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怖い話&不思議な話の投稿掲示板 過去ログその16

「過去ログその15」の続き
[ 73138 ] 埋没少女
昭和50年代。わたしが中学生の頃の話です。
当時、兄の趣味はラジコンで、週末には兄やラジコン仲間にくっついてあちこちの
空き地へ出かけるのが楽しみでした。
エンジン駆動でかなりの騒音なため、大抵は海沿いの干拓地で遊びます。

ある日、お正月を少し過ぎた頃。いつものようにラジコン談義に花を咲かせる兄たち。
少し遠いが好条件な干拓地があると聞いたお仲間の誘いで、早速行くことになりました。

昼食と準備、別の仲間を誘ったりで出発したのはお昼少し過ぎ。
わたしを含め4人で車に揺られること1時間超、もうすぐ到着だと情報主が言いました。
街をはずれ干拓地までまっすぐ伸びる無舗装の農道をガタゴトと進むと、道の両脇に
資材置き場がありました。

青いビニールシートが掛けられた足場資材や高さ2~3メートルの砂利の山がいくつか。
小屋や建機はなく、それほどモノは多くありません。
よくある光景なので何気なく眺めていたところ、7~8メートルほど離れた日当たり良い
砂利山の斜面に、場違いなピンク色の服らしきものが見えました。

「ちょっとまって。あれ何?」とわたしが指差すと、車が止まり皆が一斉に見ます。
「・・・女?」「子供?」
よくよく見ると、10代前半と思しき女の子。
赤いイヤーマッフルと、濃いピンクのジャンパー。さらさらの前髪。
見た目は、いたって普通の女の子です。
ジャンパーが口元までずり上がり、砂利山の頂上に頭を向た仰向けの姿勢で目をつぶり
胸の少し下あたりまで埋まっています。

「まさか死体?」「人形じゃない?」「見て来る」「やめとけ!」車内騒然。
「なにやってるんだろう」「変な子かな?」「生きてる?」観察すること数十秒。
「警察に・・・」とわたしが言いかけたとき。

そよ風が吹いたのか、イヤーマッフルのファーと前髪が、ふわっと揺れたかと思うと、
頭がふいと向こう側に向きました。

「生きてる生きてる!」「日当たりいいからな」「脅かすなよー」「なんで寝てるんだろね」
口々に安堵と笑いをもらしつつ目的地に到着すると、既に別のグループが遊んでいました。
挨拶をしつつ「ああ、さっきの子はこのグループのお連れさんだろう」と考えました。

遊ぶこと数時間、別グループが帰ってしばらく後、黄昏の中片付けとゴミ拾いをして
帰路に着きました。

先の資材置き場にさしかかりました。疲れたのか皆無口です。
わたしはといえば、まさかもういないよねと思いつつ砂利山を確認。
うん。いません。

・・・いや・・・いました。

道を挟んだ向かい側、先程より少し離れた別の砂利山の斜面。
夕日に照らされた砂利山の影側に、今度は肩の少し下まで埋もれています。

皆の雰囲気で言葉が出せずに固まるわたしを肘でつつき、兄がこっそりと言いました。
「一応警察に言っとくけど、もう変なもん見つけるな」

その件は以降一度も話題に上りませんでしたが、思い返すとちょっと変です。
積んだままの状態のきれいな砂利山に、すぽっと埋まっていたんですよ女の子。
腕も含めて。
[ 2015/01/19 ] そらりす ◆-


[ 73148 ] 草履バッグと赤い鯉
昭和40年代、わたしが小学生の頃の話です。
わたしの趣味は釣りで、暇さえあれば道具とおやつを自転車に乗せ釣り三昧の日々。
兄も釣り好きで、時には兄弟で釣り大会に参加していました。

ある日、少し遠い地区の沼で釣り大会が催されました。
沼を干すため、その前に鯉釣り大会を行うとのことでした。
結果から申しますと、参加者40名ほどのその大会で釣れた鯉は3匹で、兄が優勝でわたしが
準優勝だったのですが、そのときの出来事です。

アタリも無いまま大会も後半戦に差し掛かった頃、誰かが釣れたとの触れ込みがあり、
二人して焦り半分諦め半分の中、小声で冗談を言い合いくすくすと笑っていました。

わたしは「トローリング戦法」と称し、兄を尻目にゆっくりと移動をしていましたが、
ほどなく何かを引っ掛けました。
引き上げてみると、泥にまみれた灰色のガマ口タイプの和装バッグです。
仕掛けから外そうと手を伸ばしたところでバッグが落下し、泥水・布・扇子・赤い紙や
数珠など(全てらしきもの)がザバリと出てしまいました。

数珠に多少おののきましたが、兄を笑わせる千載一遇のチャンス。
バッグを掲げ「釣れたよー!」と声を掛けると、
やや離れた距離感で「そけおいて(そこに置いて)」と聞こえました。
ん?兄の声か?おっ、兄笑ってる笑ってる。よしよし。

また投げ込むのも何だしなと、残りの泥水を出してすすぎ、流れ出たものを
詰め込んでガマ口を閉じ、さてどこに置こうかと足元を見ると、

そばの草むらの中に一揃いの、泥まみれだけどきちんと並んだ草履があります。
色合いも柄もバッグと一緒と気づき、走る戦慄!
なぜ?いや深く考えないでおこう。とりあえず一緒にしておいた方がいいよね、と
バッグを草履の上に寝かせるが早いか平静を装いつつ足早に兄のそばへ戻りました。

仕掛けを投入して座り込み、「・・・にいちゃん、草履もあったよ」と告げると、
『リン、チリリン』返事をするかのように、兄の竿の穂先につけた鈴が鳴りました。

慎重にアワセる兄。大きくしなる竿にどよめき、タモ網を持って駆けつける釣り人たち。
悲しいかな釣りキチの性。先ほどの恐怖は吹き飛びタモをひっつかみ水際へ。
兄の糸の先を見つつ、魚の取り込みに適する場所を探していると、
『シャリン・・・』えっ?わたしの?まさかwお祭り(近隣と糸絡み)?いや来てる!!

大会終了間際のダブルヒットに応援の声、タモを変わってくれたおじさんありがとう。

兄と離れつつ慎重に寄せると、上がってくる魚影が・・・赤い・・・
兄は50センチ超の真鯉、わたしはそれよりやや小さいけれど、丸々と太った緋鯉でした。

その沼がある地区に住む兄の友人によると、少なくとも大会前数年は沼で事故や事件は
なかったはずとのことです。

冠婚葬祭に多少関わりのある仕事をした際、「草履バッグセット」なるものがあると
知ったのは、ずっと後のことです。
[ 2015/01/19 ] そらりす ◆-


[ 73172 ] 恐怖のUFO
これは兄が体験した話です。

本人から何度か聞いた話ですが、伝聞口調では長くなるので、さもわたしが体験したように
語ってみます。

・・・
昭和30年代、わたしが小学生の頃の話です。

当時、映画館は少なく、わたしの町ではまれに小学校で校舎と白幕を利用した
カーシアター(ドライブインシアター)のような催しが開かれていました。

夏休みのある日、祖父にこの催しに連れて行ってもらったときの出来事です。
上映された映画は、大人も楽しめるアクションものだったと思いますが、よく覚えていません。

映画に飽きた頃、休憩がてらに星空を眺めようと明かりが届かない、芝生がある中庭へ行きました。

自分が通っている小学校なので、勝手はわかります。
校庭には多くの人が居るので別に怖くもありませんでした。
蒸し暑い中、うちわで蚊を払いつつひんやりした芝生に寝転がって星を眺めていると・・・

上空に、足元から「逆V」状に並んだ金色っぽい5つの明るい光が、ゆっくりと飛んで来ました。
飛行機か?と思いましたが、目を凝らしても光と光の間が機体や翼で遮られている様子はなく、
動かぬ星が見えています。
映画音声の合間にも飛行音らしきものは聞こえず、全てが同じような色で明滅もしていません。

おお、噂に聞くUFOか!と興奮・・・しません。それどころか何やら不安を感じます。
光がさっきより大きい・・・間隔が少しずついびつになって、しかも広がっている・・・
降りてきている!そう感じたとたん、得体の知れない恐怖に総毛立ちました。
とにかく一刻も早くここを離れなければと、腰を抜かしつつも祖父にすがりつき、
「じいちゃん腹が痛い帰ろう!」と必死に訴えました。
切羽詰った様子に、そりゃいかんとわたしを背負い猛然と帰路に着く祖父。

負ぶされ際にちらりと見ると、長いすに座った数名が夜空を見つめています。
中には手で映画の光を遮って見上げている人もいます。
気のせいじゃない!あの人たちも見てる!
家まで200メートルほど。怖くて怖くて必死で目をつぶり祖父にしがみついていました。
大丈夫か、もうすぐ着くぞ、という祖父の声が救いでした。

数日が経ち、事件や噂話などは特にありませんでしたが、しばらくは夜が不安で眠れず
暗くなったらなるべく外から見えないように怯えながら生活しました。

やがて夏休みも明け、学校ではUFOを見たと吹聴するわたし以外の何人かが大人気でしたが、
証拠も報道も無かったためか、あっという間に沈静化しました。
・・・

それ以来兄はUFO関連話が嫌いになったらしく、今でもこう言います。
「幽霊なら、元は人だし出てくる理由もまあわかる。でも、UFOはやばい。
飛行原理も、目的も、一切わからん。全く理解できないものほど怖いものはない。」
[ 2015/01/20 ] そらりす ◆-


[ 73181 ]
私は割と見える方なんだけども、その中でもとてもな気分になったというか、そんな話。フェイクはいります。

私はちょっと特殊な学科に在籍しているんだけど、何かの講義で「自分の身の回りの文化財」をフィールドワークしてレポートに纏めるっていう課題が出た。
その時に私が選んだ近所の神社での話。
その神社の拝殿の前には椿の若木が対になるように置かれている。その椿は、枝におみくじを結ぶ用なのか「結びの木」って呼ばれてた。
もう何回目かフィールドワークして、そろそろ纏まりそうだなとか思いながら境内をウロチョロしてたら、ちょうど参道からみて左側の椿に話しかけられた。本当に急に何言ってんのコイツって思うだろうけど、、。
全体が綺麗な貝殻の内側のみたいな光りの膜見たいなので包まれて薄っすらと元の境内が見えてた事を憶えてる。
それから急に可愛らしい女の子の声で「こんにちは」ってきたからもう日本人の咄嗟の反射で笑顔で挨拶返し。ここまでは良かった、その後に「なにをしているの?」って聞かれたもんで、容量オーバーでもうパニックな私は内心なんじゃこりゃぁあああ!!!!になっていた訳で、もう反射的に無理やり繋がりを切ってしまった。
それだけだけども自分的には神的な人?に話しかけられたのは初めてだったし、空間切り離されたのもぶっちゃけ怖かった。というかよく挨拶返せたな自分とか思った。
あと、今更だけどもっと色々聞けたりしたのに勿体無いし、めっちゃ失礼だな自分って現在進行形で思っているし、その後もその神社に参拝しに行ってる自分は大分面の皮厚い。
あ、あと残念ながら姿はみてないな、でも絶対可愛い女の子な気がする。
[ 2015/01/20 ] 森のサモエド ◆fmSqqAjM


