら、左右で二つ用意したほうが良かっただろうか。しかし今は片方しか持っていないのだから仕方がない。それにただの偶然だが、自分が持ってきた石は形といい大きさと言い地蔵の耳にぴったりだった。一つでも満足してくれるだろう。
 台座に石を供え、手を合わせ、乞う。
 悪霊でも何でもいいので出てきてくれないだろうか。
 さて、鬼が出るか蛇が出るか。または何も出ないか。
 今までの経験からすれば何も出ないのが当たり前なのだろうが、それを受け入れているならそもそも夜中にこんな所まで来やしない。
 ふと、すぐ傍で何かの気配を感じた。
 何かが地面を這いずっているような。嫌な予感と共に、うなじの辺りにぴりっと電気のようなものが走った。
 ライトの光と視線をそちらに向ける。
 蛇だった。
 蛇が出た。
 しかも小さいが頭の形からしてマムシだ。何故かまっすぐこちらに向かってきている。長靴でも履いていたら戦ってもいいのだが、あいにく普通の靴だ。噛まれたら大変なので急いで退散することにする。
 確かに何でもいいとは願ったが、それは幽霊や他の超常現象だったら何でもいいという意味で、毒蛇でもいいという話ではない。先ほど口笛を吹いたのが不味かったのだろうか。夜に口笛を吹くと蛇が寄ってくるとも言うが、こんなタイミングで寄って来なくてもいいだろうに。
 路肩に停めてあったカブに跨り、未練がましく首を伸ばしてお堂の方を見やる。暗がりの下、蛇も、平家の悪霊も何も見えない。
 本日の収穫。夜中に口笛を吹くと蛇が出るという言い伝えは、あながち間違いではない。
 しかしながら心霊スポットで蛇に出会ったのは初めてだった。生きた人間に出くわしたことは何度かあるが、珍しい体験をしたと言えなくも無い。
 ただ、どうせなら毒蛇でも人間でもなく、ちゃんとした怪異に出会いたいものだ。
 そんなことをぶつぶつ考えながら、耳なし地蔵を後にした。
 

 アパートに帰ると、しばらくして隣の部屋のヨシが酒とつまみを持って訪ねてきた。
 こいつは普段からこちらが作る料理と酒を目当てにやって来るのだが、特に心霊スポット巡りをした日には毎回襲撃されている気がする。
「お前、また行って来ただろ」
 訳知り顔のヨシが言った。
 確かにそうなのだが、なぜ分かるのかと訊くのも癪なので返したことはない。
「今日はどこ行ってきたんだよ」
「耳なし地蔵」
「どこにあんのそれ」
「××町の国道沿い」
「どんなユーレイが出んの」
「平家の悪霊って話だな」
「そりゃまた古典的だなー」
 ヨシが持ってきた肉やら野菜やらを切ったり焼いたり和えたりしてテーブルに出しながら、同時に耳なし地蔵の概要を簡単に説明してやる。
「……ふーん。耳なし芳一の元になった話ねー。おー、お疲れ。カンパイ」
 缶ビールでテキトーに乾杯して飲み始める。自分はヨシほど酒が好きなわけではないが、遠出の後のビールだ。最初の一杯だけなら、まあ、美味い。ヨシは飲むペースも早く、こちらが一本飲む間に二本か三本空けてしまう。
「なー、俺はさー、耳なし芳一で納得できんとこがあるのさー」
 じわじわと酔ってきたらしいヨシが言う。
「ほう」
「坊さんがお経を耳だけに書き忘れたって言うけどさー、おかしーだろ、普通忘れねーだろ」
「ほー」
「だってよ、体中ってことはひざの裏とか脇の下とか、○○○にだって書いてるんだぜ」
「中学生か」
「だってだってそうだろだって! そこ書いてそこ忘れるか? 普通」
「経を書いた布でも巻いてたんだろ」
「じゃあ、もっと大きい布に書いて、それ被せとけよ」
 なるほど、確かにそうだ。
「そう言えば、耳なし地蔵の方は芳一の話と違って、耳を取られた琵琶法師はそのまま死んだらしい。耳取られたくらいで死ぬか? と思ってたんだが、取られたの耳だけじゃなかったのかもな」
「○○なし芳一」
「小学生か」
 結局それが言いたかっただけらしいヨシがげらげらと笑う。
 もしも、自分が今日平家の悪霊でも別の何かでもいいのでお持ち帰りしていたなら。ぜひ目の前のこいつを祟ってやってほしいものだ、と切に思う。
「♪~♪~」
 ほろ酔いのヨシがへたくそな口笛を吹く。
「夜に口笛吹くと、蛇が出るぞ」
「出るわけねーだろ」
 その瞬間、ぼとり、と音がして。先ほどカーテンレールに吊るしていた上着から何かが落ちた。
 蛇だった。
 蛇が出た。
 信じられない話だが、どうやら耳なし地蔵の場所から、知らずの合間にマムシをお持ち帰りしてしまっていたらしい。
 いくらかばたばたした後、玄関にあった箒で蛇の頭を叩き潰した。
 一気に酔いが覚めたらしいヨシが何とも言えない表情をしている。自分としても毒蛇とはいえ一緒に夜のツーリングを楽しんだモノを殺したことに、少々苦さを感じていた。
「焼いて食うか」
「……ウソだろお前おい」
「供養だ」
 頭を落として皮をむき内臓を取り、そのままコンロの火でカリカリになるまで炙る。味付けは塩コショウだけだが、意外と美味かった。
 ちなみに、嫌々ながらも一緒に食べたヨシは、次の日起きると鼻血で枕が真っ赤になっていたらしい。
 蛇の呪いだと言って、朝から騒いでいた。



[ 2018/06/25 ] ◆UtLfeSKo

[ 161079 ] NO TITLE

>>160998,161047
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[ 2018/06/26 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161104 ] 早朝味噌ラーメンの香り事件

 『味噌ラーメンの匂いで目が覚めた』
 奴の話は、そういうフレーズから始まった。
 ベッドの上で天井を見上げた状態から視線を窓に向けると、カーテンの隙間から僅かに陽の光が差し込んでいる。目覚まし時計を見れば六時過ぎ。さわやかな雀の鳴き声。味噌ラーメンの匂い。
 朝だった。
 奴はもぞもぞと起き上がりカーテンを開いた。一体どこの誰がウチの近所で朝っぱらから味噌ラーメンの屋台をやっているのだろうかと、割と本気で思ったからだそうだ。
 換気のために半開きにしておいたガラス戸の向こう、外の景色に奴は味噌ラーメンの屋台の姿を探す。しかし当然そんなものはどこにもない。
 ああ、そうだよな。と納得する。
 ここは北海道じゃないのだ。醤油ベースならまだしも味噌ラーメンの屋台などあるわけがない。それにこんな朝からチャルメラなんぞ響かせようものなら、寄ってくるのは客ではなく苦情の嵐だろう。割と本当にそういう納得の仕方をしたらしい。相当寝ぼけていたに違いない。
 しかし、ならこの芳ばしい味噌ラーメンの匂いは一体何なのか。
 奴の頭が正常に働いていたとして、部屋で味噌ラーメンを食べたのは三日前。夕食に市販のやつを作って食べたのだそうだ。が、三日前のラーメンの匂いが残っているとは考えにくい。
 カップラーメンなら昨日の夜に食べたがそれは豚骨だった。加えて部屋に漂う匂いは醤油でも豚骨でも鶏ガラでもなく、はっきりと味噌。しかもそれは味噌は味噌でも味噌汁などといったものではなく、まぎれもなくラーメン、つまり味噌ラーメンの匂いなのだ。
「ここがミソな」
「黙れ」
 奴は考えた。もしかして、隣部屋のあいつが味噌ラーメンをすすっているのだろうか。
 朝食がそれとは中々アグレッシブな奴だったんだな、などと考えるが、果たして隣部屋のあいつが本当に味噌ラーメンを食べていたとして、その匂いがここまでやって来るかと考えるとこの仮説は捨てざるを得なかった。
 どれだけ濃いラーメンならここまで匂ってくるのか。奴が脳内でシミュレートした結果、それはもはやラーメンではなく素麺の味噌漬けと化した。
 確かにそれならば匂いも届いてくるかもしれない。が、しかし、自分が朝食に素麺の味噌漬けを食す隣人の隣人なのだという考えは、奴を大いに気味悪がらせた。
 ならば、確かめてみよう。
 そうして奴は部屋を出て、隣の部屋のインターホンを連打したのだった。

「というわけで、来た」

 言うだけ言うと、『奴』 ことアパート隣人のヨシは、目の前の茶を手に取り美味そうにすすった。
 朝六時半にたたき起こされ、何事かと思って出てみれば第一声、「お前、素麺の味噌漬け食ってないか?」 と言われたこちらのことなどまるで気にしてないようだ。
 その後、寝ボケと混乱でうまく頭が働かないまま強制的に奴の部屋に連れられ、部屋中に漂っていたという濃い味噌ラーメンの匂いを嗅がされたのだが、自分には格別何も感じなかった。
 それはヨシも同様だったようで、「あれー、おかしいな」 としきりに首をかしげていた。
 呆れて自室に戻ろうとすると何故かヨシも着いてきて、今こうして今朝の彼の体験談を聞いてやっているのだ。茶も出してやった。
「いやぁ、不思議なこともあるもんだなー」
「寝ボケてたんだろ」
「はっはっは。お前じゃあるまいし」
「……で、話のオチは?」
「ない。そこがミソな」
「黙れ」
 話は終わったはずだが、もちろん奴に帰る気配は微塵もない。
「何だよ冷てーなー。せっかく朝から面白い話持ってきてやったのにさー」
「こっちは眠いんだ」
「えー、でもお前こういう話好きじゃん。ユーレイ話とか不思議な話とか」
 確かに、小さい頃から単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしてきた身としては、不思議な話や幽霊が出てくる話は大歓迎だ。
 しかし、この話はただ単に寝ぼけた隣人があるはずのないラーメンの匂いを嗅いで大騒ぎをしただけにすぎない。
「不思議でもなんでもないだろ」
「何でだよ。『味噌ラーメンの幽霊が出た』 なんてに滅多に聞ける話じゃないだろ」
 ヨシは真顔で、そう言った。
 味噌ラーメンの幽霊。
「……何だって?」
「よーく思い出してみたらさ。三日前ラーメン食べた後、足りなくて二杯目作ったんだけどよ。時間差で腹がはってきて結局ほとんど食いきれないで捨てたんだよ。あん時の味噌ラーメンの亡霊が、食われなかった恨みを晴らしに出てきたんだな」
 味噌ラーメンの亡霊。
 丼に入った熱々の味噌ラーメンが、うっすら透けつつふわふわ空中を漂っているイメージ。
 なるほど。超常現象肯定派の人間でも中々に受け入れがたい光景だ。
「ほら、お前ユーレイとか好きだろ?」
「まあ……」
「味噌ラーメンも好きだろ」
「……まあ」
「良かったじゃん」
「何が?」
「お得じゃん」
「何が?」
「感謝しろよ」
「何を?」
「あー、ラーメンの話してたら腹減って来たな。何かない?」
「……」
 それからヨシは頑として帰ろうとせず、仕方なく朝食を分けてやる羽目になった。その際確かに自分はラーメンもユーレイも嫌いじゃないが、それらが合わさったからよりすごいという話にはならない、と説明してやったのだが奴はあまり聞いていないようだった。
 こうして隣人のヨシが体験した、『早朝味噌ラーメンの香り事件』 は何一つ解決されることなくそれぞれの頭の中の奥底にしまわれることになった。
 普通に考えたら、寝ぼけたヨシが何か別の匂いを味噌ラーメンの匂いだと勘違いしたのだろうが。そこだけは奴がかたくなに否定した。あれは確かにまぎれもなく味噌ラーメンの匂いだった、と。
 ラーメンを食べる夢でも見てたんだろ、と言うと、目が覚める直前の夢は覚えていてそこにラーメンは出てこなかったそうだ。ちなみにその日の夢は三匹の子豚が苦労して作った家をオオカミと一緒に打ち壊す夢だったらしい。
 奴が嘘をついている、とは思っていない。
 寝ぼけていたのか、幻臭でも嗅いだのか。はたまた本当に味噌ラーメンの幽霊が美味そうに漂っていたのか。匂い自体が消えてしまった今確かめる術はない。まあ、寝ぼけていたのだろうが。
 ちなみにその日、大学で午前の講義を終えた後、ヨシに誘われ近所のラーメン屋で昼食をとった。二人とも味噌ラーメンの大盛りを頼んだのだが、食事後、何故かヨシだけ腹を壊してしまい長いことトイレに引きこもっていた。
 なるほど。食われなかった味噌ラーメンの恨みか。
「良かったな。オチが付いた」
 トイレから出てきたヨシに言ってやると、奴は弱々しくも素直に、「そうだなー……」 と呟き、
「○ソみたいな○ソだったわ」
「……」
「そこがミソな」
「黙れ」

[ 2018/06/26 ] ◆UtLfeSKo

[ 161150 ] NO TITLE

>>161104
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[ 2018/06/27 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161210 ] 呪われた人形

 『呪われた人形』 がある。
 大きさは野球ボールほど。茶色い怪獣かぬりかべのような見た目をした某放送局のマスコットキャラクターだ。
 前の持ち主は自分のバイト先であるバーの常連客だった。
 ここの店のママは美人の上に話し上手聞き上手なので、彼女目当てにやって来る客も多い。その容姿に似合わず怪談やオカルト話に目がないので、ファンたちはせっせと怪しげな話やモノを仕入れてはバーに持ち込み、店内はそうした曰くつきのモノで溢れている。
 人形は自分がバイトで雇われる以前、数年前に店にやって来たらしい。
 持ち込んだ常連客はこの人形を、『呪われている』 と言った。
 何でもよく動物に狙われ、噛まれたりつつかれたり攫われたり丸呑みされたりするらしい。
 元々店で購入したものではなく、常連客の孫が母親と散歩中に道端の巨大なクモの巣に引っかかっていていたのを見つけたのだとか。母親は嫌がったが孫が泣いてあれがほしいと言うので、仕方なくお持ち帰りとなった。
 その後人形は洗濯機でごうんごうん洗われ干されて孫の宝物になるのだが。外に干している際中も何度かカラスに持ってかれそうになったりと、妙な人形だとは思ったそうだ。
 それから人形は数々の受難を受けることになる。
 近所の犬に奪われ埋められること四回、鳥に攫われそうになること二回、孫の友達に盗まれること数回。飼い猫が咥えてどこかへ持ち去ること数え切れず。
 極めつけは、何時ものように人形が行方不明になり孫に泣いて頼まれ探していたときのこと。
 数日後家の裏手で異様に腹の膨れた青大将が死んでいるのを見つけ、まさかとは思いつつ腹を裂いてみると、中から出てきたのはまぎれもなく孫の宝物だった。
 野生の蛇は基本的に死骸や動かないものは口にしない。
 さすがに気味が悪くなり、孫には見つからなかったことにしてどこかに捨ててしまおうと考えたが、ふとこの店のことを思い出しママへのプレゼントとして持って来たのだそうだ。

 というわけで、人形は店の住人となった。
 
「だからね。呪われてるのよ、この人形は」
 人形を両手で包むように持ちながら、ママが言った。
 その日、自分は用事があるというマスターの代わりに入っていた。小さなバーで一人でも十分回せるはずだが、そもそも店自体がマスターママ夫婦の道楽でやっているようなもので、一人だと開ける気がしないのだとか。
 そうして客が居ない時分はママのオカルト話を聞くかこちらの体験談を提供するのが定例だった。
 終わりは遅いがたまのヘルプに入るだけで時給はかなり良い。何より、小さな頃から単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしてきた身として、怪談や噂やモノが集まるこの店はこれ以上ないバイト先だった。
「でも、捨てたら戻って来るとか、破いてもいつの間にか元通りとか、そういう呪いではないの。捨てられたら捨てられっぱなし。破けたら破けっぱなし」
 彼女が言った。
「捨ててみたんですか」
「うん。ほら、だって呪われた人形って聞いたら色々確かめたくなるじゃない。そこのゴミステーションに……、あ、でもちゃんとネットを被せて紐で縛って持って行かれないようにしてね」
 そうしてゴミ収集の日まで待ったが、人形が戻ってくることはなかったそうだ。
「収集車が来る前に見に行ったら、大きな鷲みたいな鳥がいてね、人形をつついてたのよ」
「鷲が」
「私が近寄ったら逃げたんだけど、人形はボロボロでね。お腹から綿とか飛び出しちゃってて、さすがにちょっと申し訳なくなっちゃってねー。それから家に帰って大手術」
 そうして彼女は手の中の人形をくるくると回して、人形の手術痕を見せてくれた。ただ彼女はかなりの名医だったらしい。ハラからワタが飛びだしていたにも拘らず、その痕はほとんど見えない。
「最初はもっとツギハギっぽかったんだけどねー。何か馴染んできたみたいで」
「馴染んで」
 こういった風に、彼女はさらっと妙なことを言う時がある。詳しく聞いてもはぐらかされるだけなので、たぶんからかっているのだろう。
「でも、この子も可哀想よねー。呪われちゃったせいで動物から狙われて……。そうそう、昔はカウンターの上に置いてたんだけど、酔っぱらったお客さんに食べられかけたことがあってねー。それも何度も。で、仕方なく今のテレビ棚の上に移動させたの」
「ほー」
「この子の無事を考えたら金庫の中にでも入れてあげたらいいんだろうけど。それも可哀想じゃない。……ねえ?」
 彼女の手の中でくるくる回っていた人形がこちらに向いた。
「ゴミ捨て場に放置した罪滅ぼしじゃないけど……、何だかねー、この子にはこんな薄暗い店の隅にいるより、外でもっといろんな景色を見て来てほしいと思うの」
 すると人形が両手を振り上げ、『サンセイ、サンセイ』 と声を上げた。腹話術が上手なママの裏声によく似ている。
「あら、やっぱりあなたもそう思う?」
『オモウ、オモウ』
「そうなんだー、それじゃあ仕方ないわねー」
 そうして、彼女は手の中の人形をこちらに差し出した。
「というわけだから、大事にしてね」
『ヨロシクネ』
「あ、くれるんですか」
「今日のバイト代」
「え、」
『エ、』
 彼女がくすくすと笑う。
「冗談よ」
 人形を受け取りしばらく眺めてみる。いつもテレビ棚の上に鎮座している姿しか見たことないので新鮮だ。真っ黒なビーズの目に赤い大きな口が印象的。テディベアのような布製だが思ったよりも柔らかく、そして妙に暖かかった。
「……それで、本音のところは?」
「その子最近ハエとか蟻がたかるのよ」
「え、」
『エ、』
 彼女がまたくすくすと笑う。が、笑うだけで冗談だとは言わなかった。

というわけで、人形は現在自分の愛車であるカブのキーホルダーとなっている。

 もらった当初はチェーンがついておらずママに頼んだところ、数分に及ぶ大手術の末尻にチェーンがつけられた状態で戻って来た。ぶら下げてみると常に頭が下向きかつ万歳をした格好になってしまう。
「頭に血が上りませんかね、これ」
「その頭に針を突き刺して糸と金具を通すのも、どうかと思ってねー」
「なるほど」
 その日以降、カブで出掛けるときは常に彼にお供をしてもらっている。話で聞いたほど呪われているといった印象はないし、ハエや蟻も言うほどたからない。それでも一度、散歩中の犬に鍵ごと奪われたのと、数人で宅飲みした際酔っぱらいに食われかけたことがある。
 奴曰く、「熱々のハンバーグに見えた」 のだそうだ。
 呪われてしまったせいで様々な受難にあってきた『彼』 だが、自分の手に渡った以上出来る限りは大事にするつもりだ。
 ただもし今後、災害や遭難等何らかの事情で何も食べるものがなくなったとしたら、試しに一口くらい齧らせてもらおうかな、とは思っている。
[ 2018/06/28 ] ◆UtLfeSKo

[ 161217 ] NO TITLE

>>161210
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[ 2018/06/28 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161281 ] 後輩と幽霊と炬燵

 『自殺の名所である橋』 がある。
 海沿いの湾に掛かった大きなアーチ状の橋で、朝昼晩問わず自殺者の霊に出会える、『●●県の心霊スポットと言えばそこ』 というくらい有名な橋だ。
 現在は跳び下り防止用の返しのついたフェンスが設置されているのだが、未だにそれすら乗り越え跳び下りてしまう人が居るらしい。
 小さなころから単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身としては、この橋にはそれこそ朝昼晩問わず日を変え趣向を変え何度も足を運んだ。
 残念ながら自分はまだ幽霊に出会ったことはないが、手軽に足を運べる心霊スポットとして広く認知されている。