[ 73199 ] NO TITLE
何回も出現してすみません。>>7235さんレスありがとうございます。体調は健康体に戻りました。話に出てくる人は全員同一人物なのか、全員違う人なのかそこも自分では分からないところが微妙です。全員違う人なら相当な男好きなのでしょうか。
照れ笑いされる意味が分からなかったです。
そう簡単に何かある事はないのですが、荷物で両手がふさがって居た時に自動ドアでないドアが軽く勝手に開いてくれてラッキーだったり、小さい頃の日記らしい走り書きに「左足のこれがあるから駒(名前)ってわかるの。あそこは分からなくなるから。右だと違うの」というものを見つけたり、片づけの為に下に置いていた陶器製の男雛が勝手に真ん中から割れたりしたり(寿命?)したぐらいですね。

さて、私はぬいぐるみを集めるのが好きなのですが小さい頃に貰った真っ白な猫のぬいぐるみが特にお気に入りだった。マオと名付けて布団で一緒に寝るくらい好きだった。今の家に引っ越しする際にマオが消えた。なんてことはない。母が人形供養に持って行ってしまっただけだった。理由が「あんたのお気に入りだから。いい加減解放してあげたら?」解放の意味を聞いても答えてくれず。いくつか持って行かれた。今お気に入りのぬいぐるみがあるのだが「いつかは供養に出さないとね」と母に言われている。その後しつこく人形供養に出した理由を聞くと「ぬいぐるみが苦しいって言ってたわ」と答えた母に「大丈夫?」と言うと機嫌悪くされた。凄くリアルなウサギのぬいぐるみを持っていた。これは母も持って行ってないと言う。だが、そっと消えてしまった。買い与えた父(記憶力が良い)はぬいぐるみの存在をすっかり忘れてしまった。記憶違いって怖いですよね。

母、火の玉とUFOを見たことがある。
叔母(母妹)、人玉をみたことがある。
祖母、祖父、人玉を見たことがある。
兄、目の窪んだ者と遭遇。
母方親戚、飛ぶ天狗を見たらしい。
何かを見過ぎだろ。
書いたもの以外で見たものと言えば、箪笥やテレビの裏にいた薄っぺらい女の人(絵を描いていたら「私も描いて」と言われた)襖の隙間から真っ白い指を出していた人とかぐらい。
書く意味なかったですねすみません。
ありがとうございました。
[ 2015/01/20 ] 駒 ◆Xvt/OOlA


[ 73203 ] 曰く付き物件にご注意を
体験談です。
職場の同僚に指摘されるまで曰く付き物件だと確信できなかったため、
住み続けていました。少し長くなりますが、時系列を追って書くので
一人暮らし部屋選びの参考になればと思います。
※部屋の下見は、必ず友人か誰かと一緒にいくべき。一人で決めると良くない。
※曰く付き物件にいると『普段見えない人でも徐々に見えるようになる場合がある』

数年ほど前のことですが、都内1Rに一人暮らししていました。
線路沿いの踏切近く、1階奥の角部屋で家賃は6万ほど。
一本路地を入っているので、窓さえ閉めていれば電車の音は全く聞こえない。
大きな仕事に携わることになったため、急いで引っ越さなくてはいけなかった。
今思えば、下見も不十分だったと思うし、一人で行くべきではなかった。

契約前の「一人で住まわれるんですよね?」と、ベランダ先のぼろぼろの放置バイクが気になったぐらい。
放置バイクは撤去するよう呼びかけているとのこと。
「一人暮らしで探してるんだから当然じゃないですか。たまに家族が泊まりに来る程度だと思います。」
『…。そうですか、ならいいんです。問題ありません。』
「?」
その時は単純に契約確認で、2人入居だと金額が変わるからだろうと思っていた。

引越し当日。
物件探しの時から「曰く付きだけは絶対紹介しないでください」とお願いしていた手前、
引っ越しを手伝ってくれた友人達の「なんか…暗くない?」という発言も笑ってスルーした。
確かに今思い出すと、入居前と比べて暗いな?と違和感は感じていた。

入居して1ヶ月。「地震が来るよ」楽しそうな、いたずらした時の含み笑いのような声に目を覚ます。
空耳かと思ったが、違った。激しい揺れ。
東北の大地震の影響で、勤め先のプロジェクトが軒並み頓挫し、
いきなり仕事を辞めることになった。まぁ、天災では仕方ない。
室内で視線や、シャワー時に歩く気配を感じるが、全て新生活のストレスだろうと思っていた。
酷いのは台所の天井付近のところ。照明が届かなくて異様に暗いので、照明の傘を外すことにした。
密閉されていて湿度が高い気がするので、常に風呂場は換気扇を回しておくようにした。

入居して3ヶ月。
新しい転職先が決まって、働き始めて一週間。家に帰って「ただいまー」とドアを開ける。
「おかえり」「はーい、ただい…え?」
明かりを点けるも誰もいない。少し怖くなり始めた。なんか最近ツイてないことが多い。
寝てる時に皿やコップが落ちて割れる。余震の影響だろうと考え、置き場所を変える。
妹や友人が週末遊びに来るようになった。泊まっていってくれるので、怖さや不安は半減した。
ただ、泊まると必ず怖い夢を見るというので、妹はたびたび飛び起きる。
そのうち、隣の一軒家の解体が始まり、新築工事がスタートした。
騒音がひどく、日中は家に居たくない。半年くらいの工事日程が書いてあった。引っ越したばかりなのに。

入居して半年。
仕事で会社に泊まりがけになることが多くなった。
都内で遊びたいということもあり、妹は留守がちな家主に変わって泊まりに来るが、
それでも連泊は嫌がる。アレさえなければいい立地の部屋なのに、とよく言っていた。
俺はそんな夢や幽霊は見ないので、あまり深く考えないことにする。
仕事面では評価されて、新しい職場で徐々に上向いてきたように思う。
技術職なので、オカルトとは無縁。しかし職場のビルが古いからか、度々守衛さん達の怪談を耳にする。

食器は変わらず割れる。置き方が悪いようには思えない。平置きしているのだが。
来客には謝りながら皿一枚、コップ一枚なので紙皿と紙コップを使って貰っている。
そういえば、食器少なくなったな。風呂場の換気扇たまに付け忘れてるな。…?消した覚え無いぞ。

放置バイクは相変わらず庭にある。問い合わせてみたが、依然持ち主は名乗らず。
住人の誰かの持ち物だとは思われるとのこと。
共有玄関の自動ドアがいつも開きっぱなしになっていることに今更気づいた。
スイッチをオンにしようとしたところ、珍しく同じマンションの住人に会う。
たまに開かなくなるのでOFFのままにしているとのこと。
たまに開かないってなんだよ。翌日、財布を無くす。

入居して一年。
定期的に食器が割れ続け、引越し前から持ってきた食器が全て割れたため、プラスチック製になった。
今でも何故かよく落ちるが、食器はプラスチック製なので問題はない。
立て付けにも問題はないし、電車が通らない夜中のことだから、何が原因かわからない。
年末なので大掃除も兼ねて、気になっていた台所の上の空間を開けることにする。
換気扇の配管が通っている部分、ツマミも特に無いハメ殺しになっている部分の板を外す。

絶句した。
なぜか湿布等が壁に向けて並べてあり、前の住人(数年住んでいた独身中年男性)の持ち物と思われる、
古びた書類やらゴミがけっこうあった。入居前に全部掃除したと聞いていたのに。ずさんな管理に呆れる。
以前の持ち主は退去も問題なく、部屋も荒れてなかったとのことだったが…。
とりあえず一切合切捨てる。今まで家の風呂(台所が隣)に入るのが何故かイヤでジムのシャワーばかりだったことに妙に納得した。
台所の上になんかあったからだ。と。

入居して一年半。
職場の同僚から、事故物件サイトの話を聞く。
自宅は該当していなかったが、通りを挟んだ向こう側やら、周囲にはそれなりにあった。
見なければよかったが、自宅が該当していないのには安堵した。
やたら神社や、庭の小さな稲荷やら、霊園や墓地が目に付く。

やはり線路沿い、特に踏切近くはあまり良くないのだろうか。
色々つけていた財布や鍵や携帯のお守りストラップが全部どこかに行ってしまった。
千切れた紐だけが残っている。
おみやげで貰ったお守りのストラップをつけてみた。3日で無くなった。
気付いたこと。廊下の明かりがいつも入居時からいつも誰かに消されている。
ゴミ捨てに行って帰ってくる数分で消されたりする。
朝、明かりがついていたことがない。が、誰も消してないらしい。

電話していると、時折ノイズで聞こえないと言われたり、いま部屋に一人?妹さん来てる?とたびたび聞かれる。
からかわれているのかと思ったが、そうではないようだ。
携帯が壊れたので、スマホにする。
LINEやSkypeで友人と話していると、室内のwifiを使っているのにノイズが酷く、仕方なく通常の通話にする。
引っ越してからPCがよくブツッと電源ごと落ちて再起動する。
修理が必要かと思って見てもらったり、電源コードも変えた。しかし故障ではないとのこと。

入居してもうじき2年。
…視線を感じるのやシャワーの際の気配くらいは気のせいしてきたが、
終電で帰って、寝ていると明け方4時にドアチャイムを鳴らされて起きた。
不審がって覗いてみると、真っ暗で何も見えない。
ドアを開けても誰もいない。それより足音やドアの開閉音もなかった。

色々あったので、曰く付きほど酷くないにしてもと友人からのすすめで、
初詣のついでに天然岩塩の塊やパワーストーンとやらを買っておいてみた。
お守りも見かけたら買ってつけるようにしているが、笑ってしまうほどよく無くす。
朝、駅前の線路沿いの脇道を走っている時に、踏切の前でお守りの紐が音を立てて切れた。
買った大きめのアメジストが一週間でまっぷたつになっていたのは笑った。
近所の踏切を夜中通ると、引っ張られたりつまづいたりする気がする。近隣住民も避けているようだ。
買い物帰りにビニール袋が裂けて中身が飛び出すことも何度かあり、それ以来はエコバックにしたが
何となくタイミングの悪さを感じて、踏切を避けて遠回りして帰るように帰り道を変えた。

入居して2年少し。
友人が遊びに来て、徹夜でゲームしているとドンドン?ゴンゴン?とドラムか洗濯機のような音がする。
時刻は深夜2時過ぎ。夜だから音は小さくしていたが、ゲームしている自分たちより大きな音。
『こんなうるさいのよく平気だなー。何の音だ?洗濯機?引っ越し?』
「いや、うるさいなって思ったこと無いよ。深夜帰ってきても。たまたま、今日はうるさいみたいだけど」
『ふーん…コレ、毎日だったら大変だな。やっぱ都会は住みにくそうだ』
「だね。できれば早く引っ越したい。まぁ耐えられないわけでもないし、夜洗濯は俺も申し訳ないと思いながらたまにするし…深夜じゃないけど。」

音は1時間近く続いたが、たまにはそういうこともある、と済ませていた。
その頃から、正直家にはいたくなくて休日は外にいることが多かった。
疲れが取れなくて仕事で大変なことも多かったが、家にいる時のような不安感はなかった。
心底、早く引っ越したいと思っていた。しかし、色々問題もあって金銭的に余裕がなかった。

入居して2年半。
部屋の配置がいけないかもと思って、手伝ってもらって模様替えをした。
泊まりに来た時、いつも妹が寝ていた場所にベッドを移した。台所と放置バイクを直線で結んだ中間点。
何がいけなかったかわからないけど、多分それがマズかった。
自宅で起き上がろうとした時に、ぎっくり腰になり、歩けなくなった。起き上がることもできない。

しばらく絶対安静で、動けないまま家にいた。
痛みで長時間眠れず、少し動いただけで激痛に目を覚ますくらいだった。
深夜の洗濯機の音は毎日毎晩続いているのだと、初めて気がついた。

生まれて初めて間近で『幽霊としか表現できない焦点の合わない白い人』が台所にいるのを起き抜けに見た。
目が合ったことに驚いている雰囲気が向こうからも伝わり、
しばらく目を瞑った後目を開ければいつも通りの、視線を感じる台所だった。
その後、診察を受けてレントゲン撮影時に、視界の隅から黒い影のようなものに包まれて、激しい嘔吐感と悪寒が駆け上がり気絶した。

風景だけの正夢を見ることは日常茶飯事だったが、霊感は無いと普通に思っていたし、心霊写真なんて信じてなかった。
怖がりだから、曰く付き物件はヤラセでも絶対に嫌だし、幽霊は見間違いであってくれと切に願った。
こうしてココに書き込んでいるのも、あの時みたいな曰く付き物件に関して、何か有益な情報がないか探しているから。
最近わかったのは、曰く付き物件にいると『普段見えない人でも徐々に見えるようになる場合がある』らしいこと。
年末年始に置いた塩を確かめてみると、握りこぶし大の岩塩が見事に溶けていたが、湿気のせいだと思いたかった。

慌てて妹に告げると、多分同じものを何度も見たと話していた。つまり入居時からずっといたんだろう。
寝込んでいる間に、色々調べた。オカ板をネタじゃないかもと思って、怖いながらも曰く付き物件に住んでるかもの記事を読んだ。
和菓子が嫌いだったんだが、家にいるときは餡子入りの和菓子しか美味しいと感じられなくなった。3食餡子入り。
幽霊が見えるようになるには、陰の食物を取れって記事にも行き着いた。餡子入りの和菓子とか有効らしい。
見たいわけでも、好きなわけでもないのに俺はその頃から餡子入りじゃないと食べられなくなっていた。

動けるようになって、昼食を共にする同僚達に思い切って曰く付き物件に住んでるかもしれないと相談した。
餡子嫌いなのに和菓子が主食になったこと。都内に引っ越してから色々あったこと。洗濯機のような騒音。
大家や同僚への証拠代わりにと思って深夜の騒音(洗濯機音)をスマホで録音しようとしたのだが、
時々ノイズが混ざるだけで基本的に無音だった。笑った。
あれだけドコドコ鳴っているのに、天井付近でも録音できない。しかし友人が来た時には確かにうるさいと言っていた。同じ音なのに。
深夜、毎日毎晩続くのでベランダから上の階を見上げてみた。部屋の明かりは消えていたし、洗濯機は動いてないようだった。
そもそも1時間以上、脱水し続ける洗濯機なんて無いと、後から話してて納得した。webカメラのマイクでも録音できないはずだ。

最初はみんなネタだろと笑って半信半疑だったが、真剣な悩みだとわかるとお祓いを勧められた。
お参りもロクにしたことが無いのに、初めて神社にダッシュで(半月でやっと歩けるようになったので)
携帯用のお守りと、1000円の家内安全のお守りを買ってきた。
ちょっと高いゴキブリ対策?(失礼)だと思って、台所の天井に貼った。
初めて視線が弱まったように感じた。洗濯機音は止んだ。
それから3ヶ月、週末は必ずお参りに行った。徐々に和菓子を食べなくても大丈夫になった。顕著に効果が現れたと言っていい。

入居して2年半と3ヶ月と少し。
帰った時に、ガムテープでビッチリ貼った家内安全の札が、外れかけてた。
視線を感じるようになり、ハッキリと自宅の雰囲気が暗いと分かるようになった。夏なのに。
エアコンも調子が悪い。ガタガタ言う。
明日になったらお参りに行こうとベッドに倒れ込み、枕元で真っ黒い人影がニヤァッと満面の笑みだった気がして飛び起きる。

慌てて神社に行き、新しいお守りを買って財布に入れる。
帰りに財布を落としたのに気付く。財布紐(代わりの財布のストラップ)が切れていた。
以降、退去するまでの3ヶ月間、高熱が続いた。餡子入りの食品を中毒のように買い占めて食べる。
新しいお守りも、家内安全の札ももう効果は無いようだった。

病院でも原因不明で薬も効かず、熱が下がらず、
気分が滅入り、何故か死にたいと思う日々が続く。吐き気も酷く、急激に痩せた。
風呂や収納のドアは、キィッと触れてもいないのに少し開いたり、窓を開けると近所の犬が吠え出す。
置いた食器が並行にズレて…何かに押されるように落ちる瞬間もついに目撃した。
食料だけ何とか買って帰るとすぐポストがパタンと閉まる音がするが、覗いてみても真っ暗。
今さっき明かりが付けたはずの廊下はもう真っ暗だった。誰かが覗いているみたいに。
視界の端に人影がチラつき、家内安全どころか家内不安だった。
そして、とにかく急いで退去することを決めた。

荷物をまとめている間も衰弱していて、引越し業者に支えられて辛うじて立てた。
「あの、まだ玄関、誰かいませんでした?」
「…いません。いるはずないです。一人暮らしです。開けますか?」
「いえ…そうですか、ですよね単身引越しで来てますんで。今朝お電話の時、にぎやかだったので」
余裕がなくて、キレ気味にそう言ってしまった。
部屋を最後に出るときにまで、誰か居る感覚とか。幻覚じゃなかった。笑った。電話の時ってなんだよ。

住人は入れ替わりが激しく、毎年何人か引っ越していた気がする。
確かに『即死するような曰く付き』ではない。ではないが…人が住めるのだろうか?
その日、自宅のそばの踏切を久しぶりに渡った。

比較的新しい卒塔婆が加わり、並んでいた。
電柱にはいつも事故証言募集が貼られていたのに、同じ踏切でたくさん事故があるということに俺は何故か気付かなかった。
ここ数年の事故のことも。半年ほど前の事故のことも。思い返せばタイミングに心当たりは多い。そもそも物件下見の時さえ。
事故物件サイトで見たバツ印と踏切事故の記憶を重ねると、近所は真っ赤だ。
これだけ起こっていれば、木札一枚で3ヶ月保っただけマシだったのかもしれない。
ゴキブリホイホイだって、中身がいっぱいになったら意味が無い。
…人身事故が多発している駅の踏切。そのすぐ近くに住んでいると理解したのは、退去した日のことだった。

入居前には、近くの踏切や噂などもよく調べることをオススメしたい。
幽霊なんて見たこと無いって人はいるでしょう。自分もそうでした。
パソコンもスマホもある時代に幽霊なんかいるわけがない。
いや、『あれは幽霊だったかどうかは今でも俺にはわからない。』
ただ実感としてあるのは、『大なり小なり曰く付き物件は確かに存在するし、何らかの悪影響は確実にある』ということ。
怪我や災難を全てを曰く付き物件のせいにするつもりはありません。運が悪かったんでしょう。
ですが俺は客観的に聞きたい。どこまでが気のせいだったのかを。

和菓子職人さんには悪いが、餡子入りの和菓子は何故か今でも美味しいと思えない。
あの時だけは何よりも美味しいと感じたのに。
もしかしたらおばあちゃんとかは、霊感があるから和菓子が好きなのかもしれない。
俺が好きなのはカスタードだ。今川焼きのクリームは好きだけどさ。
変わったことといえば、和菓子のきんつばが好きになったことくらいだ。
[ 2015/01/20 ] きんつば ◆A9WoYifE


[ 73233 ] NO TITLE
>>73203
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2015/01/21 ] 怖い話まとめブログ管理人 ◆Ahsw8Nok


[ 73429 ] 不思議なポスト
現在NY在住です。こちらで体験した不思議な事を書かせていただきたいと思います。(ちょっと長いです。すみません)

去年の夏のこと。引っ越したアパートのポストが壊れかかっていたので、彼に頼まれて、近くにあるハードウェア・ストアに新しいものを買いに言行った。とてもいい天気の日で気持ちよく、2分程で到着。(ちなみにハードウェア・ストアは日本で言う町の金物屋さんみたいな感じなんだけど、ここは工事関係者が出入りするプロ御用達店。)

カウンターにいるメキシカンっぽいオニーちゃんに「ポストけありますか?」って尋ねたら、扱ってないと言われた。でもカウンター後方の棚の最上部にそれらしき箱がある。
「あれは何?」と訊くと、「ああ、そういえば余ったやつがあったなぁ」といいながら、店員はハシゴを立てかけて前面の箱に手を伸ばした。とろうとしているのは、箱の写真から推察するに、白色の横長デザイン。頼まれたのは暗い色で縦に長いやつだったので、他のデザインは無いのかと尋ねる。無いと言う。でもよく見ると後方に黒い縦長らしいポストの写真のついた箱が….。「その後ろのやつは何なの??」「ああ・・これは・・ポストけだねぇ・・」と口ごもりながら箱を降ろしてくる店員。なんていい加減なんだと思いながら、中を確認させてもらう。写真の通り、黒い縦長のポスト。 ネジ等の備品は5cmx8cm位の透明のビニール袋に全部一緒に入れてあった。他に取り扱い説明書みたいなのが一冊。箱はちょっと古そうだったけど、問題なかったので「じゃあこれ下さい」とお願いした。