 というわけで、後輩が行って来たらしい。
 
 五月上旬。その日は夕方から同じアパートの隣部屋に住むヨシと大学後輩の銀橋との三人で宅飲みをすることになっていた。
 二人がやって来たのは午後六時ごろ。ヨシが野菜や肉といった食材、銀橋が酒を持ち込み会場と料理担当は自分といった形で、いつも通りの飲み会だ。
 適当に何品か作ってやったところで三人缶ビールで乾杯をした。
「何か今日えらい寒くないすか?」
 五月に入っても未だ現役の炬燵に両腕の肘まで突っ込みながら、銀橋が言った。
「先輩いい加減ストーブかエアコン買いましょうよ」
「冬になったら考える」
「えー」
「そんなこと言ってこいつ絶対買わないよな」
 大皿の青椒肉絲をつまみながら、ヨシがからかうように言った。
 確かに、ここ数年冷暖房器具は扇風機と炬燵のみで過ごしてきたが、別に不便を感じたことは無い。
「めっちゃ寒いっす」
「なら今からヨシんとこに場所替えするか?」
「ここがいいす。ヨっさんちは散らかってて狭くて落ち着かないんで」
「おーおー、わがままな後輩だぁ」
「お前は部屋片付けろよ」
 そんな感じでいつも通り、ぐだぐだと飲み食いしながらしばらく経った後のことだった。
「そう言えば銀橋さー、お前昨日の夜どっか行って来たか?」
 少し赤くなったヨシが銀橋に尋ねた。
「え、何すか?」
「いや、お前昨日の真夜中、自転車でザック背負って走ってたろ」
「あー、はい」
「どこ行ってたんだよ」
「秘密す」
「あ、彼女んとこか」
「いや、彼女とはケンカ中す」
「じゃあどこ行ってたんだよ」
「秘密す。いてて、足蹴らんといてください」
「蹴ってねーよ。でも何で秘密なんだ」
「それも秘密す。……あいたっ、だからって足つねるのやめて。暴力反対」
「いや俺じゃねえって」
 とは言うが、自分でもないので犯人はヨシだろう。
「まあ、この話はやめましょ」
 そうして銀橋は目の前の料理をぱくつき、「めっちゃ美味いっすね、これ」と笑った。
 珍しい態度だなと思う。こいつは普段あっけらかんとしていて、隠しごとなどあまりしないタイプだ。
 ヨシも同じ気持ちだったのか、無言でこちらを見やっている。なるほど確かに気にはなるが、言いたくないなら無理に言う必要はない。
「……あ、そうだ。おまえさ、あれ飲もうぜアレ」
 こちらを見やったままヨシが言った。
「あれ?」
「ほら、お前がたまに行くバイト先のマスターにもらったやつ」
「あー」
 そう言えばそんなものもあった。テーブルの上の酒も大方無くなってきているので、丁度いいと言えば丁度良い。
 立ち上がり台所の棚から果実酒の瓶を取り出して来て、テーブルの上にどんと置く。
「何すかこれ?」
 銀橋が目を丸くしている。
「梅酒。バイト先のマスターが毎年漬けててな。もらったんだ」
 ヨシが早速コップの中にとろりとした液体をそそぎ、銀橋に手渡した。
「まーまー、飲んでみろよ。驚くからよ」
「……何か、毒でも入ってるみたいに黒いんですけど」
「あー確かそれ、黒糖使ってるんだよな」
「そう言ってたな」
 一つ間をおいて、銀橋がちびりと口をつける。
「……うわ、何すかこれ」
 その目がまた丸くなっている。
「めっちゃ美味い」
「だろー」
 何故注いでやっただけのヨシが得意げなのか。
 とはいえ自分は滅多に晩酌をせず梅酒もそんなに飲まないので、こういう場で消費する方が酒にとっても幸せだろう。
「好きに飲んでいいぞ」
「マジすか」 
 隣でヨシが、『おぬしもワルよのう』 みたいな顔をしているが、こちらとしては後輩に美味い酒を飲ませているだけである。他意はある。しかし強制しているわけじゃない。酒を飲むも秘密をばらすも後輩次第だ。
 ちなみに銀橋は泣き上戸で酔うと一人称が僕から俺になる。そうしてこの三人の中では一番酒に弱い。
 梅酒を呑み始めて一時間と経たずに、その目からぽろりぽろりと涙がこぼれ始めた。
 ちなみに今回捕まったのはヨシだった。
「……今彼女とケンカ中なんすけどぉ、どうしたらいいんすかねぇ」
 泣き上戸に加え、今日はやけに愚痴る。
「あーそうなんかーつらいなー。ってかおまえ前もケンカしてなかったっけー?」
「そうなんすよぉ、毎回くっだらない理由でケンカになって、……俺が謝れば済むんですけどぉ」
「じゃあ、謝ればいいじゃん」
「でも、怒ってる彼女も可愛いんすよぉ……」
「知らねーよ」
「どうすればいいんすかぁ」
「痛い痛い、蹴るなって」
「めっちゃ可愛いんすよぉ……」
 しばらくして、愚痴かのろけか分からない言葉を延々と吐き出し終えたのか、銀橋がテーブルの上にぱたりと倒れこんだ。これはオヤスミナサイの合図だ。飲み会時の銀橋の生態としては、たくさん食って飲んで泣いて寝る。赤ん坊か。
 ただ、ヨシの話だと他の飲み会での銀橋はそうではなく、ちゃんと飲みながらも最後まで他人の世話をするらしいのだが、この姿からはまるで想像できない。
 ヨシがこちらを見て肩をすくめて苦笑いをする。梅酒を飲ませたのは失敗だったか、といった顔だ。確かにあれは黒糖の他に度の強いウィスキーで作ってあるのだ。
 まあ、遅かれ早かれこうはなっていただろ。と言おうとした時だった。
「……俺先輩みたいになりたいんすよぉ」
 突っ伏した銀橋の腕と顔の隙間から、くぐもった涙声がこぼれた。
 思わずヨシと顔を見合わせる。
「だってぇ、先輩人の目全然気にしないじゃないですかぁ……、何でですかぁ、たまに理路整然と訳わかんないこと言うし……」
 悪かったなと思うが、酔っぱらいの半寝言にはつっこむだけ無駄だ。
「……昨日、▲▲大橋行ってきたんすよぉ」
 ぐすぐすと銀橋がこぼす。
「一人で、自転車で、話のネタになると思って……」
 ▲▲大橋と言えば、自殺の名所で県下では一番といって良いほど有名な心霊スポットだ。
 銀橋は昨日の夜、そこに行って来たらしい。
「何すかあれぇ、めっちゃ怖いじゃないすかぁ……、俺が渡りだした途端に車全然来なくなるし。それまでめっちゃ走ってたんすよぉ……。海見たまま全然動かないおっさん居たし……、何か飛び込んだ音聞こえたし、フェンス揺れるし、めっちゃ暗いし、めっちゃ寒いし……、怖すぎて近くの廃ホテルいけなかったし……」
 怖かったのか。
 そう言えば、大橋のすぐ近くにはこれまた心霊スポットの廃ホテルがあるのだった。何度か足を運んだことがあるが、そこに出るという幽霊はまだ見たことがない。
「先輩おかしいすよぉ、何で平気なんすかぁ、有りえないっすよぉ……」
 ぐずりながら後輩が先輩を批判している。
「……先輩は、人の目もユウレイの目も気にしなさすぎなんすよぉ」
 そうして銀橋はむくりと顔を上げると、
「俺先輩みたいになりたいんすよぉ……」
 と言って、また突っ伏してしまった。今度は完全に睡眠体勢に入ったようだ。
 言いたい放題言われてしまったが、酔っぱらった後輩の寝言だと思えば腹も立たない。
 隣のヨシは何とも言えない顔をしている。
「『先輩みたいになりたい』 か……」
 そうして奴はこちらをじっと見やり、次いで銀橋に視線を向けると、
「ちょっとおかしいんじゃねえかこいつ」
 ごつん、と炬燵の中で鈍い音がした。
「いってぇ、お前本気で蹴んなよ」
「蹴ってない」
「嘘つけよ、あーいってぇ」
「いや。蹴ってない」
 これは本当だった。確かに自分は蹴ってはいない。
 ヨシがこちらを見やる。
「……え、マジ?」
「ずっと胡坐かいてるからな」
「でも、何かそっちの方から……」
 言いかけたヨシが口をつぐみ、熟睡中の後輩を見やった。それから炬燵布団をめくってそっと中を覗きこむ。
「何してんだ」
「あ、いやー……」
「足でも増えてるか」
「いんや。ちょっと足くせぇだけだわ」
 ヨシが布団を戻し顔を上げる。そうして奴は何故か銀橋の空コップに梅酒を注ぐと、つまみを乗せた小皿と一緒にテーブルの四辺の誰も座っていない席にそっと置いた。
「何してんだ」
「いんや、念のためになー」
「ほお」
「おう」
 そのまま静かにしめやかに飲み会は続き、日付を超えたところでヨシもダウンしてふらふらと自分の部屋に帰って行った。
 銀橋を布団に移動させ、炬燵の上の供え物だけはそのままに、あとは適当に片付けをして自分は炬燵で寝た。



 次の日起きた銀橋は二日酔いのふの字もなくあっけらかんとしていた。ただ昨夜の出来事はほとんど覚えていなかった。
「▲▲橋に行ってきたんだろ」
 と訊くと、「ありゃ、吐きましたか、僕」 と少々恥ずかしげに頭を掻いていた。
 銀橋は▲▲橋で何かお持ち帰りでもしたのだろうか。
 もしかしたら、と思い飲み会の日から一週間ほど炬燵の中で寝てみたのだが、残念ながら見えない誰かに足を蹴られる、といったことはなかった。
 ヨシに話してみると、
「あの梅酒が美味すぎて成仏したのかもなー」
 と言ってげらげら笑っていた。
[ 2018/06/30 ] ◆UtLfeSKo

[ 161287 ] NO TITLE

>>161281
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[ 2018/06/30 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161305 ] 思い出の中にだけいる女

実体験です。

1.捕捉
数年前のX月Y日、勤め帰りに飲み屋を2軒ハシゴした私は帰路の電車を乗り過ごし、一つ先の駅で下車する羽目になった。
一駅分といっても大した距離でないので、私は電車を使わず住宅街の細い路地を伝って歩いて自宅に向かった。
寺院が密集するエリアに近づくと、民家の2階に明りが点き、能面が浮いているのが見えた。
酔いは醒め、心の中で心霊検知メーターが自動で起動、心霊可能性90%以上を示し、赤く点滅し始めた。
私は下を向き、その民家を足早に通り過ぎようとした。
そこへ「あの~、ちょっとお話聞いていただけませんか?」と声が掛かった。
意思に反して私の足は止まってしまった。
恐る恐る振り向くと、能面に見えたのは丸顔の老婆であった。
心霊検知メーターは点滅を止め、針は70%を前後した。

2.連行
私は老婆に言われるまま、その古びた民家に招じられた。
1階は老婆がスイッチをひねってもなぜか電灯は点灯せず、私の心霊検知メーターはは80%以上にハネ上がった。
老婆は弾むように階段を昇って2階の部屋に私を案内した。
部屋は適度に散らかって生活感があり、廃墟という感じはしなかった。
仏壇のような家具があったので、老婆がどこかへ書類を取りに行ってる隙に中をあらためた。
本当は老婆自身の位牌・遺影・遺品が入っていたのかもしれなかったが、
そのときの私には、何も入っていないようにしか見えなかった。

戻ってきた老婆は四つ折りの国民健康保険証を示し、大正6年生まれのAと名乗った。
そして遠くを見る目で「どこからお話しましょうかねえ・・・」と嘆息し、語り始めた。
薄暗い照明に照らされたその姿は、心霊再現ドラマから抜け出たようであった。

3.にゃまえを変えろ、にゃまえを変えろ
老婆Aはとある老人ホームに通園しているが、職員たちに「名前を変えろ、名前を変えろ」と執拗に迫られ、
名前を変えた。しかし名前を変えたら元の名前の貯金通帳からカネを下ろせなくなって困った。
そこで元の姓に戻したが、老人ホームの職員たちに改名を迫られている。
でも改名すると貯金が下ろせなくなる・・・どうしたらいいんでしょう?
と残高5万円の郵便貯金通帳を卓に叩きつけて絶叫するのであった。

4.困惑
私は老婆Aが何に困っているか以前に、何を言ってるのか理解できなかった。
金融機関の口座名義は戸籍上の氏名に限られ、戸籍上の氏名を変えるには家庭裁判所の審判が必要で、勝手に何度も変えられるはずがない。
貯金を下ろすにはカ-ドと暗証番号、又は通帳と銀行届出印があれば足り、氏名を証明する資料は必ずしも必要ない。
しかしそのような常識を老婆Aに短時間で理解させるのは不可能に思えた。

5.一貫性なき供述
老婆Aは他にも「昭和15年に妹が結婚したが、相手が悪い人で、それから変なことが次々と・・・」
とも話したが、「変なこと」の内容を尋ねても説明はなく、妹が結婚したのが昭和25年に変わっていたりと、
供述に一貫性がなく、答えに詰まると上記3.の話を繰り返し、残高5万円の郵便貯金通帳を卓に叩きつけて絶叫するのであった。
老婆Aが何らかの詐欺被害に逢っているならば、私は関係官庁へ通報するつもりで慎重に話を聴いていたが、
上記3.の話を繰り返すばかりの老婆に疲れ果てた。

6.神仏
この老婆は神仏に救いを求めるしかないと考えた私は、近所の寺にある某著名人の墓参りを老婆Aに提案した。
すると老婆Aは目玉を丸くして驚いた。その顔には「おめえ、何バカなこと言ってんだ」式の蔑みの色が滲んでいた。
そして「墓参りで問題が解決するんですか?そのお寺にはお参りに行ったことがあるけど、◎◎正人像より奥には行かない方がいいって言われた。
お寺の人にも「名前を変えろ、名前を変えろ」と言われて、
でも改名すると貯金が下ろせなくなる・・・
どうしたらいいんでしょう?」
と残高5万円の郵便貯金通帳を卓に叩きつけて絶叫するのであった。

7.釈放
名刹といわれる寺院が、詐欺師まがいの振る舞いをするはずがない。
そこでようやく私は老婆Aの話が全部嘘で、遠回しにカネをせびっていたことに気付き、嘆息した。
生者へ遠回しにカネをせびる幽霊など聞いたとがない。
心霊検知メーターは0に向けて急速にへ針を戻し、自動でシャットダウンしてしまった。
私は呆れ果てながら、金銭要求を拒絶するため「私は一介の安サラリーマンで経済的余裕も乏しくて・・・」と老婆Aに語り出したが、
全部言い終わらないうちに老婆Aはアッサリと「お話聴いていただいてありがとうございました。長々お引止めしてすいませんねえ・・・」と解放してくれた。

老婆Aの家を出た私は自宅の方向へ向けて歩き出したが、その路地の片側に塀が長々と続き、卒塔婆が突き出ていた。
心霊現象まがいの怪奇体験直後に、墓地脇の道を歩くのは気色悪い。
別ルートで帰宅するべく振り返ると、先ほどの老婆Aが路地に立ち、深々とお辞儀してるのが見えた。
街灯など設置されていない暗い路地なのに、老婆Aの姿はヤケにハッキリ見えた。
私は涙目で踵を返し、墓地脇の路地を自宅方へ向けて歩き出した。
ホラ-映画みたいに老婆Aが空を飛んで襲い掛かった場合に備え、100円ライタ-を直ぐに発火できるよう握り締めた。


8.祈願
翌日、老婆Aの家を訪ねたが、普通の古びた民家で、空家の可能性はあるが、廃墟には見えなかった。
その足で某著名人の墓を詣で、「ムダに長生きしているAさんを早く連れて行ってください」と祈った。
健康で長生きも考え物だと思った。


9.真相
以降、老婆Aとの遭遇は、「なんちゃって心霊体験」として私の中で定着していったが、
数年後の4月Y日、国民健康保険証はかなり前からカード式に切り替わっていたことを私は知った。
老婆Aが生者であるならば、四つ折りの書面ではなくカード式の国民健康保険証を提示したはずだ。
四つ折りの書面を提示したということは、老婆Aはこの世の者ではなく、国民健康保険証がカード化される以前に亡くなった幽霊でということではないか。
大正6年生まれといえば遭遇時点でも100歳近いが、老婆Aは弾むように階段を上り下りし、せいぜい70~80歳くらいにしか見えなかった
その日、私は老婆A宅を訪れ、ポストに500円玉を供え、冥福を祈った。
その晩、入浴中に私はハタと気付いた。
「名前を変えろ」とは「俗名を捨て戒名を名乗れ」という意味でないだろうか。
想像するに老婆Aは死後、あの世で戒名を名乗るよう迫られ、仕方なく改姓したが、この世に残した残高5万円の郵便貯金に未練があり、成仏できないのでないか。もしかしたら戒名がないのかもしれない。

私は老婆Aを哀れに思ったが、戒名は坊さんに頼むと何十万円も掛かるので、自分で勝手に命名した。
老婆Aと遭遇したX月Y日はAの命日ではないかと推測し、X月Y日の夜、老婆A宅を訪れたが、遭遇は叶わなかった。

私のカバンの中には今も「金無心改姓頻繁大姉 殿(俗名;A殿)、金6万円也、願事若干在中」と記した封筒が入ったままだ。
[ 2018/06/30 ] ◆EbVoqqPU

[ 161362 ] 八つ坂トンネル

 『自殺者を引き寄せる』 と噂のトンネルがある。
 八つ坂トンネルという名の通り、いくつもの坂を上った先、山奥の県境をまたぐように掘られたトンネルで、今は利便性の高い新道が通ったため利用する者はほとんどいない。
 トンネル付近は昔から自殺者の多い場所として知られていた。
 別に跳び降りるのに良い崖があるわけでも、首を吊るのに丁度良い木があるわけでもないのだが。車の中で練炭自殺をしていたり、トンネルの入り口付近に血まみれの変死体が倒れていたり、滅多に通らない車の前に飛び出るようにして轢かれて死んだ人が居たり。
 ここで命を絶つ人間は地元民ではなく、遠く離れた県外の、この地に何の縁もゆかりもない人間らしい。近くに住む者ほど、このトンネルには近づかない。
 今までに死んだ者たちがトンネルに留まり、次の犠牲者を呼び寄せているのだそうだ。

 というわけで、見に行くことにした。

 夕方。その日は朝から雨が降ったり止んだり安定しない天気。気温も低かったので防寒もかねて半ヘルの下にお気に入りの帽子を被り、厚着をしてから、根城である大学近くのぼろアパートを出発した。
 愛車のカブで三時間、隣県へと向かう道を延々と走り続ける。旧道に入ると家もひと気も全く無くなり、斜面は急になり道幅も狭くなった。時刻はすでに夜。車は一台だけ妙に運転の荒いのとすれ違った。
 しばらくそのまま進むと、目の前にぽっかりと口を開けたトンネルが現れた。
 道のど真ん中で、急ブレーキを掛けて停車する。
 見間違いかと思った。が、違う。
 トンネル入り口の脇の草むらに、人が倒れている。
 本当に人だった。人形じゃない。腕を投げだし横向けに背中をこちらに向けている。髪が長い。女性だろうか。事故か、自殺か。警察、いや先に救急車か。まさかこんな場面に遭遇するとは。自分の心音。まるで身体全部が心臓になってしまったようだ。
 ぐらりと体が傾く。未だカブに跨ったまま文字通り地に足がついていなかった。
 体勢を立て直しスタンドを降ろす。とりあえず落ち着かなくては。
 エンジンを掛けたままカブを降り倒れた女性に駆け寄った。
 色々と最悪の状況を想像していたのだが、見たところ血も出ていないし酷い怪我も無いようだ。その胸の辺りが浅く上下している。
 生きている。
 幾分ほっとしながら傍らにしゃがみ込み、軽く肩を叩いて声を掛ける。
「おい、おい」
「……」
「大丈夫か」
「……う」
 二度、三度と声を掛けると反応があった。その目がうっすらと開く。そうして上半身だけ時間をかけて起き上がると、彼女はぼんやりとした瞳であらぬ方向を見やった。
「大丈夫か。どこか、痛いところは?」
 出来る限りゆっくり尋ねると、ようやく意識がはっきりしてきたらしい。
「あ、」
 再び目を閉じ、身体を丸めて縮こまってしまった。
 怖がらせてしまったか。場所が場所なので当たり前だ。悲鳴を上げられないだけましだろう。ただ息が荒くなっている。過呼吸になりかけているのか。
「落ち着いて」
「ひっ……、う……」
「落ち着いて、ゆっくり息を吸って」
 すると、か細い声で返事があった。
「……だい、だ、大丈夫です」
 全く大丈夫そうは見えないが、とりあえずパニックにはなっていない。息を整えようとしている。しばらくして呼吸は落ち着いたようだが、相変わらず顔は伏せ、起きてからまだ一度もこちらを見てはいない。
「救急車を呼ぼう、いいか?」
 その言葉に彼女は俯いたまま小さく首を横に振った。
「……なら誰か、呼んだら来てくれそうな人は?」
「ば、バッグを……」
「バッグ?」
「バッグが……、と、友達の車の中に……、携帯も」
 置き忘れたというわけか。
「その車はどこに?」
「……わ、分かりません」
 確かに、辺りを見渡しても車の姿はない。
「タクシーを呼ぼう」
 言いながら自分の携帯を取り出す。
 圏外。
 なるほど。県境の山奥だ、仕方がない。
「ここで少し待っててくれ」
 すると彼女が少し顔を上げ、目は閉じたままだったが、初めてこちらを見やった。
「電波の通じるところまで降りて、タクシーを呼んでくる」
「……あ、」
 立ち上がろうとすると白い手が伸びてきて上着の裾をつかまれた。
 彼女が無言のまま首を横に振っている。
 置いていくなということか。
 まあ場所が場所で時間が時間だ、仕方がない。しかしこちらはカブだ。ヘルメットは一つしかない上にこの状態の彼女と二人乗りは無理だろう。
 もっと落ち着くのを待つか、一緒に徒歩で降りるか。
 そんなことを考えていると、相変わらずか細い声で彼女が言った。
「と、トンネルの向こう……」
「ん?」
「トンネルの向こうなら、携帯使えます。……た、たぶん」
 その言葉に、すぐ傍らのトンネルを見やる。今まですっかり存在を忘れていたこの場所の主役が、呆れたように口を開けている。
 しかし、なぜ彼女はそれを知っているのか。疑問に思うが問いただしすのも時間の無駄だ。それに単純に向こう側から来たのかもしれない。
「分かった。行ってくる」
 しかし彼女が掴んだ裾を離してくれない。
「わ、私も、連れて行ってください」
 あくまで一人は嫌らしい。
「なら、一緒に行こうか」
「……すみません」
 小声で謝りながら、彼女がゆっくりと立ち上がる。未だ裾を掴んだまま、ぎゅっと目を瞑ったまま。
 このまま連れて行けということか。
「……もしかして、目が見えないのか?」
 すると彼女は、はっとしたように大きく首を横に振った。
「す、すみません、見えます。……で、でも、その、……すみません」
 また俯いてしまった。
 まあ、互いに初対面。言えないことの一つや二つあって当然だ。それにここで問答して何が進展するわけでもない。仕方がない。
「足元に気を付けて」
「すっ、す、すみません……」
 そういった訳で、目を瞑ってよたよた歩く彼女を引き連れ、トンネルを抜けることになった。
 足を踏み入れると、ひやりと肌寒い淀んだ空気が肌を撫でた。腕に鳥肌が立つのを感じる。
 普通のトンネルとは違い、白いライトが天井ではなく足元の壁に等間隔、左右交互に設置されていている。全長は六百メートルほど。トンネルとしてはそれほど長くはないが、それは車やバイクで抜ける場合の話だ。
 会話はない。ただひたすら荷車を引く牛のようにのそりのそりと薄暗いトンネルを進む。
 後ろを歩く彼女の歩みが遅く、合わせようとはしているのだがどうしても引っ張る形になってしまう。
 しかも、だんだん重たくなっている。
 歩くというよりは出口に向かってにじり寄っているといった方が近い。出口まではまだ半分以上ある。
 黙って歩いていると、敢えて考えまいとしていた疑問が否応なしに沸いてくる。
 彼女のことだ。
 何故こんなところで一人倒れていたのか。ずっと目を瞑っていることも、一種にやって来たという友達と車がどこにも見えないこともそうだ。
 一時は、本当に生きている人間なのかと疑いもした。
 けれど触れることも会話もできるし、その存在感や裾を引っ張られる感覚からして幽霊とはとても思えない。
 ひょっとしてキツネかタヌキか、はたまた妖怪か何かに化かされているのだろうか。それならそれで人生初の怪異体験になるのでむしろ歓迎なのだが。
 後ろを歩く彼女がさらに重たくなった。もうほとんど歩こうとしていない。
 仕方がないので、こちらも歩調を緩める。
 そう言えばこの状況に似た妖怪が居たな、と思う。
 かの有名な子泣きじじいだ。
 道端で泣いている赤ん坊を抱き上げるとどんどん重くなり、遂にはつぶされてしまう。
 また、裾を引っ張るのは袖引き小僧に似ている。こちらは誰かに袖を引っ張られるのだが振り向いても誰も居ない、といった話だったはず。
 もし彼女が妖怪だとしたら、袖引き子泣き女というわけか。
 一瞬、無性に振り向いて確認したい衝動に駆られるが、さすがに動機がアレなのでぐっとこらえる。それに袖引き小僧はともかく、泣いていたわけではないので少なくとも子泣き女ではない。
「……ぐす、」
 背後から鼻をすする音。
 泣き出した。
 これはいよいよと身構えるが、さすがに人間としてどうかと思い直し、その場で立ち止まった。
 振り返ってみたが、彼女は袖引き小僧のように消えてしまうことなく、そこに存在していた。
「大丈夫か?」
 すぐに返事はない。幾分伸びたんじゃないかと思う上着の裾をしっかりと握り、もう一方の手で涙をぬぐっている。
「すみま、すみ、すみません……」
「謝ることはないよ」
「すみっ、ごめ……、……」
 どちらかと言えば謝るのはこちらの方だ。先ほどの思考は失礼すぎた。幽霊でも妖怪でもタヌキでもキツネでもなく、彼女はちゃんと生きた人間だった。
「わ、私……」
 下を向いて涙をぬぐいながら、たどたどしい口調で彼女が言った。
「私、昔から、……へ、変なものが見えて。それで、何度も、気を失っちゃって……」
 いきなり衝撃的な告白だが、黙っておく。涙声で詰まりながらも彼女はこちらに何か伝えようとしている。
「今日も、本当は来たくなかったんですけど……、と、友達が行こうって。……でも、やっぱり、見えちゃって……」
 気を失ってしまったのか。
「悲鳴も、上げちゃって……、たぶんそれで皆びっくりして……。せっかく、新しくできた友達だったのに、置いて行かれちゃって……」
 それは本当に友達なのかと思うが、再びぐっとこらえる。
「あなたのことも、最初、そうだと思っちゃって……」
「ん?」
「でも、話ができるヒトなんて初めてだし、助けてくれているし。触れるし……。でもやっぱり怖くて、見れなくて……、足が震えて……、ご、ごめんなさい」
 めそめそ泣きながら、彼女はそう言った。
 なるほど。
 自分が彼女のことを妖怪か何かと思ったように、彼女もこちらを幽霊だと勘違いしていたようだ。
 しかしそれよりも驚いたのは、彼女の見える人発言と、『今日も見た』 と言ったところだ。
 居たのか。見えたのか。
 どんな風だったのかと口を開きかけ、三たびぐっとこらえる。実際彼女はそれを見て失神しているのだ。元々気の持ちようも弱い人のようだし、無理に思い出させて事態が悪化しても困る。
 ただ、何時までもここで立ち止まっているわけにもいかない。せめて目を開けて自分で歩いてくれないだろうか。
 しばらく考え、言葉を選んでから口を開いた。
「目を閉じてるから、余計に怖いんじゃないかな」
 こういうのは不慣れだが、状況が状況だ。仕方がない。
「君がどんなものを見たのかは分からない。でも、気を失うくらいだから、余程怖かったんだろう」
 彼女が涙にぬれたまま、目を閉じたままの顔を微かに上げた。
「でも、だからと言って目を閉じていると、怖いというイメージだけが膨らんでしまうんじゃないかな。怖さから逃げようと思うなら、目を閉じるよりも、目を開いて別の何かを見た方がいい」
 言いながら、自分も随分昔に同じような言葉を聞いたような、そんな気がした。
「少なくとも、今君の目の前に居るのは幽霊じゃないから大丈夫。その後は、こっちの背中と地面だけ見ていればいい」
 とりあえずはトンネルを抜けることが先決だ。話術に自信はないが、伝わっただろうか。
 目を閉じたまま、彼女はじっとこちらを見つめている。
 その内、こちらの裾を握っていた手がそろりと離れた。
「……そう、そうですね。……あの、本当に、ごめんなさい」
 謝られはしたが、それは決意の謝罪だった。
 彼女が、ぐすぐす鼻をすすりながら両手の手首の辺りで涙をぬぐう。
 そうして、ゆっくりと目を開けて、
 数秒後、失神した。
 それはまさに魂が抜けるような。人が気を失う様を、初めて見た。
 地面で頭を打たないよう咄嗟にその身体を支えながら、ぐるりと周りを見回す。
 何も居ない。何も見えない。
 彼女の視線を思い出す。まっすぐこちらを見ていたはずだ。
「……あ、」
 ようやく気付いた。
 半ヘルと、目だし帽を被ったままだった。
 今日は寒く、雨も降りそうだからと家を出る際に身につけたのだ。トンネル前で倒れている彼女を見つけ気が動転していたのだろう。脱ぐどころか被っていることすらすっかり忘れていた。
 吃驚しただろう。気を失っても仕方がない。
 そのまま失神した彼女を背中におぶって出口を目指す。こちらの方が明らかに早いので、結果的に言えば良かったのかもしれない。
 それにしても、脱力しているはずなのにえらく軽い。この軽さは本当に人間だろうか。そんなことを考えながら歩いていると、あっという間に出口に着いた。
 上着を脱いで地面に敷き、彼女を寝かせる。ついでにヘルメットと目だし帽も脱いでおく。
 携帯を取り出すと、確かに彼女の言った通り微かながら電波が届くようだ。
 近くのタクシー会社を検索していると、傍らの彼女がむくりと起き上がった。
 目が合う。悲鳴を上げられると思ったが大丈夫だった。
「おはよう」
「……え、え、……え?」
 失神明けにも色々あるのか、今度は状況を掴むのに難儀しているらしい。これまでのことをゆっくりと噛み砕いて説明すると、段々思い出してきたようで、青くなったり赤くなったりしていた。
「驚かせて悪かった」
「い、いえいえっ。わ、私が、勝手に気を失ったので、ぜんぜんっ」
 携帯が使えるのでタクシーを呼ぶと伝えると、何でも彼女の実家がこの辺りにあり家族を呼ぶ方が早いと言う。
 携帯を渡すと、こそこそと離れて行き何やら小声で通話を始めた。どうやら母親と話しているようなのだが、聞こえはすれども方言がきつく何を言っているのかさっぱり分からない。
 通話が終わり、何故か涙目でため息をつきながら彼女が携帯を返してきた。
「……あの、色々、すみません。もう、大丈夫ですので」
 と彼女は言うが、とてもハイそうですかと帰る気にはなれない。それに気になっていることがあった。向こう側で出会ったときよりも彼女は落ち着いているように見える。震えてもいないし目も開いている。
「トンネルのこっち側には、居ないんです。見えるのは、向こう側と中だけで。理由は、あの、分からないんですけど……」
「ほお」
「お父さんは、別の場所につながってるんじゃないかって言ってました……」
 迎えが来るまで、しばらく話をした。その流れで彼女の名字が八坂と言い、本当にこの辺りの山奥の生まれであることを知った。向こうだけに名乗らすのも気が引けるので、こちらも苗字くらいは教えておく。
 その内、坂道の下から猛スピードで車が上がってくる音がして、一台の軽トラックがやって来た。母親だろう、女性が一人乗っている。
「まああんたぁはホントに何ねまあ。めったに連絡よこさんと思やぁ、こないなへごなとこ来て、置いてかれたき車をよこせたぁ、親をなんやと思うちゅうんね」
 車を降りてくるなり、母親が捲し立てる。
「やって……、そげなこと言うたちしょうがないろうがぁ。ほんとのことなんやけぇ……」
「ほらもういちいち泣かんで。ほんにあんたぁは昔っから……」
 目の前でしばらく親子の会話が繰り広げられた後、母親の目がこちらを向いた。
「まあほんとにすみません。ウチの子が色々ご迷惑をかけて」
「あ、いえ」
 その後しばらく謝罪のような愚痴のような言葉を聞いた後、彼女は母親の運転する軽トラに乗って去って行った。
 車を見送り、息を吐きながら思う。母親はこちらを怪しんでいたようだ。後日お礼にと連絡先を聞かれて断った時に、微かにほっと表情を緩めていた。まあ、当たり前の反応だろうが。最後は二人で何度も頭を下げていた。
 見える人との繋がりに興味がないわけではないが、こういう場所での遭遇は一期一会が鉄則だ。本当なら一会もない無いほうが良いのだが、今日は仕方がない。
 一人取り残され、さて、と思う。
 目の前には、自殺者の霊が出ると噂の、いかにも何か出てきそうな薄暗い全長六百メーターのトンネルが口を開けて待ち構えている。
 何か体力的にごっそり削られている気がしたが、何度か両手で頬を叩き気合を入れ直し、「うし」 と一声、足を踏み入れた。
 

 トンネルの出口には車が一台停まっていて、若者たちが数人ライトを持って出待ちをしていた。
 彼らは相当焦っているようで、こちらを見ながらこそこそと話をしている。何やら話しかけたそうな雰囲気もあったが、声を掛けられるよりも早く目だし帽を被りエンジンを吹かし、あとは完全に無視してトンネルを後にした。
 それから行きと同じように三時間かけ、ぼろアパートに戻った。
 自分の部屋に入る前、隣の部屋のドアが勢いよく開いて、住人のヨシが顔をのぞかせた。
「よー、また行ってきたのかおまえー」
 いつもの訳知り顔で、ヨシが言う。
「……おう」
「今日はどこだよ?」
「トンネル」
「え、何」
「トンネル」
「どこの?」
「忘れた」
「ええー、マジかよ何だよそりゃー」
「……」
「……え、冗談じゃなくて?」
「おう」
「……」
「……」
「……なんか出た?」
「何も」
「……」
「……」
「疲れてる?」
「おう」
「……飲むか?」
「いや、いい」
「……」
「……」
「そっか、んじゃあまた明日な~、ゆっくり休めよ~」
「おう」
 ヨシの顔がそろりと引っ込み、静かにドアが閉まる。
 その後、軽く飯を食べてシャワーを浴びてから布団にもぐった。寝る前に携帯を覗くと、メッセージを一軒受信していた。電話番号で送れるタイプのものだ。

――――

 すみません。今日携帯をお借りしたときに番号を見てしまいました。
 ご迷惑かとは思いますが、よろしければ後日、きちんとお礼を言わせてください。 八坂真理

――――

 しばらく眺めて電源を切った。何かえらく怖げなモノを見た気がしたが、深く考えるには疲れて眠たすぎた。明日の自分にすべて放り投げて、目を閉じる。
 その日は自分でも驚くほど早く、ぐっすり眠れた。




[ 2018/07/01 ] ◆UtLfeSKo

[ 161396 ] NO TITLE

>>161362
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/07/02 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161493 ] 生き霊


 『八つ坂トンネル』 という心霊スポットがある。
 そこへ出向いた、その数日後の話だ。

 ――――

 今日の昼、学食で会えませんか?

 ――――

 そんなメッセージが携帯に届いた。
 送り主は先日、趣味である単騎での心霊スポット巡りをしていた際に出会った、八坂真理という名の女性だ。
 真夜中にトンネルで一人倒れていたのを偶然見つけ、携帯を無くした彼女に自分のを渡した際偶然番号を見られ、何度か連絡を取る内に偶然同じ大学の学生だと知り、その日は偶然二人とも昼から講義もなく暇だったのだ。偶然とは恐ろしい。
 とはいえ、小学生のころから単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身からすれば、そういう場所での遭遇は極力避けたいし、例え出会ったとしてもその後の付き合いは遠慮したいのだが。今回は彼女がどうしても礼がしたいと言うし、加えて彼女自身は、『見える人』 であり、何か面白い話が聞けるかも知れない。

 というわけで、行くことにした。

 午前の講義が終わってから学食に向かう。普段は大学に近いアパートに食べに帰っているので、ここに来るのは随分久しぶりだ。
 食堂内はいつも通り学生とおしゃべりの声で溢れていた。
 待ち合わせ場所である一番奥の窓側に向かうと、女学生が二人、目的の席に座って何やら話し合っていた。席は取られてしまっているが、この辺りで待っていたら来るだろう。
 近くの空いている席に座って、一息つく。
「……あの」
 しばらくして声を掛けられた。
 見上げると、隣で何事か話し合っていた女学生の内の一人が不安そうに立っていた。そうして彼女は、恐る恐るといった感じでこちらの名前を口にした。
「田場さん……、ですよね」
 その細い声には聞き覚えがあった。トンネルで倒れていた女性の声。
 ちなみに田場とは自分の名字だ。
「八坂さん?」
「……はい」
 確かに声はそうだ。ただ容姿が記憶と違うような。しかしあの時は真夜中だったし、草むらに倒れていたせいか、その頭には花が咲いていたし、途中泣き出して化粧も崩れていただろうし。
「悪い。気づけなかった」
「いっ、いえいえ全然全くかまいませんので」
 そうして彼女は、「この間は、ご迷惑をおかけしました」 と頭を下げた。
 それに関しては、こちらも混乱していてうまく動けなかったし、彼女を無駄に怖がらせてしまった落ち度もある。
「いや、こっちも色々悪かった」
「や、い、いえいえそんな……」
「とりあえず座ろうか」 
 その言葉に、彼女が少し不安げに後ろを振り返る。そこには先ほどまで彼女と話をしていたもう一人の女性が居た。
 目が合うと女性はにこりと笑い、
「すみません。私も一緒にいいですか」
 と言った。
「由美……」
「いいじゃない。この人……、えっと、田場さん? が良いって言うなら。あ、私、飯野って言います。飯野由美。真理の友達です。初めまして」
 こちらと八坂を交互に見やりながら、飯野がまたにこりと笑う。
「ね、いいですよね?」
 同意を取る形ではあるが、どこか有無を言わせない雰囲気がある。
 状況がよく掴めていないが、八坂のおろおろとした反応を見るに、元々この場に居る予定の人間ではなかったのだろう。とはいえこちらは一人増えるくらい問題ないし、彼女達の間柄に口を挟むつもりもない。
「構わないよ」
「わーい。だってさ真理」
「……すみません」
 四人掛けのテーブルに、こちらとあちら向かい合う形で座る。ちなみに自分の前の席には八坂でなく飯野が座った。
 さて、と思う。
 予想外の人物の出現に少し面食らったが、今日の目的は、あちらは先日の心霊スポットでの出来事に対する改めてのお礼で、こちらは『見える人』 である彼女に対して色々訊いてみたい、ということだったはず。
 礼はさっきもらった。今度はこっちが訊く番だ。
「じゃあ……」
「ちょっといいですか?」
 被せるように、飯野がこちらの言葉を遮る。第一印象からそうだが彼女は少々強引な性格らしい。八坂の方を見やると、こちらと友達とで視線を行き来させながら、おろおろしている。
「私、田場さんに訊いてみたいことがあって」
「何を?」
「この前、真理がトンネルで倒れているのを見つけた時って、真夜中だったんですよね」
 思い出すまでもなくそうだったので、一つ頷く。
「そこに田場さんがやって来て、真理を起こして、携帯がつながらなかったからトンネルを抜けた向こうで、おばさんを呼んだ」
 飯野は、八坂からあの日の夜の出来事を聞いたようだ。細かい部分ではまだ諸々あったが大筋その通りなので、頷く。
「田場さんは、一体何しに来たんですか? 一人で、あんなところに」
 声は明るいし、その顔には笑みが浮いている。ただ、彼女がこちらにいい印象を抱いていないことは知れた。まあ、確かに状況が状況だったので、怪しまれるのも仕方がない。
 格別隠すことでもないので、正直に話すことにする。
「あのトンネルには幽霊が出るって噂がある」
「知ってます。地元なので」
「それを見に」
「一人でですか?」
「うん」
「真夜中に」
「うん」
「何で?」
「趣味で」
「真夜中に幽霊が出るってトンネルに一人で行くことがですか?」
「別にトンネル限定じゃない。それに時間は昼の時もある」
「……幽霊とか、見えるんですか」
「いや、見たことはない」
 何か面接を受けているような気分になってきたが、目の前の面接官も少し困惑しているように見える。
「今まで、結構そういうことしてるんですか?」
「小学生の頃から」
「……ずっと? 一人で?」
「うん」
 予想外の答えだったのだろうか。その顔から笑みが消え、眉がひそまっている。
「あの、ぶっちゃけて言いますけど……」
 飯野がぶっちゃけた。
「私、あなたのこと真理から聞いたとき、怪しいなー、変な人だなーって思ったんです」
 隣の八坂は先ほどから変わらずおろおろしている。
「友達がお世話になった身でこんなこと言うのもなんですけど……。この子、昔から変な人とか良くない人間に絡まれることが多くって。トンネルの話も聞いたんですけど、周りの人はこの子置いて逃げ帰るし、その後別の知らない男の人が『偶然』 通りかかって助けてくれたなんて言うし。で、今日その人と会うって言うし」
「由美……」
「ごめん言わせて。で、会って話を聞いたら、一人で真夜中に幽霊が見える場所に行くのが趣味の人、ですか? それってやっぱりちょっとおかしいですよね?」
 まあ、そうだろう。他人に迷惑を掛けない限りにおいては許される。と自分の中では整理しているが、それを他人に押し付けるつもりはない。
「そうだな」
「そうだなって……、大体、あなた今日一体何しに来たんですか。あ、いえ、呼んだのは真理の方らしいですけど……。でも、何か私、……ぶっちゃけ、怖いんですけど!」
 再び飯野がぶっちゃけた。
「この子はそういうとこ疎いから……、でも、絶対変な人じゃないですか。怖いじゃないですか。そんな変な人と会ってどうするんですか」
 別にこちらはどうするつもりもないが、彼女の剣幕がすごすぎて口を挟めない。それは、隣の八坂も同様らしかった。
「……すみません、言いすぎました。この子も『悪い人じゃないと思う』 って言ってたんですけど。私、どうしても心配で。絶対変な人だと思ったので。で、実際今も変な人だと思ってます」
 あちらは改めて礼が言いたかった。こちらは改めて霊の話を聞きたかった。それだけのはずだったのだが。隣の八坂はおろおろを通り越して涙目になっている。
 これは、この後八坂に話を聞くことは無理だろう。最低限、何とかこの場を和ませつつ解散したいものだが、残念ながら自分は口下手だ。
 さて、どうしたものか。
「あ、先輩だ」
 困っていると、背後から聞き覚えのある声がした。
 振り向くと、一人の見知った男が丼の乗ったお盆を持って立っていた。銀橋という名の後輩で、よくウチに飲みに来る奴らの中の一人だ。
「ありゃ、両手に花とか羨ましいすね。僕もお邪魔していいすか、何か今日席無くって」
 言いながら、返事も待たずに隣に座る。そうして彼は三人を見回し、「あれ、みなさん、何も頼んでないんですか?」 と言って不思議そうに首をかしげた。
 飯野が困惑と不満と不審を浮かべた目で銀橋を見ている。
「……ちょっと、今、話をしてるんだけど」
「あ、お構いなく。僕昼飯食べるだけなんで」
「別の席で食べてもらえない?」
「空気になりますんで」
「邪魔してるの、分からない?」
「二人の邪魔ってことすか?」
「……二人?」
「先輩と、この人」
 そう言って、銀橋は八坂を掌で指した。
「元々は二人で会う予定だったんでしょ」
「何で知って……、盗み聞きしてたの?」
「耳がいいもんで。それに、結構大声でしたよ」
 飯野の顔が少し赤くなる。羞恥か興奮か。
「何なのこの人……」
「先輩の、後輩す」
「そんなこと聞いてない」
「そちらは?」
「……はい?」
「そちらはどういった関係で?」
 銀橋は笑顔を崩さず興味津々といった様子だ。この後輩の出現で場は明らかに混乱してきていた。
「どうでもいいでしょ」
「どうでもいい関係?」
「違っ……、もうホントに何なのあなた……」
「お邪魔虫す。二匹目の」
 その言葉に、飯野がギッと睨み返した。その視線はこちらが委縮するほどだったが、当の銀橋はどこ吹く風で、箸を持ち手を合わせると、「あ、冷めるんで、お先に」 といいながら丼のうどんを美味そうに食べ始めた。
 暖簾に腕押し豆腐に鎹、といったところだろうか。さすがの飯野も睨むのをやめ肩を落とした。そうして、「ふー」 と長い息を吐くと、
「……面倒くさい友達だとは、自覚してます。この子にそう思われていることも」
「由美、そんなこと……」
「でも結局尻拭いするのは私。今回の『新しい友達』 もそう。先に逃げ出したのはあいつらなのに真理を責めだして……。昔っからあんたが選ぶ『友達』 は、ろくなもんじゃないんだから」
 自覚があるのだろう。八坂は顔を伏せてしまった。こちらも何も言えない。隣でずるずるうどんをすする音が聞こえる。
「独り立ちは結構、新しい友達を作るのも結構。でも、もうちょっとマトモなのにしてよ。いつもいつも勝手に自爆して死にそうな顔しないで。……見捨てるなんてできないし。ちょっとはこっちの身にもなってよ」
 沈黙。うどんをすする音。
「で……、でもね由美」
 その内、俯いたまま八坂がしぼり出すように言った。
「わ、私、トンネルで田場さんと話したの……」
「話したって……、何を?」
「色々、その、私が見えることとか。怖がりで、……すぐ気を失うこととか」
「はあっ? 話したって、それ他人に……、あんた今までどれだけそれで苦労してきたか覚えてないの?」
「でも、私、田場さんの目の前で気を失っちゃって……、トンネルの中で」
「嘘……それ、聞いてないんだけど」
「ごめん。でもね……、それでも田場さん、すごく普通だったから」
 そうだっただろうか。自分としては目の前で彼女が失神した時、大いに取り乱した気がする。
「だから、ちゃんとお礼を言わないとと思って……」
 飯野は何も言わない。こちらも何も言えない。銀橋もさすがに箸を止めている、と思いきや、すでに汁を残して食いきっていた。
「……あー、うん。そっか」
 しばらくして飯野が突然笑い出した。口に手を当て、可笑しそうにくすくすと。
「そっかそっかぁ」
 笑いすぎてか、目じりに浮かんだ涙をぬぐいながら飯野が言った。
「あんたが懲りない人ってこと、忘れてたわ」
 そうして彼女はさっと立ち上がると、こちらに向かって深々と頭を下げた。
「色々言ったり邪魔してごめんなさい。私は出ますから、あとはごゆっくり」
「由美……」
「大丈夫。また失敗したら私が尻拭いしたげるから。じゃね、頑張って」
 八坂が何とも言えない目で友達を見やる。その視線をかわすように、彼女は軽やかに食堂を出ていく。三人でその背を見送った。
 何か台風でも過ぎ去った後の様だ。素直な感想としては、強烈だった。
 次いで銀橋がお盆を持って立ち上がる。
「じゃあ、僕も退散。ついでにあの子とちょっと話してきます」
「……おい」
「大丈夫す。誤解を解くだけ。先輩はそんじょそこらの変な人じゃないですから」
「おい」
「冗談す」
「あの……」
 八坂が銀橋に何かを言いかける。ただ続きが出てこないようだ。
 すると銀橋は、相変わらず飄々と笑いながら、
「真理さんでしたっけ? 確かに先輩は変な人ですけど、悪い人じゃないすよ。料理めっちゃ美味いですし」
「おい」
「ではこれで」
 軽く敬礼のような仕草をして、銀橋は去って行った。
 そうして二人残される。
 本来なら初めからこの状況であったはずなのだが、今となっては何かこうして向かい合っていることが奇跡的に思える。おそらく、向こうも同じようなことを思っているだろう。
「あ、あの、……すみません。その、由美を止められなくて」
 心底申し訳なさそうに、八坂が言った。
 確かに言いたい放題言われたが、少なくとも自分のことに関して、彼女の言葉は何も間違ってはいない。
「謝らなくていいよ。こっちも妙な後輩が色々言った」
「……あの人、由美と話してくるって」
「大丈夫。あいつはああ見えて考えて動いてるから」
「……」
 今回もそうだ。友人の多いあいつが一人で食堂に来るとは考えにくい。こちらがごたごたしているのを見つけて、輪を離れて来たのだろう。
 そういうおせっかいなところが銀橋にはある。
 テーブルの上に、沈黙が流れる。
 もはや彼女の『見える』ことについてあれこれ訊く気もなくなっていた。それに先の話で彼女がその体質のせいで随分苦労してきたらしいということも分かった。
 彼女は、『見えるが、見たくない人』 なのだろうか。もちろん訊く気はないが、それだけはやけに気になった。
「あ、あの……、これ」 
 先に沈黙を破ったのは彼女の方だった。言いながら、自分のカバンから何やら包みを取り出して、こちらに差し出す。
「これは?」
「……お菓子を、作って来たので」
「お菓子」
「家がお菓子屋をやってて……、それで……、お礼になればと」
「なるほど」
「その……、め、迷惑だったら捨ててください」
「お菓子作りが趣味?」
「あ、その、……はい」
「ありがとう。もらうよ」
 それから少しばかり菓子作りについての話をした。趣味の話だったおかげか、最初は堅かった彼女の口調も次第にほどけていった。
 彼女は小さい頃から両親に菓子作りのいろはをしこまれて育ったらしい。昔話の中には、友達の飯野もしょっちゅう出てきた。
「由美とは家が近くで……、昔から仲が良くって、よく一緒にお菓子を作ったんです。あの子、普通に作ればいいのに、いつも何か一つ冒険するんですよ。クッキーを海苔で巻いてみたり、あんこ餅サンドイッチを作ってみたり。あ、でもあの子の作った揚げバナナ大福は美味しかったなぁ」
「発想がすごいな」
「そうなんです、本当に……」
 八坂はそこで何故か言葉に詰まったようだった。
「……あの、ごめんなさい。あの子……由美が、ひどいこと言いましたけど、悪い子じゃないんです」
 悪い人じゃない。何だか今日は、そういう言葉を多く聞いた気がする。
「気にしてないよ」
 誰かにとって悪い奴が他の誰かにとっては大切な友達。世の中にはそういうことが間々ある。
 それに飯野は、真剣で必死だった。
「友達想いなんだろう」
 あとそもそも、自分の趣味が妙な趣味であることは言われるまでもなく自覚している。
 八坂がこちらを見やる。これまでからするに、彼女は人と視線を合わすのが苦手らしいが、この時はしっかりと目が合った。
「……ありがとうございます」
 そう言って、彼女がぺこりと頭を下げた。謝罪の言葉はたくさん聞いたが、感謝をされたのは初めてだ。
 それからもう少しばかり話をして、改めて連絡先を交換してから、食堂入り口で八坂と別れた。
 一時はどうなることかと思ったが、最終的には和やかに終わることができたと言って良いだろう。
 ふー、と自然に息が漏れる。えらく疲れた。
「あ、先輩だ」
 後ろから聞き覚えのある声がした。声の方を向くと銀橋が食堂脇のベンチに座り、カップのアイスを食べていた。
「結構盛り上がってたみたいすね」
「見てたのか」
「話してるとこは見てないす。でもほら、出てくるの遅かったですし。さっきの別れ際の真理ちゃんの顔見たら、ありゃこれは、って感じでしたし」
「見たのか」
「見えただけす」
「まあいいけどな。そっちは話せたか?」
「うーん。誤解を解こうとしたんですけど。めっちゃ警戒されてて、最後の方はちょっと言い争いになったっす」
「そうか」
「あ、でもちゃんと近いうちに先輩んちで一緒に飲むって約束は取り付けましたから」
「……何やってんだお前」
「大丈夫す。誤解はそこで解きますから」
「そこじゃない」
「真理ちゃんも連れて来てくれるそうですから」
「そうじゃない」
「先輩の料理、めっちゃ美味いって宣伝しておきましたから」
「一体何を言い争ってたんだお前」
「うーん、四人だとちょっと寂しいですから、ヨっさんと神崎さんも呼びましょう。あ、日程調整とか買い出しは僕がやりますから」
 こちらの都合は関係なく、もうすでにこの後輩の中では飲み会のプランが着々と進んでいるらしい。こうなると抵抗しても疲れるだけなので、諦める。ちなみに神崎というのは銀橋の彼女で、ヨっさんというのは自分と同じアパートに住む隣人のことだ。
「……あー、でもアレっすよね。あの二人、ちょっと、ほら、アレっすよね」
「アレじゃ分からん」
「うーん。お互いがお互いに依存してるっていうか」
「ほう」
「由美ちゃんの方が特にそう感じましたけど、私が絶対守ってあげなきゃっていう強迫観念みたいな……、でも真理ちゃんの方もそれに頼ってて……、お互いがお互いにとり憑いているというか。あー、先輩の好きそうな言葉でいうとアレっすよ、ほら、アレ」
「……」
「生き霊」
 ぱこ、と持っていた包みの箱を銀橋の頭に軽く振り下ろす。
「イテ」
「大げさだ。あと、人には言うなよ」
「そうすね」
 銀橋が素直に頷く。
 こいつは生き霊という言葉の意味を正確に理解してないのだろう。背後霊のようにべったりとくっつくような関係をそう表現したのだろうが、生き霊とは、生きている人間の魂が身体から離れて動き回る現象のことだ。
 ただ、先ほど八坂と話していた時のことを思い出す。
 確かに自分も感じた。彼女の話の節々に、言葉の裏に、その背後に、飯野由美という人間を。
 あれがもっと強くなったモノが、生き霊なのかもしれないな。
 そんなことを思う。
「あー、そうだ」
 アイスを食べ終わった銀橋が、空のカップををゴミ箱に投げ入れながら言う。
「さっきの飲み会の話じゃないんですけど」
「何だ」
「今日そっち飲みに行っていいすか」
「……」
「ヒマなんで」 
 正直今日は帰って休みたいのだが、駄目の二文字が出てこない。あの時、あの場に銀橋が来てくれてほっとしたのは確かだ。というかこいつはそれを分かって言っている気がする。
「いいすか」
「……彼女んとこ行けよ」
「ケンカ中す」
「またか」
「またす。飲み会までには仲直りしときます」
 ため息を吐いて歩き出す。その後ろを銀橋が、「さすが先輩」 と指をはじきながら嬉しそうに着いてきた。