オニーちゃん店員は非常に不器用らしくて、箱のフタの閉め方が分からずあたふたしている。(差し込みを差し込み部に入れるタイプ、ピザの箱のようなやつ)箱のしまり具合があまりにも汚かったので、放っておけず「中に入っているものを再確認したいので」と嘘をつき、(オニーちゃんを傷つけたくありませんからねー)フタを閉め直す事にした。
中を再確認と言った手前、中のものを出さないわけにもいかず、まずポスト本体を取り出した。説明書と備品ビニール袋は、箱を斜めに傾けて滑らせながら取り出そうとした。(箱の長さは45cm程)ザザザザーという備品袋と説明書が箱の内側を滑ってくる音が聞こえ、2つが見えた瞬間、備品袋が目の前で消えた。???? 何が起こったかが理解できず、硬直。一緒に滑ってきていた説明書はある。
落としたのか?? ポストや箱をどけて探してみるけど、何処にもない。音はしなかったけど床に落ちたのかとも考え、そこら中を探したけど見つからない。オニーちゃん店員は接客をしていて、一部始終は目撃していなかった。「どうかしましたか?」と声をかけてくれたので、「いや、あの、ネジとかがないんだけど?」と一緒に探してもらう。カウンターの向こう側にも無い。「おかしいなぁ、俺確かに入れたんだけどなー」といいつつ諦め顔の店員は、一言「またか」と。
「またか???」目が点になる私。「本当にこのポストが欲しいのか?」と何回も念を押されて、ちょっと怖くなりつつも、急いでいたし、ポスト本体には何の問題もなさそうだったので、「イエス」と返事。
彼は、奥から新しいネジ一箱を持ってきて(そんなにいらないのに...)ただでつけてくれた。

会計時、レジのおねーちゃんに「物が消える事はこの店では何度もあるのか?」と聞いてみると「うん、しょっちゅうあるのよ」と涼しい顔で言われた。
何なんだ?本当にポスト買ってよかったんかなぁ?とビビりながら店の外に一歩踏み出す。と同時に、あんなに晴れていたのに、いきなり土砂降り。「げ、呪いのポスト?」と泣きそうになっていたら、大雨は1分程でピタリと止んで、虹がどんどん出現してきた。虹が生まれる様子は初めて見たけど、するすると下から上へと現れる姿がまるで龍のようで美しかった。出来上がったのはNYで見たことない完璧な形の大虹。しかもダブル!!ぽかんと立ち尽くすこと数分「うむ、このポスト凄いかも!」と考え直し、ルンルンと家に帰ったのだった。

私の体験した不思議な出来事でした。
読んでいただいて、ありがとうございました。
この後もポストにちなんで不思議な事が起こったんだですが、又、ご要望がありましたら、書かせていただきます。
[ 2015/01/23 ] にじこさん ◆VN7pSqYc


[ 73442 ] NO TITLE
>>73429
>この後もポストにちなんで不思議な事が起こった

ぜひ書いてください!
[ 2015/01/23 ] NO NAME ◆-


[ 73455 ] NO TITLE
すみません。不思議なポストを投稿した物です。読み直してみますと、間違えがありました。ポストけ→ポストです。うう。
あと「買いに言行った」は「買いに行った」ですね。読みにくくて申し訳ありません。また続編を書かせていただきます。ご要望ありがとうございました。
[ 2015/01/23 ] にじこさん ◆-


[ 73462 ] 落し物にご注意を
通っていた小学校は、広い霊園と畑に囲まれた古い学校で、
木造でこそ無かったものの、雨の流れに沿って黒ずんだ壁面は
お世辞にも明るい雰囲気の学校とは言い難く、墓地の上に立てられたという話に加え、
付近に街灯も少ないため日が暮れると真っ暗で、
保護者の立場になった卒業生達の体験談も数多く、怪談には事欠かなかった。
また、県内でも有数に治安の悪い地域で不審者の目撃情報がある度に、集団下校させられるほど。

落し物係として、掃除の時間や昼休みによく落し物を拾っては職員室に届けることが多かった。
今にして思えば、落し物を見付けることが多過ぎたように思える。先生方に「また拾ったの?」なんて言われてた。
冬休み前のある日、学校に忘れ物をして、慌てて取りに戻った。
グラウンドにサッカーをして何人か残っていたが、もう殆ど下校しているようだ。
それを横目に下駄箱から上履きに履き替える。靴は脱いでそのまま置いた。
日が暮れかけた学校は非常に暗かった。
省エネがブームで、廊下の明かりは放課後、掃除が終わり次第消していくため、
廊下にも教室にも明かりは点いていなかった。

二段飛ばしで駆け上がり、3階の教室に飛び込む勢いで、
急いで忘れ物を手にすると、安心と息切れでため息混じりに無人の教室を後にする。
先程は気付かなかったが、教室を出てすぐの廊下にキン肉マン消しゴムが落ちていた。
誰の落し物だろう?と、拾い上げる。
真っ黒に汚れていたが、当時はキン肉マン消しゴムに根強い人気があり、俺は特に興味なかったが
無くして落ち込んでいるであろう持ち主のことを考えると、届けるべきだと思った。
暗いし怖いから早く帰りたかったけど、結局1階の職員室前の落し物BOXに寄ることに。

階段を足早に下りながら、後ろからカシャン、カラカラと何かが落ちて転がる音を聞いた。
1階に向かう途中、振り返った2階の図書室前廊下で更なる落し物を発見する。
最近買って、すぐ無くした赤い水性ボールペンだった。
ちょっと遠目にだったが、開封シールをキャップに貼り直していたので、
その下手くそな貼り方で自分のものだと確信した。
あ、俺の!見つかって良かった。と、思いながら赤ペンに向かって歩く。
いつも落し物を届けて、日頃の行いがいいからかな?なんて思っていた。

風も吹いてないのにカラ、カラン。と、更に半分円を描くように遠ざかって暗がりの手前で止まる。
「え?」
何か変だな、と思って手を伸ばしたまま動きを止める。自分の影が伸びた先に、赤ペン。その先には真っ暗な廊下。
不意に鳥肌が立った。グラウンドでサッカーをしていた子達の声が聞こえない。
代わりに耳鳴りがしている。
この前見たトムとジェリーで、エサを置いてジェリーをおびき出して捕まえようとするトムの姿を思い出した。
左手には忘れ物の体操着と体育館履き、誰かのキン肉マン消しゴム。右手は赤ペンを手に取ろうと伸ばしたまま。
さっき、落ちた音がしなかったっけ?

図書室のドアはとっくに施錠されているようで、締まったまま誰もいない。
ドアが開く音はしなかった。閉じる音も。
赤ペンを無くしたのに気付いたのは3日ほど前にテストが帰ってきた時のこと。
じゃあ、なんでいまさっき落ちた音がしたんだろう?
忘れ物はいいとして、廊下にキン肉マン消しゴムが落ちてたら誰かが気付いて拾うくらいには人気だった。
教室に入る前は気付かなかったのに。教室を出たら気が付いた。
これは、上手く説明できないけどなんか嫌な予感がする。
『誰か』じゃなくて、『何か』がおかしい!

俺は赤ペンと持ったままのキン肉マン消しゴムが急に怖くなり、一目散に階段を駆け下りた。
1階に着いた。カシャン。目の前の廊下に赤ペンが落ちていた。
いや、落ちた。今まさに。その音を聞いた。
さっきと同じ赤ペンだった。職員室の方に向かう廊下に落ちていた。
その先は玄関があるが、怖くなってまだ日差しのある反対の渡り廊下(グラウンドに繋がっている)に向かって駆け出す。
ヒタヒタと、上履きのパカパカした足音とは違う音が階段から追ってくる。
俺はキン肉マン消しゴムを真後ろに放り投げながら、グラウンドに飛び出した。
ボンッ。キン肉マン消しゴムが廊下の壁(掲示板)に当たって跳ね返る鈍い音。
上履きのまま、グラウンドの土埃にまみれて校舎から大きく距離を取った。

そこにサッカーボールが転がって来て、「おーい」「ボール蹴ってー」と、のんきな声が聞こえた。
振り返りながら、上履きでボールを蹴り返す。サッカーを切り上げて帰るところのようだった。
一気に緊張が解けて、なんでか涙が出た。耳鳴りは止んでいた。
グラウンドから下駄箱に回り、靴に履き替えたが、結局汚れた上履きごと持って帰った。
帰り際に土足のまま廊下を恐る恐る覗いたが、赤ペンは見当たらなかったし、キン肉マン消しゴムも見当たらなかった。
そういえば壁に当たった音はしたのに、落ちた音はしなかった。

それ以来、たとえ敷地内で見かけても、落し物は拾わなくなった。
[ 2015/01/23 ] エクレア ◆A9WoYifE


[ 73469 ] 出会い頭にご注意を
進学したのは駅前に広大な敷地を持つ高校で、歴史もかなり古い。
慰霊碑なども置かれていて、怪談話は当時学生だった現役教師達からも聞くことができる。
放課後。実習で着替えた白衣のまま、日も暮れたので急いで
昼休みに借りたレポート提出の資料を返却に向かったところ、
図書室はもう閉まっていて、新しい本を借りたかったのだが
仕方なく返却だけすることにした。
ポストに本を押し込もうとするが、資料は辞書類のため厚みがあってなかなか入らない。
ひとつずつ、表紙を傷つけないようにずらしながら投函していく。

図書室は4階。
1階の階段横はすぐ玄関で、2階3階は3年生の教室だが、
冬なので、進路の決まった3年生はほとんど授業がないため学校にいない。無人の教室だ。
4階は特別室や資料室があるが、普段使われないため施錠されており、
図書室の利用者以外はまず訪れない。

誰か上がってくる。階段に足音がしているので、覗きこんでみると誰かいるようだ。
「図書室利用ですかー?今日はもう閉まっているので、返却だけなら預かりますよー」
今自分が資料をポストに詰めているため、どうせならまとめて返却しようと考えた。
司書さんにはいつもお世話になっているし。
返事がない。足音からして2階くらいだろうか?
覗きこむと、たいていみんな手すり越しに見上げて会話する位に田舎な学校である。
しかし、稀に部外者が間違えて上がってくることがあるので、
別棟の教室と間違えたのかと覗きこむ。

おかしい。3階付近になっても顔を上げて返事をしない。校舎はとても静かなのに。
というか、そもそも足音が来客&職員用スリッパでも無ければ、上履きでもない。
裸足ではないと思うが、靴下だけだろうか?冬に?ものすごく冷たい廊下と階段を?
足音が妙に響く。よく考えれば上る音は一定だが、踊り場があるのに音の間が開かない。
返却を終えたので、何となく気まずい気がして図書室側の階段ではなく、
廊下を一気に駆け抜けて反対側の階段を駆け下りる。

4階から3階に駆け下りた頃、足音は4階の廊下を同じく走ってきているようだった。
追いかけてきている。つまり、図書室に用があった訳じゃない。
3階、2階、1階は別棟との渡り廊下がある。
3階の渡り廊下を見るが、なぜか真っ暗だ。向こうの棟の蛍光灯が消えている。
そのまま2階へ駆け下りる。同じく真っ暗だった。こっちの棟も。なぜ?3年はともかく、1年や2年の教室はいつも明るいのに。
1階に降りる。上からは駆け下りてくる音がする。慌てて、渡り廊下を通って別棟のまだ明るい廊下に駆け込む。
別棟からは渡り廊下も、階段も確認することができた。渡り廊下から別棟階段横の購買部へ向かって駆け抜けた。

改めて走って来た方を確認すると誰もいなかった。安堵して壁にもたれかかる。
「先輩!どうしたんです?白衣のまま」
「うっわあああああっ!?び、びっくりした。なんだ後輩か。いきなり…。」
「いや、驚いたのはこっちですよ。先輩が急に飛び出してくるから」
「ん、何か誰かに追っかけられてたみたいで。本返してたんだけど。」
振り返って見れば、委員会の後輩だった。
乱れまくった白衣を整えながら、見知った顔にホッとした。
さっきまで誰もいない空間を走っていた気さえする。いや、たしかに人の気配がなかった。
校舎の向こうの風景も、日が暮れたのに街の灯がなく真っ暗だった気がした。
「大丈夫ですか?」
「だと思う。っていうか誰もいなかったみたい。足音だけ。勘違い、かな…。」
「ええ?じゃ、あの話マジですか?…あー。じゃなくて、今いきなり現れましたよね」
大きな足音が数歩聞こえた瞬間、振り向いたら俺が目の前に急に飛び出してきたらしい。
俺はずっと走っていたのに、その大きな足音は聞こえず、
いきなり階段の方から足音がして振り返ったらぶつかりそうになった、ということだ。
「え?渡り廊下から来たけど」
「階段じゃなくて?ものすごい足音がダンッて聞こえたら、いきなり飛び出してきました」
「は?」
「今。いや、だから追われて階段飛び降りたんですか?先輩が」
普通に歩いていれば足音は聞こえるし、まして上履きで走っていれば嫌でも足音で気付く。
にも関わらず、別棟から渡り廊下を渡って来る間の足音がしなかった。
後輩は今まで2階にいたらしく、1階に降りた直後で、階段を背にして購買部に向かうところだった。
渡り廊下から来た俺が”後輩を追い越してしまった”ことになる。俺も後輩もすれ違ってはいないのに。
白衣の人間が走っていたら、視界に入らないほうがおかしい。

この学校内で『さっき別の場所で手を振ったり見かけたのにいなかった』という話や、
『友人が急に現れた』『ぶつかりそうになった』というプチ神隠しのような話は多い。
出欠の時に先生が驚いたり。「誰か代返していたのか?なんてなー」と冗談で言うほど。
結局何だったのかは分からずじまいだが、
丁寧に返却したはずの本の表紙が一部酷く破れてしまっていて、
翌日司書さんのカバー張り替えを手伝うことになった。
[ 2015/01/23 ] エクレア ◆A9WoYifE


[ 73490 ] NO TITLE
>>73462
怖い話まとめブログまとめに掲載しました。
[ 2015/01/24 ] 怖い話まとめブログ管理人 ◆Ahsw8Nok


[ 73513 ] ナビにご注意を
自分が不可解な体験をする時は、周囲から人の気配がなくなる気がする。
迷いこんでしまったのか、棺桶か何かに片足突っ込んだかのように。
幽霊は見たことがないし、怖い話は苦手だ。
怖い話を聞いたり読むと時折涙が出るほど。
そんな何度かあった体験を気のせいだと言い聞かせてきたある日のできごと。

隠しようがないので最初に書くが場所は八王子。
深夜、迷って八王子駅から3駅ほど離れた八王子城址に立ち寄ってしまった。
どんだけ間違えれば心霊スポットに向かって逆走できるのかという、そんな話。

諸用で八王子まで自転車で行った。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、再会の喜びを祝いながら終電の時間も過ぎて、
商店街の明かりが消えゆく中、自転車を走らせた。
時刻は深夜0時頃。ちなみに酒は入ってません。

通学がずっと自転車だったため、山道でもそれなりの速さで漕ぎ続けられる自信はあった。
知らない方のために一応。八王子近辺は都内だが、東京都の西端にあり大学と山と霊園が多い。
遠回りしながら、電車と同じ沿線沿いルートで地元駅まで移動すれば
道は広くて明るいので、深夜ゆるゆる走っていれば
まぁまぁ遅くても深夜1時には家に着くはず…というところだった。

いつも通りに帰ろうと走り始めて、八王子駅を離れて数分。
折角だから近道してみたくなり、以前何度か車で送ってもらった時の
ほぼ直線コースで行こうと思った。道を引き返す。
勾配はキツイし、人も少なく家もまばらだが、
迷わなければ沿線沿いのルートに比べて15分ほど早く帰れるはず。
深夜楽しみにしていた番組を思い出し、急いで帰りたくなったのもある。
台風も近づいているらしいが、家を出た時に確認した天気では明日の昼前のはず。
風は強くなってきているが大丈夫だろう、と。

で、これが間違いだった。
携帯のナビで登録ルートを確認しながら進んでいるのに、
市街地を出るまでに迷って何度も袋小路にぶつかり、
戻ろうとする度に位置的に見えなかった墓地に出くわす。
そんな事が数回あってナビのデータが古いんじゃないかと思い始めた。

仕方なく、ナビの最短ルートではなく途中に目印となる大通りをいくつか地点追加して再出発。
信号の度に確認するも、今度はスムーズに走り続けられた。
こんなところに病院や教会があるんだなぁ、知らなかったとライトアップされた看板を遠巻きに見る。
新鮮な風景と涼しい風に気分を良くしながら漕ぎ続ける。
途中、気付くと鼻歌交じりに自転車ごと川に飛び込みそうになっていて慌ててブレーキをかけた。
前輪が川岸に飛び出していた。走るのが楽しくて仕方なくて、何もかもどうでもよくなりかけていた。
「おっと、危ない…うん、行けるいける!」

雨が降ってきた。小雨だったからそれほど迷うこともなさそうだが、
急がないと危ないかな?と思って時刻と天気図を確認した。
台風の進路が大きくズレて、雨雲が地域一帯にかかり始めていた。
深夜1時。ルートを確認するとまだ半分も来ていない。
これはミスったなぁ…元のルートに戻ろうかと悩んだ。
「ん?ま、いっか!」
自覚している慎重で臆病ではない楽観的な考えで、独り言なのに満面の笑みだったと思う。変なテンションだった。
市街地を出てからずっと車とすれ違っていない。

しかし、ルートでこの後しばらく長い直進になったので、
迷うこともなさそうだし分岐点までひた走ることにした。
青地に白字のルート表示板には、目指す地元の地名が合った。
雨はだんだん強くなり、夏なのに吐く息が白くなるほど寒くなった。寒い。
20分?30分経ったのか?分岐、ずいぶん遠いな…。
ただひたすら直進した。分岐点に到着。雨で濡れた顔を拭いながら、視線を上げる。
もうすぐ家かな?白い息をハァッと吐き出して手を温めた。
「この先、八王子城址」
「…えっ?」

看板にはそう書かれ、見ると八王子城址の入り口のほう、霧がかかってモヤが出ている。
携帯の電池が切れそうになっている。
慌てて地点確認をする。
何度か通信に失敗し、長い読み込み時間の後、
突然現在地の矢印が八王子城址になる。笑った。
一瞬理解できなかった。ワープしたのかと思った。
八王子城址の方を振り返るとドライアイスでも炊いたかのように、
モヤがスーッと広がりながら滑ってきていた。一気に我に返って怖くなった。
八王子城址。聞いたことがある。それはもう色んな話を。
具体的な部分は耳をふさいでいたが、それでも地元では知らない人のいない超有名な心霊スポットである。
まさか絶対来たくないところに、一人で来て肝試しすることになるなんて。
シュール過ぎて涙が出た。
携帯でルートを再確認しようにも電源が入らない。電池が切れたようだ。
全力で反対方面に漕ぎ出した。途中絶対振り返らないと心に誓った。

泣きながら自転車を走らせて、街の明かりが見えた頃、雨は小降りになっていた。
ちょうど傘さしてゴミ出しをしているおばさんがいたので、道を尋ねた。
冷静に考えるとびしょ濡れの人に道を聞かれてさぞ怖かっただろうと思う。
「すみません、八王子から○○へ行きたいんですが」
「な、何?ええ?どこよそこ。八王子?八王子はあっち。」
めんどくさそうに指差されたのは、東。俺が今向かっていたまさにその方角。
背にしているのは西。八王子城址方面。
何をどうやったら山に向けて1時間近く逆走できるのか。
見たことのない病院や教会は、そりゃ新鮮なはずである。一度も見たことなかったんだから。
すれ違う車がなかったことも納得だ。深夜の八王子城址に用がある人はそういないだろう。
結局、ぐったりヨロヨロしながら家に帰り着いたのは朝5時30過ぎ。
台風は逸れて、枝葉がまばらに落ちていたが俺の状況とは対照的に清々しいほどの朝日だった。

カーナビの指示通りなのに間違って霊園に着いてしまう、
そんな怪談を耳にしたのはそう間もなく。
まさか携帯のナビと自転車でも同じことが起きるとは。
いや、きっと携帯が壊れかけていたんだ。方向音痴だし。幽霊は見たことがないし。ただのモヤだった。
恐怖を打ち消すために、そう自分に言い聞かせた。
翌日、充電できなくなった携帯は”水没”扱いで、故障交換になった。
あれ以来、八王子まで自転車で行くのはやめた。
[ 2015/01/24 ] エクレア ◆A9WoYifE


[ 73869 ] 不思議なポスト 続編
「不思議なポスト」を投稿したものです。レスを頂いてありがとうございます。あんまり怖くはないのですが、どう考えても未だに訳がわけがわからなくて、私の中では謎なので、続きを書かせていただきます。

虹を見ながら家に帰って、一部始終を彼に話す。盛り上がったものの、何となく気持ち悪かったから、ポストは開封せず箱の中に入れたままにしていた。数日後、管理人さんがポストを取り替えてくれるというので、約束の日の前夜、箱から取り出す事にした。

うちには柴犬(当時1歳)がいるんだけど、生まれてからそれまで一度も吠えなかった犬が、ポストを取り出したとたんに激しくワンワンと吠え始めた。そしてポストに向かって唸りながら後ずさりしていく。よくホラー・ムービーとかで犬が突然吠える…みたいなシーンがあるけど、正にそんな感じ。ポストを持ちあげたとたん、今度は私の斜め上2メートルぐらいの空中に向かってワンワン。
黒いタキシードと帽子をかぶった背の高いおっさんが、煙のようにフワーっとポストから出てくる情景が、なんとなく勝手に頭に浮かんだ...というか映像が入り込んできた。その後、犬はポストではなく部屋の隅に向かってううう〜と1時間程唸り続けていた。私は不思議な体験は数回、感じる事はたまにあるけど、見た事は1〜2回程しかない人間なので、何がいるのかはさっぱりわからない。けど、その時...たぶん何かが部屋の隅に居た。(と思う)

次の日、1階でカー・リペア店を営んでいる管理人さんのところへ。他の人に影響はないのかなぁ?と思いながらポストを手渡すが、彼は911テロで犯人らしき人物の後をつけてCIAに報告したという強者。しかもたぶんゼロ感。そのまま電動ネジまわしでポストつけかえ作業に取りかかり、おらよっ!とあっけなく2分位で完了。

はてさて、いわく付きっぽいポストを入り口に掲げたのは良いのか悪いのか?と考えながら家に入ろうとすると、鍵がない。

うちは2階建てビルの2階で、外玄関と内玄関がある。外玄関から20段位の階段を上って、内玄関にたどりつく、という構造。外玄関は通りに面していて、防犯の為に鍵は強力な磁気ロック。スペアを作るにもあらかじめ登録した磁気カードが必要。この世の中に2本しかない鍵を無くしたら、玄関をぶっ壊すしか入る術が無くなるという、別の意味で恐ろしいアパートなのだ。管理人さんもビルのオーナーも鍵は持っていなくて、私と彼だけが持っている。入居する時に磁気カードを貰ったんだけど、スペア・キーが作れる場所もマンハッタン中で数カ所しかないらしい。

というかなり貴重な?鍵なので、当然無くさない様にもの凄く気を使っていた。沢山のキーホルダーと日本の神社で貰ったお守り、他の鍵も一緒につけまくって目立つようにしていた。出かける時には必ず確認するので、鍵が無かったら外に出る時に気がついていたはず。今回も確認したので、出る前には鍵はあった。落としたとしたら、階段、もしくは玄関周り。それとも可能性はかなり低いが家の中で落としたのに気がつかず出てきてしまったのか?