 

 銀橋と一緒に大学近くのぼろアパートに着くと、部屋の前で、飲み会の匂いでも嗅ぎ付けたのか隣人のヨシがドアから顔をのぞかせた。
 こちらを見るとヨシはただ一言、
「よっしゃ」 
 そう言ってにやりと笑った。
 その後結局、奴らは日付が変わるまで飲み続け、冷蔵庫の中身と八坂からもらったやけに美味いクッキーをほとんど食いつくし、あまつさえ押し入れの中の掛布団と敷布団を二人で占領し、帰ったのは朝になってから。
 まあ、何時ものことなのだが。
 とり憑かれているという意味においては、こいつらの方がよっぽど生き霊だ。
 そんなことを思った。
[ 2018/07/04 ] ◆UtLfeSKo

[ 161502 ] NO TITLE

>>161493
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/07/04 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161539 ] 未来を汲む井戸

 『未来と繋がっている』 という噂の井戸がある。
 海沿いの小さな町にある井戸で、大昔に掘られたいくつかの古井戸の内の一つがそうだ。何でも偉いお坊さんが水不足に悩む住民のために掘り当てたのだとか。
 水道管が通って以降生活用水としては使われていないが、町の歴史を語る文化財として残されており、地域の保存活動もあるようで未だに井戸の底には綺麗な水が溜まり汲むことができる。
 その水面を上から覗き込むと、未来の自分が映るのだそうだ。

 というわけで、見に行くことにした。

 何の予定もない土曜日。朝飯を食べ支度をすると、愛車のカブに跨って大学近くのぼろアパートを出発した。
 空は薄曇りだが、天気予報によればこれからどんどん晴れてくるらしい。海へと続く道を南へ。トンネルを二つほど抜け川沿いの細い近道を進んでいくと、雲の切れ間から差し込む光と共に目の前に海が広がった。
 それから海沿いの道をしばらく東へ。
 目的の町に辿りついたのが十時頃だった。海を臨む低い山の斜面にそのままへばりついたような町だ。あちらこちらに坂道や階段が張り巡らされていて、山の頂上にある寺につながっている。
 駅の駐輪場にカブを停めて歩き出す。目的の井戸は、坂道を少しばかり上ったところにあるはずだった。
 空は随分と青くなり、気温も徐々に上がってきている。
 ぶらぶらと歩きながら、以前ここに来た時のことを思い出す。あの時分にはまだバイクを持っておらず、一人電車で来たのだった。
 井戸に映るという、『未来の自分』 を見に。
 単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身として、同じ場所に日を変え時間を変え再チャレンジすることは特に珍しくない。とはいえ今回は十数年ぶりの再訪だ。
 最近井戸に関する別の話を耳にしたのだ。
 井戸には、自分の未来の姿だけではなく、死んだあとの骨だけの姿が映ることもあるらしい。
 別に未来の自分に興味はないが、そこまで未来であるなら見てみたい。
 入り口にネコの形の看板を掲げた、雑貨屋か喫茶店かよく分からない妙な店の横。以前も訪れた記憶通りの場所にその井戸はあった。
 屋根のついた井戸らしい井戸だ。
 井戸には一人先客がいた。小さな、小学校低学年くらいの子だ。こちらに背中を向け木枠の縁に両手を掛け、上半身を大胆に投げだし、真剣に井戸の中を覗きこんでいる。
 驚かせて井戸の中に落ちてしまったら事なので、少し離れた場所で順番を待つ。とはいえ井戸には落下防止のロープが張られていたはずだが。
 井戸の傍には立札があり、『未来の見える井戸。覗くと○○年後の君の姿が見えるかも。※ただし、カップルで一緒に見ることはお勧めしません』 と書かれている。最後の一文は余計なお世話に違いない。
 子供は井戸を覗き込んだままじっと動かない。あの子には何か見えているのだろうか。それにしても落下防止ロープがあるとはいえ危ない体勢だ。あのロープは随分隙間があるんじゃなかったか。
 その時ふと思った。
 未来の見える井戸に人間を放り込んだら、どうなるか。
 もちろん何も起こらないのだろう。しかしもしも。すぐに引き上げられたにも関わらず歳を取っていたり、それこそ骨になっていたら面白い。
 目の前の小さな背中を眺めながらそんなことを考える。
 ただ、今それを本当に実行してしまったら。多分あの子の力では、引き上げてもらうのは無理だろう。それに、いきなり知らない人間が目の前で井戸にダイブしたら、吃驚を通り越してトラウマになってもおかしくない。
 あの子の未来のためにも、身を持っての検証は止めておく。
「……あっ」 
 子供が声を上げた。
 何かが見えたわけではなく、どうやら木枠を掴んだ手が滑って井戸の中に落ちかけているようだ。井戸から飛び出した足がばたばたしている。
 なるほど、のん気に構えている場合ではない。
 駆け寄って、その背中を掴んで引っ張り上げてやる。井戸の中にはそれこそ『井』 の形にロープが張られていて、この子は咄嗟にそれを掴んだおかげで下まで落ちることはなかったようだ。
 子供は落ちかけたことに驚いたのか引き上げられたことに驚いたのか、井戸の横に座り込み目を瞬かせている。
 その大きな目がこちらを見やった。
「……ありがとう」
「うん」
 最近の子供にしては珍しく、一番に礼が言える子のようだ。
「手がずるってなった……」
「そうか」
 子供にはそれ以上構わず、井戸の中を覗きこむ。
 『井』 の字に張られたロープの下、黒々とした水面に人影が写っている。誰かの上半身。自分のシルエット。光の当たり具合が悪いのか、顔は真っ黒に塗りつぶされて何も見えない。しわくちゃの老人も骸骨も映っていないが、のっぺらぼうになら見えないこともないな、などと思う。
 ふと、水面にもう一人の影が映った。
 隣を見やると、先ほど引き上げてやった子供が同じように井戸を覗き込んでいる。今度はあまり身を乗り出してはいないが、あまり懲りてもいないようだ。
「落ちるなよ」
 声を掛けると、井戸の底を見やったまま、小さく頷いた。
 そのまましばらく、二人並んで水面を睨みつけていたが、少なくとも自分の目には、何かが見えることはなかった。
 諦めて顔を上げると、お隣も同じようなタイミングで背を伸ばした。
 何となく目が合う。
「……おじさん」
「ん?」
「おじさんは、何か見えた?」 
 その言い草からして、この子も自分の未来を見に来たのか。
「黒い影が、二つあっただけだな」
 正直に話すと、何故か少しほっとしたような顔をした。
「……ぼくも」
「そうか」
 今更だが、男の子だったのか。髪の毛の長さが微妙でよく分からなかった。肩から小さなポーチを下げている。辺りには親も友達の姿もないが、この町の子なのだろうか。
「おじさんは、未来の自分を見に来た人?」
「いや、ちょっと違う」
「じゃあ、ガイコツの幽霊?」
「まあ、そうだな」
 すると、彼は少しだけ笑って。
「ぼくも」
「そうか」
 しかしながら、目当てのものが見えなかったというのに妙に嬉しそうだ。
「ぼくだけかと思った」
「ん?」
「この前遠足で来た時、みんなには見えたんだけど、ぼくだけ見えなかったから」
「……そうか」
「うん」
 その時ふと、随分昔、自分も同じような経験をしたような、既視感のような何かを感じた。ただしそれは一瞬のことではっきりとは思い出せず。おそらく、ただの気のせいだったのだろう。
「どうやったら見えるのかなぁ……」
 彼が井戸の方を見やり、心底不思議そうに言った。それはおじさんも知りたいことだ。
 しかしながら、こちらがおじさんに見えているということは、彼はそこに落ちかけたせいで『未来と繋がっている井戸』 の影響を受けたのかもしれない。などと真面目に考えようとしたが、さすがに馬鹿らしくなってやめた。そう言えばここ三日ほど髭を剃ってなかった。
「……まあ、巡り合わせと、運だろうな」
「そっかぁ」
 テキトーに答えたつもりが、彼は妙に納得したようだった。
 それから二人でもう一度井戸を覗いてみたりしたが、やはり何かが見えることはなかった。 仕方がないので帰ることにする。
 彼とは駅まで一緒だった。
 この町の子かと思っていたが、何でも幾分遠い町から電車に乗ってやって来たらしい。その行動力に感心するが、自分も昔ここに一人で来た時は電車だったな、と思い出す。歳も丁度彼ぐらいの頃だっただろうか。
 駅前に停めてあったカブ見せてやるとえらく気に入ったようで、「カッコいい!」 とはしゃいだ後、値段やら馬力やらを詳しく訪ねてきた。
「このカブは中免が要るぞ」
「ちゅうめん?」
「中型免許」
「うん、分かった。絶対取る」
 そうこうしている内に時間になり、彼は電車で、こちらはカブでそれぞれの家路に着いた。
 別れ際、彼は駅の入り口で何度も手を振っていた。


 夕暮れが迫る頃、大学近くのぼろアパートに帰ると、いつものように隣部屋のヨシが酒と食材を持ってやって来た。呑み好きと自炊が面倒くさいという理由で、奴はしょっちゅうウチに来るのだ。
「よー、今日はどこ行ってきたんだ?」
 つまみ兼夕食を作って出してやり、冷えたビールで乾杯した後、訳知り顔のヨシが言った。
「△○町の井戸」
「あー、あのカップルで行くと別れるとこか」
 酒と料理をつまみながら、一通り今日のことを話してやった。
 ふと気が付く。ヨシが何故か遠い目で窓の外を見ている。
「……何だよ」
 すると奴は片手でビールの缶を弄びながら、何時になくしみじみとした口調で、
「悲しいなぁ……」
 と言った。
「何が?」
「悲しいなぁ……」
「何が」
「こんなんなっちゃうのかぁ」
「おい?」
「悲しいなぁ」
「……」
「その子は見ちゃったんだなぁ、自分の未来を」
「井戸には何も映ってなかったぞ」
「悲しいなぁ……」
 などと訳の分からないことを呟きながら、ヨシはビールにちびりと口をつけ、長い長いげっぷを吐いた。

[ 2018/07/05 ] ◆UtLfeSKo

[ 161543 ] NO TITLE

>>161539
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/07/05 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161818 ] 身捨嶽

 『身捨嶽(みすてだけ)』 と呼ばれる場所がある。
 △△山の頂上付近にある垂直に切り立った崖のことで、崖自体の高さは二百メートルほど。石灰質の岩肌が不気味なほど白く、山の情報誌には『【身捨て】の名前にふさわしい、吸い込まれそうな崖』 と書かれている。
 さらに山自体も二千メートル以下でありながら急峻で長いガレ場や一歩踏み間違うと真っ逆さまの岩尾根など、日本アルプスの難山にも負けない上級者向けの山となっている。実際昔から遭難や滑落事故が多く、死者の数もここら辺の山では群を抜く。
 『身捨嶽』 はそうした山で死んだ者の魂が集まる場所でもあるそうだ。
 
 というわけで、見に行くことにした。

 六月。今回は山に登るということで出発は早朝。ザックに水と食料、ガスとシングルバーナー、地図に合羽、もしもの時のための遭難用具一式を詰め込み、ついでに同じ大学に通う隣人宅のポストに本日の登山行程を書いた紙を差し込み、午前五時半、愛車のカブに跨り大学近くのぼろアパートを出発した。
 隣県につながる山越えの国道を東へ。
 町を抜け川を横目に谷あい道をゴトゴトと走る。坂が急で荷物が重くそもそもカブであるため速度はあまりでないが、この日は天気が良く景観を眺めながら走るには丁度いい具合だ。
 小さな温泉郷を過ぎしばらく走ったところで登山道入り口の看板を見つけた。
 時間は午前九時前。近くのスペースにカブを停め、ザックを背負い直す。
 小さなころから単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身からすれば、山登りやキャンプはお手のもの、とまでは言えないが、いくらかはこなしてきた。
 大蛇、大蜘蛛、迷い霧、峠の幽霊、淵、鉄塔、トンネル、廃村。どの山にも一つや二つ謂れがあるものだ。ただ今回ほど山奥の場所にはまだ行ったことがない。難しい山とのことなので、何時もより少し気合を入れる。
 登山道はいきなりロープの垂れた急登から始まった。
 さらに急登がひと段落したかと思えば、前方で土砂崩れが起きており。道に覆いかぶさった土砂の上を人の踏み跡と張られたトラロープを頼りに渡りきる。
 その後も足場が不安定な個所が多く、神経を使わされた。特に中盤の切り立った岩尾根は、今日は晴れているからいいが、雨や霧で濡れれば滑落の危険はぐっと高まるだろう。
 確かに厳しい山だ。
 何度か休憩を挟みながらゆっくりと登る。辺りの木々はシカの食害から守るためだろう、青いネットが被せられている。樹皮をかじられてしまい、すでに枯れている木も目立つ。
 他の登山者の姿は見えない。この厳しさに加え有名とは言い難い山なので、まあ当然だろうが。
 登り始めて二時間ほど。二度目の休憩をしていると遠く下の方に何か動物の影が見えた。
 カモシカだった。
 こちらを見上げている。咄嗟にカメラを構えたがズームしている内に逃げられてしまった。
 ただここには登山者に会いに来たわけでも、カモシカを見に来たわけでもない。身捨嶽に集まる魂を見に来たのだ。
 再び上を向いて登り出す。
 それからまた一時間ほど急登を進むと、頂上を臨む切り立った場所に出た。傍らの古びた木の看板には『身捨嶽』 と書かれている。
 ここか。
 ザックを地面に置いて崖から下を覗き込む。遠近感がおかしくなるほど高い。眩暈がしそうだったので早々に引っ込んだ。
 辺りには無念の死を遂げた登山者の魂が飛び交っている、といったことは、ない。
 時間が悪かったか、しかし陽が落ちるまでここで待つのは危険だし、テントはあるが明日は天気が崩れるとのことだった。泊まりでの張り込みはまた次の機会だ。
 △△山の頂上は身捨嶽の切り立った崖の脇を下り、再び登り返した先にあるが、今日の目的地はここなので行く気はない。
 傍の平たい石に腰掛け、景観を眺める。今日は本当に天気が良いい。空気も澄んでおり、遠方までよく見える。
 しばらくすると腹が鳴った。昼飯を作ることにする。
 お湯を沸かし半分に割ったパスタを茹でる。途中でお湯を少し残して捨て、冷蔵庫の残り物のシイタケとプチトマトとゾーセージを適当に切って、コンソメと使い切りのケチャップと一緒に放り込む。しばらく煮込んで完成。
 そうしていざ食べようとした時だった。
 視界の端に、妙なものが映った。
 ザックだ。
 誰のものだろう。薄汚れた黄緑色でかつ草藪に隠れているので、今まで気づかなかった。
 とりあえず簡易トマトスープスパを胃に放り込み、諸々片づけをしてからザックに近寄った。
 持ち上げてみる。水を吸っているのか大分重い。随分前から放置されていたのか。容量は三十リットルくらいで、色は違うが自分が背負ってきたものとほぼ同じ形だ。
 謎の荷物を前にしばらく考える。
 この場所に、ザックが落ちているとはどういうことだろうか。
 真っ先に浮かんだのは、頂上に登るため一時的にここに荷物を置いているのではないか、という考えだ。しかし底から滴る水滴や汚れ方からして一日や二日放置されたものではなく、さらにこの場所から見える頂上までの道に人の姿は無い。
 単純な落し物忘れ物か。しかし小さなものならまだしも、ザックを落としたり忘れたりするだろうか。しかもここは難コースだ。装備を丸々置いて帰るとは考えにくい。
 なら重いものだけ置いて行ったのかもしれない。
 ジッパーを開き中を覗いてみる。好奇心もあった。まあ、持ち主が現れたら謝ればいいのだ。
 ハンドタオル、衣類。ゴミの入ったビニール袋。塩アメ。キャラメルの箱。封がされたままのペットボトルの水。泥とインクが滲んでほとんど読めない手帳。電源のつかない二つ折りの携帯電話。ザックの表には、『富士山登頂記念』 と象られたキーホルダーがぶら下がっている。
 主観だがどうも重いから置いて行ったという風でもない。
 こう何か、頂上に向かう道中荷物を残して人だけ消えてしまったような。
 ふと崖の方を見やる。切り立った崖の向こう、遠く向こうまで青々とした山並みが続いている。この素晴らしい景観に、身捨嶽という名前はやはり似合わない。
 取り出した中身を元通りにしながら、再び考える。
 さて、このザックをどうするか。
 落とし主が取りに来る可能性があるならば、この場に置いておく方がいい。ただ漠然と、それは無いだろうなという気がした。
 届けるとしたら麓の一番近くの交番だろう。しかし、水を吸った重たいザックは明らかに余計な荷物だ。自分のザックの中には入らないし、下りの行程を考えると気は進まない。
 見なかったことにしようか。
 その瞬間唐突に、自分の頭の中に『見捨て嶽』 という四文字の言葉が浮かんだ。
 意味はない。ただの駄洒落である。こういうのが好きな知り合いが身近にいるので、その影響だろうか。
 改めて、自分が見つけてしまった荷物を見やる。
「見捨て嶽か……」
 何故か口にもついて出た。二千メートル以下とはいえ、酸素が薄いこともあるかもしれない。
 息を吐いて、再び誰かのザックを開き、中のペットボトルの水を崖の上から全て捨てた。
 その気になってしまったのだから仕方ない。
 持って降りよう。
 押したり絞ったり垂らしたりして、出来るだけ水分を切ってから、力ずくで丸めてザック自体についている紐で縛り、自分のザックに固定する。確かに重くはなったが、思ったほどではない。ただどうしても背中から飛び出た形になるので、枝に引っかけないよう注意しなければならない。
 下山を開始する。
 山での事故は登りよりも下りが多い。知らずのうちに足が上がらなくなっており、小さなでっぱりに引っかけ滑落するのだ。加えてこの山はとにかく足場が悪い。
 行きの倍の注意を払って△△山を下る。途中で再びカモシカを見かけたが、さすがに今回はカメラを取り出す余裕もなかった。
 無事山を下りきった時には時刻は午後四時を超えていた。
 一番近くの交番に向かうと、運良く丁度出かけようとしていた駐在と鉢合わせ、無事ザックを渡すことができた。
「あー、△△山の山頂付近ですかー……」
 荷物受け渡しの際、少しばかり面倒くさそうに駐在が言った。
「これはー、持ち主、きっと現れないでしょうなぁ……」
 自分もそう思うと返すと、苦笑いをしていた。
 


 それから数時間かけて大学近くのぼろアパートに戻った。
 隣人の部屋の前を通り過ぎようとすると、がちゃりとドアが開いて家主のヨシが顔を覗かせた。
「よー、お前また行って来たのかってうわ、何だその荷物。山でも登って来たのかよ」
「山でも登って来たんだよ」
 朝出発する前、奴の家のポストに登山計画書をつっこんでおいたはずなのだが。
「あー、あれか。何か白い紙一枚でよく分からんこと書いてるから、何かの間違いかと思ってろくに見ずに捨てちまったわ」
「ほぉ」
「ってか、わざわざ手紙じゃなくていいだろ、今の時代」
 なるほど、確かにそれはそうだ。
「あー、でもあれか。登山計画書ってことは、もしおまえが帰ってこなかったりしたら、俺が警察とかに連絡しなきゃいけなかったんか」
「……そうしてくれたら、有難かっただろうな」
「俺のせいで死んでも、化けて出て来たりすんなよ」
「その場合、心配しなくてもお前のせいじゃない」
「ふーん?」
「お前に頼んだ、こっちの落ち度だ」
「あーあー、そういうこと言うかお前は」
 その後、ヨシはこちらが風呂に入ってさっぱりした頃合いを見計らって、酒と食材を持って突撃してきた。
 仕方がないので簡単に数品作って出しながら、今日の話をしてやった。
「ふーん、身捨嶽に荷物がぽつりとねぇ」
「事故か遭難かな」
「でもまー死んでは無いだろ。死んでたら捜索隊とか遺族が荷物回収してるんじゃね。だって携帯とか入ってたんだろ?」
「入ってたな」
「たぶん山降りた後で、もう一度取りに来る気も失せたんだろ。キツイ山だしまあいいや、みたいな」
「そうか……、そうだな」
 そうだといいなと思う。たまにはヨシもいいことを言う。
 そのヨシが酒を飲みながらぽつりとこぼす。
「しかしまぁ、ミスって崖から落ちでもしたのかね」
「かもしれないな」
「……ミスってな」
「ん?」
「だからさ、ほら、ミスって」
「……?」
「ミスって嶽」
 沈黙が流れる。
「いや悪い、今のはスベった」
「……」
「あー、きっとその人も、スベってオチたんだな」
「……」
「おい何か言えよ」
「……」
「見捨テナイデ」
 何かひどく酒が不味くて、何も言えなかった。
[ 2018/07/10 ] ◆UtLfeSKo

[ 161834 ] 中仙道西○△怪談/暗渠

実体験です。

1.最低の休日
その年の9月のある日、仕事帰りにA体育館プールで泳いだ私は、帰宅後、携帯電話を体育館に置き忘れたことに気付いた。
翌日は休日だったので、朝からA体育館にいき、携帯電話を無事に回収、せっかく来たのでもう一泳ぎして帰路に就いたが、電車を乗り換えるはずのA2駅を寝過ごし、一つ先のA3駅で下車した。
一駅といっても大した距離ではないので、A2駅から少し歩いたB駅に向けて徒歩で向かったが、なぜか腹痛が発生、B駅そばの喫茶店で休憩を余儀なくされた。
ようやく帰宅すると、今度は携帯電話を喫茶店に置き忘れたことに気付いた。
自宅とB駅を更にもう一往復して携帯電話を回収、帰宅すると今度はトイレの電球が切れてしまった。
疲労困憊の体を引き摺ってホームセンタ-へ電球を買いにいき、帰宅して電球は取り替えると夕方になっていた。


2.異変
翌朝、風邪を引いてるのに気付いたが、すぐ治るであろうとタカをくくった。
しかし風邪は症状が重くなったり軽くなったりを繰り返し、冬に入っても完治することはなかった。
かかりつけの医師に相談しても首を捻り、抗生物質を処方するばかりであった。
その間、奇妙な出来事がいくつも発生した。
(1)10月下旬
近所で買い物した帰路、目を疑うような光景を見た。
住んでいる集合住宅前に救急車、パトカー、消防車が回転灯を光らせて停車、多数の消防・警察官がひしめいていた。
やがて消防隊員が3階の一室のベランダに到達、窓を破って室内に侵入した。
その後、救急車両はサイレンを鳴らさずに引き上げた。救急隊員が侵入した部屋の住人は助からなかったのだろうか。
この出来事について集合住宅の管理会社、管理人からは何の説明もなく、某有名事故物件サイトにも炎マークの記載はなかった。
私の幻覚なのだろうか。
(2)12月初旬
同僚の送別会を兼ねた職場の忘年会が池袋近辺であり、当時の私には珍しくアルコールを相当量摂取した。
池袋近辺の駅で皆と別れたが、その次の記憶は「次は終点、八王子です。この電車は折り返し八高線下り最終電車となります」との車掌アナウンスであった。
なんと知らぬ間に八王子まで漂流し、八高線下り電車でどこかへ行ってたのであった。
私は宇宙人に誘拐されていたのだろうか。それとも悪霊に憑依されていたのか。
酔って電車を乗り過ごす・山手線を何週もする、といった失態とは、性質を異にする怪奇現象に思えてならなかった。
タクシ-で帰宅するのに17000円、メガネを新調するのに4万円強を要したが、風邪の症状は一時的に治まった。
しかし二日酔いが醒めると、また風邪の症状がぶり返した。

3.悪寒
正月を過ぎると、風邪の症状は一層増悪した。
悪寒が酷く、会社では朝から昼食までコート着用で仕事した。
昼食で体が暖まって、ようやくコートを脱ぐ有様だった。
退勤後はまっすぐ帰宅、ただちにコタツに潜り込み、暇つぶしに図書館で借りた書籍を読んだ。
就寝しても足の付け根が冷え、痺れ、ときに痙攣するので寝付けなかった。
痙攣は地震のように激しくなる場合もあり、遠くで読経してる声のような空耳が起きることもあった。
温湿布を試したが、暖まる前に痒くなるので、剥がすしかなかった。
今だったら「寒いならサウナ行けばいいじゃん」と思うところだが、当時はなぜかそのようなアイデアは浮かばなかった。
サウナに行く気力体力も尽きていたのかもしれない。

4.啓示
4月に入っても状況は好転しなかったが、図書館でコタツ用書籍を物色中、間違って「・・・OL殺人事件」なる書籍を手に取り、たまたま開いた頁にA2駅界隈につき長々と記述しているのが目に止まった。
マイナーなA2駅界隈を著名作家が描くのに興味をひかれ、借りて読んだ。

同書によれば、A2駅の裏手の線路沿い「C通り商店街」を直進し、3個目の踏み切りの先にあるD寺には、
有名な芝居のヒロインであるC様の墓があり、・・・OL殺人事件との因縁を論じていた。

A2駅を何年も利用していたが、その裏手が「C通り商店街」だとか、その先にC様の墓があるとか初めて知った。
C様は実在人物で、400年後の現代でも粗略に扱う者には祟りがあると聞いたことがあった。
半年続く風邪もC様の祟りかもしれないと私は考えた。

5.救済
体調不良が酷かったある日、私は会社を早退してD寺をお参りした。
書籍の通り、C通り商店街を直進したが、3個目の踏み切りには「事故多し!注意!」との真新しい看板が立っており、その先にはD寺を初めとして複数の寺院が隣り合って建っていた。

D寺墓地の一番奥に鳥居が設けられ、鳥居の上には参拝者を威嚇するかのように、曰く因縁を記した看板が付けられていた。
合掌して参拝の許しを乞うてから鳥居を潜り、コの字形の通路を進んだ突き当りがC様墓所であった。
その先は近隣の寺に付属する墓地が延々と続いていた。
「D寺墓地の奥にC様の墓がある」というより、「C様墓所を中心に半径50Mが墓地で、D寺以下9つの寺が墓地を封じている」
といった方がピッタリ来る光景であった。

丁重に参拝して辞去したが、寺の門を出るとき、何かが体の中から抜けていくのを実感した。

翌日からコートを着用せずに仕事できるようになった。


6.究明
C様墓所を参拝して一発で治ったので、半年以上続いた風邪の症状は霊障だったと分かり、ゾッとした。
C様に祟られた原因を知りたくてC様に関する文献を探した。
でも芝居のヒロインとしてのC様に関する文献は腐るほどあったが、実在した人物・怨霊としてのC様に関する文献は殆どなかった。
業を煮やした私はC様に関係のない心霊本を片っ端から読破していった。
C様に祟られた原因は見つけられないかもしれないが、霊障への対策が見つかると思ったからだ。
だが怪談文学とは読者の心胆を寒からしめるのが目的らしく、「こうすれば助かった」式の”対策”に触れた書物を殆どなかった。

7.2次被害
心霊本を20冊ほど読破した辺りで、私は不眠症になった。
集合住宅の7階に住んでるのに、就寝してからも、外の人声がヤケにハッキリ聴こえた。
ウトウトしていても、終電時刻過ぎに駅の方へ向かう人声がしようものなら、心の中で心霊検知メーターが自動で起動、警報が鳴ってガバっと跳ね起き、朝まで眠れなくなった。
PTSDの一種なのだろうか。
酒も睡眠導入剤も効かなかったが、なぜか朝になると眠ることが出来た。
酷い睡眠不足のせいで、仕事中、隣の席の女性をC様の幽霊と勘違いしたこともあった。

8.後遺症
風邪の症状は治まったが、足の付け根の冷え・痛み・痒みは直ぐには治らなかった。
タイガ-バ-ムを患部に塗ってるうちに痒みは軽減、すかさず温湿布を貼ってるうち快方に向かった。

C様ゆかりの寺院に通い、加持祈祷を受け、御守りを身に付け、部屋中に御札を貼ってるるうち、夜も眠れるようになった。
さらに、心霊本に代えて「怖い話まとめブログ」を読むようにしたら、コメント欄に霊障対策がてんこもりで、悪霊と闘う勇気さえ湧いてきた。

知識が増えると、霊障の原因はC様ではないように思えてきたが、真犯人が誰か見当が付かなかった。

9.暗渠
数年後、職場で回覧されてる業界新聞に、真相に繋がる記事を見つけた。
記事によると、20世紀末のある嵐の日、A体育館付近の暗渠内で、建設工事に従事していた作業員が台風による増水で流され、行方不明になったという。

東京は江戸と呼ばれた昔、水路が張り巡らされた「水の都」であった。
20世紀になり、水路は道路交通の邪魔になるので多くは埋め立てられた。
しかし水路には排水の役割もあるので、全部埋め立てると台風などの増水時は排水が滞り、街が水浸しになってしまう。
よって天然の小川など排水機能が高い水路は、埋め立てないで、水路の上に道路や公園を作って蓋をした。
このように人工的に地下水路化された水路とその両岸を暗渠というらしい。

東京には無数の暗渠が複雑なネットワークを形成していて、その全貌は誰にも分らないらしい。
暗渠内の水路に流されると、どこへ流れ着くか全く見当がつかず、遺体が見つかることはないという。
暗渠内は空気も悪く、酸欠のおそれもあるというから、「カリオストロの城」の地下牢みたいなもので、まさに「生ける者の赴く所ではありませぬ」。
ダイバ-が暗渠内の地下水路を潜って探すのは、自殺行為に近い。

10.真相
肉体への執着心から、行方不明の作業員の霊は、冷たい水底を漂う遺体に閉じ込められ、悪寒に苛まれていたのであろう。
悪寒から逃れるため、有り余る体脂肪を備え、高血糖ハイオク血液を漲らせて泳ぐ私に憑依したが、危うく共倒れになりかけた。
作業員の中には八高線沿いの住人もいたのかもしれない。
C様墓所で憑依が解け、私は悪寒から解放され、作業員の霊も冷たい水底を去って成仏したのが真相だと思う。

末尾ながら、水害の犠牲となった全ての方々のご冥福を心よりお祈りします。                                   合掌

[ 2018/07/11 ] ◆EbVoqqPU

[ 161835 ] NO TITLE

>>161818
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/07/11 ] ◆Ahsw8Nok

[ 161838 ] じゅげむじゅげむ

昔、科○と学習という小学生雑誌に載っていた話(確か)

公園に赤黒い肉の塊のようなでかい顔のお化けが出ると言われていたそれに見つかると食べられてしまう、撃退の呪文がじゅげむじゅげむ全文×3回唱える

その噂を確かめようといたずら好きの少年が主人公の女の子を誘って夜中の公園へ

少年「なんだいねーじゃん」

とかふざけてたらお決まりのようにお化け登場、二人は慌てて逃げるも少年が転けた女の子を見捨てて逃走、おいてかれた女の子は公園のトイレへ駆け込む一番はじっこの個室に隠れる、しばらくすると

「いな~い」バタン
「ここにもいな~い」バタン

と一つずつ確かめながら声が近づいてくる
女の子がどうしようどうしようと声をころして焦っていると壁に(何故か)じゅげむじゅげむの全文が書かれている
よっしゃあこれで勝てる!と思った女の子がじゅげむじゅげむを3回唱える
お化け悲鳴を上げて逃げる、様子伺いつつトイレから脱出、公園の入り口でタクシーを見つけて乗せてもらう

運転手「こんな夜遅くどうしたの?」

女の子「お化けに襲われて」

運転手「それってこんな顔だったあ?」

運転手だったモノは振り返ってにたりと笑った

てな感じのお話、昔過ぎて話の内容はうろ覚えなんだけど子供向け雑誌なのに挿し絵がやたら怖かったんだよね、今でもあの挿し絵の不気味さだけは覚えてる


[ 2018/07/11 ] ◆-

[ 161889 ] NO TITLE

怖い話ではないです。不思議な話というか。ここの読者が求めるようなものでもないとは思うのですが。

夜、布団に入る前にベランダで一服するのが習慣となって久しい。
禁煙を求める声が日増しに高くなる現代において、幸いなことに自分の住むマンションではベランダ喫煙が禁止されていない。最上階であることに加え、両隣にも喫煙者が入居しており、気兼ねなく吸えるのが有難い。
蒸し暑い夏の夜も、吐く息が凍る冬の夜も、寝る前に一本、一杯のアルコールと共に体に流し込んでから床に入る。
紫煙を吐き出しながら空を眺めていると、夜空というのは案外賑やかなものであると気づく。
星は勿論、空港や空自基地が近所とは言わずとも同自治体・近隣自治体に設置されている関係で、航空機も頻繁に目にする。一時問題となったレーザー光線と思しき光が低い雲を照らしていたこともあるし、人工衛星と思われる光が上空を移動しているのを見ることもある。
今夜は何か見えるだろうか、そんな風に毎晩少しわくわくしながらベランダでのひとときを過ごす。

つい先日も、今日は久しぶりによく晴れているから上空が見渡し易いだろう、と期待しながら外へと出た。
マンションの南方には新幹線の高架がひかれており、その日は作業員が点検をしている姿が伺えた。
夜中なのに大変だなあと思いながら遠めに作業を見つめ、煙草を燻らせる。
保線作業に用いられる光源は明るい。天候によっては光が拡散して星明かりが消えてしまうほどだ。
星も見えんしそろそろ部屋に戻るか、と杯に残ったアルコールをあおった時、視界の端に光を捉えた。
東の空、北から南に向かって動く5~6個ほどの光の集団があった。それらは、流れ星というには長く、飛行機というには早く、南の空へと消えていった。
はて、今のはなんだったのだろう。動きは自衛隊機の編隊飛行が一番近い気がしたが、エンジン音はしなかった。
夜間訓練の予定はあっただろうか、地元上空を通過する人工衛星の一群があるのだろうか、はたまた知らないだけで流星群でも来ていたのだろうか。
部屋に戻ってから一通り調べてみたが、いずれも該当はしなかった。

周囲に光源が少なければ少ないほど、光というのは映えて見える。加えて、周囲が暗ければ遠近感は狂うものだ。
近所の物好きがドローンか何かを飛ばして遊んでいた、というのが現実的な落とし所だろう。
それでも、オカルト好きとしてはUFOやUMA、或いは旧暦に習って7月にお盆を行う沿岸地域に向かう先祖たちだと思っていたい。
[ 2018/07/12 ] ◆D2.x1HW6

[ 161954 ] ダム湖を臨む宿泊施設

 『男の幽霊が出るという噂の宿泊施設』 がある。
 元々はとある町の町営施設だったのだが、今は民間に委託しているらしく。小さなダム湖を臨む場所に建てられた建物で、桜や紅葉の時期になると観光客で一杯になる、そんなごく普通の宿泊施設だ。
 その三階の一番奥の部屋に出るらしい。