腑に落ちないのは、玄関の鍵だけがその鍵束から無くなっていたということ。その鍵は他の鍵2本でサンドイッチするようにして、しっかりと鉄の輪っかに通し、それをキーホルダーにくっつけていた。真ん中に位置する鍵だけが落ちるというのも何だか変な感じ。

彼に外玄関を開けてもらい、2人で一段一段チェックしながら階段を上り、家の中の心当たりを探しまくる。でも無い!お前無くすなってあれほど行っただろう・・と小言をくらう。「簡単に取れるような作りじゃないんだけど、おかしいなぁ・・」どうやって無くしたのかが謎で、頭を抱えこんでしまった。

悩んでいても拉致があかないのでスペア・キーを作る事に。彼の鍵を貸してもらって、ポストを買ったのと同じ金物屋さんに行き(家から徒歩2分、一番近い)まずは磁気カードから鍵を作る設備があるのかを確認することにした。カードは大事なものなので、また落とすと困る。作ってもらえるなら改めて店を訪れる。という面倒くさい(彼の)計画だ。

もちろん、見落としは無いかと、内階段、近所の路上を再度チェックしながら歩いた。鍵はどこにもなかった。

金物屋さんに到着。なんとスペア・キー・カウンターはポストを買ったのと同じカウンター。ちょっと複雑な気分になりながら「磁気カードから鍵はつくれますか?」と聞くと、イエスという。急いで自宅に戻り、とんぼ返りで店へ直行。彼も一緒に外出(別の場所へ)。再度、道すがら階段やそこら中をチェック。当然この時も鍵は見当たらなかった。

カードと鍵本体をチェックしていた店員さんが「あの〜、このカードこの鍵のとちがいますよ」と言う。へえぇえ?ということはスペアが作れないってことですか?そうです〜。ふにゃふにゃふにゃ。それはヤバいでしょう。鍵が1本しか存在しなくなってしもた〜。(汗)しかも二往復もして馬鹿みたい!超がっかり…
元気無く帰路についた。

で、ここからが訳の分からないところ。ブルーな気分で外玄関を開け、そのまま階段を1段、2段とあがって行くと、上から2段目の階段の真ん中に、あれほど探していた鍵が置いてある。「置いてある」と書いたのは、階段の端に対して鍵が綺麗に直角90度になっていて、先っぽが上ってくる私の方を指すように真正面を向いていたから。しかも階段幅のほぼ真ん中あたりに、はかったように鎮座している。角度とか場所とかがランダムだったら、落ちていると感じたんだろうけど、「はいどうぞー」というようにすんなりと、美しく存在していたので、この鍵は誰かが置いたんだと確信に近いものを感じた。
(何度もチェックしたので、外出時に無かったのは確実。彼も一緒に出かけたので、彼が見つけてそこに置いたという可能性は無し。前述のように、管理人さんも鍵を持っていないので、入れない。外玄関は鍵がかかっているので、誰かが拾ってくれたとしても、階段に置く事は出来ない)

図にかくとこんな感じ。

  ___内玄関ドア

________
   鍵(・ω・)ゞ
________階段

________

________
   私 w( ̄△ ̄;)wおおっ!
________


  ___外玄関ドア


そこで気付いた。もしかしたらポストについてきた何かが、お店に帰りたくなって、私に運ばせたのかも…で、確実な方法として鍵を隠し、お店に行くようにしむけたのかも。あまりにも私ががっかりしていたので鍵をさっさと戻してくれたんじゃないか?ちょっと社会見学にでも出かけてきたんだろうか?

ここで話は少しずれるが、学生時代、京都に住んでいた。夜中に当時の彼と行き当たりばったりなドライブに出かけた。(彼は道を熟知)ランダムな道を走ってたどり着いたのが(有名な)深泥池。そこだけは行くの辞めようと話してたのに!と急いで回れ右。全く別方向に進んだつもりだったのに、また深泥池に戻ってしまった。ちょっとガクブルで、次は本当に違う方へ行くぞ!と気合いをいれて進んでいくと、何故か道を熟知しているはずが迷ってしまって、よくわからない山奥に入って行くことに。

曲がりくねった道は一車線。ユーターン出来ず、奥へ奥へと進む。12月初旬だったので、いきなり雪が降り始め、山側から里側のこちらにむかって、道路がさ〜〜〜と凍結してくるのが見える。ヤバい!マジでヤバい!事故るよこれ。と騒いでいると、いきなり空き地のような所に出て、そこでユーターン。良かった良かったと来た道を引き返し、町についたところで、その先にみえたのはまたまた深泥池。もう、超泣きそう。で、その時考えたんだけど、深泥池で何か乗せて、山奥に運ばされたんかなぁ?と言う事。で「何か」は、2回訪れないと全部乗れなかったのかなぁ?で、今度は何かの代わりに他の物が乗って深泥池に来たとか...というか、そういう考えが頭の中に入ってきたっていう感じ。(誰かに説明されているようなというか)

(脱線が長くなって申し訳ないです)
とにかく、今回この深泥池事件を思い出して、今度もポストについてきた「何か」を、2回に分けて運んだんじゃないかなぁ〜、と勝手に納得した。(どなたかそういうことに詳しい方いらっしゃいましたら、教えて下さい・・・お願いします!)

ポストは付け替えた次の日、誰かが叩いたのか、いきなり形が変わっていた。

で、鍵紛失騒動から数日後、今度は私の携帯電話が行方不明。家の中でつい20分前には電話をしていたので、なくす事自体が不可能。
ものを紛失しすぎる、と小言を頂戴しながら、家の中を探しまくる。彼から私の携帯にかけてもらったけど、音も振動音もしない。「出費がぁぁ〜、皆の連絡先がぁぁぁ〜」と泣きそうになって、数時間後、ソファーに座っている彼の隣へ座ろうと、すこしかがんだ瞬間、ゴトッ、と鈍い音が。ふん??と2人で床を見ると、携帯が落ちている。まるで私の胸のあたり、空中から湧いて出たかんじ。顔を見合わせて、今の見たぁ??またかよ!!と叫ぶ。でも慣れっこになった私達は、あんまり驚かなかった。(今度は2人で経験したので、ソファーの間から落ちたとか、色々可能性を検討したけど、角度的にどれも不可能、という結論に。ちなみに夏なので薄着。ポケットとかはついてなかった)

もしかしたら、ポストと共につれてきた何かのせいで、家の中にポータルが出来たのかも。そ今はそういう現象は止まっているのだけど、たまに視界の端になにかが横切っているようなものがうつる事はある。一体なんだったんだろう?
[ 2015/01/28 ] にじこさん ◆JicBqqdM


[ 73893 ] NO TITLE
某ホテルのレストランスタッフである私が、職場で体験した話。

レストランスタッフの仕事はバイキングラインの補充だとか、簡単な清掃とか、配膳とかそんな感じ。
お客様が全員お帰りにならないと片づけを始められないので、遅くまで粘るお客様がいらっしゃると退勤が遅れる。(追い出せないしね)
そんなわけで22時頃退勤……したところで、伝票を回収し忘れたことに気づき戻る。
施錠前だったので「あれ、まだ誰かいるのかめずらしいなー」と思った瞬間、男性のものと思わしき悲鳴が聞こえた。

電気のスイッチに手を伸ばすもなぜか点かない。
仕方ないので暗闇の中を進んで様子を見に行ってみると、そこには床にへたり込む調理長がいた。
事情を聞くもパニック状態に陥っているのか、何が言いたいのかさっぱり理解できない。
「人形、人形が」といううわ言のような呟きだけはかろうじて聞き取れた。

「とりあえず落ち着きましょう?」と言ったら「……(私)さん、うしろに……」とのお返事。
背中がゾワーッってして、体温が一気に下がるような感覚を覚えた。
あ、これ死亡フラグだ、と瞬時に悟った私は、なぜか近くにあった電気釜(業務用のデカイやつ)を両手で引っ掴み、振り向きざまに振り下ろした。今にして思えばよく当たったと思う。

んで、私も見てしまった。おそらくは黒い着物を着ていると思わしき子ども。市松人形をそのまま小学校低学年くらいの子のサイズにした感じ。
現物を見てしまったことでますます怖くなり「オラァ! ウラァ! ウオオ!」みたいな雄たけびをあげながらひたすら殴打する私。調理長があげた二度目の悲鳴を幽霊の雄たけびと勘違いし、私の恐怖心はMAX。「かあちゃーん!」とか叫んだ気がする。でも殴る手は止めなかった。

何度目かの殴打が空ぶって、電気釜が床に叩き付けられた瞬間に蛍光灯点灯。そこにはもう何もなかったのだが、床には不気味な赤い液体が…orz
もうとにかく気持ち悪かったので「誰かがこぼしたイチゴジャム、あるいはトマトソース系のなにか」という強引な結論を出す私と調理長。
よく考えてみれば、勤務終了前に清掃しているのだからありえないんだが。
調理長は可哀想だったのでお帰りいただいて、ひとり残って清掃。触りたくなかったので、バケツで水を流してたら綺麗になった。

なんであんなわけのわからんものがよりによって厨房に出るんだろう…。海が近いせいもあるんだろうか。
とりあえず、電気釜が故障しなくて本当に良かったと思います。
[ 2015/01/28 ] レストランの人 ◆-


[ 74147 ]
数ヶ月前、私は事故に遭った。
相手のいない自爆事故。割と大きな事故だったようで車は滅茶苦茶、でも運転していた当人は救急隊の方を相手にマシンガントークをかます程には元気だった。
変化が表れたのは、それから約1週間後のこと。
視界の端に、ぼんやりとした影が映るようになったのだ。色は白や黒、赤と様々だった。
事故の直後だったし、疲れてるのかもとあまり気にしてなかったのだけれど、更に1週間が経つ頃にはその影はよりくっきり、鮮明に見えるようになっていた。
人の形に見えることもあって、ぶつけた衝撃で脳か何かがおかしくなったのかもしれないと精密検査を受けた。結果は、異常なし。
そんな話を職場の先輩にしたら、「それってもしや、幽霊じゃね?」と言われた。
たしかに私はオカルト好きだ。同じくオカルト好きなかの先輩と一緒に、心霊スポット探索という罰当たりなこともやったことがある。
けれど、それは幽霊の存在を真剣に信じていないからこそのこと。そもそも、臨死体験をしたわけでもない、単にカーブを曲がり損ねて事故っただけの人間にいきなり霊感なんかつくわけがない。
そう思ったけれど、これも先輩なりの慰めかも……と思うことにした私は、先輩と2度目の心霊スポット巡りをすることに。
因みに1度目は廃ホテルだった。何も起こらなかったけれど。
2度目となる今回は、徒歩でしか渡ることの出来ない小さな橋。高さがあまりないのに、何故かそこで自殺する人が後を絶たたず、「自殺の名所」という不名誉な称号を与えられている、そんな場所。
到着したのは午前12時過ぎ。橋の周辺には外灯が殆どなく真っ暗闇。
そんな中を持参した懐中電灯の、弱い光を頼りに歩いていたんだけれど、遠くの方に青白い光があることに気付いた。
でもよく見るとそれは懐中電灯の光で、しばらくするとふたつの人影を確認することができた。
お互いの姿が認識できるまで近付いてわかったのは、向こうから来たのが、ジャージ姿の男性と、ハイヒールを履いた女性だったということ。腕と腕を組んでいたから、あぁカップルで肝試ししてるんだなぁと思った。
向こうも向こうで、こちらの存在が怖かったらしい。すれ違う瞬間、強ばった笑顔の男性が「こんばんは」と挨拶してきた。
私達も同じように「こんばんは」と返して、それ以外は何も話さず、お互いに何事もなかったようにそのまま別れた。
しばらくしてから、内心ビビっていたらしい先輩が「普通の人間だったな」と呟いた。私も最初は火の玉かと思ったし、多分それは向こうも同じだっただろうねと笑いながら橋を渡りきり、また引き返してきた。この間、怖いことは何も起こらなかった。
以降は帰りの車内での会話。

「今回もハズレだったなぁ」
「そうですねぇ。でも、向こうから人が来た時は正直、怖かったです」
「あー、あの時ね。つーかさ、俺も怖いの結構好きだけど、ひとりではあんな場所行くとか、絶対無理だわ」
「……? 私も無理ですよ、さすがに」
「だよな。そう考えるとあの人、すげぇよな」
「あの人?」
「だから、橋の途中ですれ違った人。ひとりで心霊スポット来るとか猛者すぎるw いや、その前に寂しすぎるw」
思わず、「……は?」と聞き返してしまった。向こうから来たのはひとりじゃなかった。仲の良さそうなカップルだった。そう告げると、先輩は「なに言ってんの」と笑う。
「男だけだったっしょ? なに? そんな冗談言うなんて珍しいじゃん」
「いや、先輩こそやめて下さいよ。いたじゃないですか、女の人も。ワンピース着てて、ハイヒール履いてて、腕組んで歩いてて……」
初めは「えー?」と笑っていた先輩も、だんだんと「それ、マジで言ってんの?」と真剣な顔に。
ここまで来て私も、先輩には本当に女性が見えていなかったことを知った。すごく怖くなった。
それで、あの時の状況を事細かに思い出そうとして、違和感に気付いた。
まず、話し声がしなかったこと。ふたりで来ていれば、多少なりとも話しながら歩くはず。私達もそうだったように。
それから、足音。高いヒールを履いていたら、どんなに注意してもコツコツという音がしてしまう。でも、まったく聞こえなかった。男性が履いていた、スニーカーの足音は聞こえていたのに。

この話はこれで終わり。オチは特にない。
先輩とは相変わらずだし、時々この話になる。
あの女性は幽霊だったのだろうか。幽霊だとしたら、何故男性と腕を組んで歩いていたのだろうか。男性はあのあと、どうなったのだろうか。真相や後日談は想像するしかない。
今でも、私は影を見る。あの時の女性のように、他の人には見えない人間を見ることもある。
その頻度が増えている気がするけれど、それら全てが幽霊だなんて信じたくはない。
でも、もし仮にそれらが全て本物の幽霊で、私に備わったのが霊感だとしたら。このままその力がどんどん強くなっていたなら。
いつかは幽霊と対談できたり、「破ぁ!」と叫んだら除霊できたりするようになるのかなぁと考えつつ、もう一度精密検査を受けるべきか否かを悩んでいる今日この頃だ。
[ 2015/01/30 ] しおね ◆uH7qsf9s


[ 74253 ] 影絵にご注意を
母方の実家でのできごと。相変わらず幽霊は出ません。
当時3歳だった俺は、妹の出産準備をする母と共に、
母方の祖父母の家に帰ってきていた。滞在期間は一ヶ月ほど。
ハッキリ覚えているのは妹の出産が近かったからで、
初めての祖父母の実家だったということもある。
(後に祖父母が引っ越したため、そこでの思い出はそれだけ)

無口で厳格だけど、理不尽ではない祖父。
孫に寝物語を聞かせ、琴を弾き、おやつをこしらえ、
出産で忙しい母に代わり優しく接してくれた祖母。
出産準備などで忙しい母と川の字になって寝ていた。


ある夜のこと。
俺は夜中に目を覚ました。
「…。トイレ行こうかな?」
尿意はさほどでもなかったが、起きた以上はトイレに行きたい。
おもらししたことないのが自慢であった。
しかし、来て間もなくの祖父母の実家は小さな子供には広く、
トイレに行くときは迷わないよう大人達が付き添ってくれていた。

トイレ、トイレと母を揺さぶるも口を開けて爆睡。
仕方なく起きるのを待ちながら、
間隔をあけて母の顔をむにゅっ、むにゅっとサンドイッチにする。
『優しく起こして』が口癖の寝起きの悪い母は、そうやって起こすようにしていた。
ダメだ。全然起きない。

しばらくそうしている間に、尿意は収まった。
代わりに、壁に映った影がユラユラと流れていくのに気が付いた。
「あれ、なんだろう?」
不思議だな。そう思いながらも眺め続ける。人影かな?
折角だから母にも教えてあげようと
また顔をむにゅっとサンドイッチにしながら起きてー!と囁く。
一向に母は目覚めない。寝息を確認すると、確かに息はしている。
お腹の赤ちゃんもドキドキしている。大丈夫。


仕方なく、起こすのを諦めてまた壁を眺める。
最初はまばらだった人影が少しずつ増えて流れていく。
今は行列のようになり、壁の端から端へ、左から右へ流れるようにスーッと歩いて行く。
足は壁の床についていて、人影は祖父母の背丈と同じくらい。
白黒アニメみたいだ、誰か影絵で遊んでいるのかな?と。
一緒になって影絵の人に手のひらでカニさんを作ったり、狐を作って一緒に歩かせる。

15分以上そうしていた気がする。
布団から上半身だけ起こしたまま、手を動かして思いつく限りの動物で一緒に歩かせていると、
次第に影絵にも変化が出てきて、小さな子供連れの人影から、
走り回る子供達の人影、他の人の3倍くらいある背の高い人影、横に壁一面ずっと伸びる黒い人影、
牛や馬のような影、河童のような人影、角のある人のような人影、踊っているような人影、浮いている人影。
だんだんとアニメのキャラクターのようにバリエーションが増えていった。
3歳だったし、ゲゲゲの鬼太郎世代だったので、
まだ実物を見たことのないゾウやキリンと同じく、妖怪などの不思議な生き物も実在すると思っていた。

布団を端から端に4枚ギリギリ並べられるくらいの寝室だったが、
その壁を普通に人が歩く速さで何人も横断していった。
そのうち、影絵を作るのに飽きて、何人いるのか数えることにした。
「ひとり、ふたり、さんにん、よにん…えーっと、はちにん、きゅうにん、えっと、じゅういちにん…へんなかげ!」
たまに人影が重なっていたり、横にすごく長かったりするので、数えるのは意外と大変だった。
空を見上げて、雲の形から動物当てする遊びをしたばかりだった。

「はちじゅうきゅう、きゅうじゅう…えっと、いっぱいじゅうにんで、ひゃくにん!ひゃくいちにん…ひゃくににん」
更に15分以上そうしていたと思う。
まるでお祭りのようだった。
「にひゃく…お母さんすごいよ、夜なのにたくさん人がいるよ。お祭りなのかな?…にひゃくさんにん、にひゃくよにん」
母はうなされているように、時折額から汗を流していた。
左手の指で100の位を数え、右の手で十の位を、口でいちからじゅうまで数えていた。
もうすぐ「さんびゃく」というところで、段々数えるのに疲れて眠たくなってきた。
「お母さん起きてよーお母さんったら!」
さすがにしびれを切らして大声で叫んでしまった。母は起きない。
「にひゃく、きゅう…じゅうさん…?あれ?に、にひゃくさんじゅうきゅうひゃくさん?…あれ?」
左端まで指折り数え終わって(数え間違いながら)、改めて顔を上げて壁全体を見渡すと、動きが止まっていた。
「あれ?」
影がピタリと止まって一斉にこちらを眺めている格好になっていた。
「…あ、え?」
影が大きくうなずき、ある影は嬉しそうに、ある影は手招きをして、こっちにおいでよ!と促す。
子供達の影が高く高く天井付近まで飛び跳ねる。
それを見上げながら、座りっぱなしでしびれた足で体を支えながら布団から立ち上がって、
壁に一歩踏みだそうとして、気が付いた。
俺の影はくにゃっと壁の端まで届かずに折れていた。
壁の影は不思議そうに首を傾げている。かしげて一回転した。他の影は違う違うと首をふる。
そっちじゃない、と告げているようだった。
「…え、え?え?」
なんだか訳がわからないまま布団にへたり込む。
さっきまで楽しく遊んでいた影がなぜか急に怖くなった。
いや、遊んでいたのは自分だけで、影達はさっき大声を上げてから気が付いたようだった。
振り向こうとして、鳥肌が一気に立ってそのまま正面の壁を向き直す。振り向いちゃダメだ。

右手の壁の窓はカーテンがされている。左手のドアは閉まっている。正面は古くて大きな洋服タンスが横並びに2つ。
背後は…背後は寝る前にふすまを4枚、祖母と引っ張りながら閉めた。明かりはない。
祖父の使っている回転式幻燈機は、もっと色鮮やかで出てくる影は同じものばかりだった。

じゃあ、この影はどうしてできているんだろう。俺の影は壁まで届かないのに。
そもそも、影が動くならほんものはどこにいるんだろう?

影の主達は
いったい
どこを
通って?