 というわけで、見に行くことにした。

 今回は泊りがけなので、出発は金曜日。午後の講義を済ませ、大学近くのぼろアパートを出たのが午後四時過ぎだった。
 六月下旬。梅雨の真っただ中。その日も雨が降っていた。
 ぱちぱちと雨粒が合羽を叩く中、愛車のカブで川沿いの道を走る。目的の町までは一時間半、チェックインは午後六時といったところか。
 予約はすでに済ませてある。その際三階の一番奥の部屋を指定すると、「そこは今使っていないんですよ」 と返って来た。理由は雨漏りがするからだそうで、他の部屋が開いているのでそちらに、とのこと。雨漏りしても構わないと伝えると、「……はあ」 と電話の向こうから怪訝そうな声がした。妙な客だと思ったに違いない。
 雨の中をひた走り、辺りが暗くなりかけた頃、宿泊施設のある町に着いた。
 川に沿って街並みが続いていて、山間の狭く細長い町といった印象だ。
 それからしばらく川を遡り、中規模のダムを渡った先に今日のお宿を見つけた。白い外観の建物で、少しばかり年季を感じる。
 チェックインの前に、駐車場から目の前のダムとダム湖を眺めた。現在放流中で、石の壁から白いしぶきの塊が絶えず噴出し続けている。
 三階の部屋に出る幽霊は元々長期で泊まっていた客らしい。宿泊最終日に、ダム湖に浮かんでいるのをバス釣りに来た観光客が見つけたそうだ。事故か自殺かは不明。ただ、その客が人生の最後の日々をこの宿泊施設で過ごしたのは間違いない。
 建物の中に入る。ロビーには小さなカウンターと町の特産物が並ぶ売店。赤いソファーにテレビ。ピンクのダイヤル電話。飲み物とタバコの自販機。建物の外見同様、所々に年季を感じる。
 チェックインを済ませ、部屋に案内してもらう。
 階段をのぼりながら従業員に尋ねると、本日は自分の他、しばらく前から二名の長期宿泊者が泊まっているそうだ。そうでなければ、一名のみの宿泊は受け入れてないとのこと。赤字になるかららしい。
 要望通り、部屋は三階の一番奥。『欅』 と札が掛けられている。
「掃除はしてるんで、綺麗は綺麗なんですが……」
 何やら口ごもりながら、従業員が部屋の扉を開けた。
「あー、やっぱり漏れてる」
 彼の背中越しに部屋を覗くと、部屋の窓側の隅の方に置かれた青いバケツが目に入った。
 ぽたり、と音がする。天井の木の板の継ぎ目から漏れてきているようだ。
「何度も直しているんですけどねぇ……。ご覧の通りなんです。お部屋変えますか?」
「いや、ここで」
 従業員はやはり怪訝な顔をしていた。
 一人になり、とりあえず荷物を置いて座椅子に座って一息つく。
 部屋は十二畳間で狭すぎず広すぎず。ダム側湖に大きな窓が付いていて、傍に外を眺めるためのイスと小さなテーブル。ダムは夕闇と薄霧と放流の水しぶきに煙り、中々にいい雰囲気だ。
 大量の水が放流される音。微かな雨の音。ぽたりぽたりと一定の間隔を置いて、水滴がバケツを叩く音。うるさいはずが、妙にこの場に合っている。
 夕食は七時からとのことだったので、それまで水の音を聞きながら、のんびりすることにする。
 部屋に出るという幽霊の姿は無い。ただ、今日はここに一泊するのだから焦ることもない。チェックアウトまでに何か出たり何か起きてくれればいいのだ。
 そんなことを思いながら、夕食前に手を洗おうと窓際の洗面台の蛇口をひねった時だった。
 思わず手をひっこめた。
 出てくる水が、赤黒い。
 まるで血のようだ。
 はっとして洗面台に栓をして洗面台一杯に水を溜める。出し続けている内に、水が普通の透明な色に変わった。
 しばらく眺め、匂いなど嗅いでいると赤色の正体が知れた。
 錆だ。
 水の中に手を突っ込むと小さな錆の粒が付着する。この部屋はしばらく使ってないと言っていたので、水道管の中に錆が浮いていたのだろう。
 がっかりしつつ胸を撫で下ろす。一瞬、勝手にこの部屋を使うなという幽霊の警告かと思い心臓が躍った。
 座椅子に座り直し、ニュースでも見ようとリモコンのスイッチを押す。
 テレビがつかない。
 電池が切れているのだろうか。しばらく試して諦めた。まあ、絶対に見たいものでもないので別に構わない。それに、ここには幽霊を見に来たのだ。
 夕食の時間になったので、一階のレストランへと向かう。夕食はアユの塩焼きと山菜定食といったもので、中々美味かった。
 食事をしていると、二人の人間が入ってきて席に座った。どちらも若い男で、彼らが従業員の言っていた長期宿泊者だろう。
 夕食を食べ終わりレストランを出る際、二人に向かって軽く頭を下げると、彼らもぎこちなくだが会釈を返してきた。食事中、彼らの視線やその話声が妙に小さいことが気になったが、わざわざ雨漏りのする部屋に泊まりに来た妙な客だと思っているのか。実際ほとんどその通りだ。
 三階に上がる前に、フロントに部屋の洗面台やリモコンのことを言おうかとも思ったのだが、また別の部屋に変えろと言われるのも面倒なので、ここを出る際にまとめて伝えることにする。
 自室に戻ると、部屋には布団が敷かれており、そうして天井からの雨漏りが止んでいた。窓の外を見るとまだ雨は降り続いているが。まあ、そういうこともあるだろう。
 浴衣を持って風呂に向かう。
 別館の風呂場は広く、一人きりだということもあって中々に気持ちが良かった。
 景観はいいし静かだし料理は美味いし風呂は広いし宿泊代は安い。風呂に首までつかりながら、ここは当たりだったな、と思う。
 風呂を出て、部屋に戻る。
 途中、ロビーに酒の自販機があったので、普段はそんなことしないのだが、夜のお供に二本だけ買った。たまには一人でゆっくり静かに飲むのもいい。
 外の景色を見ながら飲みたかったので、室内の照明を消す。
 とはいえ、窓の外には黒塗りの景色があるだけだ。光は、隣の部屋から漏れて来ているものと、ダムの明かりと、対岸の道を通る車のヘッドライト。
 放流は止んでいて。先ほどよりも雨の音がはっきり聞こえる。
 窓際の小さなテーブルに腰掛け、外を眺めながら酒を飲む。
 部屋の中に男の霊の姿は無い。いや、明かりを消したので見えていないだけかもしれない。
 ここに出るという男の幽霊も、生きていた頃はこうして夜の景色を眺めていたのだろうか。
 時間をかけちびちびと飲み、一本空けたところで酒はもういいかという気になった。金縛り等にも期待しているので、徹夜はしない。
 寝る前に二本目を開け、窓際のテーブルの上に置く。
 そうして布団にもぐり、眠った。


 起きると朝だった。
 金縛りも無ければ妙な夢を見たわけでも枕が反っていたわけでもなく、窓の外はすっかり晴れていて、すがすがしい目覚めだった。
 リモコンに手を伸ばしテレビをつける。天気予報によると、今日は快晴だそうだ。
 それからレストランで朝食をとった。他の二人の客の姿はない。給仕の人にそれとなく訊いてみると、彼らは仕事の関係で来ているらしくいつも朝早くに出るそうだ。
「……お客さん、昨夜はゆっくり寝られました?」
 若い女性の給仕が、興味を隠し切れないといった風に訊いてきた。
 どういう意味かと訊きかえすと、彼女はわざとらしく声をひそめ、
「あのですね。今だから言いますけど、お客さんが泊まられた部屋ってユーレイが出るって噂の部屋なんですよ」
「ほう」
「以前は他のお二人と同じ会社の方が使っていたんですけど、『男の霊が出る』 ってノイローゼになって、結局仕事辞めて帰っちゃったんです」
「ほう」
「それにですね、あの部屋ってフシギで、普段は大人しいのに、お客さんが来た時だけ雨漏りがしたり電気が点かなくなったりするんですよ。……幽霊が嫌がらせしてるんです」
「……そういうことは早く言ってほしかったな」
「あはは、でも先に言ってたら、お客さん眠れなかったかもしれませんよ」
 なるほど。確かに期待で眠れなかったかも知れない。
 雨漏りも赤錆びた水もテレビかつかなかったのも、全て幽霊の仕業だったのか。本当にそうだと嬉しいが、欲を言えば姿を見せてほしかった。
 しかしながら、従業員がそんなことを客に話しても良いのだろうか。訊くと彼女は、「私、バイトですから」 と言ってぺろりと舌を出した。
 朝食後、十時のチェックアウトまで部屋でぼんやりと過ごして、それから帰ることにした。
 昨日の出来事について、結局フロントには洗面台の蛇口から錆が出てきたことだけを報告しておいた。そもそも普段は使ってないという話だし、そこに無理やり泊まりたいと言ったのは自分だ。
 まあ、幽霊は見れなかったが、いい宿だった。
 そうして天気予報通りの青空の下、カブに跨り、ダム湖沿いの宿泊施設を後にした。


 根城である大学近くのぼろアパートに帰りつき、夕刻。いつもの様に隣部屋のヨシが酒と肉と野菜を持って部屋にやって来た。
「よー、また行ってきたのかおまえ。しかも泊まりがけかよ」
 訳知り顔のヨシが言う。どこに行ってきたのかと訊くので、今回の小旅行の内容を話してやった。
 話し終えると、何故かヨシが渋い顔をしている。
「……いや、雨漏りしてたのかよ」
「従業員の話だと、客が来た時だけな」
「そんで、蛇口から錆びた水が出て」
「普段使ってないからな」
「テレビも点かない」
「朝は点いた」
 眉をひそめて何か考えている。
「いやぁ……、それさぁ、ちょっと言いにくいんだけどさ」
 渋い顔のままヨシが言った。
「それ、宿の怠慢を、幽霊のせいにしてるだけじゃね?」
 こちらもしばらく考えて、なるほど、と思う。そういう考え方もあるか。
「掃除も修理もしてるが、そうなるんだと」
「いやぁ……」
「逆に、幽霊が出るって話を前面に出したら、もっと客が来るかもな」
「いやいや……」
「外国だと実際にあるそうだぞ」
「いやいやいや……」
「そんなに嫌か」
 するとヨシは渋りきった顔で、
「宿だけに、いやど」
 そう言い放ち、一人でげらげら笑った。

[ 2018/07/14 ] ◆UtLfeSKo

[ 161956 ] NO TITLE

>>161954
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/07/14 ] ◆Ahsw8Nok

[ 162015 ] 前兆

よくないことやツイていない目にあう前に
カラスの羽が1本、道路の真ん中に落ちている。

あの日は新聞をとりに玄関を開けたら、足元にカラスの羽が1本。
最近は見かけなかったので気にせず草むらへ捨てました。

夜に、トイレに入ったらポタっと鼻から血が。
水道の蛇口を開けたようにどくどくと流れ出てティッシュでは押さえられず
みるみる血が紙に沁みるので取り換えるにも間に合わず
鼻血が服にも床にも周りにも飛び散りました。

そのうち、もう一方の鼻からも血が出て
止まらなかったら救急車を呼ぼうと
首の後ろを氷水のタオルで冷やしてもらいつつ様子を見て、時間が経っていきました。

1時間半後にやっと治まりました。
頭がふらふらになりました。
2週間ほど経ちますが、今も喉から血が少量出ます。
おおごと ではないと思いそのままにしています。

カラスを不吉とは思いませんが、羽は私にとって不吉の前兆です。
今度から見てしまったら塩を撒いてお清めすることにします。
[ 2018/07/16 ] ◆-

[ 162182 ] NO TITLE

身ばれが怖いので少しフェイクを入れます

当時、親戚のおばちゃんが遺産相続の裁判してました。相手は娘(実子)
娘さんは結婚してて、当時のおばちゃんの口癖は、娘はだんなに騙されてるんだ!でした
でも結婚して10年目の争いなので、親戚連中からしてみるとなるべくしてなったとしか
それでも親戚づきあいは止められないのが田舎の辛いところ
裁判中だった年のお盆、私はかーちゃんに連れられて、おばちゃんちに線香をたてにいきました
おじちゃんは不治の病で早世、かーちゃんはトイレなんかで席を外していて、仏間にはわたしとおばちゃんだけ
夏の暑い日。クーラーなし、開け放たれた窓から、ぬるい風が吹き込んでくる
かーちゃんを待ってぼんやり座布団に座っていると、ジュースを持ってきたおばちゃんがいつもの早口でまくしたてました
「最近、占い師みたいな人に人生相談してるの」
「はぁ?」
「電話で一時間五千円。隣町の人で、困った人の相談に乗ってくれてね。友達に紹介してもらったんだけど」
「へー。おばちゃん色々大変だもんね」
私は適当に相槌を打ちました
なぜならおばちゃんは、私に話しているのに反応はまったく気にしていないんです。ラジオかテレビみたいな感じで、ともかく声というか音を出してるだけ
今思うと、何かに憑りつかれているいる、というのはこういう状態をいうのかなぁ
おばちゃんは勝手に話を進めます
「その人がいい方法を教えてくれたの。紙にね、(**)の名前を書いてね、中に大豆を包む。それを玄関で踏むの」
**というのは、おばちゃんの娘さんのだんなです。つまり、憎い相手を名前を書いて、踏む。大豆は肉の代わり、玄関で、自分の足でぐちゃぐちゃに。
子どもながらに私は、ぞっと肌を泡立てました。その執念が怖かった

果たしてその数年後、相手が怪我や病気になった…かどうかは分かりません。
ただ、おばちゃんは心臓の病気になって救急車で運ばれました。幸いにも一命は取り留めましたが、いまだに後遺症が残っています
私が知っているのは以上です

ここまで読んでもらってありがとうございます
一つ聞きたいんですが、これって正しく人を呪う方法なんでしょうか?。誰か知識がある方に教えてほしいです
あれ以来、おばちゃんはどんどん自分の健康を失っているように見えます
そうして、娘さんたちが不幸になっているのか知る伝手がない
あの呪いの方法、別の意味があるんじゃないかって勝手に思ってるんですが
[ 2018/07/20 ] ◆zt9gKI7k

[ 162512 ]

こんばんは。いつも楽しく恐ろしくブログを読んでいます。
最近、石にまつわる不思議な話を読み、ふと、石と聞いて思い当たるヤツがいたのでその話を投稿させてください。オチはないです。
友達のWの話です。


Wの実家のある地区は東・北・西の三方を山に囲まれています。
そしてその地区には『役』という風習?があります。毎年8月(日付は忘れました)、各家の代表が公会堂に集まりくじを引き、たった一つの当たりを引いた家がその年の役を果たすというものです。(役を果たした家は次の年のくじを免除されるそうです。)
「役目を果たす」ではなく「役を果たす」だそうです。…僕はこの日本語に違和感を覚えました。どうなんでしょう…?

Wが中学一年生の夏。
彼の家に役が回ってきました。くじを引いてきたWのおじいちゃんは動揺した様子でした。「不正はない。しばらくだったからな、驚いている。」といった内容を話していたそうです。
風習だのなんだのに無関心なW少年はそこで初めて役の内容を知りました。そこそこ家のある地区なので、もしかしたら、くじが当たらず内容を知らないまま地元を離れる なんてこともあったのかもしれません。
『役』の内容は、『集落の西の山から東の山へ石を運ぶこと』。Wは腰を痛めているおじいちゃんの代わりにお父さんについて役を果たすことになりました。
8月末、役を果たす日の蒸し暑い夕方。
Wとお父さんは家を出発しました。
長屋(物置だそうです)からネコグルマと軍手、夏は日が長いですが懐中電灯を持って西の山へ。
前日、前々日と夕立が続いていたので、ミミズがたくさん地面の上に出て死んでいるのが不快だったそうです。
西の山のうち、誰の畑があるとも聞かない場所へ進みました。Wは両側から伸びる長い草で腕を切りました。「長袖を羽織れと言ったのに。」とお父さんに軽くなじられながら、その後も他愛ない親子の会話をしながら、山の奥へと続くゆるやかな坂を登ります。
Wがおでこの生え際を蚊に食われた頃、廃神社のような社のあるところに着きました。崩れ落ち苔むした石材が鳥居だったのかもしれませんが、狛犬も賽銭箱も見えないので神社ではないかもしれません。Wがこの場所について尋ねると、言葉を強めて「お前はまだ知らなくていい。」と言い、お父さんは社?の裏手に向かってしまいました。ここに来て急に不機嫌な言い方をされ、Wも機嫌が悪くなりました。
お父さんの後を追うと、そこは崖下で、石垣のようでした。その石垣は一部が崩れていて、人の頭サイズから、それはもうちょっとした岩と言っていいんじゃないかってサイズまで、大量の石がごろごろ転がっています。ただ、どの石も丸く表面がなんとなく滑らかだったそうです。
お父さんがそれをネコグルマに積んでいます。なんとなく無言のままWもそれを手伝います。
「拾う石って何か決まりがあるのかな」「東へ運ぶ石ってこれなんだよね」鈍いW少年の頭にもようやく疑問が増えてきました。お父さんにキツい口調で返事をされるのが恐ろしくて、その場ではなにも聞かなかったそうですが。
ネコグルマいっぱいに石を積み込み、それはバランスをとるのがやっとのほどの重量になりました。
日がほとんど落ちかけていました。
お父さんは「ライトつけて。」と言い、ネコグルマを押し 来た道を戻り始めました。Wは出来るだけネコグルマの横に立ち、石を支えながら前方をライトで照らしました。

集落に戻ってきました。家々の灯りの間を石を積んだネコグルマだけが進んで行きました。石を支える手にいつの間にか這っていた羽虫を払います。
「そういえば、今日は人に合わないな」
東の山に入った頃、Wはそう思いました。
東の山の中にある目的地へは西の山よりもすぐに着きました。それは直径15メートルほどの濁った池でした。ライトで照らすと一部がきれいな翠色だったそうです。
「いいか、ここから石を池に入れるんだ。危ないからあんまり近づくなよ。遠くに投げ入れるようにできるとなお良い。ライトは消せ、虫が集まるから。」
フクロウや狐の声がしていました。時刻は20時を回っていそうです。
Wはライトを消し、お父さんの真似をして池に石を投げ入れます。と言っても、池からは1.5メートルほど離れていて、池の淵ギリギリや浅瀬に投げ込むことしかできませんでした。
…ぼしゃん!…ぼしゃん!…どしゃ!…どす!
Wはだんだん腕が疲れてきて、ついには池に届かず石が地面に落ちてしまいます。拾いに行こうとしましたが、後ろからグッと腕を掴まれ「行くな!!」と怒鳴られました。そのまま振り向かされると、目を見開いたお父さんがいました。暗くて見えにくいはずなのに、お父さんの顔は真っ赤になっているようでした。W自身の心臓のドクドク音は、お父さんから聞こえてくるようでした。
「あとは…お父さんがやるから。あの石はあのままで…いい。」
気の弱いW少年は泣きそうでしたが「お父さんは余裕がないんだ」と、急に冷静になった頭でそう思い始めました。
残りの石を全て投げ入れたお父さんは「ライトつけて、帰ろう。」と言いました。そしてその日はそれ以上何も話しませんでした。家に着いたのは22時前で、思ったよりも時間が経っていたそうです。


「おじいちゃんも父さんも、多分俺にこの役のことを知ってほしくないんだと思う。というか、この風習を廃れさせて無くそうとしている。役を果たした次の日、父さんに『次が来てしまったら教える。これはあまり大きい声で言えないが、お前には来ないようにするからな。ごめんなぁ。』なんて言われたんだ。
俺って孝行息子だしさ。厄介ごとに首は突っ込まないし、突っ込みたくないんだよ。まあ、知らなくていいうちは知らないで置こうと思うんだよ。」
Wのヤツは考えるのをやめたんです。
お前、この年以外の「役を果たす日」はどう過ごしてたんだよ。
お前、わけのわからないモノの手伝いさせられたのに、親に言われたからそれ以上詮索しなかったなんて……素直なやつなんだろう。
お前、思春期とか反抗期とか若気の至りとかはどこ行った。
Wが飲み会のネタとして簡単に話したこの風習とやらに食いついた僕は何度も詳しく話せと問い詰めたのですが、話すたびに彼の夏の日の記憶の細かな部分が鮮明になっていっただけで未だフワフワしてるんです。
なんとなく風習がどんなものか想像できても、僕はもっと、こう、本当のところを知りたいのです。

最近Wに、今度帰省したらあの風習について詳しく聞いて来てくれよと頼みました。彼はうーんと唸ったあと「そういやあのとき、池から離れて石を投げ込んでたのってさ。父さん、ビビってたんだろうな」と言いました。…そうだね、僕もきっとそうだと思うよ。
[ 2018/07/29 ] ◆HwsISSrI

[ 162526 ] NO TITLE

>>162512
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/07/29 ] ◆Ahsw8Nok

[ 162601 ] NO TITLE

昔、寂れた山村に父娘が住んでいた。
父が再婚し、義母と義妹も一緒に暮らすようになった。
義母は義妹ばかり可愛がり、家事の全てを娘に押し付けた。

そんなある冬、家族は貧しさに耐えかねた。
義母は
「このままでは冬は越せない、娘を山に捨てるしかない。」
と父にけしかける。
気弱な父は義母に逆らう事が出来ず、
泣く泣く実の娘を山奥の山小屋に置き去りにした。

山は魔物が出ると言い冬には誰も近寄らない。
娘は毎日泣いて暮らしたが
それでも生きる為、罠を仕掛け野兎を捕まえ
雪を掘り木の根を探した。

ある夜、囲炉裏の側で寒さと怖さで震えながら泣いていると
戸口を叩く音がする。
こんな夜中に人が来ようはずが無い
戸を叩くのは魔物に違い無いと娘は怯えた。
しかし、戸口を叩く音は止まない。

それで娘は恐る恐る、戸口を開けた
外は真っ暗で吹雪が吹いているだけ・・・
と思ったら足元に小さな魔物がいた。
全身褐色で頭には角を生やしている。
娘が「何者!」と聞くと
魔物は「俺は牛の首だ。
腹が減って寒い、中に入れろ。」と言う。

娘は怖さよりも
自分と同じ境遇の魔物が可哀そうに思え
小屋の中に入れてやり、
囲炉裏に当たらせ、木の根の汁を分けてやった。

いつの間にか眠ってしまった娘が
目覚めた時には朝になっていた。
魔物はどこにもおらず、
魔物が座っていた囲炉裏の側には
少しばかりの金銀財宝が積まれていたそうだ。

この後、娘は里に降り
財宝を持参金に良い婿を迎え幸せになったと言う。
また、この話を聞いた義母は
義妹を冬の山小屋に行かせたが
我が儘に育った義妹は魔物への世話が出来ず
魔物は怒って小屋を壊してしまったらしい。

ウクライナの昔話だそうだ。
[ 2018/07/30 ] ◆cRy4jAvc

[ 162632 ]

自分が小学生の頃に見たもの。

自分が住んでいるところは農村地帯。周りは田んぼだらけ。山もあり、「猿が寺の供物を盗っていった」という話しが駆け巡るような地域だと思ってほしい。

小学2、3年生くらいだったと思う。
その日は霧が濃い日で同級生の子と一緒に帰っていた。

ふと目の前の山を見ると、長い黒髪で白い和服、手に赤い和傘を持った女性が頂上に向かって歩いている。
不思議なことに、その山の部分だけが霧が晴れている。

その女性は頂上に着くと傘をさしながら舞を舞い始めた。幼い自分でも目に見えている光景が信じられなかった。隣を歩いている同級生に話しかけた。

「ねぇ、今、変なの見えてる」
「うん」
「赤い傘持って女の人踊っているよね」
「うん」

自分たちが見ているのに気づいているのか分からないが、女性は踊り続け、やがて霧が山を隠して見えなくなった。

細かいところまで見えているから近くで見たのか?
って考えるだろうけど、実際山とは200mくらい離れていた。はっきり言えば、和服の女性は身長5mはあったと思う。
(木の高さくらいだなー、って当時思ったから)

そして、当時、同級生の返答「うん」=「肯定」=「同級生も見えてる 」って思って話してたけど、何が見えてるかって聞いてないから見えていたとは限らないと最近気づいた。本当に見えていたのか訊きたいが、同級生はすでに故人となってしまった。