そうだ。
俺のすぐ後ろだ。

気付いた瞬間、俺は怖くなって布団をかぶって泣き出した。
枕をお腹に抱えて布団の端を押さえつけた。
「お母さん、起きてよ!なんか変だよ!怖いよ!いっぱいいるよ!影がいっぱいいる!」
しかし母は起きない。うなされながら、寝返りをうつだけだ。
あの影は何なんだろう。あの影はどうしたいんだろう。怖い。助けて。
俺はそのまま震えていたが、布団を剥ぎ取られて絶叫して飛び起きる。目を瞑って抱えていた枕を振りあげた。
「わああああああああ」
「なーに?寝ぼけてるの?」
「ああああ、ああ、あれ?」
気が付くと朝になっていた。恐る恐る振り返ってまぶたを開けても、背後のふすまは締まったまま。
開けてみた。そこには庭に面した普通の居間があるだけだった。

祖母と母に昨夜の説明をするも、タンスの中には今はなんも入ってないわよーと開けて確認するばかり。
そうじゃないんだって!と説明するも、
3歳の子供に回転幻燈機と昨夜の影の違いが説明できるはずもなく
分かってもらえなかった。
もう少し大きくなって、祖父母が引っ越しをして
新しい家に招かれた時、影のことを改めて祖母と話した。

「そうかい、まだ小さかったから教えてなかったけど、昔戦争があってね。あの辺りでは沢山の人が亡くなったのよ」
「え?」
「そういう人達がまだ道に迷っているのかもしれないね」
普段戦争のことを話したがらない祖母は、遠い目をしながら重い口を開いてそう言った。
切なさと悲しさで申し訳なくなったので、俺はそれ以上話を続けられなかった。

あの影は本当に人だったの?と。
[ 2015/02/01 ] エクレア ◆A9WoYifE


[ 74641 ] かくれんぼにご注意を
ここで同じような体験を読んだので、書いてみる。
生まれる前の記憶みたいなもの…って、半分くらいオカルト?

最も古い記憶になると、3歳前後から正確に記憶が継続している。
記憶力は割と自慢なのだが、それより前にバグッているとおぼしき記憶がある。
夢だよ。思い違いだよ。と言われればそれまでなのだが、
この記憶は「ただの勘違いではないのでは?」と思える。

幼稚園くらいの歳で、古くてボロい昭和のデパートで遊んでいた。
一緒に遊んでた女の子は若いお母さんと来ていて、
デパートで再会してかくれんぼする事になって、女の子が隠れて俺が鬼の役になった。
女の子はお母さんに「○○くんとちょっとかくれんぼしてくる」と言って、
女の子のお母さんは「じゃあ、お母さんは3階の婦人服売り場にいるからね」と手を離した。

100まで数えて、女の子が隠れるのを待つ。
洋服売り場は冬物が多く、昭和っぽい原色の服や、モコモコの毛皮ジャケットや、革製品、ファーが多かった。
かくれんぼだが、女の子は見ーつけた。と言う度に
楽しそうに笑いながら別の場所に隠れていく。
そのうち鬼ごっこになってしまい、エスカレーターを囲んでぐるぐる走り回っていた。
女の子は走っている背中が見えている距離で、冬服に埋もれて反対側に抜けようとしていた。

もう少しで追いつけるかなというところで、女の子は完全に冬服に埋まって姿を消した。

文字通り消えた。

女の子は目の前で、洋服売り場のファー付き毛皮のコートをかき分けて
そのまま反対側にいつまでも突き抜けなかった。

今でこそタンスを開けて毛皮のコートをかき分けたナルニア国物語のようだと言えるが、
当時はナルニア国物語どころかネットもファミコンも無い時代。
この状況をどう表現すればいいか分からなかった。

追いかけて、女の子の消えたところまで来た俺は目を疑った。
足元を見ても足は出てない。
向こう側に突き抜けたなら服が揺れるはずだが、反対側の服は揺れてもいない。
不自然に隠れている膨らみもない。

押しのけられた服が、何事も無く元の位置に戻る前に、
俺は女の子を追いかけて、同じ服と服の間に体を滑り込ませた。

あっさりと突き抜けた。

反対側にも大量の冬服はあったはずのに、一切無くなっていた。
一瞬だがなんとも言えない感覚があった。

振り返る間もなく、女の子の悲鳴が聞こえる。
「キャーッ」
慌ててエスカレーターの方に駆け出す。

妙だ。蛍光灯は点いているのに、視界の半分より上が薄暗い。フロアの端が見通せない。
エスカレーターも止まってる。
人の気配はあるのにお客さんが誰もいない。
床も古いなりに磨かれていた床から、ところどころヒビ割れてボロボロになって
掃除されていないようだった。

何よりハッキリと子供心にも印象的だったのは、
売っている服や物が全て夏物になっていたこと。
一瞬で品物が全て夏服などに変わり、薄暗い無人の売り場になってしまったこと。
閉店後の店内ほど暗いわけでもない。しかし、デパートの店内放送もない。

なんだこれ?何が起きたんだ?
とにかく女の子が危ない!
女の子の聞き慣れた足音はしている。走ってエスカレーターを上って行っている。
ひとつ上のフロアだ。
止まったままのエスカレーターを駆け上がり、女の子を探す。
いた。
「見ーつけた!一体大声でどーしたの?」
「ギャーッ」
「え?どうしたの?まって、まってよ!」
悲鳴がより一層大きな泣き声混じりになって、泣きながら逃げ出す女の子。

その反応に呆然としてしまい、また女の子との距離が離れてしまった。
何であんなに驚いてるんだろう?
再度エスカレーターを駆けまわり、差を付けられた女の子を追いかける。
いつのまにか自分の足音しかしなくなっていた。

しばらく駆けまわって、やっと女の子を探した。
セールワゴンの下に隠れてガタガタ震えていた。
「○○ちゃんやっと見つけたー。…どうしたの?怖かったの?ごめんね」
女の子は泣きながらぶんぶんと首を振る。何を聞いても喋らない。
口に人差し指を当てている。
「静かに?かくれんぼ?」
うなずく女の子。
仕方ないから、同じように黙ってワゴンの下に潜り込んで、
落ち着かせようと女の子と一緒に隠れる。
「大丈夫だよ。大丈夫。」

しばらくして、女の子は落ち着いてきたようだった。
一体何があったんだろう。
足音が近づいてくる。
心臓の音が大きくなる。
誰だろう?誰だろう?3階にも何階にも女の子のお母さんも、
話し声はするのに人は誰もいなかった。
どうか隠れていることがバレませんように。そう願いながら呼吸を止める。
不意に辺りが暗くなる。
女の子が後ずさる。後ろに誰かいる?
俺は振り返る間も無く、そのまま右足首を凄い力で掴んで引きずり出された。
逆さまに宙吊りにされていく感覚。
ブツッ。録画に失敗したかのように。
そこから記憶が無い。何を見たのか分からない。

暗転。

そしていきなり、明るくなったと思ったら、
小学校の体育館で集団予防接種の注射を受けて泣く『6歳?から突然3歳の別人になった』自分の記憶がある。
旧6歳以降~新3歳の記憶が無いのは、多分死んだからじゃないか?と思う。
今でも、あれは夢だったことにしたい。
理不尽で納得のできない

その後しばらくして妹が誕生した。

それからしばらく、記憶も薄れた数年後。
小さい頃からよく世話をして、仲の良い妹は
ちょっと離れただけで火の付いたように泣き出す。
鬼ごっこやかくれんぼを怖がり、微妙な隙間をひどく怖がるため、
ふすまの微妙な開けっ放しはこまめに閉めたり、世話には色々気を遣った。
一人で留守番もさせられない。

妹は夜中に突然泣き叫んで赤い目の鬼に追いかけられた。と話した。
大丈夫、鬼はいないよ。大丈夫だよ。と寝かし付けて更に十年。
夢の話を母は信じず、父も信じなかった。
そもそも、両親は妹が同じ夢で何十回もうなされ続けていることさえ覚えていない。

俺が高校、妹が中学に上がる頃、またあの怖い夢を見たという。
飛び起きる様は、まさに鬼に追いかけられていたと思わんばかりに
恐怖に引き攣った顔と汗、上げかけた悲鳴。溢れ続ける涙。
それまで赤い目の鬼に追いかけられた。ものすごく怖かったから、思い出したくない。
もう夢を見たくない、と泣いて嫌がる不眠症気味の妹に初めて夢の詳細を聞いた。
それまでは何度聞いても、頑固なまでに話さなかった。

『あんまり言いたくないけど、古いデパートでかくれんぼしてて、鬼に追いかけられて隠れたのに、見つかった』
「もしかして3階の婦人服売り場にお母さんがいて、男の子も一緒だった?」
『え?うん』
「冬服のファーのついた毛皮のコートをかき分けたよね?突き抜けたら夏服で。」
『う、うん。そうだけど、お兄ちゃんに話したっけ?』
「いや、初めて聞くと思うけど、夢じゃなくてたまたま覚えててさ。」
『そう…。今のお母さんじゃない、別のお母さんとデパートに来ていて、
男の子を振りきって毛皮のコートをかき分けたはずなのに、
突き抜けた後、いつの間にか先回りしていた男の子が、10数えはじめて…数えている間にどんどん声が低くなって、
目の前で大きな赤い目の鬼に変わって、余裕たっぷりにゆっくり歩いて追いかけてきたから、逃げ出したの。』
「そうか…それは逃げ出すよな…。」
『でもまさか、あの時の男の子がお兄ちゃんだったなんて、変な感じ。名前も違って、同い年だったのにね』

妹がポツリポツリと語る内容は、想像をはるかに超える恐怖だった。
男の子に会った時には、鬼が化けていると思ったのだそうだ。
一緒に隠れた時の男の子は本物で、「大丈夫」と優しく励ましてくれたそうだ。
ただし、夢の終わりは誰かが男の子を引きずり出す所で、次は自分の番。
その恐怖のあまり目を覚ますのだという。

妹には前世の記憶じゃないか?と言うのも怖過ぎるから、
同じ夢を見たんだということにしている。
あのうなされ方はただでさえ辛いだろうに、
『それは多分、死んだ時の記憶だよ。』と、これ以上怖がらせる真似はできない。
幸いにも、最近は見なくなったようだが。

「ちょっと目を離した隙にいなくなって、神隠しらしい」
そんな話は、現代でもまばらに聞く。
「生まれる前の記憶がある」という話も眉唾ながら読んだ。
だから、そう珍しい事象ではないのかもしれないが。

神隠しに遭う話は『神隠しに遭遇すること自体』が事件であって、
それに続きがあるなんて、そんな結末が待っているなんて、
妹から聞くまで思いもしなかった。

ただの勘違いと、悪い夢であって欲しいと、切に願う。
[ 2015/02/06 ] エクレア ◆A9WoYifE


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[ 2015/02/07 ] 怖い話まとめブログ管理人 ◆Ahsw8Nok

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