くねくねとか読んでたら思い出したのと、この田舎を絶対脱出する決意として書き込んでみた。
[ 2018/07/31 ] ◆lJYIPZh2

[ 162871 ] NO TITLE

田舎に住んでるんだけど、最近近所のおっちゃんにこんな話を聞いた。
30年か40年ぐらい前に周辺をドライブ&山歩きしたという60代ぐらいの、観光客のおばさんとしゃべったときの話だという。
そのとき、好奇心で脇道にそれて不思議な集落に迷い込んだんだと。
昭和初期で時間が止まってしまっているような、日本の田舎の原風景そのものな集落だったらしい。
その風景をふと思い出して、ここ数年周辺をドライブしているけど、その不思議な集落は未だに見つかってない。
別世界に迷い込んで、幻の集落でも見たのだろうか?
という話だったという。

「これ絶対K集落か、今では廃集落となったH集落だわ」
おっちゃんは苦笑いして言ってた。
でも夢を壊したくないから何も言わなかったらしいけどね。
ちなみに、K集落は現役なんだが、本当に時代に取り残されたかのような、今でも原風景が色濃く残る集落。主要道路とは、え?これが集落へと続く道路なの…?と思わず二度見するくらいの細いコンクリート舗装の道路で、知らなかったら山の整備用の私道にしか見えないものだから、付近の住民じゃないと入ろうとは思わないだろう。
H集落は、廃集落となったときに、家屋の大半が移築&取り壊されたらしいので、今は半分自然に戻ってる。
[ 2018/08/05 ] ◆-

[ 162898 ] 似た人

 『ドッペルゲンガーを見た』 という男が店にやって来た。
 数ヶ月ほど前の話だ。
 店はマスターママ夫婦が経営している小さなバーで、バイトの自分はその日留守にしているマスターの代わりに入っていた。
 男がやった来たのは午後九時過ぎだった。恰幅が良く歳は四十代半ばくらいだろうか。連れは無く一人。先にどこかの店で一杯やって来たらしい。顔が赤い。自分は見た覚えがなかったが、ママの対応からして馴染客の様だった。
「すごい話があるんだけど、聞いてかない?」
 おしぼりで顔を吹いた後、男はママを捕まえそう言った。ちなみにこの店のママは美人の上にオカルト話に目がなく、彼女の気を引くためにそういった話を持ち込んでくる客が結構な数いる。
「あらタカさん、珍しく一人で来たと思ったら。なに、面白い話?」
「こんな話同僚にはできないからさー。一人で来たんだよ」
 そうして、男は誰かに話したくてしょうがないといった顔で、
「ちょっとこれ見てよ」
 と言いながら、携帯を取り出し画面をママに見せた。
「あら、タカさんが二人居る」
 彼女は演技が得意だが、これは本当に驚いているようだった。
「そうそう、一週間くらい前、町の屋台通りで見つけてさ、思わず写真頼んじゃったんだよ。向こうもびっくりしててさ」
「これ、どっちがタカさん?」
「えーと、あれどっちだっけ……。あ、みぎだ、右」
「本当にそっくり。生き別れの双子かしら」
「俺もそう思ってさ、母親に訊いてみたけど、馬鹿なこと言うなって怒られたよ。写真見せたらひっくり返ってたけど」
「確かに、もし双子だとしても、太り具合まで似るのもおかしいものね」
「まったくだ」
 笑いながら、男は自分の腹をぼんぼんと叩いた。
「名刺も交換したんだけど、何だか妙な気分だったな。自分と名刺交換してるようで。そうそう業種も似ててさ。彼は九州から出張に来てたみたいだけど、……あ、でも、問題はそこじゃないんだよ」
 次いで男は持っていた鞄から何かを取り出した。注文の卵焼きを持っていくついでに覗くと、どうやら地方紙の切り抜き様だ。
「これ数日前の朝刊。ほら、ここ、見てよサキさん」
「事故?」
「そう。で、男性会社員の○○ってあるだろ。で、これがそっくりさんの名刺」
「名前が同じね」
「○○ってなかなか見ない苗字だろ。歳も同じくらいだから、まさかと思ってその会社に電話してみたらさ。ビンゴだったよ」
「亡くなったって書いてるけど?」
「飲酒運転の車に突っ込まれて即死だったってさ。俺と会った翌日だよ。こんなこと信じられる? あの日も意気投合してさ、連絡取り合おうってなったんだけど、その矢先にさ……」
 そうして男は目の前の生ビールをぐいと飲むと、
「ほらサキさん、何だっけ。あれだよ、自分とそっくりさんで、見たら死ぬってやつ」
「ドッペルゲンガー?」
「そうそうそれ! きっと彼は俺のドッペルゲンガーだったんだよ」
「……え?」 
 ママが小さな疑問を漏らしたが、男には聞こえなかったようだ。
「俺が見つけたから死んだのかなー。そうだとしたら後味悪いよな。……いやごめんよママ。こんな話他じゃできなくてさ」
 それから男の話題は別に移り、一時間ほど飲んで食べてママと話をして帰って行った。


「というわけだけど、さっきのタカさんの話、どう思う?」
 

 使った皿を洗っていると、ママが隣にやって来て面白そうにそう言った。
「写真を見てないので、何とも」
「本当に瓜二つだったの。びっくりするくらい」
 彼女が言うなら、そうなのだろう。
「ドッペルゲンガーについては、間違えてましたね」
「ね。あの場合は、タカさん自身がドッペルゲンガーになっちゃうものね」
「それに、ドッペルゲンガーというのは、もっと霊的なものだと思ってましたけど」
「名刺交換できちゃったしね」
 自分も不思議な話は好きだが、この場合はただの偶然と見るべきだろう。
「……あのね田場ちゃん。私思ったんだけど」
「ほう」
「この世の中には、自分と似た人間が三人居るっていうじゃない」
 ママが嬉しそうに言った。特に他人の不幸が好きなわけではないのだが、そこにオカルト的なものが絡むと、どうしても穂が緩んでしまうらしい。
「言いますね」
「あれって、誰かが誰かのドッペルゲンガーだったりしたら、面白くない?」
「というと?」
「ほら、ジャンケンみたいに三すくみ状態というか。今回はたまたまタカさんがチョキで、向こうの人がパーだったのよ」
「じゃあ、あと一人グーが居るわけですか」
「見つけても、今度は近寄らないように言っておかなきゃね」
 まあ、それが本当だとしたら、見つけた時点でアウトではあるが。
 その日は他に客も来ず、ドッペルゲンガー談義で一日が終わった。
 ちなみに次の日、アパート隣人のヨシに会ったのでその話をしてやると、「俺も自分のドッペルゲンガー見たことあるぞ」 と返ってきた。
 何でも雑誌やテレビドラマの中でよく見かけ、最近は朝ドラにも出ているらしい。至極どうでもいい。
 

 それから幾月か経った。
 こちらとしては男のことなどすっかり忘れていたのだが。ある日、バイトに呼ばれて行った時のことだ。
「ねえ田場ちゃん、半年くらい前に店に来た、タカさんって覚えてる?」
 開店準備をしていると、ママが傍にやって来て、二人しかいないにもかかわらず声を潜めてそう言った。
 微かに聞き覚えのある名前だったが、なかなか出てこない。
「ほらあのドッペルゲンガーに会ったっていう」
「ああ、はい」
「最近店に来ないなー、って思ってたら。一昨日ひょっこりやって来たのよ。で、また遭ったんだって」
「また遭った?」
「そっくりさん」
「ほう」
「前のそっくりさんが亡くなった事故現場に居たそうなの。偶然車で通りがかった時に見つけて、『幽霊だ!』 って」
「その人は?」
「双子の兄弟だったって」
「双子」
「生き別れの」
「生き別れ」
 少し頭がこんがらがる。
「事故で死んだ男の、双子の兄弟ですか」
「そう。その人、自分に兄弟が居るって今まで知らなかったそうよ。片割れが事故で亡くなってから、初めて聞かされたんだって。たぶん亡くなった人も知らなかったのね。じゃなかったら、タカさんと遭った時に話してるよね」
 お互いが知らなかったというわけか。
 しかし、その人は自分の戸籍謄本を見たことがなかったのだろうか。疑問に思うが、もし結婚もしておらずパスポートを作ったことも無ければ、そういうモノなのかもしれない。実際自分も見たことがない。
「で、兄弟の足跡をたどって最終的に事故現場までやって来たけど。そこでタカさんと出会ったものだから、吃驚したんでしょうね、その場で倒れちゃって」
 まあ、それは驚くだろう。
「それでタカさんが救急車呼んで、病院まで一緒に行って、その人は意識を取り戻したそうなんだけど。元々身体も強くなくて精神的にも弱ってたみたい」
「……ほう」
「死んじゃったんだって」
 どう反応すればいいのだろう。
 それは憔悴してということだろうか。それとも。
 タカさんもママも詳しいことは聞いていないらしく、想像するしかないが、どちらにしてもいっぺんに色々な出来事がありすぎたということか。
「……その人たちは、双子だったんですか」
「そうね」
「実は三つ子ってことは」
「それは無いって、タカさんは言ってたけどね」
 ということは一人だけ遺伝的には蚊帳の外というわけか。
 彼としては、複雑な心境だろう。いや、複雑な心境どころの話だろうか。
 血も何もつながっていない赤の他人が自分と瓜二つな容姿をしていて、しかもそいつには双子の兄弟が居て、二人とも自分と出会うと同時に亡くなっているのだ。
「タカさん言ってた」
 ママがこちらの耳元で、こそりと囁いた。
「『やっぱりドッペルゲンガーは、見ると死んじゃうんだなー』 って」
 そうして彼女は一歩後ろに下がると、その顔に自身曰く『不謹慎な笑み』 を浮かべ、声もなく笑った。


[ 2018/08/06 ] ◆UtLfeSKo

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[ 2018/08/06 ]

[ 163101 ] 多数決

 以前、『八つ坂トンネル』 という心霊スポットで『自称、見える人』 に出会った。
 それから数週間後の話。

 
 飲み会開始は午後六時。
 七月、休日。その日は午前中から後輩の銀橋と共にばたばたと準備を進めた。
 部屋の掃除をして材料の買い出しに料理の下ごしらえ。銀橋には人数分の座布団に机をもう一台と、部屋にクーラーが無いので冷風機を調達させた。
 参加人数は六名。
 自分と銀橋、同アパート隣部屋のヨシ、以前八つ坂トンネルで出会った八坂真理とその友人の飯野由美、あとは銀橋の彼女も参加するらしい。
 発起人は銀橋だ。無難にどこかの店でも予約すればいいものを、この後輩は何故か先輩が住んでいる大学近くのぼろアパートの一室を飲み会場に指定し、そのおかげで現在こうやって朝から右往左往する羽目になっている。
「先輩先輩、ひょっとして食器が足りなくないすか」
「前にもらった引き出物の食器があるから大丈夫だ」
「先輩先輩、やっぱ焼酎とかも買ってきた方が良いですかね」
「飲みたいなら買ってこい」
「先輩先輩、冷風機がつきません」
「差込口変えてみろ」
「あっ、ついた。あー、あー、わ~れ~わ~れ~は~……、あれ、これ扇風機みたいに出来ないんすね」
「……楽しそうだな」
「すんません。楽しいす」
「そうか」
「先輩先輩、何かめっちゃいい匂いしますね、それ、何作ってるんです?」
 そんなこんなで午後五時頃、何とか一通り準備を終えあとは来客を待つばかりとなった。
 最初にやって来たのは八坂と飯野だった。手ぶらでいいと言ったのだが、彼女たちはそれぞれ菓子や飲み物を持参してくれたようだ。
「あ、私今日は飲みませんから」
 にこにこしながら飯野が言った。飲めないのではなく、飲まないのか。言い方が少し気になったが、飲む飲まないは個人の自由だ。
 八坂はというと、居間に立ち室内をじっと見つめている。
 彼女は自称、見える人だ。
 まさか部屋の中に何か居るのだろうか。小さな頃から単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしてきた身としては、何をお持ち帰りしていてもおかしくは無い。
「あの……、田場さんは、ミニマリストなんですか?」
 八坂が言った。ミニマリスト、必要以上に物を持たない生き方のことだったか。
「いや、違う」
「あの、でも、家具が……」
 おそらく、テーブル二台とテレビと冷風機しかない居間を見てそう思ったのだろう。しかもその内テーブル一台と冷風機は後輩が持って来たものだ。
 残念ながら幽霊が居たわけではないらしい。
「あー分かる。先輩んちって、何か生き物が生息してない感じすよね」
 銀橋が乗っかる。
「僕も最初来た時、独房かと思いましたもん」
「独房」
「服役でもしてるのかなって」
「服役」
 犯罪者か。
 そう返そうとしたが、よくよく考えてみれば廃墟への不法侵入程度は幾度となくやらかしている。
 犯罪者だった。
「先輩の部屋って、生活用具とかは全部押し入れの中なんすよ」
 言いながら、銀橋が勝手に押入れを開けて中を公開してみせる。
「へー、田場さんって、やっぱり変わってますよねー」
 依然笑顔を崩さず飯野が言った。話題の発端である八坂はおろおろしている。
 これ以上二人に呆れられる前に、そっと押し入れを閉めた。
 次にやって来たのはアパート隣人のヨシだった。隣に住んでいるのだから準備も手伝ってくれればいいのに、奴にそんな気は微塵もないようだ。
「おい、何かいつもよりいい匂いがすんぞ」
 入って来るなり奴が言った。
「ヨっさんヨっさん、自己紹介自己紹介」
「あ、どうも。ヨっさんです。おっさんじゃなくてヨっさんです」
 その的確で意味不明な自己紹介に、二人が若干引いている。その後、とりあえず銀橋が間に入って初対面組の紹介をした。
 最後の一人、神崎は彼氏曰く、時間には絶対遅れないがいつもギリギリに来るそうだ。彼女は大学内でも結構有名な人物で、自分も銀橋から紹介され何度か会ったことがある。
 そうして午後六時直前。
「やってる?」
 一人の女性が、まるで居酒屋の暖簾をくぐるかのように入って来た。
 長身長髪で若白髪を染めていないため遠目からは灰色じみている。彼氏曰く、『他人との視戦(※造語)に負けた気になるから染めない』 のだそうだ。
「なんだ、今日は野郎だけの飲み会じゃないのか」
「神崎さんこっちこっち」
「こっちも何もそっちしかないでしょ」
 ちなみにこのカップルはお互いを名字で呼ぶ。歳は三つ離れていて、身長もギリギリ彼女の方が高い。傍から見ると恋人には見えず、仲の良い姉弟のようだ。ケンカはよくするらしいが。
「神崎羽花、院生、初めまして」
 誰にでもなく言いながら、彼女が空いた席に座る。男性陣は初対面ではないが、八坂と飯野は彼女の雰囲気に呑まれてしまっているようだ。
「はい。みんな揃ったんでとりあえず乾杯しましょう」
 幹事の銀橋が立ち上がって言った。
 客がそれぞれ飲みたいものを選んでいる間に、人数分の煮込みハンバーグを火にかけ、サラダやパスタ、野菜中心の小鉢など他の料理をテーブルに並べる。 
 料理を前に八坂が目を瞬かせながら、
「……これ全部田場さんが作ったんですか?」
「うん」
「すごい」
「真理、あんたそれ、食べてから言ってあげた方がいいよ」
「心配しなくても先輩の料理めっちゃ美味いから大丈夫すよ。ねぇ神崎さん」
「食ったことないから知らない」
「あれ、ここに来たことありませんでしたっけ?」
「酔っぱらいを受け取りに来たことならある」
「ありゃ。はいじゃあここでヨっさんから先輩の料理について一言」
「おいお前今日えらい豪華じゃねーかよ、いつもは手抜きしてんのかよ」
 えらくうるさい。
「銀橋、乾杯」
「あ、はい。えーそれではみなさんグラスを持ちまして……、本日はお忙しいところとかそういう堅苦しいのは抜きにして、楽しみましょう。乾杯」


 というわけで、飲み会は始まった。


「で、今日はどういう集まり?」
 乾杯して銘々料理をつついたり酒を飲んだり大学の不満を漏らしたりした後、神崎が誰にでもなく訊いた。ちなみに有難いことに料理はおおむね好評だった。
「親睦会す」
「ああ、合コン」
「違います」
 神崎の言葉を飯野が否定する。
「ただの親睦会です」
「ふーん」
「……それに私は真理の付添いで、おまけですから」
「そーか。じゃあ主役は八坂なんだ」
 神崎は本当に今日の集まりが何であるか知らないまま来たらしい。銀橋を見やると、「話すには、真理ちゃんの許可が居ると思って」 と返って来た。
「それに僕が話すと色々盛っちゃうんで」
「なんだ、聞かないほうがいい話?」
「あ、あの……」
 それまで黙っていた八坂が、おずおずと声を上げる。
「元々は私が……、その、田場さんに迷惑をかけてしまったことがきっかけで」
「ふーん、そうなのか」
「■■に八つ坂トンネルというトンネルがあるんですけど、そこで、あの、私が倒れていたところを、」
「ちょっと真理」
 飯野が遮る。
「あんた全部言うつもり?」
「あ、うん。その、今日は親睦会だから……」
 どうも八坂は隠し事の出来ない性格らしい。飯野が呆れたように天を仰いだ。
「それに、田場さんと銀橋さんはもう知ってるし……」
「あーもーはいはい。もう好きにして」
「ご、ごめんね」
 そうして八坂は、『八つ坂トンネル』 から始まる一連の出来事を語り始めた。
 自称見える人である彼女はトンネルの入り口で幽霊に遭遇し、怖さのあまり失神してしまう。そこに偶然自分がやって来て、携帯を無くした彼女を電波の通じるトンネルの向こう側まで誘導。途中色々あったが何とか無事帰ることができた。そこまでが八つ坂トンネルの話で、後日再び会うことになった際、何故か同席していた飯野と銀橋が勝手に飲み会をセッティングした結果、今日に至る。
 要約すれば、そんなところか。
 所々どもりながらも、彼女は最後まで話しきった。
 自分は当事者なので彼女の話した出来事が嘘じゃないと知っているのだが、改めて他人の口から聞くと、なるほど話全体の胡散臭さが天井を突き破っている。
 銀橋は楽しげに。飯野は冷ややかに。神崎は軽く眉をひそめながら。ヨシは八つ坂トンネルを抜ける際ずっと目だし帽を脱ぎ忘れていたくだりでげらげら笑いつつ。
「何というか、アレだな」
 最初に感想を口にしたのは、神崎だった。
「どこからどう突っ込めばいいのか分からない話だな」
「ほんとですよね」
 飯野が同意する。
「何度聞いても信じられない」
「ありゃ、由美ちゃんは幽霊否定派すか?」
「そこが信じられないわけじゃなくて……。いえ、居るとも思って無いんだけど。あーもー、どうでもいいでしょ」
「神崎さんは否定派すよね」
「私も基本的にはどうでもいい」
「ありゃ、でも前にそんなモノ居るわけないって」
「妄想、幻覚、記憶の改竄、枯れ尾花。それらの総称が幽霊だから。幽霊という個体は存在しないけど幽霊という現象はある、って立場」
「それって否定派じゃないんすか」
「本当に何かが見えて騒いでる人も居るだろうし。その人間にとって幽霊は実際に居るんだよ。そこは否定しない。ただ私の世界にはそんなもんは存在しない。存在しないもんはどうでもいい。それだけの話」
「そうそれ! 私も同じです」
 飯野がまた同意する。
「真理だって、少しのことで怖がり過ぎるから、居もしないモノが見えちゃうんですよ」
「そうなのか?」
「だって……、もうぶっちゃけますけど、この子『知らないと見えない』 んですよ」
 飯野がぶっちゃけた。
「今まで何でもなかった場所だって、噂を聞いた途端に見えるとか言い出すし……。だから余計に嘘つきだって言われて、もう」
「ゆ、由美……」
「何? 今日は親睦会なんでしょ。もう全部知ってもらいなよ」
 そろそろ煮込みハンバーグが出来た頃なので一人立ち上がり台所に向かう。
「あんたは想像力がありすぎるの。人からそこに居るって言われると見えるようになるんだから、人からそんなモノ居ないって言われたら見えなくなるんじゃない?」
 銀橋がマイク代わりの箸を八坂に向けている。
「だそうですが、真理ちゃん自身はどうお思いで?」
「わ、わたしは……」
「銀橋、そこの皿よせてくれ」
 台所から付け合せの野菜と一緒に人数分のハンバーグを出して来てテーブルに並べる。
 六人分の皿から湯気が立つ。一瞬居間が静かになり、皆黙ってハンバーグに手を付けた。
「やばい。めっちゃ美味いす」
「わ……、美味しい」
「……まー、うん」
「田場、これ、ソースには何使ってる?」
「玉ねぎトマト缶コンソメとかを、テキトーに」
「……ふーん」
「はいここでヨっさんから感想を一言」
「おい今日の普段出てくる飯の三倍うめえぞ、詐欺じゃねえかお前」
 ヨシがうるさい。
 有難いことに、このハンバーグも概ね好評だった。
 それからしばらく話題は移ろい。八坂や神崎に今日の料理のレシピを教えたり、銀橋とヨシが所属するサークルの話になったり、最近話題の映画の話になったり。基本的に色々よく知っているのは銀橋と飯野で、自分と八坂は聞き役、ヨシと神崎は好き勝手に飲み食いしつつたまに口を挟んでいた。
 そうして時間も酒も大分進んできた頃。
「……でも、僕は居ると思うんすけどねぇ。幽霊」
 銀橋が逸れていた話題を元に戻した。
「銀橋君って、よく空気が読めないって言われるでしょ」
 唯一素面の飯野が呆れたようにつぶやく。
「きっと空気にも日本語と外国語があるんすよ」
「ここは日本だけど」
「じゃあ先輩んちが特別なんすね。なんせほら生き物が住めない感じですから」
 飯野がため息を吐いた。
「……そういうのが居るって、根拠でもあるの?」
「前に一人で心霊スポット行った時、めっちゃ怖かったんで」
「それ根拠じゃないから」
「じゃあ、無いす」
「無いんだ」
「無いす」
 そうして銀橋はヨシの方を見やると、
「ヨっさんも『いる派』 でしたよね」
「おいこの浅漬け絶対いつもより手間かかってるだろ」
「ヨっさんヨっさん」
「んー? ああユーレイ? そら居るだろ」
 そうしておもむろに、ヨシが天井の隅の方を指差した。
「今日はあの辺に固まってる。人が多いから遠慮してんのかね」
 思わぬ言葉に、皆の視線が一斉に奴の指差した方に向いた。
「俺は別に見えなくて、匂いを感じるくらいなんだけど。こいつが春夏秋冬に朝昼晩も関係なく妙なとこ行って連れて帰るもんだから、この部屋いっつも満杯でさ。だからたまに酒と供え物もって掃除しに来てんだよ」
 衝撃的な発言だ。
 皆ぽかんとしていたが、銀橋がはっとしたようにマイク代わりの箸を再び八坂に向けた。
「だそうですが、真理ちゃん何か見えます?」
「え……、あ、いや、あの」
 八坂は天井の隅と銀橋とヨシを代わる代わる見やり、狼狽えている。
「す、すみません、……見えません」
 ヨシが大げさに目を見開く。
「えー、見えない?」
「……はい」
「こんだけ居るのに、何も?」
「ご、ごめんなさい」
 飯野と神崎が何か言いかけたようだが、ヨシが笑い出す方が早かった。
「そりゃそうだ。嘘だから」
 再びぽかんとする周りをよそに、奴はげらげらと笑いながら、何故かこちらの肩をばしばしと叩く。
「良かったな。ここには連れて帰ってないだとよ」
「叩くな」
 どうやら全部奴の演技だったようだ。
 自分と銀橋はヨシの性格を分かっているからいいのだが、飯野はきつい目で、神崎は少し眉をひそめながら、八坂は困惑したようにヨシを見やっている。
「あ、でも俺がユーレイ肯定派ってのは本当だから。そこは本当」
 流石に雰囲気を察したのか、取り繕うようにヨシが言った。
「ヨっさんヨっさん、根拠根拠」
「お前がそれ言うのかよ」
「根拠が要るそうす」
「いや、俺も根拠は無いなー。根拠は無いけど、居るんだろーなって感じで」
「あ、あの……、それはどうしてですか」
 八坂が訊いた。
「あ、根拠じゃなくて理由?」
「は、はい」
「そーだなぁ。例えばさ、ある日突然目の前にUFOが現れて、中から出てきた宇宙人に、『我々はユーレイを信じてます』 って言われたら、それまで信じてなくても信じるようになるだろ」
 いきなり話が宇宙に飛躍した。
「宇宙人じゃないけど、似たような体験したことあってさ、それから信じるようになった」
 しばらくの沈黙。
「……ヨっさん、宇宙人に遭ったことあるんすか」
「だから宇宙人じゃねーって。例えだから例え」
「同じようなって、じゃあ未来人とかすか」
「違う違う」
「じゃあ妖怪」
「妖怪みたいな婆さんになら遭ったことあるけどなー」
 そう言って、奴は再びげらげらと笑った。
「……田場さんの周りって、何というか、面白い人が多いですよね」
 飯野がこちらを見やり、にこにこ笑いながら冷たい声でそう言った。奴のことだとしたら、今日はかなり大人しい方だと伝えたら、彼女はどんな顔をするだろう。
「まあヨっさんは置いといて……、とりあえず現在、幽霊は居る派が三人で、居ない派が二人ですか」
「三人って……、居るって言ってるのはあなたたち二人だけでしょ」
 銀橋の言葉に飯野が食いつく。
「真理ちゃんもいるじゃないすか」
「この子は何も言ってない」
「見えるのにですか?」
「関係ないから」
 銀橋が八坂にマイクを向ける。
「だそうですが、実際のところは?」
「あ、わ、わたしは……」
 そうして彼女は俯き小さな声で、
「……分かりません」
 と言った。
「その、み、見えるんですけど、神崎さんや由美の言う通り、幻覚とか、見間違いとか……、私の、思い込みかもしれないですし……」
 彼女は自分の見たものが信じ切れていないのか。しかしそれでも、
「それでも答えは『分からない』 なんだな」
 神崎の言葉に、八坂がさらに小さくなる。
「責めてないから。いい答えだよ。人に見えないものが見えるからって、全てを知った気になって偉ぶってるヤツより随分マシ」
「神崎さん、過去に何か嫌なことでもあったんすか?」
「別に無いよ」
「あ、そうすか。まあとりあえず真理ちゃんは白紙票ということで。というわけで二対二ですよ、先輩」
 箸のマイクがこちらに向けられる。
「先輩の一票で、幽霊が居るか居ないかが決まります」
「何でそうなるんだ」
「僕の中でそうなるだけなんで大丈夫す。世の中には何の影響もありません」
 その多数決に果たして意味はあるのだろうか。
 そんなことを思うが、意外にも居間がしんと静まる。
 銀橋が期待に満ちた目で。神崎はあまり興味なさそうに。飯野が不満げ、八坂が不安げな表情をしている横で何故かヨシが笑いをこらえつつ。
 仕方がない。
 しばらく考え、言葉を探す。
 小さな頃から単騎の心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしてきた身としては、居るに決まってるという立場でありたいが、残念ながら自分はまだそういうモノを見たことがない。今まで大小含めて何百という場所や噂を巡ったはずだが、幽霊を見るどころか気配を感じたこともないのだ。
 しかし、ではその結果幽霊は居ないと結論付けるのかと言われれば、そうではない。時と場所と運とが噛み合えば、自分にも見れるのではないかと思っている。
 幽霊を見に行くことは、映画館や動物園、美術館に行くのとはわけが違う。
 絶対に居るから、見に行くわけではない。
 かといって存在しないと信じるモノを、見に行くわけでもない。
 きっと見えないかもしれないモノを、見に行くのだ。
 だから……、何だろう。
 ぐるぐる考えていたら、訳が分からなくなった。
「分からない」
 そのまま口に出す。
 肯定派か否定派かと言われたら肯定派だが、居るか居ないかと言われたら、そんなことが分かるはずもない。
 そもそも、それを確かめに行くのだから。
「ありゃ、先輩も白紙票すか」
「ああ」
「同数の場合はどうなるんでしたっけ、無効すか?」
「自分のことなら、自分で決めろ」
「そうすね。さすが先輩」
 銀橋は何故かやけに嬉しげだ。その横で飯野が何故か若干不満げな顔をしており、ヨシは何故かげらげら笑い、神崎は何故か目を閉じていて八坂は何故か顔を伏せている。
 まあ、飯野以外は皆酔っぱらいだ。仕方がない。
 その後もうしばらくして、時間もそろそろ遅くなってきたので解散することになった。
 先に銀橋が、飲んでいる最中は変わらないが限界を超えた途端に寝てしまうらしい神崎を連れて我が家を後にした。
 次いで八坂と飯野を玄関先で見送る。
 二人は全く酔っていなかった。飯野は飲んでないのだから当たり前なのだが、八坂は普通に何本か空けた上に秘蔵の梅酒も美味しい美味しいと言いながら飲んでいたのだが、まったく酔っているそぶりはない。
「この子、酒豪ですから」
 飯野が言う。
 その瞬間、部屋の奥で一人残って寝ころんでいた酔っぱらいが「しゅごーい!」と奇声をあげた。が、無視された。八坂も飯野も今日一日でヨシの取り扱い方が分かったようだ。
「あの、今日はありがとうございました。料理、すごく美味しかったです」
「良かった。用意した甲斐があった」
 八坂がまだ何か言いたそうにしている。
 隣で飯野が空を仰いだ。
「あーもーはいはい。真理、私そこの自販機で飲み物買ってるから、……早くしてね」
 そうして彼女はこちらににこりと笑顔を向け、「ドア、閉めたほうが良いですよ」 と言って、アパート脇の自動販売機に向かって歩き去っていった。
 助言通り、後ろ手に玄関のドアを閉める。部屋の奥からまた何か聞こえた気がしたが、気のせいだろう。
 そうして二人残される。
 夜空には、ちらりちらりと星が浮かんでいた。
「あ、あの……、今日は楽しかったです」
 八坂が言う。
「良かった」
「……はい」
「でも、少し騒々しすぎだな」
「あ、えっと……、そうですね、ちょっと」
 次があるなら、もう少し静かで気を使わず飲みたいものだ。
「今度は二人でどこかに行こうか」
 言った。
「……え」
 正直、酔いに任せた部分もあった。
 八坂がじっとこちらを見やる。自分では冷静を保っているつもりだが、頬の辺りに熱を感じる。酒のせいか、もしくは顔から火が出ているのかもしれない。
「あ、あの……」
 怯えた声で、彼女が言った。
「……ゆ、幽霊が出る場所、ですか?」
「いや違うから」
 沈黙。
 その内、彼女がほっとしたように笑った。
「良かった……」
 途端に、青くなっていた顔が赤くなる。
「あ、あ、あの、……はい。ぜひ」
 煙が出そうだ。
 日程等はまた後日連絡するとして。彼女はぺこりと頭を下げると、自動販売機で待つ友人の元へとまるで逃げるように去っていった。
 長い息を吐く。
 朝から準備を始め料理を数品用意し部屋と酒を提供し妙な多数決を経て、えらく疲れたが、なんとか最後に一つ約束を取り付けることができた。
 まあ、最終的には良かったと言っていいだろう。


 玄関を開けて居間に戻ると、寝転がっていたヨシがむくりと起き上がった。
 そのままのそのそとテーブルの上をかき回すと、開いてない缶ビールを二本見つけ出し、その内の一本をこちらにずいと差し出してくる。
「やったな」
 訳知り顔で、奴が言う。
「何を?」
「よっしゃ、おらー、飲み直すぞー」
「……なんでだよ」
「お前今日全然飲んでないだろ」
「そうか? いつもこんなもんだろ」
「いーや、飲んでないね。多数決取ったら百対一で飲んでないね」
「あとの九十九人はどこに居るんだよ」
「あれだけ妙な場所に行ってりゃあ、百匹くらいは余裕で連れて帰ってるだろゼッタイ」
「この部屋に居るってのは、嘘じゃなかったのか?」
「あー、ウソだけど。ウソじゃなかった」
「何だそりゃ」
「きっと今日は皆気を使って留守にしてんだよ。そのうち戻ってくるだろー」
「何だそりゃ」
「ウソだよウソ。何でもいいだろー。ほれ、飲め飲め」
「分かった分かった」
 賛成であれ反対であれ、結局こうなるのか。
 そうしてヨシから酒を受け取り、しばらく常温で放置されたぬるくてはっきり不味いビールを掲げ、本日二度目の乾杯をした。
 



[ 2018/08/11 ] ◆UtLfeSKo

[ 163115 ] 牛の首

最近、アメリカの一青年が、奇怪なメールを受け取りました。
そのメールの件名は「牛の首」であり、本文は「197,687」と縦一列に書かれており、その下に古い民謡風の文章が「不自然に改行されて」、長々と引用されていました。
そして青年は気付いたのです。数字から通して縦一列に読むと……「人の名に依りて197,687人を葬る」となったのです。
青年は気味が悪くなって、このメールを削除しました。
その数分後、青年の友人から妙なメールが届きました。
「今送ってきたメールは何なんだ?」と。
もちろん送ってなどいません。
青年はすぐに友人の家へ行き、そのメールを見せてもらいました。
それはまさしく「牛の首」でした。
ただし、数字は一つ増えて、「197,688」でしたが……。

青年はそのメールを調べようとしましたが、削除してしまったために、送信者がわかりません。それに、なぜ知らないうちに「ひとりだけに」メールが送信されたのか。青年は調べようと思い、自分のホームページで情報を募集しました。
二日後、ホームページに接続できなくなり、同じ日に二通のメールを受け取ります。
一つは「規約違反」を理由にホームページを閉鎖した旨を伝えるプロバイダーから、もう一つは発信元は「ウクライナ」という全く関係のない所で、大きな文字で「警告!」と書かれていました。

実は、この間に青年は情報を得ていたのです。
それによると、「牛の首」は冷戦時代のソ連で発動し、「闇の大量破壊兵器」としてほとんど極秘のうちに計画は進み、今ではほとんど忘れ去られているそうなのです。

いくつかの情報のうち、最も詳しいのは上だけでした。あとは、
メールが止められた瞬間、メールに関わった全員が死ぬと。
青年は恐怖を感じました。コンピューターの技術が進歩するにつれて、メールの受け渡しは早くなるのではないか。
(今でも数分です)そして、インターネットに接続している全てのコンピューターを回りきり、行き先がなくなった=止められた瞬間、自分も死ぬのではないか。と……。
[ 2018/08/11 ] ◆vAdj5pzc

[ 163117 ] NO TITLE

>>163101
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/08/12 ] ◆Ahsw8Nok

[ 163255 ] 高架下の幽霊

 『男女の幽霊が出る』 という噂のガード下がある。
 以前は高架橋もなくただの踏切だったのだが、十数年前に駅が改築され二階建てになるのに合わせて、周囲の線路も上空へ持ち上げられたのだ。
 男女の幽霊はそこが踏切だった頃から居たという。失恋により踏切に飛び込んで自殺した女性と、彼女の後を追って同じように死んだ男性の霊。恋人同士だったのを無理やり別れさせられたのだとか、男の方が密かに女に恋していたのだとか、二人の関係は話によってばらけるのだが。
 噂によれば幽霊は男女ともに誰かを探しているらしい。


 というわけで、見に行くことにした。


 大学の講義が終わって夕刻。今回は近場なので大学から直接現場に向かった。
 愛車のカブに跨り電車道路沿いを町の中心街へ。帰宅ラッシュの時間帯にはまだ早いが、道路はまずますの混み具合だ。
 小さな頃から単騎での心霊スポット巡りを趣味かライフワークとしている身としては、現在住んでいる市内については大体巡りきったつもりでいたのだが、今回の場所はノーマークだった。
 教えてくれたのはバイト先のバーのママで、彼女曰く地元ではそこそこ有名な話らしい。
 やはり知らない場所、知らない話というのは探せば出てくるものだ。そうして、知ることで見知った場所でも見方が変わってくる。
 中心街をしばらく走ると、それまで道路と同じ高さを走っていた線路が緩やかに上り始めた。とはいえ駅の二階に繋ぐためのものなので、高さ自体はそれほどでも無い。線路も二本で、都会の高架橋に比べれば可愛いものだ。
 駅に到着し、駐輪場にカブを停める。ここからは徒歩で西の方へ。
 数分歩き、目的の場所に辿り着いた。
 駅から幾分近く、住宅街の中を走る高架橋とその下を交錯する二車線の道路、以前踏切があったという場所がそうだ。現在は高架橋が出来たので踏切は不要となり、道路を挟む形で白いコンクリートの支柱が地上に架けられた橋を支えている。
 とりあえず、高架下を歩いてくぐってみる。
 黄昏時。橋が西日を遮りガード下はぼんやりと暗い。車通りはほどほど。支柱の傍にはベンチが二つ据えてあり、杖を持った老人が一人座っている。前方から、学校帰りか、楽しげにおしゃべりをしながら歩く子供達とすれ違った。
 幽霊の姿は無い。
 高架橋を抜けた先にバス停があったので、そこで立ち止まり、バスを待っている風を装ってガード下を眺める。ちなみにバスは最終が約三十分後に来るようだ。
 歩道脇のフェンスにもたれ掛ると、同時にベンチに座っていた老人が杖を頼りに立ち上がり、自分とは反対方向へ去って行った。
 そしてガード下には誰も居なくなった。
 ぼんやりと考える。
 男女の霊は、誰かを探しているとのことだ。暗がりから女の声で、『……○○さんですか?』 と知らない男の名で呼ばれた、という話もある。
 二人は、お互いの姿を探しているのだろうか。しかし同じ場所に居るのに見えないのか。いやそもそも幽霊というモノは目が見えるのか。何か感知できるのか。
 ふわふわと浮かぶそれら答えのない疑問が、電車の通り過ぎる音でかき消される。
 山の向こうに陽が沈み、光の当たらないガード下が一足先に夜になる。
 街中の心霊スポットというのは得てして雰囲気の無いことが多いが、ここは中々良い感じだった。
 これで噂の幽霊が出て来てくれれば完璧なのだが。
 しばらく眺めていたが、何も現れない。
 もっとガード下をうろついてみたいが、周りが住宅街であるせいであまりうかつな行動もできない。時間も遅くなってきているし、今のご時世、不審者と間違われても何もおかしくは無い。偶然だが、ここにバス停があって良かったと思う。
 陽が完全に山の向こうに落ちる。
 街中だというのに辺りは随分暗い。街灯と、住宅街から漏れる家庭の明かり。たまに通る車のヘッドライト。聞こえるのは人の声ではなく虫の声。やけに静かだ。
 山手からまた電車がやって来た。車体とレールと高架橋のきしむ音。
 男も女も、あれに轢かれたのか。
 そう思った時だった。
 ――――さん?
 後ろから誰かに呼ばれた。
 電車の走行音のせいで、名前の部分は聞こえなかった。女性の声。確かに、自分のすぐ背後で誰かが誰かを呼んだ。
 脳がその正体をイメージする前に、反射的に振り返る。
 女が一人、立っていた。
 薄赤く染まったワンピースに、血に濡れたように紅い口、赤い靴。黒々とした眼。
 知り合いだった。
「妙な所で会いますね」
 彼女が言った。
 飯野由美。自分と同じ大学に通っており、以前彼女の友人を通じて知り合った。
 しかしながら、こんなに派手な格好をする子だっただろうか。
「ああ、同級生の結婚式だったんですよ、今日」
 こちらの視線の意味に気付いたのか、若干だるそうに彼女が言った。
「ああいうのは退屈で窮屈で疲れます」
「……ほう」
 まあ、分からなくもないが。
 彼女は一人の様だった。いつも別の知り合いと一緒に居るところしか見たことがないので、珍しく思う。
「八坂は一緒じゃなかったのか」
「……今日は来てません」
「そうか」
 八坂真理。彼女は飯野の幼馴染で、『自称、見える人』 でもある。自分が飯野と知り合うことになったのも、元々はとある心霊スポットで八坂と出会ったことがきっかけだった。
「がっかりしましたか?」
「いや」
「……ふーん」
 本当に来てなくてよかったと思う。何せ、八坂は見える人であるにも関わらず、それを見て失神してしまう程の怖がりなのだ。
「それで、田場さんはここで何してるんですか、……って、まあバスを待ってるんでしょうけど」
「あー、いや……」
 確かに傍から見たらバスを待っているようにしか見えないだろうが、だからと言ってはいそうですと嘘をつくわけにもいかない。
 こちらの歯切れの悪さに、彼女は何かを察したらしい。
「え、ちょっと……」
 ちなみに彼女はこちらの妙な趣味のことを知っている。
「このバス停、何か変な噂でもあるんですか」
「バス停じゃない。そこのガード下に」
 一通り概要を説明すると、彼女は胡散臭げに眉をひそめた。
「……それ、あの子には言わないでくださいね。ここ通れなくなりますから」
「分かった」
「それにしても、本当に一人で来ているんですね」
 それに関しては、以前会った時に包み隠さず話しているのだが。
「ちょっと大げさに言っているのかなと思ってました」
「そうか」
「それで、見れたんですか?」
「いや」
「ですよね」
 しばらくの沈黙。
「……その人たちは、お互いを探しているのに見えてないんですか」
 飯野が言った。
「互いを探しているのかは分からないけど、そういう話もある」
「で、田場さんも、見えてない」
「うん」
「誰も何も見えてないじゃないですか」
「今のところは、そうなるな」
 彼女がこちらを見やる。そうして呆れたように息を吐いて、何故か少しだけ笑った。
「……ハッピーエンドでもバッドエンドでも、他人の色恋沙汰の結果なんて、何が面白くて見に行くんですかね」
 なるほど、他人の色恋沙汰の結果か。
 何が面白いのか考えてみたが、確かによく分からない。
「そうだな」
「そうだなって……、いえ、田場さんのは趣味ですもんね」
 そうして彼女は目を閉じこめかみの辺りに指を当て、「……ごめんなさい。今、少し酔ってるので」 と言った。
「……酔ってるついでに言わせてもらえますか」
「うん」
「あの子、今日呼ばれてないんですよ」
「ん?」
「結婚式。同じクラスだったんですけどね。他の子にも確認したんですけど、真理にだけ招待状が来てなくって。腹が立ったんで私も行かないつもりだったんですけど、あの子が絶対行けってうるさいので……」
 そうして彼女はふうと息を吐いた。
「例えその人間に嫌われていても、わざと結婚式に呼ばれなくても、ハッピーエンドじゃないと駄目なんですよ、あの子は」
 道の向こうからバスがやって来ている。たぶんあれが最終の便だろう。
「馬鹿だと思うでしょう?」
「いや」
「……ふーん」
 目の前にバスが停車し、音を立ててドアが開く。
 こちらにぺこりと頭を下げ、彼女がバスに乗り込む。
「……見えるといいですね」 
 別れ際、彼女が振り返りそう言った。言葉を返す間もなくドアが閉まり、バスが走り去っていく。
 小さくなっていくバスの後部を眺めながら、彼女の最後の言葉の意味を考える。本心ではなかっただろうが、皮肉にも聞こえなかった。
 しかし確かに、彼女の言う通りだ。
 ここには見えない人間しかいないのだから。
 バスを見送ってから、さらにもう一時間ほどガード下を眺めてみたが、結局何も出なかったので帰ることにした。
 高架橋の下をくぐって駅に戻る際、丁度頭上を電車が走っていった。
 暗がり、ごとんごとんと空気が揺れる中、ふと立ち止まる。
 ――――さん。
 誰かが誰かを呼ぶ声がした。
 電車が過ぎ去り、それは、近くの民家から明かりと共に声が漏れているだけだと知れた。


 
 自宅である大学近くのぼろアパートに帰ると、いつものように酒とつまみと暇と空腹を持て余した隣部屋のヨシがやって来た。
「よー、お前また行ってきたのか。ホント好きだな」
 訳知り顔でヨシが言う。
「今日はどこだよ」
「駅近くの高架下」
 適当につまみを作って出してやり、乾杯をしてから、一通り概要を説明してやる。
「ほーん」
 酒を飲み飲みつまみを食い食い、ヨシが言った。
「お互いに見えてないのね、そいつらは」
「噂ではな」
「で、いつも通りお前も見えてないと」
「そうだな」
「想像してみたら、なんか間抜けな光景だな、それ」
 飯野にも似たようなこと言われたな、と思う。
「あーでも、向こうにはお前が見えてたかもしれないのか」
「ほう?」
「でもその場合あれか、『何あの不審者、ずっとこっち見てるんだけど……』 みたいな感じになるだろな」
「ほう」
「どっちにしろ間抜けだなそれ」
 反論しようかと思ったが、何も思い付かなかった。
[ 2018/08/14 ] ◆UtLfeSKo

[ 163256 ] NO TITLE

>>163255
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2018/08/14 ] ◆Ahsw8Nok

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